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  • 金融庁の審議会報告書 不足する年金2000万円の内訳

    野党と、この件で野党に肯定的なマスコミに今一度問いたい。本当にこのまま麻生太郎金融相を追求していいのか、と。

    金融庁「老後資金2000万円不足」報告書の根底にある政府の大きな問題点
    老後の生活費の不足分は30年で2000万円に、金融庁がまとめた日本人のお金の危機的状況点

    上記の記事によると発端は今年2019年6月3日の金融庁の報告書とのことで、それはこちらの「金融審議会 『市場ワーキング・グループ』報告書 の公表について」から読むことができます。「(別紙1) 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」がその報告書です。

    全51ページのこの報告書のP10(PDF上では15/56)に「しかし、収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなる。 」という記述があり、その下の図がその根拠です。図の下に「第21回市場ワーキング・グループ 厚生労働省資料」と書かれています。

    この資料は「金融審議会『市場ワーキング・グループ』21回)議事次第」のサイトにあります。「資料2 厚生労働省提出資料」のP24(PDF上では26/52)に同じ図が掲載されており、その右下に「(出所)総務省『家計調査』(2017年)」の文字が見えます。

    総務省の平成30年5月18日の報道資料のサイトによると、統計局ホームページまたは政府統計の総合窓口(e-Stat)から御覧くださいとのことですが、前者のリンクは今は2018年の資料につながっているので注意が必要です。後者の年次(調査年)のリンクからこちらにたどり着きます。ここの「表番号 3-12 (高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別 二人以上の世帯」のExcelデータ列AT「高齢夫婦世帯(夫65歳以上,妻60歳以上で構成する夫婦一組の世帯)の無職世帯」が先の資料、「高齢社会における資産形成・管理」「資料2 厚生労働省提出資料」に使われている図の元データなのでしょう(実支出・消費支出・食料の値より判断)。このExcelデータの内容を以下に示します。一か月にかかる費用(円)です。項目はこちらで編集しました。( )内の数字は世帯人員2.0で割った一人あたりの値です。

    世帯人員 2.0
    [実支出] 263,718(131,859)
    ([実支出] = [消費支出] + [非消費支出])

    [消費支出]     235,477 (117,738.5)

    食料        64,444  (32,222)

    (食料内訳)
    米          1,944   (972)
    パン         2,012  (1,006)
    麺類         1,110   (555)
    他の穀類        434   (217)
    魚介類        7,193  (3,596.5)
    肉類         5,815  (2,907.5)
    牛乳         1,359   (679.5)
    乳製品        1,637   (818.5)
    卵           703   (351.5)
    生鮮野菜       6,131  (3,065.5)
    乾物・海藻       840   (420)
    大豆加工品      1,201   (600.5)
    他の野菜・海藻加工品 1,258   (629)
    果物         3,681  (1,840.5)
    油脂          348   (174)
    調味料        2,943  (1,471.5)
    菓子類        4,380  (2,190)
    調理食品       8,097  (4,048.5)
    茶類          942   (471)
    コーヒー・ココア     695   (347.5)
    他の飲料       1,823   (911.5)
    酒類         3,102  (1,551)
    外食         6,794  (3,397)

    魚介類と肉類で一人月およそ6,500円ですか……生鮮野菜も一日100円はどうなんでしょう。多いような。果物、調味料、菓子類、こんなに使うものなのだろうか。

    住居        13,656   (6,828)

    電気         9,138   (4,569)
    ガス         4,183   (2,091.5)
    他の光熱       1,644    (822)
    上下水道料      4,303   (2,151.5)

    家具・家事用品    9,405   (4,702.5)

    被服および履物    6,497   (3,248.5)

    家具・家事用品と被服および履物はこんなに使うかちょっと疑問です。

    保険医療      15,512    (7,756)

    交通         3,519    (1,759.5)
    自動車等関係費   16,029    (8,014.5)
    通信         8,028    (4,014)

    教育          15      (7.5)
    教養娯楽      25,077    (12,538.5)

    諸雑費       19,432    (9,716)
    こづかい(使途不明)  6,097    (3,048.5)
    交際費       27,388    (13,694)

    教育娯楽と交際費で毎月26,000円強、年31.5万円弱。もっと削れるような。あと月一万円近い諸経費って何だろう。

    仕送り金       1,111     (555.5)

    [非消費支出]    28,240    (14,120)

    直接税       11,705     (5,852.5)
    社会保険料     16,483     (8,241.5)
    他の非消費支出     53      (26.5)

    ※上記の項目について合計した際の若干の差は端数の影響と思われる。

    これらの数値に対する感想は人によりけりなのでしょうが、私は普通よりもややいい感じの暮らしをしている人の実態だと感じました。暮らしが成り立たないレベルの話ではないな、と。これは、いい暮らしをしている人が普通の、即ち一般的な暮らしをしている人よりも少ない場合に支出の費用を平均で求めると普通の暮らしをしている人の支出費用より多い値が出てしまう、ということで説明できると思います。平均で求めた以上報告書に「平均的な姿」と書くのは間違いとはいえないものの、それは一般的な姿とはいえないでしょう。

    更にいうなら、これらの支出の費用は年金に加え今まで貯蓄した財産を取り崩して支払っていると考えるべきですが、先の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」等の資料でそれに対応しているのは

    勤め先収入    4,232
    事業収入     4,045
    社会保障給付  191,880
    その他収入    9,041

    の合計の[実収入]209,198円となってます。そして、この額に貯蓄から毎月約5万円を加算して先の[実支出]263,718と釣り合う、、それが30年続くから2000万円必要という話になっています(「(別紙1) 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」 P21(PDF上では26/56)。

    これを、先に引用した報告書のように「しかし、収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなる。 」(再掲)と書いてしまうと、「赤字」という言葉から「同種の比較の結果このようになり、それが今後は必然的に起こる」と受け止められかねないのではないでしょうか。実支出は年金に貯蓄取り崩しが加わっている可能性がかなり高いのに対して実収入は年金が大半であること、また一般的にはこれほどの支出をしなくても生活できるであろうことから、「この実支出の要素として年金と貯蓄の取り崩しが考えられる。同様の支出を保つためには現状ではこの算定の実収入の大半を占める年金に加え2000万円の貯えを目標としておきたい」のようにもう少し表現を工夫したほうがよかったのではないかと思います。

    また、P21ページ目(PDF上では26/56)には「夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円~2,000 万円になる。」という記述があり、「不足」という言葉から「それがないとやっていけない」印象がします。この箇所のその後は「この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。」と続くのですが、更にその後が「当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。」と続くので、「この金額は(略)」の箇所が月5万円不足するという決めつけを防ぐ意味合いが薄れてしまっているのは良くないところです。

    この話題については、まず一にも二にも健康で文化的な最低限度よりもう少し余裕のあるそこそこの生活をするための金額を算出するのが必須でしょう。例えば、物価と栄養素表と必要な摂取カロリー量を突き合わせて必要な食費を算出したり、あるいは各月の平均気温とそれに対して必要な冷暖房費を算出するとか、そのようにして各分野で必要な支出額を求めるべきでした。実支出を用いる場合は、先に述べたようにそれが平均値である以上一般的な生活を上回る姿を反映している可能性が高いこと、そして「年金 + 貯蓄取り崩し」と「ほぼ年金」の比較をすることによって表現上の誤解を生じかねないことから良い報告書を作成するのは非常に困難なのではないかと、今回の騒動を通じて思いました。

    よって、この報告書については高齢者の一般的な実態を反映していない、というかそこそこの生活を上回る水準を絶対的な基準にして以後の算定をしてしまっている点で、受け取ったほうが無責任と言われかねない出来の良くない資料だと考えられます。麻生太郎金融相が受け取りを拒否したのも当然で、よく考えて作り直せと言われても仕方がない代物でしょう。

    野党ならびにこの件で野党に肯定的なマスコミの皆様において改めて検討していただきたいのは、上記の約25万の実支出の内容が本当にこれからを考える上で適切な判断材料か、ということです。適切だと判断したからそれを前提に論を進めているこの報告書の受け取り拒否を不適切で「前代未聞の暴挙」とみなし、故に参議院本会議に問責決議案を提出したり(否決)衆議院本会議に不信任決議案を提出したり(否決)したのでしょうが、私はこの件についてはこの実支出の内容を是とするほうが後に傷口になってもおかしくはない話だと考えています。

    ただ、今回のこの騒動に関して一つ懸念していることがあります。報道でも話題に出ているのを見かけますが、今年、2019年は年金制度改革で誕生した、年金財政に問題がないか確認するための5年に一度の財政検証が行われる年です。今回の件は確かに金融庁に非があるものの、資料を読み込んでいれば問責決議案や不信任案にいく話ではなかったと思います。金融庁が、それこそ世間と野党とマスコミに忖度して「実際の状況は相当厳しいことを今後のために伝えなくてはいけないのに非難を避けるために楽観的に見積もりをして表現を甘くする」行為にでないか心配です(実際の状況は相当厳しいかどうかは私にはわかりませんが)。それこそそんな行為にでるべきではないというのはたやすいですが、金融庁の方(かた)も過失以上の過度の非難は受けたくないでしょうからそのような思いに至ることもなくはないとみています。それこそこの件で問われているのは(誰に?未来の日本の国民から)マスコミや与野党、官僚を含めた現在の日本国民全体の政治に関する意識なのでしょう。
     
     
    付記

    なお、2000万円ではなくて「1500万~3000万円必要」とする別の試算が取り沙汰される場合があります。

    金融庁「3000万円必要」=老後資金、報告書と別に試算

    これは結局採用されなかった数値なのですが、上の記事中では「4月12日に開かれた審議会の作業部会」とあり、この資料は先に出た「金融審議会『市場ワーキング・グループ』21回)議事次第」のサイト「資料3 事務局説明資料(人生100年時代における資産形成)」のP11(PDF上では13/22)に記事と同じ試算がされていて、その枠外の下に「総務省『家計調査(平成29年年報)』における二人以上の世帯(世帯主の年齢が65歳以上)の一カ月間の消費支出より」の文字が見えます。これは先の「表番号 3-12 (高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別 二人以上の世帯」のExcelデータ列W「(うち65歳以上の者がいる世帯)の『世帯主が65歳以上』」がここで使われている図の元データなのでしょう(消費支出の値より判断)。先のExcelデータと同じ表なので、比べてみるのもいいかと思います。ただしこちらは世帯人員が2.0ではなく2.45なので、そこには気をつけてください。
     
     
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    じたばたしてもしょうがない


    そんな境地にこの曲を
     

     

    以下に、歳をとっても読みたい本を置いておきました。


  • 東京電力が特定技能の外国人労働者を受け入れる件で

    題記は朝日新聞デジタルの記事「福島廃炉に外国人労働者 東電「特定技能」受け入れへ」からです。有料会員でなくとも読めるところまでしか目を通していないのですが、それでも気になるところがありまして。

    受け入れる企業に関しては、山下貴司法務大臣が去年2018年11月7日の第197回国会・参議院予算委員会第2号で、

    「(略)今回の特定技能の受入れというのは、真に必要な分野に限って、我が国が生産性の向上であるとか国内人材の確保の努力を払っても人材の確保が必要な分野について一定の技能を持つ者を受け入れるものということで、(以下略)」

    と答弁しています。「生産性の向上であるとか国内人材の確保の努力を払っても」が今回の記事のポイントです。

    法務省の「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」法律の第二条の四に「法務大臣は、基本方針にのつとり、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野(以下略)」とあり、反映されてないようにみえるのですが「基本方針にのつとり」の文言があります。

    基本方針は「閣議決定等」特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針(平成30年12月25日 閣議決定)に「生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において」との表記があるので、間接的な表現ですが受け入れる側は「生産性向上や国内人材の確保のための取組」を行うことが条件であるといえます。なお、「特定技能運用要領・各種様式等」「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」のP1にも同様に記載されています。

    ただ、これは閣議決定された基本方針を変更すれば法律も変わることを意味するので、そこは気を付けておいたほうがよさそうです。今回の特定技能制度は、先の基本方針や運用要領の表現を使うなら、あくまでも「深刻化する人手不足に対応するため」のものなのですが、このニュースをみて妄想すると「深刻化する人手不足や、特別な事情により緊急性を要する業務に」のような感じになる可能性もなくはないのかなあと思っております。あるいは、もっとシンプルに「生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において」とか(妄想です)。

    それにしても。東京電力は「生産性の向上であるとか国内人材の確保の努力」をどれぐらいしたのでしょうか。先の運用要領のP134の後の別紙の「新たな外国人材受入れ制度」や「『特定技能』に係る在留諸申請に関する提出書類一覧表」を一通り見たのですが、どのように生産性の向上や国内人材の確保の努力を申告したのか、そのような書類が見当たらなかったのですよね。項番33の「中小企業診断士,公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書面」は特記事項に「・直近期末において債務超過が ある場合に提出が必要」とあるから違うだろうし……項番45の「雇用の経緯に係る説明書」も「特定技能運用要領・各種様式等」参考様式 第1-16号の記載例を見る限り改善を含んだ会社の説明を記載しているわけではなさそうなので、もしかしたら行政に対する報告義務はないのかと心配してます。どなたかご存知の方がいたら教えていただきたいぐらいで、私の見落としであってほしいものです。

    今回の東京電力が特定技能の外国人労働者を受け入れるにあたって、そこに至るまで生産性の向上や国内人材の確保について相応の努力をしたのか、その結果として職場の待遇はどうなったのか、説明していただきたいものです。
     
     
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    今回は心配になる(?)曲を。


    「黒い波、予兆、明日」です。
     

     

    災害に関連した本です。上段左端は「津波災害 増補版-減災社会を築く」、中央は「女性のための防災BOOK」です。

    中段左端は「防災 これだけは『知っておきたい』BOOK」です。

    下段は非常食です。左端は井村屋のえいようかん(羊羹)です。


  • NHKの外国人材受け入れ拡大の報道に関して2

    昨日、4月14日も一昨日に引き続きNHKのニュース7で外国人受入れについての放送がありました。特集のようですね。録画しなかったことを少し悔やんでます。そして、こう書いても明日また録画をし損ねる気がします。webのこの記事、新たな制度で在留資格取得の初試験 宿泊業分野に761人と同等の内容です。

    今回は軽い指摘を中心に書いておきます。先のweb記事中に以下のように書かれています。

    「しかし、この資格では担当できる業務がフロント業務や通訳など一部に限られ、ベッドメークや調理など日本人の従業員と同じような働き方は認められていませんでした。

    日本で学んでいる留学生はアルバイトとして働くことは可能でしたが、学業を優先するため労働時間は週に28時間までとされています。」

    上記のように外国人の労働を制限することで、日本人の雇用が守られているといえます。記事中には「人手不足の解消につながる」とも書かれていますが、そもそもホテルや旅館の就労条件はどのようなものなのか、今時の言葉でいうならハードルが高くなっていないか、まず検証することが先でしょう。そこに勤務することによって、従業員にとって家庭を築いて子育てできるだけの余裕が見込めるか。この手のニュースに接するときには、その視点はいつも持っていたいものです。

    また、人手不足の原因は少子高齢化だけではなく職場が過剰に存在するのも一因であり、人手不足なら労働環境が悪いところから淘汰されていきます。働きづらい職場を外国人を入れてまで存続させる筋合いはないのですから。

    そして、人手不足何万人というのもサービスの提供が今のこの価格なら購買されるのはこれだけだからそのためにはこの給料で雇える従業員がこれだけ必要、という話なのでしょう。つまりこの話題には従業員の給料も変数として含まれている、ということです。となると、人件費が上がれば利益を維持するために価格も上がるから購買されるのが減る、よって必要な従業員も減り人手不足は解消に向かう、こういう話の進め方も可能だと思います。

    さて、今日のニュース7のこのニュースを私は見るというより聞いていたのですが、このコーナーの最後のほうでホテルの方が「外国人が働きに来てくれたら(日本人の)従業員にとっても勉強になる」というようなことを言っていた気がします。すいません、記憶で書いてます。で、そのホテル調理(和食・洋食)フロントの求人を見つけました。主だったところを以下に記しておきます。

    ・調理(和食・洋食)

    正社員 フルタイム
    基本給(月額平均)250,000円~350,000円
    賞与 あり 前年度実績 3万円~10万円
    通勤手当 実費支給上限あり月額:10,000円 
    就業時間 1)06:00~21:00
    休憩時間 480分
    時間外 あり 月平均20時間
    週所定労働日数
    休日 他 
    週休 シフト勤務表による(月6日)
    年間休日数 72日
    育児休業取得実績 なし
    利用可能な託児所 なし
    年齢 64歳以下
    必要な免許・資格 普通自動車免許(通勤用)
    必要な経験等 調理経験者(できれば3年以上)
    加入保険 雇用 労災 健康 厚生 
    定年 あり 一律 65歳
    再雇用 あり
    入居可能住宅 単身用あり 
    マイカー通勤 可
    特記事項 3ヶ月の試用期間中は、通勤手当の支給はありません。

    ・フロント

    正社員 フルタイム
    基本給(月額平均)180,000円~250,000円
    賞与 あり 前年度実績 年1回 又は 3万円~10万円
    通勤手当 実費支給上限あり月額:10,000円 
    就業時間 1)07:00~21:00
    休憩時間 420分
    時間外 あり 月平均20時間
    週所定労働日数
    休日 他 
    週休 シフト勤務表による(月6休)
    年間休日数 72日
    育児休業取得実績 なし
    利用可能な託児所 なし
    年齢 64歳以下
    必要な免許・資格 普通自動車免許(通勤用)
    必要な経験等 不問
    加入保険 雇用 労災 健康 厚生 
    定年 あり 一律 65歳
    再雇用 あり
    入居可能住宅 単身用あり 
    マイカー通勤 可
    特記事項 入社日から3ヶ月は日給7000~8000円通勤手当なし

    私はホテル・旅館業界の平均的な就労条件を知らないので判断は皆さまにお任せしたいのですが、ええと、一日の勤務時間が7時間で(休憩時間の長さに注目!)これは9時5時昼休み1時間と同じ、月平均残業時間が20時間、お休み月6日……これは、もっといいところがあればそちらに人が流れてしまう類の職場でしょう。月6日、年間休日数72日は……働く側からすれば、もっと休める日が欲しいところではないでしょうか。

    そして、web記事中には

    「さらに、ことし開かれるラグビーワールドカップ日本大会や、来年の東京オリンピック・パラリンピックなどで日本を訪れる外国人観光客は一段の増加が見込まれ、

    (略)

    政府は、外国人材の受け入れを拡大することで人手不足の緩和につなげたい考えで、宿泊業では今後5年間で最大2万2000人の外国人材の受け入れを見込んでいます。」

    とあります。それなら、スポーツイベントが終わって人が余ったらどうするのかという話が出てくるのですが、これについて触れているのは去年2018年の12月25日の閣議決定案、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針についてのP5、4(4)の「人手不足状況の変化等への対応 ア」の以下の記述でしょうか。

    「ア 分野所管行政機関の長は、分野別運用方針を策定する際に示した人手不足の状況を判断するための客観的な指標及び動向並びに法務省から提供する特定産業分野における在留外国人数等に照らして、当該特定産業分野における人手不足の状況について継続的に把握することとし、当該客観的な指標及び動向の変 化や受入れ見込みとのかい離、当該特定産業分野に係る就業構造や経済情勢の 変化等を踏まえ、人手不足の状況に変化が生じたと認められる場合には、それらの状況を的確に把握・分析し、状況に応じた必要な措置を講じなければならない。」

    なお、去年2018年11月21日の第197回国会・衆議院法務委員会第5号で、山下貴司法務大臣が以下の答弁をしています。

    「そしてまた、継続的な状況の把握と将来の展望により、将来的な生産性向上や国内人材の確保の取組によって受け入れた分野において必要とされる人材が確保されつつあると認めるときには外国人の新規入国の一時的な停止に向けた対応をとるということでございますので、御懸念のようなことにならないようにしっかりと対応してまいりたいと考えております。」

    ただ、この通りに運用されても今まで入って来た人を外国に返す話にはならないようです。先に上げた「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について」に従ってどのように運用されるか、気になるところです。

    web記事の最後の研究員の言をきいて思ったのですが、安い労働力だと捉えているから日本人もそういうところを避けるようになったことを雇う側はどれだけ把握しているのか。情報に疎かったらアドバイスできるのは取引している銀行の担当者ぐらいか、と思いました。

    今、この件についてNHKが意見を募集しています(外国人”依存”ニッポン「外国人”依存” ご意見・ご質問募集」)。何か思うことがあるのなら、意見を送ってみてはどうでしょうか。めったにない良い機会だと思います。
     
     
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    今回はパスタをどうぞ。


    曲名は「パスタを讃える歌」です。
     

     

    今回も政治の本を色々と。


  • NHKの外国人材受け入れ拡大の報道に関して

    4月です。入学入社、桜で花見、そして外国人材受け入れの春です。改正された入国管理法が施行される2019年4月1日から、外国人労働者は特定技能制度によって従来より広い範囲で働けるようになりました。

    この話の発端は人手不足です。これは、去年2018年の12月6日に行われた第197回国会・参議院法務委員会第8号での安倍首相の答弁、

    「今回の受入れ制度は、現下の深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材を真に必要な分野に限って受け入れようとするものでありまして、その導入によって受入れ業種の存続、発展が実現されることになると考えています。」

    に明らかに示されています。

    昨日、4月13日のNHKのニュース7でこの件について放送していました。webのこの記事、外国人材受け入れ拡大 フィリピンで初の特定技能試験と同等の内容です。

    この制度の下で働くことができるのは、上記の答弁にあるようにあくまでも「一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材」がその対象です。そして、試験等によってその質を担保する仕組みになっています。しかし、放送ではその試験の内容について疑義を呈していました。試験内容には初歩的なものもあり、これで質を保てるか不安だということです。先のNHKのweb記事から引用すると、

    「三重県の介護施設などを運営する会社の社長は『現場の人手不足が深刻なので特定技能の制度には期待しているが、このレベルの試験に合格しただけで介護現場の経験の無い人は採用できない』と話しています。」

    とのことです。新たな外国人材受入れ(在留資格「特定技能」の創設等)試験関係「『特定技能』に係る試験の方針について」によると試験問題の作成は特定産業分野を所管する関係行政機関が行うので、この場合試験内容について責任を負うのは根本匠厚生労働大臣になるのでしょうか(介護は厚労省の所轄)。

    さて、放映された試験問題の内容(web記事には他の選択肢が書かれていない)で上記の質を保てるものなのか。私が見たところ、専門性というより一般常識を問われているような気がしたのですが……先の会社社長の発言からして、厚労省、大臣は一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材を得られるか、試験問題を厳密に確認しているのでしょうか。それとも、人手不足の会社をとにかく働き手で満たすことを最優先として動いているのでしょうか。私も疑問で不安です。もし試験を通過した外国人労働者が現場で機能しなければ、試験作成に関わった省庁のトップの責任が問われる話です。

    (注:上記には例外があり、技能実習2号修了者は「特定技能1号」の技能試験・日本語能力試験の合格を免除されます。特定技能外国人受入れに関する運用要領のP14、P17より)

    なお、今回の報道では触れていなかったのですが、日本語能力についても書いておきます。特定技能1号については、「特定技能外国人受入れに関する運用要領」のP4によると「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力水準が求められます。」とのことです。なので、特定技能1号で入ってきた人がこの基準を満たしていないと、こちらは(関係行政機関も関わっていますが)日本語試験実施機関の責任問題になります。

    また、先の技能実習2号から移行した例も、2018年11月28日の第197回国会・参議院本会議第5号で山下貴司法務大臣が、

    「特定技能一号への在留資格の変更に当たり、技能実習二号修了者については、実習職種において技能を修得していることに加え、三年程度日本に滞在して生活を営み、技能実習に必要な日本語能力も備えていることと考えられることから、特定技能一号の試験等を免除し、必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものと評価し、試験等を免除することとしています。」

    と発言しており、その上での日本語能力試験の免除なのでしょうから同じように政府の責任を問う話といえます。

    特定技能2号(現時点では建設と造船・船用工業の2業種)に関しては、意外にも特に定められていませんでした(特定技能外国人受入れに関する運用要領の特定技能1号に関するP12-24の記述と特定技能2号に関するP24-32の比較)。

    ※特定技能1号、2号に求められる技術水準は以下の通りです。特定技能外国人受入れに関する運用要領のP4、5より

    特定技能1号:相当程度の知識又は経験を必要とする技能が求められる。これは,相当期間の実務経験等を要する技能をいい,特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準のものをいうとされる。

    特定技能2号:熟練した技能が求められる。これは,長年の実務経験等により身につけた熟達した技能をいい,現行の専門的・技術的分野の在留資格を有する外国人と同等又はそれ以上の高い専門性・技能を要する技能であって,例えば自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる,又は監督者として業務を統括しつつ,熟練した技能で業務を遂行できる水準のものをいうとされる。

    また、放送では試験の定員が少ないことにも言及していました。定員が少ないので応募ができない、と送り出す側の不満に焦点を当てた内容でした。それを受けて、厚生労働省福祉人材確保対策室の柴田拓己室長は「受験できなかった人のため、試験の回数を増やす予定で、日本の介護現場で働くことを希望する人が1人でも多く受験できるようにしたい。(以下略)」との話をしています。私は当初これを読んで受け入れ人数の上限を増やす話かと思ったのですが、記事中にはその表現は無かったので、あくまでも受け入れ人数はそのままで、受験できる人数を増やす(よって不合格者だけが増える)話なのでしょう。ただ、受け入れる側の要請のみならず、送り出す側の要請によって受け入れ人数の上限が増えることがないか、少し注視したほうが良さそうです。

    この政策について私の思うところを、前にこのテーマで書いた時にも少し書いたのですが、また改めて書きます。今の世の中、人手不足を起因とした市場原理による待遇の変化、人件費の上昇や労働時間の短縮(残業時間の減少)がなければ、働き手が豊かになることが見込めません。そして、働き手に金銭的、時間的な余裕が無ければ子育ては物質、精神の両面で非常に困難になります。子育ての前段階の結婚についても同様で、忙しいときに結婚できてもコミュニケーションの時間が無ければ家庭は破綻して精神的ダメージともに金銭的にもダメージを受ける、年金が本当にもらえるか信じきれないこの現状では苦しい状況に陥る可能性が高い、そう考えても不思議ではないでしょう。そうでなくても、直接会話する時間が少なければ結婚によって幸せになれるとはいえません。

    働き手の待遇が良くなって出生率が上がり2.1になる、もちろんそれ以外の福祉政策等に依ってでもいいのですが、この数値を達成するまでは人手不足が続いてもいいのではないかと思います。会社が倒産してもその業種の需要があるなら他の会社がその市場の分を賄うので問題はないだろうと思うのです。ただ、これはいい話ばかりではありません。待遇がよくなった分、物価やサービスの値段は上がります。働き手としての国民の収入は上がりますが、消費者としての国民の負担は増す話です。私はこれは、今まで子育てとか考えられなかった働き手の待遇を、これからは消費者が支えるために物価が上昇する話だと捉えています。

    しかし、それでも働き手の待遇が良くなって出生率が上がれば国内需要が増えて収入も増える。自国の国民の需要を満たすために自国の国民を雇い、いい環境で働いて家庭を築いて次の世代をバトンを渡す、長期的にはこれでいいと思います。

    今、この件についてNHKが意見を募集しています(外国人”依存”ニッポン「外国人”依存” ご意見・ご質問募集」)。何か思うことがあるのなら、意見を送ってみてはどうでしょうか。めったにない良い機会だと思います。
     
     
    【宣伝です】趣味で作曲した作品の動画などをYoutubeで公開してます。
    チャンネル登録していただけたらありがたいです。ニコニコ動画もどうぞ。

    今回はほのぼのとしたこの曲です。


    曲名は「春の遠足」(1:42)です。
     

     

    とりあえず政治の本を色々と。


  • 外国人労働者受け入れの件で話し合われたこと(第197回国会)

    この記事は、著作権法第40条に基づき作成しています(参考:関西大学・栗田隆:著作権法注釈)。掲載した発言はあくまでも個人的な判断により取捨選択を行い、まとめたものです。構成上発言の一部を削った箇所がありますが、発言意図は変えていないはずなので御容赦いただきたく存じます。修正を要望される方は、Twitter(@mmmtommt)あるいはメール(info回momomoto.mond.jp (回→@))までご連絡願います。

    2018年12月8日に出入国管理法(入管法)の改正案(出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案の原案ならびに附帯決議)が成立しました。人手不足のため海外からより多くの外国人労働者が来やすくするためなのですが、私はこの改正には反対です。何故なら、雇用側の労働者に対する待遇が正当であることが前提で話をしているからです。1986年の派遣法の施行から2019年の高度プロフェッショナル制度の施行まで、労働者にとって有利な改正はほとんどなかったような気がします。例外が働き方改革による残業時間の上限設定でしょうか。

    人件費を抑えた分、国内外に製品を安価に供給できる利点もあるのかもしれませんが、現時点では可処分所得が減った分購買力が落ちて個人消費が減少したり、何より多額の費用がかかる育児やそれに繋がる婚姻、出産への意欲が失われる悪影響のほうが大きいとみています。今は、出生率が2.1ぐらいになるまで給料を含めた労働者の待遇(例えば、収入が増えても残業時間が長く帰宅から就寝まであまり時間が無ければ家庭を築く意欲は下がるだろう)が良くなるべきだと考えています。

    人手不足であれば、会社は賃金を上げるなどして待遇を良くするはずです。しかし、この改正によって外国から労働者が待遇の良くない会社でも働くようになれば会社は待遇を良くする努力をしなくなるので、国内の労働者にとっては労働環境が良くなる機会を失うことになります。また、外国人に対して後で自国に帰ってもらう話であれば、日本で稼いだ貯金を使うのは日本ではなく自国でしょうから、その点でも国内産業にとっては損していることになります。私は、この件では与党は雇う側の事情や意見しか目にしていなくて、またそれだけの動機で動いているように思えます。

    改正案が可決された第197回国会で、誰が、どんなことを言ったか。国会会議録検索システムを使用して調べました(検査語を「外国人」で検索して各委員会等を確認)。

    この記事を読むにあたっての注意書きです。

    ・まとめる際に、言葉遣いをかなり改めてます。元発言はこの記事より丁寧です。元となる議事録へのリンクを張りましたので、引っ掛かる表現があった場合、引用される場合などは元発言にあたることを強くおすすめします。

    ・質疑内容について項目の記載に留めた箇所があります。この場合、実際は質疑応答が長丁場になっている場合もあるのでご注意願います。

    ・「(……質疑時)」の表記についてはあくまでも大まかな目安と考えていただければ助かります。多少不正確な箇所があるかもしれません。

    ・漢数字、全角英数字は見やすさを考慮して半角英数字に直している箇所が多いです。ご注意願います。年号は西暦に改めました。

    ※のあとのこの色の文字が私のコメントです。

    ・「発言者名(所属政党,最後に当選した選挙,その選挙が行われた年,選挙区:選挙区の主な自治体名(:役職))」の順で整理してます。ただし、選挙区の自治体名はその自治体の区まで立ち入ってません。例えば、埼玉第5区は実際にはさいたま市の西区、北区、見沼区の一部地域、大宮区、中央区ですが表記は「さいたま市」としました。なお、所属政党は発言当時ではなく現在のものです。

    ・その他、表記が不揃いの箇所や不手際な部分があるかもしれません。申し訳ありません。

    また、重要と思われる事柄のリンクを先に記しておきます。

    技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム
    (法務省・議長 門山法務大臣政務官)

    外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策検討会
    外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(本文)

    入管法及び法務省設置法改正について
    特定技能外国人受入れに関する運用要領
    特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について

    以下の5リンクは2019年4月13日に追加しました。
    出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案
    新たな外国人材受入れ(在留資格「特定技能」の創設等)
    在留資格「特定技能」へ変更予定の方に対する特例措置について
    関係法令
    試験関係

    ■ 第197回 国会での演説・質疑・答弁・討論のまとめ ここから

    2018年10月24日
    参議院本会議,第1号
    衆議院本会議,第1号
    (注:上記における発言内容は同一)

    主要発言者
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)

    内容まとめ

    ・有効求人倍率は2年近くにわたり、全国47全ての都道府県で一倍を超えていて、全国の中小・小規模事業者が深刻な人手不足に直面している。
    ・一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れる。
    ・入国管理法を改正し、就労を目的とした新しい在留資格を設ける。
    ・出入国在留管理庁を新たに設置し、受入れ企業の監督に万全を期す。社会の一員として、その生活環境の確保に取り組む。
    ・日本人と同等の報酬をしっかりと確保する。
    ※キーワードは「一定の専門性、技能を有し、即戦力」だろうか。「日本人と同等の報酬」は日本郵便で労働組合が正社員の各種手当を非正規社員にも支給するよう要求したら、会社側が正社員の手当を「見直し」して削減する方向に向かった件を思い出す。つまり、「同等の報酬の確保」が日本人労働者の待遇を下げることを否定できない。

    2018年10月29日
    衆議院本会議,第2号

    主要発言者
    枝野幸男(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,埼玉県第5区:さいたま市)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)
    稲田朋美(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福井県第1区:福井市,大野市,勝山市,あわら市,坂井市,吉田郡)
    玉木雄一郎(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,香川県第2区:高松市,丸亀市,坂出市,さぬき市,東かがわ市,木田郡,綾歌郡)

    内容まとめ

    (枝野幸男)
    ・受け入れ体制(職場環境、日本語習得体制、住宅問題、社会保障)は十分とは言えない。
    ・日本で働いたベトナムの青年が多く亡くなっていて、自殺や突然死も多く、日本は働きやすいとは言えないと言われているという指摘もある。
    ・見切り発車では、日本の人権レベルが国際社会から問われかねず、大きな禍根を残す。
    ・受入れ体制の整備の予算と具体的内容に明確な説明を求める。

    (安倍晋三)
    ・政府としては、いわゆる移民政策(国家維持のため、外国人(含む家族)の受け入れに期限を設けないこと)は考えていない。
    ・新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を期限を付して受け入ようとするもの。
    ・受入れの環境整備については、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策として、労働環境の改善、日本語教育の充実、住宅への入居支援、社会保障の加入促進などの拡充・具体化に向けて検討中で、関連施策を推進する。

    (稲田朋美)
    ・一定の専門性、技能を有する外国人の受入れを拡充は、地方創生の足かせになりかねない人手不足の解消に寄与すると期待する地方及び業界団体の要望もある一方で、例えば、治安、雇用、社会保障等への影響などの懸念もある。

    (安倍晋三)
    ・新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、できる限り客観的な指標により人手不足の状況を確認し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を我が国に受け入れようとするもの。
    ・外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の検討を進め、在留のための環境整備についても関連施策を積極的に推進する。
    ・不法滞在者、偽装滞在者対策を含む犯罪防止の取組も的確に進める。
    ・出入国在留管理庁を設置と管理体制の抜本的強化により、国民に不安や懸念を与えないよう、適切に取り組む。

    (玉木雄一郎)
    ・幾つの業種にどのくらいの規模で外国人がふえるのか、定住も可能なら、どれぐらいの人数が定住するか見通しを示してほしい。
    ・新たに医療保険の対象となる外国人と、保険料の収入と国庫負担はどの程度増加するのか示してほしい。
    ・なぜこの法案を重要広範事案にしないのか。
    ・国民民主党は、多様性を受け入れ、外国人と共生できる社会づくりに正面から取り組んでいく。欧米で問題となっているような、移民問題を発生させないためにも、包括的な外国人受入れ政策が必要。
    ・人道的観点から、家族の帯同には柔軟に道を開き、働く人の権利保護の観点から、同一労働同一賃金の具体的仕組みづくりが必要。
    ・円滑な社会定着と社会の分断を生まないために日本語教育が極めて重要。長期滞在を前提とした外国人には日本語教育を義務づけるべきだが、総理の所見は?

    (安倍晋三)
    ・新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を我が国に受け入れようとするもの。
    ・受入れの規模や医療保険への影響に関しては、現在、14の業種について、外国人材受入れの希望が示されており、受入れの見込み数を精査している。
    ・受入れに当たっては、一定の日本語能力を備えることを要件としている。
    ・日本人と同等の報酬をしっかりと確保する。
    ・社会の一員として、その生活環境を確保するため、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の検討を進めている。
    ・日本語教育の充実など、環境整備についても、関連施策を一層積極的に推進する。

    2018年10月30日
    参議院本会議,第2号

    主要発言者
    吉川沙織(立憲民主党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)

    内容まとめ

    (吉川沙織)
    ・移民は入国の時点でいわゆる永住権を有し、就労目的の在留資格による受入れは移民ではない、という定義を厳守しつつ、労働者不足に対処していくつもりなのか。
    ・外国人技能実習制度を放置して在留資格を拡大することは、人権保障の観点から問題が大きく、新たな受入れ対象の職種も省令に委ねられる。急場しのぎの対策としか思えない。
    ・労働市場に及ぼす影響も懸念され、就職氷河期世代は非正規労働を余儀なくされている者が多い。この世代の雇用確保を最優先すべきではないか。
    ・2040年頃には、就職氷河期世代が高齢者に移行して現役が急速に減少する。働き盛りに正社員になれなかった世代が高齢になれば、年金も十分でないので、生活保護等社会保障給付に与える影響額についても試算すべき。

    (安倍晋三)
    ・新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を我が国に受け入れようとするもの。
    ・国内人材の確保や生産性の向上の取組を行ってもなお外国人材の受入れが必要と認められる業種に限る。
    ・外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の検討を進め、在留のための環境整備についても関連施策を積極的に推進する。
    ・就職氷河期世代には、マンツーマンによる相談支援などの就労支援に全力で取り組む。
    ・2040年頃の会保障全体の給付と負担の見通しには、退職といった一時の局面に限った試算は含まれていない。
    ・就職氷河期世代については、自立を図る支援を行うことが重要。雇用失業情勢の改善が着実に進んでいるこの時期に、マンツーマンによる相談支援、個々のニーズに即した職場体験、就職後の定着、ステップアップ支援などの就労支援を行う。

    2018年10月30日
    衆議院本会議,第3号

    主要発言者
    馬場伸幸(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,大阪府第17区:堺市)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)

    内容まとめ

    (馬場伸幸)
    ・日本の外国人労働者数は128万人。この10年で2.6倍、今も伸び続けている。OECD加盟国中の外国人移住者統計では、日本は2015年に第4位、事実上は移民大国となりつつある。
    ・政府が少子化対策をおざなりにしてきた結果の労働力不足を補うために、本気で移民についての国民的議論を始めるべき。
    ・中南米諸国に200万人以上居住した日系移民の多くが四世。日系四世の受入れ制度について、滞在期間を限定せず定住資格を認めるなど要件の緩和が必要と考える。

    (安倍晋三)
    ・日系四世の受入れ制度については、実施状況を踏まえ、将来の在留資格のあり方について検討する。
    ・高度人材に関しては、専門的、技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材として受入れを促進している。
    ・技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人材、人づくりに協力することを目的とする制度だが、一部の監理団体や受入れ企業において労働関係法令違反や人権侵害が生じている等の指摘があることから、制度を見直し、2017年11月に技能実習法が施行され、制度の適正化を図っている。

    2018年10月31日
    参議院本会議,第3号

    主要発言者
    山口那津男(公明党,第23回参議院選挙,2013,東京都選挙区:東京都)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)

    内容まとめ内容まとめ

    (山口那津男)
    ・6月に閣議決定した骨太の方針で、中小・小規模事業者を始めとした人手不足の深刻化を防ぐ観点から、一定の専門性、技能を有した外国人材を幅広く受け入れる仕組みの構築を決定した。
    ・人口減少が進み、生産人口の減少し続ける我が国において、働き手不足への対応は喫緊の課題であり、一定の外国人材の受入れの拡大は重要な選択肢の一つ。
    ・入国管理政策上の大きな転換でもあり、関連法案の制度設計は丁寧かつ慎重に進めるべき。
    ・例えば、これまでの技能実習を含めた既存の在留資格制度の課題と新制度との関係性、受け入れる側の地域や住民の不安、さらには、日本に来る外国人の人権や生活者としての視点への配慮など、多岐にわたる懸念や疑問の声に十分に応え、来る人も、受け入れる側も、共に共生できる制度とすべき。総理の答弁を求める。

    (安倍晋三)
    ・新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を我が国に受け入れようとするもの。
    ・社会の一員としてその生活環境を確保するため、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を実行し、共生社会の実現に向け、環境整備を進める。

    2018年11月1日
    衆議院予算委員会,第2号

    主要発言者
    岸田文雄(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,広島第1区:広島市)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市)
    石田祝稔(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例四国ブロック:徳島県,香川県,愛媛県,高知県)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡)
    長妻昭(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,東京都第7区:東京都)

    内容まとめ

    (岸田文雄質疑時)

    ・全国を回っておりますと、どこへ行っても、人手不足、何とかしてくれという声を耳にする。
    ・安倍総理はソサエティー5.0の推進などの生産性の向上や、女性や高齢者の就業促進をしっかりやる、さまざまな方策をしっかり尽くした上で、なお、必要であれば外国人材も考えなければ、という問題意識を持ち、説明していると承知している。
    ・少子高齢化、人材不足、のっぴきならないところまで来ている、こういったことなのだと思う。
    ・今回の取組は移民政策ではない、という説明を政府は繰り返している。国際的に定まった移民の定義がなかなか見当たらない事情もある。今回の我が国の取組が諸外国における取組とは違う。
    ・今の日本に移民政策を導入した場合と、そして今の政府の取組を導入した場合と、十年後、二十年後、それぞれ日本の国の道筋は結果としてどう違ってくるのか、その答で移民政策との違いを説明できないか。
    ・移民や移民政策の概念は多義的。
    ・政府は外国人そしてその家族を期限を設けず受け入れることで国家を維持する政策は考えていない。
    ・新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するための、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を期限を付して我が国に受け入れようというもの。
    ・新たな人材受入れの方針については、深刻な人手不足が生じている分野に限って外国人を受け入れる。
    ・我が国においてこの分野で働きたいという外国人のニーズにも応える。そうしたことから、日本人との共生という観点からも、将来にわたって適切な制度の運用が期待できる。
    ※「人手不足が生じている分野で働きたいという外国人のニーズにも応える」ことが、将来の適切な運用につながるだろうか。不景気で人が余ったら?国内の労働者や外国人のニーズが変わったら?
    ・職場での待遇は重要だが、自治体や受入れ企業側の環境整備、医療、福祉サービス賃貸住宅への入居支援、災害時の対応で、さまざまな場面を想定して、先手先手で準備を進めなければならない。特定技能二号については家族の在留も認めるから、より丁寧な、細やかな対応が必要。
    ・これらは、法律が成立しても、基本方針、政令、省令を通じてしっかりと具体化していかなければならない課題。
    ・多文化あるいは多様性を受け入れる、そして共生できる社会になるためにも、しっかりと受入れ体制を整備していくべき。
    ・今後、アジアほか諸外国で人口減少する中で、有能な外国人材の争奪戦になる、といった指摘もある。必要とされる外国人材がみずから働く国を選ぶ、といった観点からも、我が国は、しっかりとした受入れ体制を整備しなければならない。
    ※多文化とか多様性とか共生とか、ここから強調され始めてきた?
    ・優秀な、我が国で活躍する外国人材を集めるためには、受入れ体制の整備は極めて重要。
    ・7月24日に、外国人材の受入れ・共生のための関係閣僚会議が設置され、官房長官(菅義偉,自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,神奈川県第2区:横浜市)と山下貴司が議長。
    ・外国人の受入れの環境整備、共生のための総合対応策として、地域における多文化共生の取組の促進、支援、あるいは公営住宅、民間賃貸住宅等への入居支援、防災対策等の充実、社会保険の加入促進などの取組や具体化に向けて、関係閣僚が検討している。
    ・今回の人材不足は極めて深刻。優秀な人材を我が国に引きつけるために、労働者としてのみならず、一緒に生活していく方として受け入れ、その処遇や生活環境について一定の責任を負うことを政府挙げて考えている。
    ・外国人を社会の一員として受け入れる視点で、共生社会の実現に向けた環境整備をしっかり進めていく。
    ※期限付きで「一緒に生活していく方」というのに違和感が。
    ・国の形にもかかわる問題であり、国際社会での我が国の生き方にもかかわる課題。

    (石田祝稔質疑時)

    ・有効求人倍率が44年ぶりの高さで、介護が3倍以上、建設業の中には10倍を超えるものもあり、極めて高い。他方で、少子高齢化で生産年齢人口は毎年減少しており、人手不足が深刻な問題となっている。この問題への対応は喫緊の課題で、生産性の向上や国内の人材確保のための取組を行ってもなお労働力が不足する分野に限り、新しい在留資格を設けて対応することとした。
    ・例えば、介護の現場では大変な人手不足で不安も広がっている。
    ・生産性の向上を行っていく。安倍政権において200万人、女性が新たに仕事についた。今これから65歳以上になっても継続雇用が可能になるようにしていくが、それでもなお難しい分野はあり、ニーズに応える必要がある、と考えている。
    ・生産年齢人口が何百万人も減っているので、日本の経済成長をどう確保していくか、は非常に私は大事な点。
    ・女性、高齢の方の就業、AIの活用について、女性の就業率は、もう日本はアメリカを超えているので伸びにくい。しっかりとした制度をつくって、日本に来て活躍するのが大事。
    ・いい人材は今世界じゅうで奪い合いになっている。例えば、ドイツだって介護の人を入れたい。
    ・この法案は閣議決定後、国会審議になるが、我々が選ぶんじゃなくて選ばれる国になるということは、日本人にとっても更にいい国になる。
    ・多文化共生社会の一歩ではないかと思うが、負のイメージでの移民ということではないことを総理は言ってほしい。
    ※日本に来る人にとって都合のいい状況をつくるために日本人により負担がかかる状況が考えられるので一概に日本人にとっても更にいいとは限らない。なぜ移民に負のイメージがまとわりつくのか、考えてほしい。
    ・政府は移民政策(外国人そしてその家族を期限を設けず受け入れることで国家を維持する政策)は考えていない。
    ・新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するための、一定の専門性、技能を有する外国人の受入れ制度を拡充し、生産性向上や国内の人材確保のための取組を行ってもなお真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有する外国人材を期限を付して我が国に受け入れようというもの。
    ・今回の制度で入国される方は、労働法制の保護の対象になるのか。不幸にして病や事故で亡くなる方もいると思うが、外国の方は、文化と風習、葬儀の仕方も違うので、最期をどう尊厳を持ってまたお国にお返しをするかとか、厚労大臣に検討してほしい。
    ・労働法制で労働基準法や最低賃金法、労働者災害補償保険法は、国籍にかかわらず、事業主に雇用されている労働者であれば適用対象。新たな外国人材の受入れ制度による外国人労働者も、事業主に雇用されている方であれば、これらの法律が適用される。例えば、労災保険の適用事業に雇用されている外国人労働者が通勤災害や労働災害に遭ったら、労災保険法の補償の対象。
    ・外国人が日本で亡くなられた場合の御遺体は、多様な宗教や文化に適合した形で適切に埋葬、火葬又は本国への搬送等が行われる必要がある。宗教上、御遺体を火葬できない場合等で、本国搬送に長期間を要する場合には、死後変化の進行を防止するエンバーミングの技術も必要。
    ・日本に来る外国人の増加が見込まれ、外国人の御遺体が宗教や文化などに配慮して適切に取り扱われることが重要。

    (長妻昭質疑時)

    ・戦後最大の受入れの拡大になり、制度設計を誤ると、国家百年の計として国が誤る。
    ・外国人労働者拡大の哲学は、多文化共生か、あるいは、同化政策か。
    ・多文化共生型及び同化政策については一義的な定義はないが、外国人に対して自国の価値観等を強制するようなことがあってはならない。
    ・社会の一員としてその生活環境を確保するため、総合的対応策をしっかりと実行に移し、来る側も受け入れる側も尊重し合えるような共生社会の実現に向けた環境整備を進めていくことが大切。
    ・永住ということで、移民として受け入れる政策はとらない。大変人手不足が過熱する中で、そうした業種に限って、一定の期限を設けて、基本的には家族の帯同なしで今度新たな制度設計をしている。今度の法案で特定技能二号は、永住に結びつく可能性も、門戸を開かれている。
    ・多文化共生(イギリス型)は、その国の文化や言語も重んじながら共生していくが、いろいろ問題、課題もある。フランスは、どちらかというと同化政策だったが、差別されて問題が起こるので、どの国も悩んでいる。
    ・ドイツとかフランスの過去の大きな教訓がある。ドイツも、オイルショックの前にトルコ人を、一時的に、ガストアルバイター(ゲストワーカー)ということで、大量に入れた。その後、1973年、オイルショックの後、受入れ停止をした。労働契約が切れても帰国をしない、家族も呼び寄せ始めてしまったので、ドイツ語がしゃべれないトルコ人の方々が一つの地域に住んで、地域と断絶して大きな社会問題になり、今も尾を引いている。
    ・フランスも、石油危機後、石油の危機の前に、どんどん一時的に入ってください、人手不足ですと。1974年、新規の受入れをオイルショックで停止して、帰国を促したけれども、帰らない。政府も、人道的見地から、家族の呼び寄せもその後事後的に認めざるを得ず、非常に社会に断絶を起こした。
    ・今、哲学を打ち立てて考えておかないと、こういう政策をいいかげんにやると、後、大変なことになるという教訓がある。
    ・担当大臣から答弁をさせるが、ドイツは第二次大戦後の経済復興期に移民政策を明確に打ち出して、トルコ等の周辺国から協定に基づいて外国人労働者を受け入れた。その結果、現在も相当数のトルコ人が国内に居住している。
    ・他国の外国人受入れに関する政策を評価する立場にはないが、この移民政策については、否定的な見解も含め、さまざまな評価もある。我々は全くそれとは違って、しっかりと制度設計をしつつ、あるいは、出入国管理庁をつくり、しっかりと管理をしたい。
    ・ドイツも移民政策というのは、確かに移民だが、その定義でいうと、日本も国際的に言えば移民政策。なので、ドイツも一時的に帰れるような仕組みがあった上で入れた。
    ・移民の正式な法的定義はない(国連)。OECDも、国連が定義するロング・ターム・マイグラントの適用は困難とのこと。
    ・今回の受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れようとするもの。できるだけ客観的な指標により人手不足の状況を確認して、国内人材確保の取組を行ってもなお当該業種の存続、発展のために外国人材の受入れが必要だと認められる業種に限って行う。外国人材が、入国に際して受入れ機関との間で雇用契約を締結していることを前提とする。
    ・即戦力となる外国人材を期限を付して我が国に受け入れようとすることについて、今、業所管省庁と話しながら、今精査をしている。
    ・受入れの規模に関しては、農業、建設、宿泊、介護、造船など十四の業種から受入れの見込み数について精査中。
    ・近日中に法案を提出予定、法案の審議に資するよう鋭意作業を進めたい。
    ・業所管庁の求めに応じて、受入れの一時停止も考えている。
    ・形式的な数値基準ではなく、実質的な判断で上限をする。数値目標としての上限規制は設けない。
    ・人数の上限は、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、シンガポール、台湾、韓国にはある。ドイツは調査中だがほとんどの国で上限がある。
    ・外国人労働者は今の仕組みでもどんどんふえて、今130万人いて、技能実習生にいろいろな問題が非常に多く起こっている。その問題を解決してから慎重に門戸を広げる計画を立てるべし。
    ・技能実習生が、2017年は最高の7089人失踪して、ことしは六カ月だけで4279人。倍にしたらまた史上最高になる。
    ・政府はがよく技能実習生は、2017年の11月に新法をつくったから、それ以降はちゃんと言っているが全然違う。
    ・技能実習生の失踪者はことしの1月から6月まで4279人、全然話が違う、もう逃げざるを得ない、このままでは死んでしまう方々も多いのでは。この現状で、技能実習制度は残したまま、特定技能一号、二号を入れて、ほかの省庁や自治体に任せるのは非常に無責任。
    ・気持ちよく日本で仕事をして、いいイメージで帰ってほしい。日本に一定の要件で、住みたい方は、また厳密な審査をしていろいろな手だてを考える、こういうことをしないで本当に大丈夫なのか。
    ・いまだに見つかっていない方が不法滞在(違法状態)で、国内のどこにいるかわからない。その技能実習生の方が6914人、技能実習生の資格が外れているのかわからない。日本が、総理は所信表明で、尊敬される国と言っていたが本当にそうなのか。
    ・外国人労働者(単純労働)が50万人入る場合、単純労働分野の賃金は14%下がり(含む日本人)、100万人だと24%下がる、という試算を経済企画庁が1990年6月に出しているが、この考え方は、今の政府も維持しているのか。
    ・ドイツの移民について。1955年にまずイタリアと契約を結び、その後、スペインやギリシャ、トルコと契約を結んだ。第二次大戦後、極端な人手不足の中でそういう国々と契約を結んだ。
    ・オイルショック後は失業者がふえたから、技術者及び専門家以外の労働者を原則として受け入れなくなった経緯があり、これは我々とは全然違う。
    ・経済企画庁の人間が論文として発表したものは政府として答える立場にはない。
    ・日本人と同等の報酬が払われる。
    ・経済企画庁の広報室が発表した論文は、バックデータがいっぱいある。
    ・オイルショックの前に大量にドイツに外国人労働者、トルコの方々を入れた。
    ・法務省にきいたら予算もわからない。
    ・日本に入れても、後は野となれ山となれでは親御さんも心配。異国にかわいい子供を送り出して、約束と全然違うように働かされて、そして失踪や自殺する目に遭わないようにしないと、国際社会から信頼を失う。
    ・技能実習生に話を聞いたら、口コミ、SNSでは韓国がいい、と異口同音に。日本が選ばれない国になるのは非常によくないのでは。
    ・参議院選挙の前にこういう措置をするのはとんでもない。急ぐ必要はない、じっくりと考える。
    ・7000人も毎年失踪しないように分析して、こうならないような仕組みをつくらないといけない。
    ・技能労働者の問題点に対応するためにも、出入国管理庁をつくって、しっかりと管理をしながら、来られる外国人の方々の人権も守っていきたい。ドイツの場合は、外国人労働者募集協定をそれぞれの国と締結をしていたのだから、それとは全然性格が異なる。

    (長妻昭)
    ・我々は、多様性を認める社会、お互いを認める社会。安倍総理は、何となく、日本を一つの色に染めるような、同調圧力を強めるような、そういう価値を押しつけるような、そういう社会というのは発展しない。
    ※最後は介護、看護を理由とする離職、転職者数の話題の後で出たものなので本記事とは関係ないのかもしれないが、外国人受け入れの件にも通じる価値観かもしれないので念のため記した。

    2018年11月2日
    衆議院予算委員会,第3号

    主要発言者
    奥野総一郎(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック: 千葉県,神奈川県,山梨県)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)

    内容まとめ

    (奥野総一郎質疑時)

    ・厚生労働省がまとめた外国人労働者数の推移によると、安倍政権になった2013年の頭がおよそ68万人弱、今は127万人で安倍政権になってほぼ倍。
    ・「OECDがまとめた2015年の移住者の数は、日本はOECD加盟国の中で4番目に多い。国際的な意味では、既に日本は移民大国。少なくともこういう定義で国連とかは統計として使っている。自分の住んでいる国から変更したあらゆる人が移民、3カ月以上12カ月以下は短期、1年以上にわたってら長期。日本にいる外国人の多くは、この定義の中では統計上は移民で異議はないか」「例えば、3カ月以上12カ月以下の変更が短期移民だと、日本も多くの方々が海外に駐在をしていて、1年を超えると移民というのは全然そうではない」
    ・国際的な考えとしては、短期、長期の人たちを一応移民という言葉に位置づけして、きちんと人権を保障したり、生活の安定を見ていこう、という暗黙のルールがあると思う。
    ・少なくとも日本は、期限を定めずに家族帯同で外国人を受け入れる政策はとっていない。日本にいる外国人は移民ではない、ということはこの定義であれば言い切ることができるが、この定義を使っている国はほかにあるのか。非常に恣意的な定義だと思う。家族の帯同で無期限に外国人を受け入れる政策をとっている国はないと思う。
    ・OECD加盟国のうち1年間に移住した移住者と書いてあるが、これは、3カ月以上在留する中長期在留者の数。これは入国した数で、出て行った数は引いていない。
    ・国連のホームページによれば、国際移民の正式な法的定義はなく、3カ月から12カ月間の移動を短期的、一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的又は恒久的移住と呼んで区別するのが一般的だと言っている。つまり、中長期在留者のこと。OECDの定義によれば、この国連が定義する長期移住者、ロング・ターム・マイグラントという言葉は、広く受け入れられていなくて、適用は困難。
    ・アメリカの国土安全保障省の定義では、マイグラントとイミグラントを分けている。移民という言葉で使われることのあるイミグラントについてはパーマネント・レジデント・エイリアン、永住権を持っている外国人と述べていて、アメリカの歳入省では、アメリカに永住できる権利を付与され、制限のない就労を行う外国人を指す。
    ・国連もこの定義を法的定義とは言っていない。OECDも適用が困難な定義だ。
    ・OECDは出たり入ったりと言っているが、安倍政権での外国人労働者の数は、厚生労働省も認めているが、倍増している。在留外国人もふえている。永住者も毎年二、三万人ずつふえている。外国人の中長期の在留者はふえている。
    ・日本の今の移民の定義、家族帯同でそもそも無期限で入ってくる人たちを移民だと言っている国はほかにあるのか。
    ・移民という言葉の定義はそれぞれで、国連やOECDもさまざまな定義を移住者としている。どのような者を、イミグラントとして捉えるかというのは、各国法制による。
    ・外国人がふえてきている。失踪とか、さまざまな問題が起きてきている。移民か移民でないかというのは言葉の問題で、だったら、国際標準で移民だと認めて対策をとった方がいいのではないか。
    ・永住資格というのは毎年2、3万人ふえていて、在留外国人が今263万人、264万人いるが、一番多いのが、75万人、およそ76万人が永住資格を持っている。外国人を受け入れると、韓国なんかもたくさん受け入れているが、国際結婚とか起きて、永住者がふえていく。今回広げることで、永住者がふえていく、それを移民と呼ぶなら、移民国家になっていくのではないか。
    ・定義は多義的であり、先ほど国連の例では、例えば長期、海外駐在している人はみんな移民になるが、一年以上駐在したことのある私は移民ではないから、これは違う。
    ・国民が懸念していることを頭に置きながら、そういう移民政策はとらないことを説明をしている。
    ・永住者がふえているのは必ずしも悪いことではない。高度人材を持っている方々が日本を選ぶのは、悪いこととしては捉えていないが、日本で永住資格を取るというのは、割とハードルは高いので、なし崩し的にそうなることはない。
    ・ドイツの例では、第二次大戦後の復興期に各国と労働者募集協定を結び、例えばトルコとは、滞在期間無期限、家族帯同の今我々が規定している移民を受け入れたわけで、最大時200万人を超えるトルコ人がドイツに在留することとなった。これは、我々の政策とは全く違う。
    ・これから外国人がたくさん入ってきて、国際結婚等、あるいは二号資格、永住資格を取る方はふえてくる。日本社会に大きな変化が起きるのは間違いない。
    ・今、高度人材だから大丈夫だという話があった。厚労省の資料によるこれまでの受入れ資格は、非専門的、技術的分野が技能実習生で、最初は1年いて、二号に切りかわると2年、3年。この間、3年から最長5年に延びたのがこれまで。
    ・今回は専門的、技術的分野、従来は高度専門職一号、二号の部分が広がる。
    ・従来は、1988年、専門的、技術的な能力や外国人ならではの能力に着目した人材の登用と、今とそんなに変わらない。一定のという言葉がついて広がるが、基本的には専門、技術的な能力。単純労働者の受入れについては、十分慎重に対応する、という言葉が入っていた。
    ・「最近、私の質問主意書も、総理の答弁も、単純労働者の受入れについて十分慎重に対応する、ことが答弁されていない、公式に発言がない。単純労働者の受入れの定義はないが、これを認めたのか。言わないということは、受入れが広がったと推察するが、広がったのか」「単純労働者という言葉について一概にお答えすることは困難。改正法案は、特段の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働行う外国人を受け入れる政策をとることは考えていない。政府の外国人労働者受入れの基本的方針は、経済社会の活性化や国際化を図る観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れを積極的に推進していくもの。今回の受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するために、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお外国人材の受入れが真に必要となる分野において、一定の専門性、技能を有する外国人を就労の目的で受け入れるもの。従来の考え方を変更してはいない」
    ・「単純労働については、受入れは慎重だということは変わっていないのか」「単純労働者という言葉を、さまざまな文脈で用いている。特段の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働に従事する活動を行う外国人を受け入れる政策をとることは考えていない」
    ・多義的だといっても、政府の文書で昭和60年代からずっと言ってきている。言わないということは、広がったのか。厚労省の資料によると下に新たに創設する在留資格が広がっている。これが単純労働で、新聞なんかも単純労働受入れ解禁と書いている。今まで単純労働と言った部分まで今回広がるのか。14業種あるが、従来認めてこなかったところまで広がったのか」「一定の専門性、技能を有する外国人を就労の目的で受け入れるもので、従来の考え方を変更するものではないことを法務大臣は述べている」
    ・「単純労働の受入れは慎重だということは維持されているということか。従来の政策を変更せず、単純労働は今回入ってこないという理解でいいのか」「特段の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働、を行う外国人を受け入れる政策をとることは考えていない」
    ・きのうの長妻委員の発言によると、ある論文によれば、単純労働を50万人受け入れれば14%賃金が下がる。これは大分前の調査で、100万人入れば24%下がる懸念もある。どこまで広げるか、賃金は下がらない、日本人の雇用は奪わないことをきちんと論証してほしい。
    ・外国人がふえていることでいろいろな問題が起きてきている。研修生、技能実習生の失踪の話とかもあるが、社会保障、健康保険の話もある。
    ・7月にNHKのクローズアップ現代で、「日本の保険証が狙われる 外国人急増の陰で」という特集があった。3カ月、日本にいれば外国人でも国民健康保険に入れる。健保も、雇用関係があれば日本人と同じく保険証をもらえる。これの悪用が番組の趣旨。在留資格を偽って、留学だと言って病気の治療をして帰っていくとか。この番組中では言われてないが、健保の場合は三親等なら海外でも入れる。本人が被用者となって、会社の保険をもらい、その本人が生計を支えて仕送りをすれば、外国の三親等まで、海外にいながら日本の保険に入って使える。立てかえで日本政府が医療費を外国にいる人についても払える仕組みになっている。実際は生計関係がなくても、最初だけ見せ金で、健康保険に入って日本の税金が使われる、保険料が使われることもあるのか懸念している。こうした懸念もさまざまある。テレビの調査によれば、国保だけで、在留半年以内で80万円以上の高額な治療を受けたケースが、2017年におよそ1597件あった。全部不正ではないが、高額診療が多い。
    ・「こうした不正を国保、健保、把握がしているか。外国人の雇用者、被用者がふえるが、不正対策を考えているか」「外国人の国民健康保険については、入国目的を偽って在留資格を取得し、高額な医療を受けている不適正事案の一部報道もあった。報道を受けて、2017年3月に全市町村を対象に、高額な医療に係る給付の実態調査を行った。例えば、全ての国民保険のレセプトから、80万円以上で国民健康保険の資格取得日から6カ月以内に診療を受けているもの、こういう条件に基づいてレセプトを抽出して、個別に受診内容の聞き取り調査を行った。その結果、在留資格の不正等の不適正事案はほとんど確認されなかったが、より適正かつ厳格な資格管理に努めるため、2018年1月から厚生労働省と法務省が連携して、不適正事案を市町村から入国管理局に通知する取組を行うことにした。医療保険の適正な利用を進める観点から、国民健康保険における外国人の被保険者数や保険給付の状況などの調査を行っている。結果は2018年中に公表予定。健保は適用事業所の雇用者が被保険者で、その者に扶養されている、被扶養者としての適用なので、国籍や居住地を問わない。健康保険においても、外国人の医療保険の適正な利用の確保のために、海外に居住する被扶養者の認定方法を厳格化し、利用認定方法を公的書類などによる認定に統一した」「国保は直接国が把握しているので調査のしようがあるが、健保は健保組合がやっているので把握しづらい。これから外国の方、健保にたくさん入ってきますから、防止策、チェック機能を強化してほしい」
    ・「こうしたコストがかかるからこそ、何人入ってくるか、50万人とかという報道も流れていた。今、技能実習生の二号実習生はたしか12.5万人いる。毎年、5万とか10万の規模で在留外国人がふえる可能性もある。どのぐらいふえるのか、審議に際して示してほしい」「関係省庁と精査中。法案の審議が法務委員会で始ったら、説明したい」「予算委員会にまず資料の提出を求める」「後刻、理事会にてお諮りする」

    ・「受入れの上限はないんだという答弁があったが、勝手に民間企業が外国人を入れたときにはどうするのか。日本人の雇用が奪われたときに、とめる方法はあるのか」「業所管庁が、必要とされる人材が、受け入れた分野において確保されたと認める場合には、外国人の新規入国の停止を求められる規定を設けている。上限数値は設けていない。形式的な数値目標ではなく、継続的に雇用状況等の実態を把握、検証し、受入れ終了の実質判断を行う。こういうことで、適正な労働環境、需給バランスが提供されると考えている」
    ・韓国なんかは応募がない場合に外国人を入れる、数のチェックもやっている。法案に上限を書いてセーフガードを設けていくべき。在留期間は、一号、二号合わせると10年を超え、永住許可申請が可能になる。あるいは、在留しながら日本女性と結婚すると、永住になる。外国人の受入れがふえて、更に社会のコストもふえる。移民じゃないから大丈夫ですというマジックワードはよくない。上限を設け、日本人の雇用を守る、来た外国人の人権を確保して、日本語教育なんかもやる。文科省の資料では、外国籍の生徒で日本語指導が必要な人が日本の学校に3万4千人いる。もっとふえる可能性がある
    ・今までよりも外国人労働者がふえていくのはニーズがあるからで、有効求人倍率が、介護職あるいは建設業等々においては5倍、10倍になって、なかなか就労者を確保できない状況にある。日本人の雇用には影響が及ばないというよりも、人手不足で成り立たなくなるかもしれない状況の中で、それは成長を阻害する大きな要因になり始めているから制度をつくる。技能実習制度であった問題を把握し是正しながら対応する。
    ・受け入れる以上は社会の一員として、生活環境を確保するため、検討している外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を実行しなければいけない。来る側も、受け入れる側も尊重し合える共生社会実現に向けた環境整備を進める。
    ・結局、これは、永住者がふえていく、狭い意味での移民の増加につながるおそれがあることを国民に説明しながら、その上でどういう社会をつくっていくのか、総理に先頭に立って説明してほしい。もう一度総理に答弁していただく重要広範になるよう求めたい。総理が日本社会を守っていくことを語ってほしい。

    (安倍晋三)
    ・人口が減少していけば、消費者も減るので仕事もなくなっていく。
    ・人口が減少していくが、絶対数として職の数がふえている。職の数もふえていなくても、有効求人倍率が上がっていれば別。就職の数がふえていて、250万人分創出した。
    ・450万人生産年齢人口が減少するのは、基本的に成長にはマイナス。人口が減少すると、消費者も減り、例えばお店で買う人も減る。店自体がなくなれば、そのお店で働く職もなくなる。
    ・人口減少は職に対してマイナスに作用するから、人口減少で自動的に有効求人倍率が上がっていくという考え方は間違っている。
    ・実際に景気がよくなり、人手不足が生じている中で、さまざまな対策は既に行った。生産性を上げていく対策も行い、その中で、女性の働き手も200万人ふえてきて、今回は外国人材を活用していく政策をやる。
    ※別の話のときの答弁なのですが、安倍総理の外国人材受け入れについての考え方の根幹に当たると思い記載した。

    2018年11月5日
    参議院予算委員会,第1号

    主要発言者
    蓮舫(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    石井啓一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県:国土交通大臣)
    茂木敏充(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,栃木県第5区:足利市,栃木市,佐野市:内閣府特命担当大臣[経済財政政策])
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)
    佐藤信秋(自由民主党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    徳永エリ(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,北海道選挙区:北海道)
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)

    内容まとめ

    (蓮舫質疑時)

    ・「外国人労働者を受け入れる在留資格新設は、単純労働者の受入れを認めるものか」「一定の専門性、技能を有する外国人を即戦力として入れるもの。例えば特段の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働に従事する活動を行う外国人を受け入れる政策は考えていない」
    ・「単純労働の受入れは原則禁止との方向は変わらないのか」「特段の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働に従事する活動を行う外国人を受け入れる政策ではない」
    ・「新設する特定技能一号資格の外国人労働者には、相当程度の知識又は経験を必要とする技能が求められる。相当程度とは何か」「今後、政府基本方針での検討となるが、監督者の指示を理解し、又は自らの判断により業務を遂行できる能力というのが該当するが、この技能に達するために、相当期間の実務経験などを有する者」
    ・「相当程度の技能とはどのレベルか」「それぞれの業種、受入れ分野ごとに業所管庁が定める試験等において確認される。監督者の指示を理解し的確に、または自らの判断により業務を遂行することができる能力で、それを取得するには相当期間が要る、これについては業所管省庁と緊密に連携を、連絡を取り合った上で今後決めていく」
    ・「14業種が想定されているが、例えば、宿泊業の相当程度の技能水準とは何か。ベッドメーキングは相当な技能を有するか。食事の配膳はどうか」「宿泊業に求められる相当程度の技能を全体的に検討している」
    ・「外食業で相当程度の知識、経験という技能は何か」「全般的に業種横断的な技能レベルについて、一定の専門性、技能を有する業務を決めていく。その中で、監督者の指示を理解し的確に、または自らの判断により業務を遂行できる能力について、各省庁が検討、精査している。それを、政府の基本方針に落とし込むことになると考えている」
    ・まず、在留資格の大枠が決まらなければならない、そしてそれに基づいて政府方針が決まらなければならない、その政府方針に基づいて分野別方針が決まる。入管資格の具体的な内容(上陸審査基準省令)は法務省令に委ねている。まず法律を、閣議決定の基本方針を決め、そして分野別方針を決めて、基準省令等に落とし込む。
    ・「どの分野でどういう仕事に就くか分からない。2019年4月からは14業種、4万人の受入れを想定というニュースは事実か」「分野は、閣議決定された法案で、人手の確保が必要な産業上の分野。中身は今後検討になろうかと思う。
    4万人については、恐らく本年8月概算要求時の初年度受入れ見込み数だと思うが、現在精査中で、今回の法案による見込み数をなるべく近日中に示したい。人数は現在精査中」
    ・厚生労働所管でいえば有効求人倍率で人手不足の状況が把握され、毎月発表している。全体でいえば今1.64、業種別の有効求人倍率もそれぞれの、分かる業種で計算されている。人数、需給バランスの数は後刻理事会で協議する。
    ・「法案では条文で、人手不足が解消されたら新たに資格の認定をしないとある。でも、既に外国人の方は入ってきて働いて雇用契約もある。労働力がその産業で余剰になっても、その人をすぐ追い出すことはできない。その場合、日本人の労働に影響は出るのか」「雇用契約が切れた後でもいられるように、在留資格のある期間中は仕事を探せるようにサポートしたい。在留期間で雇用の契約がない場合には、更新が認められない場合もある(発言する者あり)(速記停止)(速記再開)日本人の雇用に影響しないように受入れを停止する。日本人の雇用には影響しないような制度設計をする」
    ※(発言する者あり)(速記停止)(速記再開)は通常省略するが、ここは前後で文意が繋がらないので記載した。後も同様。
    ・人手不足の算定は関係業所管省庁と山下貴司法務大臣が行うが、その際に人手不足の推計を求めていきたい。前段階で、もう雇用が足りている状況がないように行う。雇用の確保が満たされて、契約更新されずに、雇用契約がなければ在留期間は更新されない。日本人の労働市場に対する影響というものは乏しいと考えている。
    ・「雇用期間が切れたら帰るという説明は聞いてない。雇用期間が残っているとき余剰になった場合、日本人の労働者に影響が出るのではないか」「この問題は経済財政諮問会議で議論して、その上で今法務省の方に法案を作成し、各省庁で行っている。例えば女性の労働参加、高齢者の活用、新たな技術を用いてもなお不足をする業種、そして在留資格の期間を同じ五年程度をにらみながら、それぞれの所管省庁においてどの程度の人数が不足をするか今後精査をするので、短期的にすぐ変わるというよりも、五年程度を見ながら、様々な技術革新、さらには日本人の活用を図っても不足する業種について、適切な数の外国人を資格も見た上で受け入れる。それぞれの所管省庁でどの業種でどれくらいの不足が見込まれるか、今後しっかりと検討する」
    ・「自民党の政調が2016年5月24日、「共生の時代」に向けた外国人労働者受入れの基本的考え方として、移民とは入国の時点でいわゆる永住権を有する者であり、就労目的の在留資格による受入れは移民に当たらないと説明。これは事実か」「そのような説明をしたこと自体、事実」
    ・我が国で永住が認められるためには、素行善良であり、独立の生計を営むに足る資産又は技能を有し、国益に資するか、幅広い観点を法務大臣が判断する。法律上の永住許可要件は、先の三要件と永住許可に関するガイドラインで、十年以上継続して在留とか納税義務の公的義務を履行していることなどが書いてあるが、それらを総体して、その者の永住が日本国の利益に合すると認められたときに限り永住を認める。
    ・「新設する特定技能第二号、家族の、子供やパートナーの10年の滞在が可能、この者は永住権を申請、取得要件を満たすか」「永住権は、他の在留資格から先ほどの要件に即して認められる。他の在留資格の中には、例えばほかの就労資格も含まる。その上で、我が国の国益に合するか判断して認める」
    ・「特定技能第二号は、最長で10年居住でき、そのうちの5年は就労ビザである。これは永住権取得の要件に当てはまっているのではないか」「10年住まわれた方はもう在留資格を問わない。我が国に適正に在留資格があるのなら、ガイドラインの要件は満たす。10年継続して住める資格、我が国に適正に在留をして、あるいは納税義務を果たし、その他国益に合するという要件が認められるなら、在留、永住権の審査になる」
    ・特定一号、技能一号よりも高い専門性、熟練した技能を有する外国人材を受け入れるための在留資格特定技能二号であり、現行の専門的、技術的分野における他の在留資格と同様、一定の期間を設けて在留が認められるもので、新設となるいずれの資格も一定の期間を設けて在留を許可するものである。
    ・特定技能二号が適用される業種は、特定技能一号が適用される業種からかなり絞られる見込みである。一号に該当する業種が二号に存する場合でも、資格取得のために業所管省庁が定める一定の資格に合格する必要がある。特定技能一号での在留を続けて自動的に認められるものではない。ハードルはかなり高いものになる。
    ・特定技能二号の期間は、現行の専門的、技術的分野における他の在留資格と同様、更新できるが、これは日本での活動状況等が厳格に審査されて初めて許可される。
    ・ベトナムの法務大臣やミャンマーの高官と話をしてきたが、日本で働くことを本当に両国民とも願っているというふうなことを聞いた。
    ・新しい受入れ制度で来る外国人に限らず、我が国で働き、学び、暮らす外国人全体を受け入れる政策が必要だ。そのために、関係閣僚会議にて、総合的な対策ということで、適正な労働条件と雇用管理の確保や労働安全衛生の確保、日本語教育の充実や住まいの入居支援などをやらせてほしい。
    ・「新たな外国人労働者の問題は、定義はしっかりして、働きに来たいという方、来てくださる方が労働者としてだけではなくて生活者として、その住環境も含めて、多様な宗教の在り方も含めて、多文化共生の在り方もして、それを議論しなければいけないのに、何で入管法で法務省だけなのか。厚労省や文科省や総務省や、全ての省庁で想定できる課題に、こういう答えがあるから大丈夫だという、そういう法案を出してきて議論するべきものだ」「この人手不足に対応するために、海外から優秀な人材の方たちに日本に来て仕事をして良かったと思って帰っていただけるようにしなければいけないし、来ていただける方も受け入れる方も両方とも良かったと思える制度にしたい。外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策として、適正な労働条件と雇用管理の確保や労働安全衛生の確保、日本語教育の充実、公営住宅や民間賃貸住宅等への入居支援などの各種取組の拡充等を検討し、実行に移していきたい。その中で、現在の技能実習生等々にまつわる様々な課題、問題についても向き合い、問題が起こらないように対応しなければならない」

    (佐藤信秋質疑時)

    ・「建設業を含めて単純労働への拡大とか処遇改善への悪影響が報道ベースでは懸念されている」「新たな受入れ制度は中小・小規模事業者を始めとした、インフラ整備の建設業も人手不足が深刻化しており、我が国の経済社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出ているため、生産性向上や国内人材確保のための取組、国内人材確保のための取組は行う。人材を確保することが困難な産業上の分野、建設業もこれに含まれるかもしれない。そういったところで一定の専門性、技能を有し、即戦力として言わば既存の国内の方々の仲間としてやっていただける人材を受け入れたい。この受入れにより、国内インフラを支える人材の確保にも資するものであろうと思っており、人手不足がある程度解消されれば、休暇が取れるというところにも資するものではないか」
    ※実際問題、大抵の会社は休暇がとれるほど人を雇わない。
    ・これについて処遇改善への悪影響を懸念する声がある。受け入れるに当たっては、国内人材の確保や生産性の向上の取組を行ってもなお受入れが必要と認められるということについて、法務省も業所管庁からしっかりと客観的な資料をいただいて、今後の国内人材確保の見通しなども見て受入れを決める。
    ・この度閣議決定された入管法改正法案においては、将来受入れ分野において必要とされる人材が確保されたと認める場合には、一時的に停止する措置を可能としている。その判断においては、国内人材の確保や生産性向上も当然考慮に入れるわけで、国内人材確保の見通しも当然見る。そういった労働環境に影響しない見通しを立てた上で、外国人材が確保されれば一時停止して、国内労働市場に対する影響を極力しないような形を取る。
    ・そうしたことで、建設業あるいはインフラ整備を始めとする業界の皆様の人手不足に対応し、懸念については今後法案審議の場で説明する。
    ・まず国内の人材確保というのが大事な問題なので、よろしくお願いする。
    ※ここでも、人手不足の原因として賃金を始めとした待遇話をしていない。

    (徳永エリ質疑時)

    ・「人手不足が解消されたという判断はどのように行うのか」「各分野を所管する行政機関の長は、受入れ開始に当たり、人手不足の状況を判断するために使用した客観的な指標を、受入れ開始後もその動向を継続的に把握してほしい。人手不足の状況変化を的確に把握、検証をする。検証は、単に数的に外国人材が入ったということではなくて、国内人材の確保、これ将来的にもう労働市場が非常に改善されているか、そういう見通しも生産性向上も含めて検討する。そうした中で受入れ停止し、様々な予測も含めるので、人材が確保されても、外国人材が労働市場に流入し続けて混乱することはない。それを必要な対応ができるように運用していきたい。各省庁にも徹底する」
    ・「特定技能二号の対象業種を建設、自動車整備などに限定する方向で調整に入ったという報道があるが、なぜ限定するのか」「新たな受入れ制度の受入れ対象について14業種について各業所管庁から希望が示されている」「特定技能二号が適用される業種については、受入れの必要性や要件、かなり高度なものが必要で現在検討している。その結果、特定技能一号が適用される業種からかなり絞られる見込みとなる。特定二号は、特定技能一号での在留を続けて自動的に認められるものではないので、ハードルは高くなる」
    ・特定技能二号に対して、農業も対象外にする方針を農林水産省が明らかにしたと報道された。農業は真に人手不足である。なぜか」「農業に関しては、現時点では、業界団体等を含め多くの方から具体的な要望は寄せられていない。まずは特定技能第一号の受入れを検討し、当初から特定技能二号の受入れは想定をしてない。将来的な特定技能二号の受入れは、特定技能一号の受入れの状況や農業現場のニーズ等を勘案し検討する」
    ・日本農業法人協会、JA全中、JA全農、農林中金、JA共済連、全国農業会議所で構成される農業労働力支援協議会から新たな外国人材の受入れ制度に関する基本的な考え方が示されている。
    ・農業生産基盤の維持を前提とした場合、現時点で約7万人が不足し、5年後には基幹的農業従事者が20万人程度減少すると見込まれ、技術の革新及び労働生産性の向上に努めても、約13万人の基幹的農業従事者が、そして雇用就農者が不足するので外国人労働者を農業の分野に受け入れることが重要かと思う。
    ・農業労働、農業人口が不足、高齢化が進んでいる。66歳が農業を従事をする平均年齢。特定技能第一号も、農薬とか肥料とかの取扱いができる基礎知識がある方が第一号。外国人労働者に農業の従事を手伝ってもらうことから始める。人数は足りないが、現場の声を聞き、ニーズを捉えて、人数をきちっと決める話もしている。
    ・離農が進む中で、地域コミュニティーの維持が大変困難になっている。就労農業者だけではなくて、地域に住んで農業に従事してもらう。権利を保護、多文化共生社会の実現という意味では協力し合い、人間関係の近いところにある農村地域というのはその実現に適している。
    ・農業労働力支援協議会でも、いずれは専門的な高い技能を持った農業者の方々に家族の帯同も認め、地域に根付いて農業を続けるのが地域コミュニティーの維持、食料安全保障にもつながる。その点も含めて今後も検討してほしい。
    ・「リアルタイムで人手不足が深刻。施行が半年遅れれば、もしかしたら、数万人の外国人が日本で働く機会のないまま帰国しなければならない。それは雇用している、雇用しようと考えている数万の企業にも影響があるかもしれない。できるだけ早期に実施したい」「技能実習制度でも様々な問題が起きている。現場は人手不足かもしれないが、人手不足を補うために不十分な制度でスタートしたのでは現場では混乱や問題が起きるばかりなので、しっかりとした議論が必要で、できれば今国会で拙速に通すことはやめた方がいい」

    2018年11月7日
    参議院予算委員会,第2号

    主要発言者
    足立信也(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,大分県選挙区:大分県)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    石田真敏(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,和歌山県第2区:海南市,橋本市,有田市,紀の川市,岩出市,海草郡,伊都郡:総務大臣)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)
    小池晃(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    坂口卓(政府参考人,厚生労働省労働基準局長)
    吉本明子(政府参考人,厚生労働省人材開発統括官)
    浅田均(日本維新の会,第24回参議院選挙,2016,大阪府選挙区:大阪府)
    片山大介(日本維新の会,第24回参議院選挙,2016,兵庫県選挙区:兵庫県)
    柴山昌彦(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,埼玉県第8区:所沢市,ふじみ野市,入間郡三芳町:文部科学大臣)
    大島九州男(国民民主党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)

    内容まとめ

    (足立信也質疑時)

    ・雇用保険、社会保険の対象者は、一般的に日本人か外国人かの差異はない。特定技能外国人、新しい制度でも、外国人も同様に雇用保険、社会保険の対象となる。生活保護は日本国民を対象としている。厚労省は通知に基づいて適法に日本に滞在し活動に制限を求めない一定の外国人永住者、定住者、日本人の配偶者等に認めている。これから外れる外国人は対象にはならない。
    ・「雇用保険二事業の能力開発事業は、特定技能で日本にいる方が会社の都合等々で辞めざるを得ないときに彼らも在留して受けられる、日本人と同様だということでいいのか」「厚労省所管の事業なので詳細は厚労省、大臣に伺ってほしい。特定技能一号に関しては職業生活上、社会生活上、日常生活上の支援をする」
    ・在留して能力開発事業を受けられるので、どこまで日本にいられるのか、制度設計もやらないといけない。
    ・経団連の方との話で一番問題なのは、本人と扶養している方々の特定。
    ・マイナンバーについては、他省庁、所管省庁とも検討する必要あり、外国人在留状況の把握について、長期在留者が携帯する在留カードなど各種識別番号の活用も含めて、関係府省庁と連携して検討を進め、特定できる仕組みを取る。
    ・「在留者番号はいいとして、給与、税や保険の負担にマイナンバーは利用しないのか」「マイナンバーは、住民基本台帳制度の対象者に付与されるため、中長期在留者や特別永住者等の外国人住民にも付与され、日本人住民と同様、税や社会保障の手続に用いられている。新たな在留資格の対象となる外国人も、住民基本台帳制度の対象となる者はマイナンバーが付与される。マイナンバーは、税制や社会保障の基盤で、かつ個人情報保護に配慮して、情報を一元管理しない仕組みを採用している。違憲訴訟などを考えると、マイナンバーの利用は極めて難しい」
    ・「特定技能者はマイナンバーを付与するのか」「通常、三か月以上在留される方は、住民基本台帳制度の対象となり、付与される」
    ・「様々な国から来られる、一夫多妻制の国もある。その奥様は配偶者か、被扶養者か」「一夫多妻制、家族帯同の話か。新たなその在留資格は、特定技能一号は家族帯同を基本的に認めないので、その場合は妻あるいは子ということは問題にならない。二号はほかの資格と同じ。技能、技術、人文知識、国際業務などと同じで、配偶者の定義は、法律上の配偶者であり、実態があるか見ていくことになる」
    ・「社会保障も雇用保険も労働保険も日本人と同様だと。配偶者か被扶養者か、一夫多妻制の国ならどうなるか。日本にいるいないの問題ではない。配偶者か、被扶養者か」「健康保険の場合は、配偶者、被扶養者、要は被扶養者になら適用される」
    ・「一夫多妻制の国は配偶者として認められるのは一名のみ。それ以外は被扶養者。あるいは、その方々の子供あるいは親は、被扶養者ですね」「健康保険は、一夫多妻制が認められている外国人が日本に在留する場合、外国人の配偶者は一名のみが被扶養者、配偶者として認定される」
    ・「被扶養者は三親等以内で年収130万未満になる。三親等以内ならその子供も含め、みんな被扶養者になる、という意味でいいのか」「奥さんが一人、そして本人の子供が対象になるが、被扶養者として三親等内で生計維持関係があれば対象になるが、その辺は含めて検討する」「今の答弁だと、三親等以内、被扶養者になる」
    ・「海外の人に聞いて、日本の医療保険制度のいいところはフリーアクセス、皆保険と高額療養費制度。高額療養費制度は保険に加入している以上は被扶養者の方々も受けられる?」「保険の適用という前提があれば、高額療養費も対象になる」
    ・「出産育児一時金も被扶養者は42万円支給されるか」「現行制度の下ではそうなる」
    ・日本は少子、海外は多産の国がいっぱいあるので、被扶養者の方も相当いる可能性が高い。相当に出産育児一時金として出ていくが、この制度はそのままいく方針か、今後の検討課題か」「健康保険は、外国人の医療保険の適正な利用確保のために、実は2018年3月に海外に居住する被扶養者の認定方法を厳格にした。公的機関が発行する婚姻証明書、出生証明書の公的書類等による認定に統一化した。生計維持関係も、公的機関又は勤務先が発行する証明書など、この3月に厳格化した。在外被扶養者の問題は、自民党のワーキンググループなどで議論されているが、その結果を踏まえて対応を検討してほしい」
    ・「海外療養費支給制度は被扶養者であれば、在外、海外でも診療報酬に見合った額の支給がされるが、そのままでいいのか」「健康保険は制度的にはそうなっているが、2018年の3月から厳正に認定する方法を統一化した」
    ・受入れ機関が特定技能一号の外国人に対する各種支援を実施する。日本語教育など、受入れ機関がその習得の支援などをその責任において実施する。
    ・二号とその家族、新たな受け入れる外国人に限らず外国人全体について、外国人受入れ、共生に関する関係閣僚会議も開かれている。そうした場で政府一丸となって受入れを進める。
    ・「日本政府として責任を持って日本語教育をやるということか」「外国人の受入れ・共生に関する閣僚会議の議長として申すと、関係閣僚、関係省庁が縦割りを排して検討し取り組む。地方への支援も行う」
    ・「外国人の受入れ・共生に関する総合対策は、今回改正の在留資格のみならず、全ての外国人についての全体的な施策である。今回国会で審議したい新たな在留資格、出入国在留管理庁も認めた上で、体制で新たに対応策を行う。対応策は年内に取りまとめたい」「制度も仕組みも決まっていないのに同意できるわけがない。安価な労働力を入れるのではなく、外国人の方に日本で働いてもらうら支援が必要という姿勢がないといけない」
    ・法務省は入国管理局で出入国管理を行っていた。働いてもらう外国人のみならず、我が国で暮らし、学ぶ様々な外国の方の在留管理も含めたい。関係閣僚会議で、縦割りを排し、政府全体で取り組む。
    ・「日本で働く外国人の社会保障、医療保険について、海外に在留している日本人、本国の被扶養者の居住要件は重要な検討課題だ。抑制しなければならない医療費は増えていく。特に被扶養者、本国の方が増えることは重要な検討課題なので、是非検討してほしい」「高額療養費制度を、想定以外の形で、我が国に来て直ちにそれを使う方が実際にいて、その問題を指摘して整理するようにいった。一夫多妻の国から来て、三人奥様がいても日本ではその一人だけが妻、扶養者として認められ、本人の子どもはその対象になるが、他のその国で認められている奥さんたちはその対象ではない。本国にいるのでその本人かも含めて医療費を対応できる仕組みはつくりたい」
    ・被扶養者になる配偶者は一人で、本人の子供は対象になる。被扶養者には二人目、三人目の奥さんはならない。
    ・「過剰な金銭徴収、強制労働があってアメリカ国務省の人身取引監視対策部が2018年6月に日本に勧告した」「アメリカの人身取引報告書の話は、従来まで日本の評価がティア2、あるいはティア2ウオッチリストだった。アメリカ大使館で担当したが、2018年、この施行された技能実習法の評価を含めて最上位レベルのティア1になった」
    ・「技能実習制度の失踪者が2017年は7千人以上、2018年は半年で4千人以上いる。技能実習制度と一体的に日本で外国人の方に働いてもらう枠組みをつくるべきだ。技能実習制度を土台に考えるのは間違っている、直接雇用の技能実習でしっかり身に付けた方が特定技能になると派遣でも働けるということになる。その制度の組替え、統一化についてはどう考えているのか」「技能実習制度は海外に対する技能移転制度で、今回の特定技能の受入れは、真に必要な分野に限って、我が国が生産性の向上や国内人材の確保の努力を払っても人材の確保が必要な分野について一定の技能を持つ者を受け入れるものなので、制度の目的が異なる。制度の同一化は考えていない」
    ・この業種をみて、専門的、技術的分野があるが、区別が付かない。統一化を図るべき。

    (小池晃質疑時)

    ・「失踪者の調査をしているが、主な失踪理由は何か」「失踪した技能実習生及び関係者から聴取した調査では、主な失踪の動機としては、現状の賃金等への不満からより高い賃金を求めて失踪する者が約87%、実習修了後も稼働したい者が14%、厳しい指導が約5%など」
    ・「より高い賃金を求めて、は調査票でいう低賃金、契約賃金以下、最低賃金以下を合わせたもの。失踪者の調査項目、全ての集計結果を明らかにしてほしい」「先の調査は、失踪した技能実習生のうち、不法残留等の入管法違反により入国管理局による違反調査を行った技能実習生から失踪の動機等の聴取を行ったもので、調査項目には、就労場所や失踪後の住居といった、結果の公表により失踪技能実習生の傾向が明らかとなり、失踪を誘発する技能実習制度に対する悪影響を行いかねないものも含まれ、個人情報に属するものもあり得る。調査項目と結果の内容も踏まえ、調査結果の公表を控えるべきか、慎重に検討をする必要がある」
    ※それを懸念するより低賃金の企業を取り締まることのほうが先だと思うが。
    ・「委員会は資料の提出を要求してほしい」「後刻理事会で協議する」
    ・労働基準監督署は、技能実習生を雇用する約4万8千の実習実施者に対し重点的に監督指導を行っている。
    ・2017年の1年間、外国人技能実習生を雇用する5966の実習実施者に指導監督を実施し、70.8%に当たる4226の事業場で労働基準関係法令違反が認められたため、是正指導した。
    ・違法な時間外労働等の労働時間に関するもの26.2%、機械を使用する際の安全基準に関するものが19.7%、賃金不払残業などの割増し賃金の支払に関するものなど。重大、悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは34件。
    ・「技能実習生で一番多いのはベトナム人、12万人超えていますが、ベトナム語で対応できる労働基準行政の相談体制はどうなっているか」「東京労働局に外国人労働者相談コーナーを設置し、ベトナム語で相談できる外国人労働者労働条件相談員を配置の上、対応している。また、外国人労働者向け相談ダイヤルを設置し、相談コーナーに来訪することができない方からのベトナム語による電話相談を受け付けている。相談ダイヤルは水曜日と金曜日の週2回、午前10時から午後3時まで実施している」「12万人のベトナム人技能実習生がいるのに、相談、申告を受ける労働基準行政の窓口でベトナム語で対応できる人は日本で1人。週2回、10時から15時まで。人権侵害、労働条件に対応できるのか」
    ・外国人労働者からの相談が多い34か所の都道府県労働局及び労働基準監督署に外国人労働者相談コーナーを設置して、外国語に対応できる相談員を配置し、6言語で対応している。
    ・外国人労働者相談コーナーに来訪できない方が、相談ダイヤル、6言語対応しているが、相談できる曜日が限定されているので、相談体制を充実も検討する。
    ・現在外国人労働者からの相談を全国で年間約1万件受け付けているが、相談体制を拡充していきたい。
    ・「技能実習生の賃金額は、2017年度は、公益財団法人国際研修協力機構で、実習生を受け入れている企業に対して技能実習生の労働条件等に係る自主点検で把握している。この実施結果によると、技能実習生の賃金額は、2017年5月時点で、時給714円から800円の間と回答した企業が5割超、801円から900円の間と回答した企業が4割弱、901円から1000円の間と回答した企業が1割弱」「政府としては調査していない、公益財団法人JITCOの調査で、2016年の都道府県別最低賃金の最低額が時給714円。アンケート調査ですから、最低賃金より低い回答は普通はしない。実態はもう最賃に張り付いている」
    ・「現状を正さずに外国人労働者の受入れを拡大すれば、一層事態は深刻になり国際的な批判を招くのではないか」「そうした状態があることを認めて、出入国管理庁をつくり、体制を強化して対応していく。問題が起きないように制度及び運用の面で十分な取組を行うことが重要」
    ・新たな受入れ制度においては、日本人と同等の報酬を確保するとともに、受入れ機関又は登録支援機関による特定技能一号の外国人に対する各種支援の実施や、届出事項の拡充による支援の実施状況や外国人の活動状況等の的確な把握、関係機関とも連携した調査そして指導等を行う。

    (浅田均質疑時)

    ・「賃金下げに大きな影響の出ない供給増の限度は何万人、何十万人と考えているのか」「詳細な数値についてはこれから業所管庁など関係省庁とも検討していきたい。労働環境に悪影響を与えないように運用を図りたい」

    (片山大介質疑時)
    ・外国人留学生の本旨は学業だが、必要な学費を稼ぐ必要もあるので、一定の資格外活動が認められている。
    ・2017年11月に施行された技能実習法に基づく技能実習制度について、実地検査や母国語相談対応、実習先変更支援や宿泊支援等の取組等は行っている。
    ・「賃金不払の不正行為は多く2017年、213機関で299件。失踪者数も2018年が最多になりそう」「運用実績が重なってしかるべきときが来たら提示できるように、実績重ねて分析をしなければいけないので完了して出したい」
    ・特定の労働分野について単純かどうかではなく、在留資格は個々の外国人が持つ技術性、専門性に着目して積極的に取り入れる。今回の在留資格も、特定技能二号は熟練の技能を持つ者だが、一号も一定の専門性、技能を持つ者ということで、日本で発揮していただきたい、そういうことで新しく在留資格をつくる」
    ・「5業種から14業種まで候補が増えている。日本人の離職率が高いのも含まれている。労働力不足というよりも、日本人が敬遠している産業に人を埋めようというのは明らかで、技能とは別次元の話ではないか」「離職率が高いということの中に深刻な人手不足があり、これを一定程度解消することが極めて重要ではないか」「そこの業種を日本人にとっても魅力あるように高める必要がある、そこはどうですか、総理」「この制度を導入したからといって、そこで働いている方々の職場環境等を向上させていくことを、そういう努力をやめてしまうということがあってはならないと、考えている。努力を重ねつつある中において、それでもなお不足になるところについてこの外国人材を活用していく」
    ・「外国人の受入れ・共生のための総合的対応策、その計画を見せてもらった上で法案審議やるのが筋だと思う」「外国人材の受入れ・共生のための総合的対策は、今回新たに設定する在留資格に限らず全ての外国人の円滑な受入れ、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備を進めていくもので、この在留資格と出入国在留管理庁を認めるか、国会で審議しないと総合的対応策も確定しない」「受け入れた後のことを考えていなかったら、入口の法案審議をやるのはおかしい」

    (大島九州男質疑時)

    ・入管法の改正について。外国人労働者の受入れに当たっては、政府として対策を講じなければならない対策は、法改正、法律レベルでは、特定技能一号及び特定技能二号を設け、運用についての基本方針を閣議決定でやる、分野別運用方針に関する規定などを定める。外国人を受け入れるプロセスに関する規定や支援、受入れ機関、支援機関に関する規定を法律上設ける、出入国在留管理庁に対する規定もしっかりとする。
    ・外国人技能実習機構に代わり、法務省の外局として出入国在留管理庁を設置する。
    ・「細かいことは詰められていない、法案を出し直す前に政府で整理してから出すべきでは」「内閣としては、閣議決定をいただいていて、それを国会で審議するようお願いをしている」

    2018年11月9日
    衆議院内閣委員会,第2号

    主要発言者
    加藤鮎子(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山形県第3区:鶴岡市,酒田市,新庄市,最上郡,東田川郡,飽海郡)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)

    内容まとめ

    (加藤鮎子質疑時)

    ・「日本国内で働く方々の処遇が十分に改善されないままに外国人材の受入れを拡大するのは、順番が逆ではないか」「今回の受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、生産性の向上や人手不足を踏まえた処遇の改善等の国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性、技能を有する外国人を受け入れようとするものです。生産性向上それから国内人材の確保のための取組を行っていることが大前提であり、こうした取組を行わないまま、単に労働需要を満たすために外国人材を受け入れることができるという制度ではありません。国内人材の確保の取組をどのように行っているか、分野別運用方針で明らかにされる予定」
    ・本法案では、当該産業上の分野において必要とされる人材が確保されたときは、外国人の受入れを停止する。当該産業上の分野を所管する業所管大臣、関係行政機関で受入れの開始に当たり人手不足の状況を判断するための客観的な指標等について、その動向を継続的に把握することにより、人手不足の状況の変化を的確に把握、検証する。人材が確保されたと認めるときには、受入れの停止の措置を求め、法務大臣が外国人の新規の受入れを停止する措置をとる」
    ・外国人の新規の受入れを停止する場合も、既に在留する外国人材の在留を直ちに打ち切り、特に特定技能二号の場合は、家族の方々とあわせて直ちに帰国していただくということは考えてない。特定技能の在留資格は外国人と受入れ機関との間で雇用契約が締結されていることが前提で、個別の在留状況を把握して在留の許可のあり方を判断する」
    ・家族の呼び寄せをされる場合に、在留資格認定証明書交付申請において提出される結婚証明書又は出生証明書等の資料により、身分関係を確認している。偽装結婚など、偽変造文書や虚偽文書を行使するなどして身分や活動内容を偽って不正に許可を受けて入国、在留をしようとする外国人については、その実態を把握することが困難な面もある。入国管理局では、一般の方から寄せられる情報や入国管理局が保有する各種情報を分析し、又は実態調査を実施するなどの方法によりまして、厳格な審査に努める。
    ※なぜ政府参考人の答弁が与党議員と似ているのか、つくづく疑問。最初の質問、処遇云々には答えていないのにも注意。

    2018年11月9日
    衆議院文部科学委員会,第1号

    主要発言者
    柴山昌彦(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,埼玉県第8区:所沢市,ふじみ野市,入間郡三芳町:文部科学大臣)

    内容まとめ

    ・今後更に加速していくグローバル社会を見据え、(略)外国人に対する日本語教育、外国人児童生徒等への教育(略)などを推進する。
    ※一応記載。

    2018年11月9日
    衆議院法務委員会,第1号

    主要発言者
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)

    内容まとめ

    ・経済社会に活力をもたらす外国人を積極的に受け入れる必要がある。
    ・未来投資戦略、2018年6月15日閣議決定の経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太の方針)、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案提出。
    ・人手不足の深刻化に対応、出入国在留管理庁を新設、2018年内に外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策取りまとめ。
    ・法務省から社会保険に係る関係機関に一定の情報を提供し、社会保険の加入促進を図り、悪質な社会保険料の滞納者に対しては在留を認めないことを検討。法務省として、制度を所管する厚生労働省とともに緊密に連携し対応する。

    2018年11月9日
    衆議院厚生労働委員会,第1号

    主要発言者
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)

    内容まとめ

    ・外国人材の受入れについて、雇用管理の改善、社会保険の適用促進、医療機関を受診できる環境の整備などに取り組む。外国人による医療保険の利用については、加入要件の確認を厳格に行うなどの取組を行っている。

    2018年11月13日
    参議院厚生労働委員会,第1号

    主要発言者
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)

    内容まとめ

    ・外国人材の受入れについて、雇用管理の改善、社会保険の適用促進、医療機関を受診できる環境の整備などに取り組む。外国人による医療保険の利用については、加入要件の確認を厳格に行うなどの取組を行っている。

    2018年11月13日
    参議院法務委員会,第1号

    主要発言者
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)

    内容まとめ

    ・出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案を今国会に提出した
    ・人手不足の深刻化に対応するため、外国人材の受入れを行う。
    ・法務省の外局として出入国在留管理庁を新設する。
    ・年内に外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を取りまとめる。
    ・新たな在留資格制度の下で受け入れる外国人の社会保険については、関係機関で当該情報を活用した社会保険の加入促進が図れるような取組を開始や、悪質な社会保険料の滞納者の在留を認めないことを検討、厚生労働省とも緊密に連携する。
    ・就労等を目的とする濫用、誤用的な難民認定申請の急増で真の難民の迅速な保護に支障が生じるので、2018年1月15日から、難民認定制度の運用を見直し、庇護が必要な申請者に配慮し、濫用、誤用的な申請者にはより厳格な対応を行っている。

    2018年11月13日
    衆議院法務委員会,第2号

    主要発言者
    逢坂誠二(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第8区:函館市,北斗市,渡島管内,檜山管内)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    上野宏史(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県:厚生労働大臣政務官)
    源馬謙太郎(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    和田義明(政府参考人,法務省入国管理局長)
    津村啓介(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例中国ブロック:鳥取県,島根県,岡山県,広島県,山口県)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    大内聡(政府参考人,経済産業省大臣官房審議官)

    内容まとめ

    (逢坂誠二質疑時)

    ・労働力なのか人間なのか。
    ・「外国人の方がお金がかかるのでは?」「コストだけで比べるのは一面的」
    ・「選ばれる日本になるためには?」「総合対策を年内に」
    ・「日本人の雇用が奪われないようにするため(具体的にそれを実効力あるものにするため)には?」
    ・特定技能二号については上限を定めない。
    ・社会保険制度また他の制度のも適用を変えていないが入管法の改正に基づく取扱いは検討する。
    ・技能実習生2800人の聞き取り調査の調査票そのものの開示は個人情報やプライバシーの点からご容赦を
    ・より高い賃金を求めて失踪するものが多数」の実態は?
    ・受け入れ見込み人数は近日中に示す(今日の本会議までには出せない)。

    (源馬謙太郎質疑時)

    ・「日本の社会としてどのように受け入れていくべき?」「多文化共生社会をつくっていく」
    ・人手不足の指標、有効求人倍率など
    ・特定技能一号、二号はそれぞれの業種ごとで使う指標は違うが、同じような考え方で
    ・環境改善の努力がだめな分野には、外国人しか入らなくなる懸念がある
    ・技能実習制度の趣旨と特定技能一号の日本での就労を続けるのは矛盾では?

    (津村啓介質疑時)

    ・受け入れ見込み人数4万人は精査中。

    (黒岩宇洋質疑時)

    ・分野は未定義、各省庁の業種は分野と異なる。
    ・分野は法務省令で定める。
    ・精査の詳細は入管局長へ。
    ・見込み人数は明日(11月14日)の昼まで。
    ・法案、閣議決定、関係閣僚会議決定、政府基本方針、法務省の省令の順では?
    ・入管法七条(産業及び国民生活に与える影響その他の事情)を勘案して法務省令などを定めて運用。

    (藤野保史質疑時)

    ・「今日(11月13日)のニュースで2019年に60万以上の労働者不足、最大4万7千人受け入れ?」「精査しているところ」
    ・失踪した技能実習生の徴収票は公表の項目を検討中。
    ・2016年10月28日に仁比聡平議員が参議院本会議で質問した縫製業の下請取引の実態調査について。
    ・「元請からの工賃を上げるには?」「世耕プラン」。
    ・低賃金、低工賃の指摘箇所は業所管庁との協議、関係閣僚会議で見させていただく。

    2018年11月13日
    衆議院本会議,第5号

    主要発言者
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    田所嘉徳(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,茨城県第1区:水戸市,笠間市,筑西市,下妻市,桜川市,常陸大宮市,東茨城郡城里町)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)
    山尾志桜里(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第7区:瀬戸市,大府市,尾張旭市,豊明市,日進市,長久手市,愛知郡)
    階猛(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,岩手県第1区:盛岡市,紫波郡)
    浜地雅一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例九州ブロック:福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)

    内容まとめ

    (田所嘉徳質疑時)

    ・法律案の要点は、外国人の受入れ制度を拡充と規定の整備、出入国在留管理庁の新設
    ・新しい制度の導入理由、受入れ見込み数、懸念、家族の帯同(永住者)、技能実習制度の失踪者、保険、移民(全体の概要)
    ・失踪者問題、賃金、単純労働、14業種選定のプロセス、見込み受入れ数、家族帯同
    ・「本法案が肝心な部分を法務省令に白紙委任し、法案成立後に法務省が実質的な立法権を行使しようとすることは、国会を唯一の立法機関とする憲法四十一条に照らしてみても問題」「法令は臨機応変に対応できる」
    ・「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策より先に立案した理由は?」「審議の過程で早目に示すため」
    ・分野別運用方針で5年ごとに向こう5年間の受入れ見込み数を示す。
    ・近日中に業種別の初年度と5年後の受入れ見込みの数を示す。

    (山尾志桜里質疑時)

    ・2017年11月に技能実習法が施行され、制度の適正化を図る。

    (階猛質疑時)

    ・「転職で地方の人手不足は解消しないでは?」「地方においても受入れは進むものと考えています」
    ・「法務委員会単独ではなく、関連委員会との合同審査を行うべきでは?」「2019年4月からスタート目指すため」
    ・骨太方針で前提条件の生産性向上や国内人材の確保のための取組は雇用情勢を踏まえて個別に検討。
    ・技能実習生からの意見をきくのは法務省。

    (浜地雅一質疑時)

    ・人手不足が深刻なので4月スタート。
    ・有効求人倍率以外の客観的指標は、各業種における公的統計、業界団体を通じた所属機関への調査等
    ・中長期試算で示した実質2%、名目2%以上のGDP成長率はあらゆる政策を総動員する。
    ・技能実習のように許可制や届出制としなかったのは、在留資格認定証明書交付申請時などに雇用契約確認時に受入れ機関が確認できるから。また、出入国在留管理庁が受入れ機関や登録支援機関を監督する。
    ・ブローカー防止は法務省令による制限と、在留資格認定証明書交付申請時の確認、受入れ機関及び登録支援機関に対する周知、指導等。
    ※現地派遣調査は行わないのか。
    ・非自発的な離職に対して、受入れ機関か委託された登録支援機関で転職支援実施が義務。
    ※罰則は?支援にかかる税金が過大なら受け入れ自体が無理筋では?
    ・派遣については関係省庁と連携して検討。
    ・失踪については、10カ国との2国間取決めにより、送り出し国政府と協力し、不適切な送り出し機関を排除する。
    ・家族帯同を認めたら家族の支援するので人手不足に対応できないが、在留資格「特定活動」により、例外的に配偶者又は子の在留を認める場合がある。

    (黒岩宇洋質疑時)

    ・受入れ業種は各業所管省庁と法務省等とで検討し、政府全体として決定。
    ・特定技能一号の技能は、直ちに一定程度の業務を遂行できるもの、二号の技能は、熟達した技能、基準は業所管省庁が定める試験等で確認、法務省が確認。
    ・14業種に限らず、法務省が外国人材の受入れ要望を受けた業種について業所管省庁等とも協議して、判断する。(法務省令で決めるので法案成立後も可能)。
    ・自民党法務部会も法案了承までに紛糾、決議文が議決。政府基本方針、分野別運用方針、政府、与党、法案、法律の関係。

    (藤野保史質疑時)

    ・調査票の公開について。
    ・問題に対応するため、2017年11月に技能実習法が施行され、制度の適正化を図る。
    ・生産性向上や人手不足の処遇を改善しても外国人材が必要な場合に受入れを行う。
    ※「生産性向上や人手不足を踏まえた処遇の改善」は調査・数値化できるのか。
    ・3カ月の短期契約も可能か。
    ・特定技能二号の在留資格を得るためには、難度の高い試験に合格する必要がある。
    ・できる限り客観的な指標により人手不足の状況を確認する。

    (串田誠一質疑時)

    ・特定技能二号については日本での活動状況等が厳格に審査されて許可される。
    ・介護については、自公政権で月額5万1千円改善し、リーダー級の職員に8万円相当の処遇改善を行う

    2018年11月14日
    衆議院厚生労働委員会,第2号

    主要発言者
    小林鷹之(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第2区:千葉市,習志野市,八千代市)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    吉本明子(政府参考人,厚生労働省人材開発統括官)
    繁本護(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    阿部知子(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,神奈川県第12区:藤沢市,高座郡)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    金子修(政府参考人,法務省大臣官房政策立案総括審議官)
    尾辻かな子(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    高橋俊之(政府参考人,厚生労働省大臣官房年金管理審議官)
    木下賢志(政府参考人,厚生労働省年金局長)
    池田真紀(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例北海道ブロック:北海道)
    樽見英樹(政府参考人,厚生労働省保険局長)
    谷内繁(政府参考人,厚生労働省社会・援護局長)
    大西健介(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第13区:碧南市,刈谷市,安城市,知立市,高浜市)
    岡本充功(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    山井和則(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)
    坂口卓(政府参考人,厚生労働省労働基準局長)

    内容まとめ

    (小林鷹之質疑時)

    ・入国直後に高額療養費制度などを利用する蓋然性が高い方は?情報を在留資格の判断材料とすべき、健康診断書の提出義務化は?
    ・技能実習法第三条二項「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」形骸化を危惧するので技能実習法の改正を含めて再考を。
    ・人手不足分野の受入れなので長期の求職は余り想定されない、退職から3カ月を超えたら在留資格の取消し手続の対象。
    ・日本人労働者の確保の努力について。

    (繁本護質疑時)

    ・働き方改革と入管法改正案の関連。
    ・除染は技能実習か、除染に携わる会社は把握できているのか。

    (阿部知子質疑時)

    ・実習生の監理団体について。
    ・厚生労働省資料によれば、技能実習生の受入れ機関47500のうち5966機関が基準法令違反で指導監督を受け、そのうち4226機関が労働基準関係法令違反。

    (尾辻かな子質疑時)

    ・技能実習制度において、健康保険、厚生年金保険に加入すべきなのに未加入あるいは加入した人数は把握してない。
    ・新たな受入れ制度による外国人にも公的年金制度を適用、年金受給の条件も日本と同等、脱退一時金は?4月から制度運用なのに年金制度改革論議で検討するのは間に合わないのでは?ぜひ合同審査を。

    (池田真紀質疑時)

    ・医療保険、社会保険、公的年金について。
    ・健康保険の利用、加入要件を厳しくする、海外に住む親族の加入を制限する。
    ・今般創設予定の新たな在留資格は、これまでの就労目的の在留資格を有する外国人と同様、生活保護法に準じた保護の対象とはしない。

    (大西健介質疑時)

    ・帰国支援事業の再入国禁止との兼ね合い。
    ・入管当局の在留資格の判断は、当該活動を行っていないことに正当な理由があるかなどを踏まえる。
    ・外国人労働者とデジタルマネー。

    (岡本充功質疑時)

    ・永住許可が失われる場合の各国調査。
    ・外国人の氏名はアルファベットの大文字で記入、国民健康保険、在留カード。

    (山井和則質疑時)

    ・(根本厚生労働大臣に対して)直接技能実習生に会って話をきいてくれないか。
    ・見込み数は本当の上限ではない。
    ・失踪動機の「低賃金、契約賃金以下、最賃以下」が「より高い賃金を求めて」に。

    (串田誠一質疑時)

    ・2013年の労働契約法18条と2018年問題、無期転換(無期労働契約に転換)。
    ・介護職の離職率について、賃金?高齢化?
    ・入管法の二号で家族を帯同できるが、その家族が非常に重い病気でも健康保険の適用できるので濫用にならないか。

    2018年11月14日
    衆議院農林水産委員会,第3号

    主要発言者
    森夏枝(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    大澤誠(政府参考人,農林水産省経営局長)
    長谷成人(政府参考人,水産庁長官)

    内容まとめ

    (森夏枝質疑時)

    ・新たな制度による外国人材の受入れについて、農業、漁業の不足人数は精査中、ポイントは高齢化、平均を上回る不足、雇用需要の増加。
    ・外国人技能実習生の失踪者は平成29年で7089人、そのうち農業分野は1207人、建設関係が最も多く2582人。

    2018年11月14日
    衆議院文部科学委員会,第2号

    主要発言者
    鰐淵洋子(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    柴山昌彦(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,埼玉県第8区:所沢市,ふじみ野市,入間郡三芳町:文部科学大臣)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    義本博司(政府参考人,文部科学省高等教育局長)
    中岡司(政府参考人,文化庁次長)
    清水明(政府参考人,文部科学省総合教育政策局長)
    吉良州司(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例九州ブロック:福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県)
    中川正春(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,三重県第2区:四日市市,鈴鹿市,名張市,亀山市,伊賀市)

    内容まとめ

    (鰐淵洋子質疑時)

    ・外国人受け入れの影響、共生、日本語学習。
    ・留学生に不適切な就労活動をさせる日本語教育機関がある?
    ・法務省で文部科学省等との関係機関と連携し、日本語教育機関の運営状況を把握し適格性を欠く機関の抹消を検討。
    ・有識者会議、出席率や不法残留率の指標の厳格化。
    ・日本語教師の資格創設の検討(2018年9月末の文化審議会国語分科会日本語教育小委員会)。
    ・教育相談体制の充実。
    ・外国人児童生徒等の教育のための教員の加配定数は一部を基礎定数化して、2017年度から10年間で計画的に進めて、各自治体で対象児童生徒18人に対して教員1人が確保できるよう改善を図った。

    (吉良州司質疑時)

    ・外国人の保護する児童生徒がふえてくるのは紛れもない事実なのでこういう方々が日本でコミュニティーに受け入れられ、教育環境を整備することが重要。
    ・外国人材の受入れはいつまでも続くという環境ではないので人づくり、生産性革命、女性や高齢者の支援も進める
    ・受け入れた以上は当該外国人材としっかりと共生していく。

    (中川正春質疑時)

    ・「外国人の子供たちの義務教育期間を含めた就学率、高等学校、大学への進学率は?」「日本語指導が必要な生徒数で」
    ・外国人児童生徒に対して義務(教育)を課すのは、外国人のアイデンティティーや教育をめぐる国際的な動向なども踏まえて慎重に検討を要する問題。
    ・日本語教育の整備、2019年度予算は7憶増えて12億円要求、地域日本語教育の体制づくり推進事業は国が全額負担。
    ・日本語教育は文化庁の国語課。
    ・夜間中学の支援。

    2018年11月15日
    衆議院総務委員会,第2号

    主要発言者
    足立康史(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    石田真敏(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,和歌山県第2区:海南市,橋本市,有田市,紀の川市,岩出市,海草郡,伊都郡:総務大臣)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    向井治紀(政府参考人,内閣官房内閣審議官)

    内容まとめ

    (足立康史質疑時)

    ・マイナンバーカード、在留カードについて。

    2018年11月15日
    参議院厚生労働委員会,第2号

    主要発言者
    石橋通宏(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    川合孝典(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    吉本明子(政府参考人,厚生労働省人材開発統括官)
    礒崎哲史(国民民主党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    倉林明子(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,京都府選挙区:京都府)
    福島みずほ(社会民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    大山真未(政府参考人,文部科学省国際統括官)

    内容まとめ

    (石橋通宏質疑時)

    ・技能実習生は実習を通じて学んでいる労働者。

    (川合孝典質疑時)

    ・移民の定義、厚生労働分野の対応。
    ・対応策の検証は計画的に実地検査で(2019年度報告)。

    (礒崎哲史質疑時)

    ・総合的対応策の具体的な施策が決まったあとに法案成立すべきではないか。
    ・2019年4月施行の必要性。
    ・技能実習職種は海外に移転すべき職種、今回の外国人受け入れの14業種は人手不足が深刻な分野。
    ・単純労働、単純作業について。
    ・「技能実習制度と新たな外国人受け入れは矛盾しないのか」「本人の意志を尊重する」
    ※本人の意志を尊重すれば、その分日本としての政策がないがしろにされて、国民は損をする予感。

    (倉林明子質疑時)

    ・資料(受入れ見込みの積算根拠、入国管理局の失踪者の聴取票)の提出は後刻理事会において協議。

    (福島みずほ質疑時)

    ・介護は5年までの累計で6万人受け入れる。
    ・技能移転ではなく安価な労働力の輸入でしかなかったので廃止してどういう受皿をつくったら一緒に生きていくことができるか改正するべき。
    ・どんなに働いても永住権すら持てない、家族帯同もできないのはおかしい。
    ・日本語教育に関する状況。
    ・介護については月額5万7千円の改善、介護サービス事業所の勤続10年以上の介護福祉士については月額平均8万円相当の処遇改善を行った。

    2018年11月15日
    参議院内閣委員会,第2号

    主要発言者
    矢田わか子(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    宮腰光寛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,富山県第2区:富山市,魚津市,黒部市,滑川市,下新川郡,中新川郡:内閣府特命担当大臣[沖縄及び北方対策,消費者及び食品安全,少子化対策,海洋政策])

    内容まとめ

    (矢田わか子質疑時)

    ・「日本人の労働供給力はある程度ある前提で活用する施策が先では」「就業していない方々には総合的な就労の促進を図る」

    2018年11月15日
    参議院法務委員会,第2号

    主要発言者
    小川敏夫(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    江崎禎英(政府参考人,経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)
    福田守雄(政府参考人,国土交通大臣官房審議官)
    石井苗子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    山口和之(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)

    内容まとめ

    (小川敏夫質疑時)

    ・特定技能の要件は検討中(前の参議院予算委員会で出た宿泊業も)、最終的に詰めをしている。
    ・ベッドメーキングには相当なスキルが要る。
    ・どういう人を入れるのかというその基準が決まっていないのになぜ見込み人数が出るのか。
    ・法律的には、政府が新たな判断をすれば受入れ見込み数を超えた受入れは可能。

    (仁比聡平質疑時)

    ・日本フランチャイズチェーン協会(コンビニエンスストアの業界団体)によると、2018年8月現在で約5万5千人の外国人が大手コンビニエンスストア4社の店舗(全体の92%)に就労、その大半が留学生と認識している。
    ・大手コンビニエンスストア4社の従業員全体に占める外国人労働者の比率は約7%。
    ・留学生の勤務実態について(コンビニ、運送)。
    ・国会図書館調べで、報道された重大悪質事案だけでも、学校(日本語教育機関)が外国人留学生の不法な資格外活動を助長し、逮捕、送検された事例が2011年以降9件ある。
    ・日本語学校の理事長が人材派遣会社をやっていて、留学生の給料を天引きした事例がある。
    ・労働者派遣法、職業安定法に基づく許可を取得した事業者が日本語教育機関であるか、網羅的に把握していない。
    ・日本語学校、専門学校には外国人留学生の適切な受入れ及び在籍管理等についての通知は発出していない。
    ・在留資格別難民認定申請数の推移(技能実習と並んで留学生のビザを持っている人が難民申請をする)が2014年から急増しているが、同じような出稼ぎ労働の実態や人権侵害があるのではないか。

    (石井苗子質疑時)

    ・移民の定義について。
    ・「外国人に選ばれるには?」「労働条件や労働法制、安心、安全で暮らせる生活環境、多文化共生社会の実現、特定の宗教にカテゴライズされる国ではない」。
    ・在留期間を更新しないのと共生社会は矛盾では?
    ・日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画を法務省令の定めるところにより作成することが義務、日本語習得も法令でなくて省令で定める。

    (山口和之質疑時)

    ・2017年の技能実習法、入管法改正の審議で金田勝年法務大臣は不適正な監理団体や実習実施者を排除し、制度運用の適正化を図ると答えたが労働基準法違反は減っておらず、失踪者も大幅に増加して、制度改正の効果が上がっていない、現時点で制度改正の効果について。
    ・今回の制度は企業努力を前提とした受入れ、設備投資や技術革新等による生産性の向上や、人手不足を踏まえた処遇の改善を始めとする国内人材確保のための取組を行ってもなお当該分野の存続、発展のために外国人の受入れが必要な分野に限って行う。
    ※さて、これをどうやって調べる。予算は?人手不足解消による産業の伸びより政府の税金からの必要経費のほうが上回らないか?

    2018年11月15日
    参議院文教科学委員会,第2号

    主要発言者
    神本美恵子(立憲民主党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    清水明(政府参考人,文部科学省総合教育政策局長)
    柴山昌彦(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,埼玉県第8区:所沢市,ふじみ野市,入間郡三芳町:文部科学大臣)

    内容まとめ

    (神本美恵子質疑時)

    ・日本語指導が必要な生徒の高校の進学率及び高校の中退率について。
    ・日本語指導が必要な生徒の進学率の低さについて。
    ・奨学金、資格在留、家族帯同、2018年7月の外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議、連帯保証、機関保証。

    2018年11月15日
    参議院農林水産委員会,第2号

    主要発言者
    里見隆治(公明党,第24回参議院選挙,2016,愛知県選挙区:愛知県)
    大澤誠(政府参考人,農林水産省経営局長)
    小川勝也(立憲民主党,第23回参議院選挙,2013,北海道選挙区:北海道)
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)
    徳永エリ(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,北海道選挙区:北海道)
    儀間光男(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    長谷成人(政府参考人,水産庁長官)
    森ゆうこ(自由党,第24回参議院選挙,2016,新潟県選挙区:新潟県)

    内容まとめ

    (里見隆治質疑時)

    ・国家戦略特区の農業支援外国人受入事業農業分野は愛知が最も進んでいる。
    ・人手不足の全体を外国人で補うという考えないが、補完的に外国人の受入れを行う。
    ・農業の特性も踏まえたような雇用形態を検討する。

    (小川勝也質疑時)

    ・新しい在留資格による受入れ見込み数は以前から作業が行われてきたのではないか、信憑性は?
    ・特定技能第二号で農林水産分野を想定していない。
    ・特定技能一号の技能水準に至る即戦力は、苗の植付け、収穫の対応、基本的な肥料や農薬の選択、家畜の管理に対応できる方。
    ・連合審査を求めるべきでは?
    ・「技能実習生については、理解の場を設けることも検討したい」「大臣も機転を利かせて、待遇が悪そうなところ、厳しそうなところを御視察していただきたい」

    (徳永エリ質疑時)

    ・農業受入れ見込み数の積算根拠は、3千6百人は直近の外国人労働者の年間平均増加数の大体平均、7千3百人は既に帰国した技能実習生と新たに実施する試験による入国者を見込んで追加した数。
    ・漁業受入れ見込み数の積算根拠は、新たな在留資格への移行と新たに実施する試験で入国する者を見込んだ数。
    ・飲食料品製造業は、技能実習二号の修了者のうち一定数がこの新制度に移行することと試験の推計。
    ・外食業は、国内の試験合格者あるいは国外での試験合格者を見込んだ推計。
    ・農業の季節労働者、季節的就労は検討中(配慮は一定程度あるかと)。
    ・国家戦略特区と同様、2017年以来、JA系統の4団体、日本法人協会、全国農業会議所の労働力協議会による要望。
    ・新制度はある意味で農業に特化した国家戦略特区の枠組みの仕組みになるべく準拠した形にできないか。
    ・具体的に安心できるような提案が全くないので4月から運用するのは拙速、問題だらけだと思う。
    ・特定技能一号の試験は、農業技能実習生全体で2万4千人ほどの経験から、肥料、農薬の取扱い、生産に関する技術の試験で、技能実習生の三年終えた二号修了時の試験程度のものが検討の基本ライン。
    ・試験を外国人労働者の方の母国語か日本語でやるかも検討事項。
    ・納得できる説明がなければ、臨時国会の間に法案を審議して成立させることは納得できないので、しっかりと具体的な提案をしてほしい。

    (儀間光男質疑時)

    ・外国人受入れの農林水産省所管業種は農業、漁業、飲食料品製造業、外食業。
    ・新たな外国人労働者の受入れ制度全体の漁業の5年後の累計の数値は、技能実習二号修了者の毎年の移行とともに、二年目以降、試験の実施体制が整って入国する者が毎年千名程度。
    ・技能実習生の対象は、カニ・エビ籠漁業、刺し網漁業、定置網漁業、はえ縄漁業、巻き網漁業、イカ釣り漁業、引き網漁業、カツオ一本釣り漁業で、定置網漁業、刺し網漁業といった辺り、沿岸漁業の範疇になる。
    ・遠洋漁業は、技能実習生ではなくてマルシップなので推計のベースではない、内水面漁業も実績がない。

    (森ゆうこ質疑時)

    ・野党の合同ヒアリングではまるで奴隷のような働き方の実態があるので、外国人労働者の実態のヒアリングをお勧めする、実態を把握していただきたい。

    2018年11月15日
    衆議院本会議,第6号

    主要発言者
    森夏枝(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)

    内容まとめ

    (森夏枝質疑時)

    ・「特定技能の受入れを要望している業種に漁業が含まれているが、漁業への外国人労働者の導入は一人当たりの生産性向上を阻害するのでは」「人手不足を直ちに解消することは困難」
    ・漁業分野では初年度が6百人から8百人、その後5年目までの累計で7千人から9千人の外国人労働者の受入れが必要。

    2018年11月15日
    衆議院消費者問題に関する特別委員会,第3号

    主要発言者
    鰐淵洋子(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,大阪府第19区:貝塚市,泉佐野市,泉南市,阪南市,泉南郡)

    内容まとめ

    (鰐淵洋子質疑時)

    ・入管法の改正自体、非常に危惧していて、技能実習生が年間7千人逃亡している中で、それが見つかっていないのに更に入れるのか。
    ・漁業で初年度6百から8百、5年以内に7千から9千と急に出てきて、農水省方も法務省も、突然感の中でやっている感じがする。

    2018年11月16日
    衆議院国土交通委員会,第2号

    主要発言者
    伊藤忠彦(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第8区:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    石井啓一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県:国土交通大臣)
    道下大樹(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第1区:札幌市)
    野村正史(政府参考人,国土交通省土地・建設産業局長)
    水嶋智(政府参考人,国土交通省海事局長)
    蝦名邦晴(政府参考人,国土交通省航空局長)
    田端浩(政府参考人,観光庁長官)
    津村啓介(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例中国ブロック:鳥取県,島根県,岡山県,広島県,山口県)

    内容まとめ

    (伊藤忠彦質疑時)

    ・「新たな在留資格による外国人材の活用に対する国土交通省の今後の取組について」「現場における担い手の確保が重要な課題、雇用情勢、政策的な要素、業種の特性、事情等を踏まえて、建設業、造船、舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業の五分野における新たな在留資格による外国人材の受入れを検討、生産性向上や国内人材の確保の取組を行っても労働力不足の分野が対象」

    (道下大樹質疑時)

    ・建設業は、現在の技能実習制度での受入れ数などを根拠として、制度開始初年度は5千人から6千人程度の受入れと推計、高齢の熟練労働者の離職や働き方改革の進展を踏まえ制度開始5年後、2023年には21万人の労働力が不足する見通し、国内人材の確保、生産性の向上を行ってもなお不足する3から4万人が外国人の受入れ数。
    ・自動車整備業では、技能実習生からの移行(技能実習二号修了者及び同三号修了者の一定割合が特定技能一号)と、試験による受入れを想定し、初年度は3百人から8百人程度、5年後までに6千人から7千人程度。
    ・造船、舶用工業に関して制度導入初年度に千3百人から千7百人、五年後に1万人から1万3千人との見込み(外国人技能実習二号の修了者及び外国人造船就労者受入事業、いわゆる特定活動の修了者の一定割合が特定技能一号へ移行見込みと、新たに実施する試験の合格者の想定数との合計)。
    ・航空業は、現在の技能実習の運用状況や受入れに関する業界の声を踏まえ、新たな在留資格、特定技能一号につきましての制度開始初年度の受入れ数は百人程度、訪日外国人旅行者数の政府目標の達成に向けた国際線旅客の増加などから、五年後の人手不足数は約8千人と推計、国内人材確保や生産性向上の取組を行ってもなお不足する労働力として、今後5年間で千7百人から2千2百人程度の受入れを見込み。
    ・宿泊業は、制度開始初年度は、業界団体からのヒアリング等を踏まえ、950人から1050人の受入れを想定、今後の訪日外国人旅行者の増加に伴う宿泊者数の増大等により、5年後、2023年には十万人程度の労働力が不足すると見通し、国内人材の確保や生産性向上の取組を行ってもなお不足する人数が外国人の受入れ数で2万人から2万2千人と推計。
    ・想像、推計というところがあり、それぞれのところから、どれだけの人材が必要か、足りないかということを具体的に聞いて積み重ねた、積み上げた方式ではないのでこの見込み数の積算根拠は非常に不確か。
    ・外国人技能実習生が特定技能一号に何割が移行するという想定は、技能実習生にそうしたアンケート調査はしていない。

    (津村啓介質疑時)

    ・「漁業は求人倍率が1.64で全産業平均を下回っていても受け入れ対象だが、タクシーは有効求人倍率が4.55、トラックは2.50、バス2.13で有効求人倍率が高いが、対象業種ではない」「業界全体のコンセンサスが得られていないため」

    2018年11月16日
    衆議院法務委員会,第4号

    主要発言者
    山尾志桜里(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第7区:瀬戸市,大府市,尾張旭市,豊明市,日進市,長久手市,愛知郡)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    階猛(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,岩手県第1区:盛岡市,紫波郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    中曽根康隆(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)

    内容まとめ

    (山尾志桜里質疑時)

    ・個票と受入れ見込み数の根拠について。
    ・11月14日に受入れ見込み数が提示されたが11月13日にメディアで報道されていた件は調査を実施するとのこと。
    ・受入れ見込み数と分野別運用方針と法律との関係について、分野に区分がまだできていないのに、どうして分野別の見込み数が出てくるのか。
    ※結構めんどくさいやりとりで、ある意味読み応えがあります。

    (階猛質疑時)

    ・新たな外国人材の受入れ制度に伴う2019年度の各行政機関ごとの定員要求について、法務省は突出して純増の数が多い(727人)、このうち出入国在留管理庁に319人と受入れ人数4万人との関係は、本来なら事前通告したので今日答えるべきだが、法案の審査の段階で答える。
    ・受入れ人数は5年トータルすると30万人、それにかかる予算も何十億もふえる、この国の財政が厳しい中で、本当にそれだけふやして外国人を受け入れることが妥当なのか。

    (藤野保史質疑時)

    ・技能実習制度の概観、歴史、聴収票の改定について。
    ・「法改正が半年おくれれば、万単位の方々が帰ってしまう」の詳細な説明。

    (中曽根康隆質疑時)

    ・有効求人倍率が44年ぶりの高さだが、少子高齢化により労働力となる生産年齢人口は毎年減少しているので、人手不足の状況が大変深刻な状なので、政府として迅速に対応する必要があり、2019年4月に制度のスタートを目指している。
    ・「試算では5年後の2023年までに145万5千人の労働力が足りなくなるが、政府の5年間の外国人受入れの上限は大体34万人だが」「設備投資とか技術革新等による生産性向上、女性、高齢者の就業促進や処遇改善等による国内人材の確保の取組で補っていく」
    ・本法案に関する国民の認知度に関して、2015年閣議決定の日本再興戦略改訂2015、日本再興戦略2016、未来投資戦略2017。
    2018年2月の経済財政諮問会議、2018年6月の骨太の方針2018、2018年7月の外国人材の受入れ・共生に係る関係閣僚会議、2018年10月の閣僚会議了承。
    ・在留資格、永住許可、特定技能一号そして二号についての確認、登録支援機関、技能実習生の失踪
    ・受け入れたからには、日本側にも責任が当然ある。
    ・受入れ企業の倒産で雇用契約を解除された場合は、当該受入れ企業が他の受入れ企業を確保するなど、転職支援の実施を法律上義務づけている。
    ・特定技能一号外国人が転職を希望する場合は、受入れ企業又は登録支援機関でその相談に応じる。
    ・今回の受入れは、受け入れられた業種と異なる業種に移るのは、当該外国人が有する専門性、技能を生かした就労活動が期待できないので、このような転職は認められない。

    (串田誠一質疑時)

    ・移民の詳細な、国際的な定義について、永住権、単純労働、2013年の労働契約法。

    (この後、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党所属委員出席せず。葉梨康弘法務委員長に対する解任決議案が提出される。)

    2018年11月20日
    衆議院財務金融委員会,第2号

    主要発言者
    川内博史(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,鹿児島県第1区:鹿児島市,鹿児島郡)
    田畑一雄(政府参考人,厚生労働省大臣官房審議官)

    内容まとめ

    (川内博史質疑時)

    ・本人のOECDにおける実質平均賃金が大体年35、6万円(月給)。
    ・求職賃金別の有効求人倍率について。
    ・厚生労働省の職業安定業務統計より常用、フルタイムの求人賃金、求職者の希望賃金の下限の階級ごとの、

    2017年度の新規求人求職者の合計人数は、
    「求人賃金50万円以上が約4千人、40万円以上50万円未満が約1万9千人、30万円以上40万円未満が約17万人」

    求職者の希望賃金は、
    「50万円以上が約2万5千人、40万円以上50万円未満が約4万1千人、30万円以上40万円未満が約23万7千人」

    求人と求職の比率について、求職者の希望賃金は下限しか示されず、上限が設定される求人倍率とは性質が異なることなどに留意が必要だが、機械的に算出すると、
    「50万円以上では0.17倍、40万円以上50万円未満では0.45倍、30万円以上40万円未満では0.72倍」

    生活がしづらい、求める仕事がない現実、実態がこういう数字にあらわれている。

    2018年11月20日
    参議院国土交通委員会,第2号

    主要発言者
    野田国義(立憲民主党,第23回参議院選挙,2013,福岡県選挙区:福岡県)
    石井啓一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県:国土交通大臣)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)

    内容まとめ

    (野田国義質疑時)

    ・国交省は2015年から、建設需要増加に伴い建設業と造船業で受け入れている緊急雇用の外国人労働者について、国交省が企業の実態を把握しているにもかかわらず公表をされていない、なぜか。
    ・建設業、造船業については、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に伴う一時的な建設需要の増大等を見据えて、即戦力となる外国人材を受け入れを2015年に開始した。この当該計画の履行を継続的な確認のため第三者に巡回指導を委託をしている。入管法改正の審議に資するのであれば、個人、法人情報等の取扱いに配慮の上、公表の仕方について検討する。
    ・建設業の就職について。適切な賃金水準の確保、長時間労働の是正などの取り組みを進めている。
    ・技能実習でにおける団体監理型での建設関係の受入れ企業の不正について。
    ・建設業の特定技能一号による受入れ見込み数は、技能や日本語能力水準を試験などで確認された者と技能実習二号を修了した者とで、技能実習制度での受入れ数などを根拠として、制度開始初年度は5千人から6千人程度と推計。
    ・制度開始5年後の2023年には21万人の労働力が不足する見通しで、国内人材の確保や生産性向上の取組を行ってもなお不足する数が外国人の受入れ数で3から4万人と推計。
    ・特定技能一号の、即戦力として業務に従事するための相当程度の知識又は経験を要する業務について。建設業では、例えば型枠大工、あるいは鉄筋施工、あるいは内装仕上げ施工など、技能実習において現在受入れ対象としている職種を中心に新しい枠組みでの受入れを検討中、例えば、具体的な技能として図面を読み取り、指導者の指示、監督を受けながら適切かつ安全に作業を行うための技能や、あるいは安全に対する理解力などを要求、技能水準は業所管省庁が定める試験等によって確認、今後、法務省などの関係省庁とともに具体的な検討を進める。
    ・「技能実習生の調査結果の誤りについて。聴取票の一部が重複していたため、総調査人数が2892名から2870名に、項目設定の不適切、担当者の理解不足(失踪動機の低賃金の数値が本来よりも多く計上されていた)、就労の有無の調査項目で、1件の無回答を誤って就労ありとして計上した」「ないようなことが書かれていたのは、非常に大きな問題」
    ・長期滞在が認められる特定技能二号が建設と造船の二業種だけなのは、前者は熟練技能者の高齢化の急速な進行による大量退職期を迎えつつあるので、若年者層を確保し、計画的に技能者の育成が急務であること、後者は海事生産性革命の目標達成のため、産業基盤の人材の確保が急務なので。特定技能一号の班長等として活躍できる優秀な外国人については、特定技能二号の資格で日本人と同様に活躍してほしい。
    ・各国間、各産業間で人材獲得競争が激化する中、有為な外国人材を日本の建設業、造船・舶用工業で受け入れる観点でも、熟練技能を身に付けた場合には特定技能二号に移行できるキャリアパスをあらかじめ提示することが重要。
    ・入管法改正は、毎日新聞のアンケート調査では66%が今国会だけじゃなくて議論を続けるべきだという世論調査が出ているので、拙速な議論は是非ともやめてほしい。

    2018年11月20日
    衆議院本会議,第7号

    主要発言者
    逢坂誠二(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第8区:函館市,北斗市,渡島管内,檜山管内)
    松田功(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    足立康史(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    源馬謙太郎(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    櫻井周(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    河野太郎(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,神奈川県第15区:平塚市,茅ヶ崎市,中郡:外務大臣)

    内容まとめ

    (逢坂誠二)
    ・法務委員長葉梨康弘君解任決議案。
    ・入管法改正案についてなるべく多くの審議をしたいが、十分な条件整理も審議の見通しもないままに、拙速かつ強行的に審議を開始しようとしたのが葉梨委員長。
    ・日本の各地、外国人居住比率の高いところでさまざまなトラブルが発生している。
    ・今回の外国人材の受入れに関し、山下大臣は、11月1日の衆議院予算委員会で、数値として上限を設けることを考えてはいないと断言したが、11月13日の衆議院本会議で安倍総理は、業種別に明らかにする受入れ見込み数について、それを上限として運用すると語った。
    ・この法案に対する与党内の審議も難航したのではないか。
    ・人手不足の明確な根拠は?
    ・生産性のあり方は業種ごとに違っているはずなのでもっと精査が必要なのでは。
    ・単純労働の明確な定義は?(具体例など)
    ・移民と労働目的の関係。
    ・医療保険、年金、労働保険などの社会保険の適用。
    ・外国人にまつわる課題の国と自治体との責任や経費の分担は?
    ・入国管理政策と多文化共生政策のうち、前者しかない。
    ・雇用主に日本語教育に関する支援を義務づけていない。
    ・実習生の聞き取り調査の個票がプライバシーに関する部分を伏せて、11月19日に公開されたが、閲覧できるのは原則理事のみで、コピー不可、なので原票一枚一枚を手書きしなければならない、さらに個票は刑事訴追とは無縁の内容
    ・山下大臣は今回の法案について、技能実習制度とは全く異なるものだ、と言ったが、11月18日のNHKの日曜討論で自民党の田村憲久政調会長代理は、技能実習をきちんとした雇用に置きかえていくのが特定技能だと述べている、どっちが本当なのか。
    ・技能実習生への調査結果で、失踪した技能実習生の失踪理由の項目が異なり、低賃金であること、低賃金でしかも最低賃金以下であること、低賃金でしかも契約賃金以下であることと、この三つを政府の発表の資料では、これらの三つの理由をまとめて、全て、より高い賃金を求めてと勝手に解釈をしている。
    ・葉梨委員長は、政府に対して厳しく物を言うべき立場だが、法案審議の日程を勝手に決めている。
    ・森山国対委員長も、葉梨委員長の議事運営は何一つ瑕疵はない、解任決議を出されたのは極めて遺憾なことだと考えている、を述べているが認識をぜひ改めるべき。
    ・今回の法案は決まっていないことが多過ぎる。移民、単純労働、人手不足、これらの用語の定義など、早急に明らかにしてほしい。
    ・二つ目。永住権と特定技能の関係、技能実習と特定技能一号対象職種の整理、特定技能への社会保険適用の考え方の整理など、重要事項に対する政府の考え方が決まっていない。
    ・今回の法案は、法務省だけではなく、外務省、厚生労働省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、総務省など、たくさんの省庁に関係し、かつ日本の将来に大きな影響を及ぼすので、特別委員会を設置して審議をすべき、それがかなわないというならば、せめて連合審査を多用するのが絶対の条件。
    ・学者、専門家、技能実習生当事者、技能実習生受入れ団体や監理団体などからも、参考人として話を聞く必要がある
    ・技能実習の現場や現場の外国人労働者の実態を視察する必要もある。

    (松田功)
    ・11月15日の法務委員会では、裁判官、検察官の給与法の質疑と採決、与野党の合意のない一般質疑、入管法改正案の趣旨説明、そして与党の質疑までと、五階建ての日程を決めるという憲政史上例を見ない暴挙に出た。
    ・政府が見込む新在留資格での外国人労働者の5割は技能実習生から移行する人々を想定しているので、技能実習制度の問題を明らかにし、制度の見直しや廃止を検討することはできない。
    ・日本語教育や社会のルール、さらには社会保障制度について、手厚い支援が不可欠だが、これは出入国在留管理庁ではなく、むしろ文科省、総務省、厚労省の管轄ではないか。
    ・自治体が外国人へのサービスを充実するのは困難、受入れ機関又は受入れ機関から委託を受けた登録支援機関が責任を持つのは可能か疑問。
    ・外国人受入れの際に、受入れ機関の企業が追加的な支援を迫られる。受入れ機関から委託を受けた登録支援機関が支援を行う場合も同じだが、こうした経費の増加は望ましいものではない。
    ※企業の都合で受け入れる以上、企業が経費を負担するべき問題なのですが。

    (足立康史)
    ・維新の会は、自民党からは逆立ちしても出てこない、外国人へのマイナンバーカードの義務化など、在留管理を強化できる具体的な提案をしている。

    (源馬謙太郎)
    ・人手不足の分野と受入れ見込み人数の資料が提出されたのは15日の衆議院本会議で同法案の審議後、しかも、国会よりもマスコミに先に情報が渡っていた。14分野が選ばれ合理的な説明はなく、受入れ人数の積算根拠も示されない。根拠や受入れによる日本人の雇用の詳細な情報は、法案審議の前提として不可欠。
    ・現行の外国人受入れの実態に関する資料も提出されていない。
    ・技能実習制度からの移行が事実上前提だが、特定技能一号、二号は在留期間を延ばせるので技能実習制度の制度趣旨から大きく逸脱する。
    ・調査票の個票を、法務委員会の理事と代理に限って閲覧できるようになった。手書き可、コピー、写真不可。

    (黒岩宇洋)
    ・11月13日に入管難民法改正案の総理入り本会議が予定されていた。法案審議の前提となる外国人受入れ規模とその根拠、失踪技能実習生の聴取票の開示を求めたが、受入れ規模については、作業が間に合わない、本会議質問までには開示できないとのこと。しかし、13日の朝、メディアは受入れ規模の具体的数字を報じた。
    ・葉梨委員長も、あってはならないことだが政府にはこういうことがしばしあると、法務省側の落ち度を認めたが、14日の法務委員会での裁判官、検事給与法の趣旨説明、その日のうちに法案審議に入る異例の変則日程を、葉梨委員長は与党の要求どおりに決めた。
    ・11月15日の理事懇では、それ以前は、16日の委員会では、給与法野党質疑、採決、一般質疑、入管法改正案の趣旨説明の要求だったが、与党は入管法改正案の与党質疑を更に盛ってきた。葉梨委員長は、16日の委員会を職権で立てた。しかも、16日昼の理事懇で出てきた失踪技能実習生の聴取票の集計では、今までの集計が誤りで、新たな数字が出てきた。それでも葉梨委員長は、理事懇を夕方に打ち切り、法務委員会野党一般質疑の空回しを始めた。

    (藤野保史)
    ・技能実習制度の実態調査は実習制度の運用改善のために、2009年の衆参法務委員会の附帯決議などで与野党一致して求めたものだが、制度改善のための調査で犯罪捜査とは関係ないので捜査の影響などという答弁は撤回し、直ちに開示すべき。
    ・暴力などの人権侵害も実際より少なく発表されていた。
    ・審議の前提となる資料にこれだけの誤りが明らかになった以上、これをまず正し、全ての資料を国会に提出させることこそ、委員長の責務。
    ・法務省が先日発表した、聴取票の取りまとめにも重大な疑義が生じている。
    ・技能実習生の実態把握のためには個票そのものの徹底的な分析が不可欠なので、限られたメンバーへの閲覧ではなく、直ちに国会に提出することを強く要求する。

    討論終局、採決。

    採決結果 投票総数 450
    可とする者(白票) 132
    否とする者(青票) 318
    ・葉梨康弘法務委員長への解任決議案は否決

    (櫻井周)
    ・誤りのあった法務省の技能実習生の失踪動機をまとめた実態調査データの資料のもとの調査データを、閲覧だけでなくコピーも認めるよう改めて求める。

    (河野太郎)
    ・技能実習生や留学生に関する問題は外務省も重く受けとめており、国内外での取組が重要。技能実習生、留学生の状況改善のため、引き続き、関係省庁及び送り出し国とも協力する。
    ※調査データのコピーについては発言せず。

    2018年11月21日
    衆議院農林水産委員会,第6号

    主要発言者
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)

    内容まとめ

    ・外国人人材を円滑に受け入れられるように、法務省等の制度所管庁と連携して積極的に検討を進める。
    ※一応……

    2018年11月21日
    衆議院外務委員会,第3号

    主要発言者
    小熊慎司(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)
    河野太郎(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,神奈川県第15区:平塚市,茅ヶ崎市,中郡:外務大臣)
    平口洋(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,広島県第2区:広島市,佐伯区,西区,江田島市,大竹市,廿日市市:法務副大臣)
    穀田恵二(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    大口善徳(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県:厚生労働副大臣)

    内容まとめ

    (小熊慎司質疑時)

    ・法務省の在留資格認定証明書の調査に外務省が動いている。
    ・法務省での、日本語教育機関や仲介業者の調査について。
    ・法務省での日本語教育機関のチェックが間に合っていない。
    ・地方の人手不足に的確に対応する方策については、引き続き政府全体として鋭意検討する。

    (穀田恵二質疑時)

    ・労働基準監督署では技能実習生を雇用する約4千8百の実習実施者に重点的に監督指導を行い、2017年で外国人技能実習生を雇用する5966の実習実施者に監督指導を実施した結果、70.8%に当たる426事業場で労働基準監督法令違反、是正指導した。主な違反事項は、違法な時間外労働等の労働時間関連が26.2%、機械を使用する際の安全基準に関するものが19.7%、賃金不払い、残業等の割増し賃金の支払いに関するものが15.8%など、重大、悪質な労働基準関係法違反で送検したのは34件。
    ・7割近くの違法を事実上見逃して、その問題の解決抜きに、外国人の受入れ拡大はあり得ない。

    2018年11月21日
    衆議院内閣委員会,第5号

    主要発言者
    塩川鉄也(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    後藤祐一(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)
    山田雅彦(政府参考人,厚生労働省大臣官房審議官)
    片山さつき(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,参議院比例区:全国:内閣府特命担当大臣[地方創生,規制改革,男女共同参画])
    浦野靖人(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)

    内容まとめ

    (後藤祐一質疑時)

    ・徴収票で監理団体に関する調査項目がない(2017年11月施行の技能実習法にも入っていない)、今回の新法で監理団体を許可制にした。
    ・技能実習法の二十八条で、実習生保護の観点から監理団体が監理事業に関し技能実習生から「いかなる名義でも、手数料又は報酬を受けてはならない」との法定化がされているので調査項目を設けて実態把握をするべき。

    (塩川鉄也質疑時)

    ・外国人の技能実習生に関する話ですが、外国人技能実習機構と、もともとJITCOというものがあった(内閣府所管、担当片山大臣)。外国人技能実習機構には法務省から113名、厚生労働省から122名、外務省から1名現職出向している。JITCOには法務省から1名、厚生労働省から5名、外務省から1名、経済産業省から2名再就職している。

    (浦野靖人質疑時)

    ・技能実習生の聴取票と情報公開法に基づく公文書の開示請求について。

    2018年11月21日
    衆議院法務委員会,第5号

    主要発言者
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    宮武宜史(政府参考人,国土交通省大臣官房技術審議官)
    北村知久(政府参考人,国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)
    吉本明子(政府参考人,厚生労働省人材開発統括官)
    高野光二郎(自由民主党,第23回参議院選挙,2013,高知県選挙区,高知県:農林水産大臣政務官)山尾志桜里(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第7区:瀬戸市,大府市,尾張旭市,豊明市,日進市,長久手市,愛知郡)
    逢坂誠二(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第8区:函館市,北斗市,渡島管内,檜山管内)
    階猛(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,岩手県第1区:盛岡市,紫波郡)
    関芳弘(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,兵庫県第3区:神戸市:経済産業副大臣)
    山井和則(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)

    内容まとめ

    (藤原崇質疑時)

    ・失踪した技能実習生の聴収票の誤り、特に「より高い賃金を求めて」の表記について。
    ・移民政策、特定技能一号、二号、永住の観点からの説明。
    ・受入れ見込み数、造船、舶用工業の根拠、国土交通省では2025年に新造船建造量の世界シェアを30%に広げるという産業界と共有する目標を立ている。

    (浜地雅一質疑時)

    ・「外国人建設就労者受入事業」の外国人建設就労者について、2017年度一年間に発生した失踪者の数は35名、2017年度末時点での在留者2983人に対し、割合は約1%。
    ・技能実習生全体の失踪者の発生割合について、2017年末在留者に対象期間の新規入国者数を加えたものを分母とし、対象期間の失踪者数を分子として計算した場合、2017年の失踪者の発生割合は2.0%、2018年上半期の失踪者の発生割合は1.3%。
    ・外国人実習支援機構の手続きの厳密さ。
    ・技能実習制度の二号への移行対象職種追加。
    ・宿泊業、外食産業について。
    ・農業分野における派遣形態。

    (山尾志桜里質疑時)

    ・技能実習生の聴取票の言葉遣いの不適切さ、最低賃金について。
    ・聴取票の情報開示について。

    (逢坂誠二質疑時)

    ・特定技能に技能実習から移行される予想は、初年度は50から60%ぐらい、5年見込みで40数%。
    ・入国管理法の改正の目的規定に多文化共生政策面についての記述がないのか。所管が異なるならなぜ基本法をつくらないのか。
    ・新規の受入れの方の試験の実施方法の詳細について、施行が2019年4月であり、2019年5千名の介護分野での外国人が入ってくる見込みを政府は持っているのに法務省は試験の実施のイメージすら把握をしていない。
    ・外国人勢受け入れに関して、地方自治体とその財源について、どう考えているか。

    (松田功質疑時)

    ・総合調整機能の調整を法務省が担当するのは、在留資格と人権擁護の面から。日本語等の教育は文科省などもあるけど外国人受入れ・共生のための関係閣僚会議でまた関係省庁と調整して行う。

    (源馬謙太郎質疑時)

    ・厚労省から各事業所に対してアンケート調査を行い、外国人材を受け入れて人手不足を解消したい事業所が16%。
    ※ただし、待遇が良くできない理由で日本人ではなく外国人材を受け入れたいのなら、それ相応の待遇向上の努力が求められる今改正の対象外。

    (階猛質疑時)

    ・「母国で活躍してもらうための技能実習制度なのに、終わった人の70%から80%が特定技能への移行で残る前提で数字を出すのは技能実習制度の趣旨を根幹からねじ曲げている」「地元に帰られた方の調査の数字で仮置きするしか」「技能実習法の三条の二の、技能実習は労働力の需給の調整として行われてはならない、この明文の規定にも反している」
    ・介護業界の受け入れ見込み数について。
    ・失踪した技能実習生の最低賃金以下となる人数と割合は検討中、この数字を早く出さないと法案の審議は成り立たない。

    (山井和則質疑時)

    ・「5年間で34万人受入れ」の詳細な説明。

    (黒岩宇洋質疑時)

    ・失踪技能実習生の調査票について、門山政務官のもとにプロジェクトチームがつくられ分析を行うが、この中に人権擁護局の人員も入れるべきではないのか。
    ・(和田政府参考人)調査票の表現をそのまま使おうとした際にそれぞれの選択肢を挙げ不適正な取扱いであるという形でまとめたが、調査票から人権侵害行為等の言葉を削った点について不適切である指摘は重く受けとめて、この表現ぶりについてはよく検討したい。
    ・自民党の法務部会と、そこから出された決議文について、山下議員は法務大臣として出席。
    ・聴取票の月額給与は税引き前か税引き後か、その議論もなかったのか、その他聴取票の仕様について。

    (藤野保史質疑時)

    ・監理団体と、その調査の詳細について。
    ・建設業は他の業種と比べて失踪率が倍、また、初年度は98%近く技能実習生からの移行を見込んでいて、5年後も97%、マックスで移行を見込んでいる、完全にこれは技能実習制度を前提にしている。
    ※ここでの失踪率は先の「外国人建設就労者受入事業」の話とは別?
    ・技能実習における失踪、離脱に関しては、門山政務官のプロジェクトチームで運用などを検討してほしい。
    ※この回、葉梨康弘委員長の口調が後半若干くだけていたのが気にかかる。

    2018年11月21日
    衆議院厚生労働委員会,第3号

    主要発言者
    西村智奈美(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第1区:新潟市)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    谷内繁(政府参考人,厚生労働省社会・援護局長)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    稲富修二(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例九州ブロック:福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県)
    吉本明子(政府参考人,厚生労働省人材開発統括官)
    岡本充功(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    土屋喜久(政府参考人,厚生労働省職業安定局長)
    坂口卓(政府参考人,厚生労働省労働基準局長)
    高橋千鶴子(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)
    谷内繁(政府参考人,厚生労働省社会・援護局長)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    上田弘(政府参考人,農林水産省大臣官房参事官)

    内容まとめ

    (西村智奈美質疑時)

    ・技能実習生の聴取票の修正(失踪の理由が「より高い賃金」から「低賃金」になった)については、もともと公表予定ではなく内部用の報告書をつくるため地方入国管理局からの報告結果を取りまとめて作成していたものなので、精査の意識が薄くかったため。
    ・新たな在留資格による介護業の今後5万人から6万人を受け入れる見込みの根拠は、2017年度の調査で約16%の施設等が外国人材の活用を希望している調査結果で外国人材の受入れ対象となる施設等の数が全国に約11.3万カ所あることを踏まえて試算、受入れ施設の準備を考慮して、制度開始5年目まで段階的にふえ、例えば、1年目は受入れを希望する施設の4分の1が、2年目から3、4年目にかけては2分の1、4年目から5年目にかけては受入れを希望する全ての施設が受入れを開始する仮定で試算した。
    ・受入れ見込み数の5万とか6万という数字は、介護業の有効求人数あるいは有効求人倍率からすれば甚だ低い数字では?
    ・「介護業では、需要に対して供給が追いついていないのに賃金が上がっていかない中で供給側だけがふえるのは、労働者の賃金水準が低いままに据え置かれるんじゃないか」「2019年の消費税のアップに応じて、介護サービス事業所の勤続年数10年以上の介護福祉士については月額平均8万円相当の処遇改善を行う方針」
    ・不当な事案時には地方入国管理局と労働基準監督署の間で相互通報し、審査の現場、退去強制の現場等々でそうした事案を発見したときには、労働基準監督署に通報する。厚労省でこうした通報を受けた場合は、実習実施者に立入り等をして是正を図らせたい。
    ・聴取票の具体的な内容については、技能実習生の労働条件に関する情報が含まれるという指摘もあるため、今後の対応については法務省と検討する。また、出入国管理機関との相互通報制度を適切に運用して対応する。

    (稲富修二質疑時)

    ・法務省の調査について、失踪動機のうち低賃金が67.2%で最大、月給が半数以上が10以下。
    ・厚生労働省も、失踪者が2017年に7089人、2016年には5058人いたことは把握していた。
    ・調査内容は、法務省入国管理局で行方がわかった失踪者に聞き取りしたもの。
    ・2017年10月、11月に施行した新しい技能実習制度で、監理団体の許可制、個別の計画の認定、外国人技能実習機構から計画的に実地調査、実地検査、必要な改善指示など行っている。
    ・技能実習生は、今、7千人が注目されているが、26万人いる。厚生労働省としてその労働環境を理解し、調べる必要があるのではないか。

    (岡本充功質疑時)

    ・外国人の技能実習生、特定技能一号、二号と障害者雇用について。
    ・「失踪した技能実習生の聴取票を見ると、どう考えても最低賃金以下の人たちはかなりいる、法務省は通報していないのか」「法務省では、不適切な行為の端緒を把握したら、その情報の信憑性や確度も勘案しつつ、必要な調査を行った上で、労働基準監督署を含む関係機関への情報提供を行う、今後、ますます積極的に行う」

    (高橋千鶴子質疑時)

    ・介護の技能実習は、2017年11月に開始して2018年10月31日現在で介護職種の技能実習の計画申請数は先日聞いたときは600件と言っていたのがもう986件(一件が一人)、機構に認定された数は472件。
    ・介護福祉士養成施設の定員等の推移、2014年度からの5年間で入学定員数が2535人、入学者数が3536人減っている。外国人留学生は17人から1142人、0.2%だったのが、今は16.7%までいる。
    ・技能実習生が行う介護の業務について、夜勤業務など。
    ・技能実習の二号と特定技能一号、特定技能の在留資格と技能実習制度について。
    ・引き続いて連合審査などやっていってほしい。

    (串田誠一質疑時)

    ・監理団体の許可制や技能実習計画の認定制の導入、技能実習生に対する人権侵害行為の禁止規定や罰則規定の整備、技能実習生からの相談体制の整備、技能実習機構による監理団体、実習実施者に対する実地検査の実施により制度の適正化を行っている。
    ・アンケート調査を厚労省が活用していく制度をぜひ設けてほしい。
    ・農業の5年後の人手不足の数が13万人、これには単純作業も入っている。この13万人に対して外国人は3万9千人必要(生産性向上で1万1千、国内人材の確保が8万)、つまり生産性向上と国内人材だけで単純作業は全て消化し切って、最後の残りの特定技能一号の要求する相当程度の知識あるいは経験による技能、この業種だけが残る。
    ・農業については単純労働の具体的例示を一概に答えることは困難、区分せずに今のような計算を行っている。
    ・「13万人の中には単純作業も入っていて、生産性向上と国内人材で賄っても足りない分を外国人を入れてもらう計算式なのだから、外国人がやる中には単純作業も入るのでは」「区分けできないということで、入る」「要するに、入管法は特定技能一号だけでなく、単純作業も入る」
    ・全14業種は、全部計算するとゼロに近いものばかり。漁業に関しては5年後は2万人、生産性向上は4千人、国内人材は7千人、足すと1万1千で、2万から1万1千を引くと9千人。9千人と書いてある。
    ・要するに、単純作業も全部ひっくるめて外国人に労働不足を全部補ってもらうという政策で、それが今度は二号に移って、移民政策そのもの。特定技能の一号という要件が加わっているから移民政策ではないのが安倍総理の答え。単純作業も入っているのは安倍総理の回答と異なっている。
    ・「専門的、技術的分野でない人手不足の分は、生産性向上か国内人材確保の部分で吸収する」「現実的でないし、そもそも、省庁がそうじゃないと言っている、入管が幾らそんなことを言っても、省庁自身が単純作業も入れていると言っている、この制度自体の説明が間違っている」

    2018年11月22日
    衆議院法務委員会,第6号

    主要発言者
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)
    安冨潔(参考人,[京都産業大学法務研究科客員教授,慶應義塾大学名誉教授,弁護士])
    レロンソン(参考人,[ESUHAI Co., Ltd])
    鳥井一平(参考人,[特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事])
    坂本恵(参考人,[福島大学行政政策学類教授])
    指宿昭一(参考人,[日本労働弁護団常任幹事,弁護士])
    八代尚宏(参考人,[昭和女子大学グローバルビジネス学部長・特命教授])
    山尾志桜里(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第7区:瀬戸市,大府市,尾張旭市,豊明市,日進市,長久手市,愛知郡)
    鬼木誠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福岡県第2区:福岡市)
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    渡辺由美子(政府参考人,厚生労働省大臣官房審議官)
    井野俊郎(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,群馬県第2区:桐生市,伊勢崎市,太田市,みどり市,佐波郡)

    内容まとめ

    (串田誠一質疑時)

    ・氷河期世代もありますので、国民の労働条件が悪くならないことをぜひとも願いたい。

    (安冨潔)
    ・出入国在留管理庁の設置により、法務大臣の権限の多くが出入国管理庁長官に移行するものと理解。
    ・日本の治安や安全、安心な社会に与える影響を考慮しつつ、制度の悪用がなされないような検討を。

    (レロンソン)
    ・しっかりした合法的な募集を派遣機関においてはやってほしい。教育機関も本質的な教育(日本語、文化、企業で働く際の注意事項、安全、またマインド、意識)を入れなければいけない。我々は人生設計まで授業の中に入れた。
    ・二国間協定の取決めを締結して、その調整の上、真面目な送り出し機関、教育機関を推薦する。国がしっかり管理できる体制でやらないと、ブローカーが参入してしまう。

    (鳥井一平)
    ・労働者としての在留資格で入国し働いている外国人労働者が、全体で19%しかいない。働くことを目的としないはずの技能実習生と留学生で40%を超えています。農業では外国人労働者のうち79.2%が、建設では66.3%が技能実習生。留学では、在留数との単純比較で83%の留学生が働いている。
    ・外国人労働者に家族帯同の権利の付与、技能実習制度の廃止をもとめる。外国人労働者への支援は国や地方自治体が行うべき。
    ・受入れ機関や登録支援機関に、新たに受け入れる外国人労働者に対する一次的な支援を担わせるべきではない。
    ※受け入れる当事者が負担するべきだと思うのですが。なんで外国人労働者受け入れの恩恵に直接あずかるとはいえない国民が、税金を通じて負担しなければいけないのか。
    ・悪質な紹介業者の介在を排除する仕組みの構築をしてほしい。
    ・外国人労働者とその家族は、既にこの社会において、事業の担い手、産業の担い手、地域の担い手として活躍している。この事実を直視した移民政策こそが求められている。

    (坂本恵)
    ・2016年の法改定で技能実習の監理団体は許可制になったが、その許可制の監理団体のもとでも、最低賃金法違反、技能実習生への深刻な人権侵害、労災隠しがなくなっていない。
    ・なぜ、団体監理型の受入れ監理団体について、実態の調査、公表すらされないのか。
    ・人材不足、受入れ見込み数の算定根拠の問題がある。専門的知見からすれば、極めて根拠としてその数値計算が疑わしい。例えば、表現として、1%程度の生産性向上が可能とか、5年後に7.5万人の人的不足が生じるものと推測される、とかは、国際労働力の上限試算方法から見れば到底たえ得るものではない。
    ・特定技能制度は、際限なく外国人労働者の大量流入を可能にする制度ではないか。送り出し国との二国間協力覚書、MOUを必要としていない点で極めて問題。
    ・事業場移動の問題がある、十分な事業場移動の期間を保障し、多言語の支援が必要。

    (指宿昭一)
    ・技能実習生は声を上げられないのは、送り出し国で、送り出し機関から多額の渡航前費用を徴収され、権利侵害に対して声を上げない約束をさせられて、その担保に保証金を徴収され、違約金契約を締結させられているため。
    ・残業時給が300円でも日本で職場を移動する自由もない。
    ・技能実習生が権利を主張すると、受入れ企業や監理団体によって、本人の意思に反して強制的に帰国させられてしまうということがある。
    ・職場移動の自由、日本を送り出し国のブローカー規制、家族帯同を認め、定住化に結びつく可能性を開くこと、基準の透明性、客観性の確保が必要。
    ・外国人政策は、共生政策と在留管理政策の二つが必要。

    (八代尚宏)
    ・入国管理局に外国人労働者を管理できるのか。外国人労働者を本格的に受け入れるのであれば、この法律では第一義的な責任を持つ厚生労働省(労働基準監督署)がなぜ何もしないのか。
    ・新しく省庁をつくるというアイデアは、余りにも時間がかかる。
    ・外国人労働者を安く使って利益を得たら、それを取り上げるぐらい、あるいはアメリカでやっている三倍返しのような形で外国人労働者の搾取は企業にとって損になる常識を植え付ける必要がある。
    ・2009年に一橋の労働法とか労働経済の専門家が合同でつくった外国人労働という本があり、実証分析で、外国人が多い地域の日本の低学歴の人の賃金はほかよりも高い結果が出ている。そこは、多くの資本を使って、資本と労働(多くの外国人)を組み合わせて高い生産性を上げているので、日本人の低学歴の人の雇用機会もふえる。
    ※これ、現代でも通用する話なのでしょうか。それだけの需要があるものなのか……
    ・政府間で協定を結べばいいのではないか。

    (門博文質疑時)

    ・送り出し機関は、今現在、ほとんど教育の力がわかる。日本語教育や日本の文化の教育はできる。
    ・日本入国前に、相手国先で一定期間の義務教育として、日本の文化、日本語、何らかの日本の政府からの支援を行った上で、試験を実施すれば、有効的に真面目な人材が入ってくる。

    (山尾志桜里質疑時)

    ・就労機会とか高度技術へのアクセス機会が限られている人が出稼ぎとして日本に来る、この問題の女性からの観点は?

    (源馬謙太郎質疑時)

    ・年金の脱退一時金についても、働いて帰るとき、あるいは、年金という制度に外国人労働者にどう参加してもらうか、積立金ではないという理解など、外国人労働者に対する制度設計が必要。

    (黒岩宇洋質疑時)

    ・受入れ見込み数の試算について、客観的な指標を持っていないと、とめるときにとめられない。この試算は難しくない。受け入れる部分が非常にクリアで、分野ごとに毎年計算する。でも、恐らくその計算は難しいことではない。

    (藤野保史質疑時)

    ・逃げることさえも許されないから失踪者がふえていない。

    (串田誠一質疑時)

    ・なぜ実習生が非常に悲惨な待遇にあるかというと転職できないから、一種の経済学でいう雇用主の独占力があるから。転職できる今回の新しい在留資格は、中度人材の労働者の自由度が高まる意味では非常にいい仕組み。独占力を認めてはいけないというのが非常に大きなポイント。
    ※この論議で「中度人材」の語が出てきたのはこの委員会だけ。
    ・厚労省にとって基準となる法律があれば自由に動ける。労働基準監督官が外国人と日本人の労働者の賃金を調べるとか。

    (鬼木誠質疑時)

    ・「特定技能二号は更新期限の上限がないから受入れ外国人の総数に与えるインパクトが大きくならないか」「建設業と造船・舶用工業の二業種なので、極めて限定的な業種、その上で熟練した技能が必要」
    ※業種数は少ないが、建設業は人が多そう。
    ・生産性の向上や国内人材確保の取組の状況、人手不足の状況を適切に判断、見通した上で、臨機に受入れの停止措置をとるので、制度上、日本人の雇用に影響を与えないよう十分に配慮している。
    ※そろそろ数値基準を示してほしい。
    ・被送還者の自国民引取り義務を適切に履行していない国からの受入れは行わないということを検討している。
    ・厚生労働省では、医療保険事務の効率化の観点から、マイナンバーカードを保険証として利用できるオンライン資格確認の導入を決めていて、2020年度の運用開始を目指して、現在、保険者、医療保険関係者と精力的に協議を進めている。
    ※ 関連 医療保険のオンライン資格確認~マイナンバーカードと健康保険証の一体化~(NEC)

    (井野俊郎質疑時)

    ・「自民党法務部会の決議文を配布した。一番大事なのは、特定技能二号の適用条件の認識、説明を超える高いレベル(現在就労及び家族滞在が認められている専門的・技術的分野の在留資格に必要とされる技能と同等又はそれ以上の技能)での厳格化を行うべく、法務省令、基本方針及び運営方針に反映させること、大臣にも部会に来ていただいて、その旨遵守というか、その旨承るというか、そういう話もいただいた」「特定技能二号の技能水準が現行の専門的、技術的分野の外国人材と同等又はそれ以上の水準である旨を明確にする、分野別の運用方針で高い技能水準をはかる試験などの評価方法を定め、法務省令でも定める。技能水準をはかる試験は、分野ごとの特性に応じて業所管省庁で適切に定めていただく」
    ・三カ月以上活動しないと在留取消しの件。
    ・外国人の受入れの停止の判断について。
    ・本改正法案では、在留管理を強化するための諸規定を整備している。受入れ機関等の各種届出の義務化、届出事項の拡大、受入れ機関等に対する指導助言、報告徴収や立入検査、これらに対しての罰則で担保しました改善命令の規定を設けている。
    ・本改正法案では、受入れ機関等が特定技能一号の外国人に対しては職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援を実施する。

    2018年11月22日
    衆議院農林水産委員会,第7号

    主要発言者
    森夏枝(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    長谷成人(政府参考人,水産庁長官)

    内容まとめ

    (森夏枝質疑時)

    ・漁業分野は現在5千人の人手不足で、5年後には2万人の人手が足りなくなる、そして、初年度6百人から8百人、5年目までに7千人から9千人の外国人を受け入れる。
    ・外国人に日本に来て働いてもらうのは現場で望まれている声だと思うので、現場の声は大事にすべきだが、外国の方の受入れをしても、日本の若者が漁業を選択できるよう、漁業従業者の所得向上につながる法改正であってほしい
    ・漁業就業者数は高齢者の退職により今後も減少が想定、毎年2千人の新規就業者の確保が目標。

    2018年11月22日
    参議院厚生労働委員会,第4号

    主要発言者
    川田龍平(立憲民主党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    金子修(政府参考人,法務省大臣官房政策立案総括審議官)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    足立信也(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,大分県選挙区:大分県)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    倉林明子(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,京都府選挙区:京都府)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    東徹(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,大阪府選挙区:大阪府)
    福島みずほ(社会民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)

    内容まとめ

    (川田龍平質疑時)

    ・2008年の外国人留学生30万人計画と国際競争力、留学生の就職について。
    ・「日本語能力試験は国で統一の試験をつくるべきではないか」「これからきちんと手当する」
    ・EPA制度は、有資格者やそれに準ずる高度な人材を想定した制度設計だが、特定技能一号は無資格者。介護技能の質の低下をもたらさないか。
    ・技能実習「介護」で来日しておる実習生に技能実習二の修了資格要件と同等程度の要件を設けると言っていますが、その要件は技能実習生の中間試験合格レベルにすぎない。
    ・特定技能一「介護」で来日した方は専門機関の教育を受けていないから、在留資格「介護」の要件は満たせないので5年たったら帰国しないといけない。在留資格延長できる道筋をつくるべき」「入国管理局において当該制度の実現に向け厚生労働省と検討を進めており、特定技能一号からの在留資格変更についてもこれと同様に検討している」

    (足立信也質疑時)

    ・公的訓練もやっていて途中で何らかの事情で辞められて、しかし職業訓練の期間は残っていて、それが在留資格の期間の範囲内ということであれば、それは継続して行う。
    ・「社会保障協定を締結していない新たな国の方々が入ってきた場合は、順次社会保障協定を議論の末に締結するのか」「二国間協定は順次やっている、基本的には、我々もこういう議論のときには協力するが、外務省の所管で、そこでの対応だと思う。そういう議論になったら、我々厚労の分野は中身があるから、しっかりと話し合って協議する」

    (倉林明子質疑時)

    ・厚生労働省でも失踪した技能実習生の聴取表を見るべき、協議案件なので既に衆議院の法務委員会で提出されている資料は直ちに提出してほしい、連合審査の要求を出しているが、速やかに厚生労働委員会として集中審議を要求したい。

    (東徹質疑時)

    ・「技能実習生の失踪者について。3年間で大体7千人ぐらいの人たちが、今この国内で行方不明状態。35億円かけて外国人技能実習機構をつくったが、2017年よりも2018年の方が倍の勢いで失踪者の数が増えている。技能実習生の管理というのがなかなかできない」「法務省からも答えてほしいが、2017年適正化法の技能実習法を作り、監理団体の許可制、技能実習計画の認定制を導入した。人権侵害行為の禁止規定には罰則も付けている。技能実習機構、相談体制も整備、実地検査の実施も行う、更なる実績の蓄積が必要」
    ・「何で二国間協定を必須としなかったのか。二国間協定結んでいたら相手の国にも言える」「深刻な人手不足に対応するため、技能実習制度のように相手国の送り出し機関の関与が相当の割合で想定されなかったため、新たな政府間取決めの作成を前提にする制度設計にしなかった」

    (福島みずほ質疑時)

    ・聴取票の開示と特定技能一号の派遣の件、家族帯同を認めない理由について。

    2018年11月22日
    参議院法務委員会,第4号

    主要発言者
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)

    内容まとめ

    (櫻井充質疑時)

    ・地方に外国人労働者を増やすための具体的なインセンティブについて、今現在具体的な提案は持ち合わせていない。

    (仁比聡平質疑時)

    ・オリンピック・パラリンピック対応で、特定活動という在留資格で、建設と造船に2015年から多くの外国人労働者が受け入れられている、この二つが熟練技能として特定技能二の対象になる、国土交通省が特定監理団体と適正監理計画を認定して受け入れる仕組みになっている。この実態把握の資料によると、2017年度の一年間で、建設企業518社に対する巡回指導において、賃金支払に関しては約4割に当たる204社に改善指導が行われた。適正監理計画を下回る雇用条件での賃金支払、過大な控除、住居費等が天引きされる。手当の未払、それから割増賃金の算定ミス等による一部不払。重大じゃないか。賃金問題が137件、時間外、休日、深夜割増賃金の支払問題が140件。強制貯金、最賃違反も今国交省が認定している受入れで現に起こっている。労働関係法令に違反し、人権侵害にも当たる。
    ・国交省が認定して行っている監理団体の実態について。
    ・建設においては賃金単価の抜本的引上げが必要。

    2018年11月26日
    参議院予算委員会,第3号

    主要発言者
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    二之湯武史(自由民主党,第23回参議院選挙,2013,滋賀県選挙区:滋賀県)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    福山哲郎(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,京都府選挙区:京都府)
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    辰巳孝太郎(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,大阪府選挙区:大阪府)
    柴山昌彦(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,埼玉県第8区:所沢市,ふじみ野市,入間郡三芳町:文部科学大臣)
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    福島みずほ(社会民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)

    内容まとめ

    (二之湯武史質疑時)

    ・各業所管省庁からの報告によると、現時点の人材不足数の総数は約59万人、代表的なところで介護業6万人、外食業25万人となっております。
    ・日本は多文化が融合して新しいものが生まれるダイナミズムにやや欠けるところがある。専門性を持った外国人たちが活躍する多文化共生社会というのは革新的で創造性に富んだ社会なんだ、という側面も強調していくべき。
    ・クールジャパン人材を是非積極的に進めたい。一定の専門性を持った外国人に我が国の魅力あふれる職種で実習をしてもらい、その後それを普及する人材になってもらう。現在、調理師免許を持つ外国人が日本料理店で最大五年間実習できる、日本料理海外普及人材育成事業という資格が設けられている。こうした資格を、例えば我が国のブランド競争力の高い分野、フレンチ、イタリアン、中華といった食文化や、美容やエステといったビューティー分野で、日本の魅力を日本で実習して、母国で日本式のサービスを普及することによって我が国の国益につなげていく。
    ・美容師、エステティシャンについては国内各方面の声を聴取している。
    ※少し話がそれているかもしれないが、一応記載。

    (福山哲郎質疑時)

    ・技能実習生の個票のデータの取り扱いについて、現時点でも公開されていない。
    ・個票を聴取した技能実習生については、行政処分を受けてほとんどが国外退去になっているから刑事訴追を受ける可能性はほとんどないのではないか。
    ・建設省では外国人建設就労者受入事業に係る制度推進事業について、国際建設技能振興機構が調査して公開情報に出ている。建設省が出せるものが法務省は出せないのか。
    ・2014年から2017年の聴取票の公開については、後刻理事会で協議をする。
    ・2018年上半期の失踪者数が速報値で4279人、ただしそのうちの新法施行後の技能実習生数は不明。
    ・4279人の個票の作成数は不明(精査中)、新制度については個票のみでなく3700か所の実地調査や悪質ブローカー排除のための二国間合意を10か国締結、そういった総合的なところから検証する必要がある、総合的なところの検証について門山宏哲大臣政務官をヘッドとするプロジェクトチームで、運用状況についても検討する。

    (櫻井充質疑時)

    ・地方の人手不足については、全国一律ではないことも検討したい。

    (辰巳孝太郎質疑時)

    ・「外国人留学生の資格外活動の状況を適切に把握するよう努めたい」「留学生を安い労働力として使いたい企業側と、日本語教育機関の趣旨から逸脱して留学生を労働力として供給する一部の日本語学校の実態があるのではないか、法外な寮費を徴収したり、パスポートや預金通帳などを取り上げて管理するなどの異常な実態もある」
    ・株式会社立の日本語教育機関が職業紹介事業や労働者派遣事業の許可を受けているかどうかは厚労省の所管、文部科学省は学校教育法で定められる大学あるいは専修学校、各種学校に対しては発出しているが、それ以外の日本語教育機関には発出していない。
    ・法務省は、厚生労働省からの外国人雇用状況届で雇用主、雇用開始時期などを把握でき、入国管理局は雇用主に稼働状況を照会などをして、留学生の資格外活動の状況の把握に努めている。どれぐらいの学生が週28時間以上働いているか、実態把握については、全て留学生から直接我々が情報を得ているわけではないので正確な数字は把握していない。
    ・「同じようなことが日本語学校だけでなく専門学校でも起こっている。技能実習生は職種に制限があるが、留学生は職種に制限がない」「更に検討を進めたい」
    ・「2017年に自民党の一億総活躍推進本部は、誰もが活躍する社会を創るPT提言を出して、資格外活動の管理を充実強化した上で、労働時間制限を緩和すべきという提言になっている」「資格外活動許可は留学生本来の活動である学業を阻害しない範囲で許可されるものなので、一定の時間を定めて制限することは合理的、資格外活動の許可の緩和は慎重な検討が必要」
    ・教育機関における入学者選考及び在籍管理の徹底、法令違反が認められる留学生の資格外活動の取消し、在留期間更新不許可処分を行う。留学生の資格外活動の状況については、入国管理局として自動的に把握できる仕組みになっていない、厚生労働省から提供される外国人雇用状況届出などによる情報の精度を上げて検討し、雇用主、雇用開始時期等の把握を考え、雇用主に稼働状況を照会するなどして、留学生の資格外活動の状況の把握に努めたい。
    ・「新制度には、技能実習生のほか、これら留学生も移行する。外食業はどれぐらいの留学生を受け入れるのか」「技能実習生からの移行は今見込んでないので、試験の合格者を想定している。受験生は、例えば国内の飲食店で今アルバイトとして経営を積んだ外国人留学生、今指摘があった留学生、海外の調理師学校の卒業生、海外のホテル、レストランの従業員及び海外の食品工場の従業員など。国内及び国外で試験を実施するが、そのうち何名が国内の試験を合格した留学生かは、確たることは不明」
    ・レクの段階では、初年度は4千から5千人受け入れて、その中で留学生は3千人、留学生から新たな新制度、こういうふうに使い続けるためのもの。今の留学生の実態すら把握していない、入管法改正案は廃案にすべき」
    ※そういえば、試験内容は試験終了後に公開されるのだろうか。当然公開されると思うが、機密保持を理由に公開しない事態にならないか心配だ。

    (藤野保史質疑時)

    ・「外国人の受入れ人材の数を増やそうとしているが、労賃は需要と供給の関係で決まるから、値下げ要因、労働分配率との関係も押し下げ要因。受入れ人数は上限を定めるべきではないか。もう一つ、外国人労働というのは極めて不確実な労働で、為替が20%円安にされると自国通貨建てで20%、30%なら30%収入が減るので日本で働くインセンティブ、モチベーションが落ち、ひょっとすると母国に帰ってしまうかもしれない。AI化とかロボット化を進めるのがあるべき政策ではないか」「今回の受入れ制度は、AI化、ロボット化を行っても外国人材が必要な分野に限って受入れを行う。人材不足が解消されたと認められるにもかかわらず外国人材が国内労働市場に流入し続け、労働力の需給バランスを大きく崩すような事態になることは考えられない」「今の回答なら、受入れ人数の上限はきちんと決めておくべき」

    (福島みずほ質疑時)

    ・「技能実習生は、制度を廃止すべき。日本人の労働条件も、これで5年後に34万人、外国人、技能実習制度を試験免除で特定技能一号が増えれば壊れてしまう。共生できる制度をつくるべき」「技能実習の在留資格自体は、それまでの特定活動を民主党政権下の2010年7月からその在留資格を始め、今まで70万人を超える技能実習生が受けている。2016年に技能実習法を作り、2017年11月から施行をした」

    2018年11月26日
    衆議院法務委員会,第7号

    主要発言者
    山尾志桜里(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第7区:瀬戸市,大府市,尾張旭市,豊明市,日進市,長久手市,愛知郡)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    階猛(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,岩手県第1区:盛岡市,紫波郡)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)

    内容まとめ

    (山尾志桜里質疑時)

    ・「失踪技能実習生の現状把握、運用については、門山宏哲大臣政務官をヘッドとするプロジェクトチームで検討する、期限は不明」「今の理事会ではあしたの採決が提案されている」
    ・2018年の技能実習生の失踪原因についても検討する。
    ・「2017年聴取票について。聴取票588枚手書き書き写しの結果、488枚(83%)が最低賃金割れだった」「単純に割って、それで算出していいのか、調査の結果を踏まえて適正な措置をとる」
    ・新しい技能実習制度がうまくいっているのなら、2018年の聴取票も閲覧あるいは公開してほしい。
    ・ティッシュ配りは単なる作業ではなくて、労働という、作業が幾つか組み合わさって、一定のスキル、手順、準備が総体として労働が判断される。
    ・単純労働については、結局、例示は何一つ出てこない。
    ・特定技能一号や二号が永住資格を求める要件に当てはまるかという論点は、この新しい制度によって技能実習制度から永住へと新しいルートが開かれるかどうかという国民の関心事項であり、それは閣議決定の前に決めておくべきではないか。

    (階猛質疑時)

    ・地方の人手不足の解消については、例えば分野別運用方針などに記載できないか、そうしたことを業所管省庁としっかり詰めて検討したい、法務省令で定める(マクリーン最高裁判決)。
    ※主導権をとるのは法務省か厚生労働省か、気になるところ。
    ・生活に支障がない程度の日常会話が基本、受入れ業種ごとに、専門用語とかを踏まえた業務上必要な日本語能力水準を有することを入国時の要件、日本語試験の基準のN4とかN3という形では考えていない。
    ・「業種ごとの建設業の日本語については業所官庁に問い合わせてほしい」「全体を取りまとめるのが法務省ではないか」
    ・「技能実習では、監理団体というところが許可制になり、監理団体以外の仲介、あっせんは違法なので、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金が科される、営利団体の仲介とかあっせんも認められない。今回の特定技能では、『監理団体以外の仲介・斡旋』『営利団体の仲介・斡旋』が可能であるように読める」「特定技能の制度では、監理団体を設けてないので仲介やあっせんは可能であろう、ただ、そういった段階で、例えば過剰な保証金を払っていないとかは在留資格認定証明書交付の審査の際に見る」
    ・「ほかの制度では『建設就労』『技能実習』は計画の認定が必要だが、今回の制度では届出だけで足りる。「監督官庁」も、所管ではない法務省の外局の出入国在留管理庁が単独で行う。法務省で監督できるのか」「技能実習では、実習計画をずっとやる、その管理に監理団体などが必要だが、特定技能では、一定の専門性や技術を持つ外国人、即戦力となっている方に働いていただく資格なので監理団体の概念が想定できない。届出制については、受入れ機関が在留資格認定のときに必ず出して、雇用契約の適切性を確認、指導助言、報告徴求、立入検査が入国管理局ができる、改善命令を出して、それに違反したら罰則もかけられる担保をする」

    (黒岩宇洋質疑時)

    ・失踪動機の欄に契約賃金と異なる、または最低賃金以下と書いた人は「より高い賃金を求めて」からは引いてほしい、聴取票の吟味については、アウトプットのファクトである数字とそしてファクトに対する評価を、法務省としてほしい。

    (藤野保史質疑時)

    ・藤野保史委員の作成した受入れ見込み数に関する資料と、それに対する山下貴司法務大臣の見解の違いについて。

    (串田誠一質疑時)

    ・聴取票は、失踪者が一方的に話したことを記したもので、事実の裏づけがされていないので、国民に誤解を与えるということを危惧をしなければならない、技能実習生を受け入れている企業が、最低賃金法以下の会社だらけのような報道をされると、偏見の目で見られる。
    ※これについては、公開・開示時、あるいは説明時にきちんと説明すればいい話だと思うのですが。

    (自由民主党、公明党及び日本維新の会の共同提案による修正案の提示)

    一、分野別運用方針に定める事項のうち、当該分野別運用方針において定める産業上の分野における人材の不足の状況に関する事項について、当該産業上の分野において人材が不足している地域の状況に関する事項を含む旨を明記する

    二、一号特定技能外国人支援について、一号特定技能外国人と日本人との交流の促進に係る支援を含む旨を明記する

    三、附則に、政府は、特定技能の在留資格に係る制度の運用に当たっては、人材が不足している地域の状況に配慮し、特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することとならないようにするために必要な措置を講ずるよう努めるものとする旨の規定を追加する

    四、附則の検討条項として次の二つの事項について定める

     一、政府は、この法律の公布後、速やかに、本邦に在留する外国人に係る在留管理、雇用管理及び社会保険制度における在留カードの番号その他の特定の個人を識別することができる番号等の利用のあり方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。

     二、特定技能の在留資格に係る制度のあり方に関する検討について、「施行後三年を経過した場合」から「施行後二年を経過した場合」に改めるとともに、地方公共団体の関与のあり方、特定技能の在留資格に係る技能を有するかどうかの判定の方法のあり方及び技能実習の在留資格に係る制度との関係に関する検討を含む旨を明記すること。

     以上が、この修正案の趣旨及び内容の概要です。

    2018年11月27日
    衆議院法務委員会,第8号

    主要発言者
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    島雅之(政府参考人,国土交通省自動車局次長)
    渡邊厚夫(政府参考人,農林水産省大臣官房輸出促進審議官)
    大内聡(政府参考人,経済産業省大臣官房審議官)
    石原宏高(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,東京都第3区:東京都(島嶼部含む))
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    金井昭彦(政府参考人,観光庁審議官)
    階猛(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,岩手県第1区:盛岡市,紫波郡)
    井野俊郎(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,群馬県第2区:桐生市,伊勢崎市,太田市,みどり市,佐波郡)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    逢坂誠二(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第8区:函館市,北斗市,渡島管内,檜山管内)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)
    浜地雅一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例九州ブロック:福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県)

    内容まとめ

    (石原宏高質疑時)

    ・試験実施主体は業所管省庁、試験は原則国外、民間団体等への委託自体は差し支えない。
    ・分野別運用方針は法務省令で定める。
    ・日本語試験は、現在、外務省及び独立行政法人国際交流基金で、事業所管省庁の判断により、共通に活用できる日本語能力判定テストの実施に向けて、同基金を所管する外務省として必要な経費を2019年度の概算要求に計上している。
    ・自動車整備業の特定技能一号の技能試験は国外で筆記及び実技、自動車整備士三級相当の技能、筆記試験の言語は日本語、必要に応じてルビを付す。
    ・外食業は技能実習生からの移行は見込まず、試験合格者が対象、国内外双方で試験予定、現時点では筆記試験及び実技試験、使用言語は、基本的には日本語、出題範囲の一部を母国語ということも含め検討。
    ・産業機械製造業の特定技能一号の技能試験は、国外で現地語で筆記及び実技、技能検定三級も参考にしながら検討。
    ・試験の適正の担保は、まず業種横断的な共通の考え方を政府基本方針で定め、各業所管省庁で具体化したものを関係閣僚会議で分野別運用方針の一項目として決定する予定、その上で業所管省庁で試験実施要領を作成、民間団体等で実施する場合は業所管省庁で適切に試験を実施していることを確認する必要がと考えているが、法務省も適正に行われているか関心を持って注目したい。
    ・2018年9月末時点の速報値で、外国人技能実習機構は受け入れ機関の約1100の監理団体及び約2600の実習実施者に実地検査を行っている。
    ・調査項目は、一般的には、技能実習生に対する賃金、割増し賃金の支払い、労働時間が適正か、技能実習計画に従った技能実習が実施されているか、賃金台帳等の必要な帳簿書類等が適切に保管されているか、旅券等の取上げがないか、暴行等の人権侵害行為がないか。
    ・技能実習生の賃金は技能実習法上日本人と同等以上の報酬の確保が要件で、技能実習計画の認定申請の際に申請書類及び疎明資料とともに、賃金が同等報酬要件を満たしているか、最低賃金を上回っているかをまず確認する。その上で、実地検査でも賃金台帳等の帳簿確認で技能実習生の賃金が最低賃金を下回っていないか、を必ず確認する。
    ・失踪者の、旧制度の2800名の聴取票について、普通に働いている技能実習生のサンプル調査もして、両方あわせてしっかりと分析をして国会に報告することが、技能実習生の実態をしっかりと把握することができるのではないかと思う。

    (遠山清彦質疑時)

    ・例えば教授であるとかは、専門的、技術的分野で在留資格を特定している。特定技能一号、二号は、特殊な分野でなくても人材の確保を図るべき産業上の分野で外国人を受け入れ、一定の専門性、技能を有する者にも拡充する。
    ・新たな在留資格は、必ずしも新規入国だけの方に限っているわけではないので、在留資格変更の手続をとることはある。
    ・宿泊業のマルチタスク就労形態での外国人材の受入れは、観光庁は、今般検討を行っているが、さまざまな業務の一定の専門性や技能をトータルで求めることを想定している。
    ※マルチタスクの一つ一つが単純労働ではなく本当に一定の専門性、技能を満たしているのだろうか。
    ・沖縄の業界(宿泊業)は、既存の枠組みで受け入れた外国人材を特定二号にスライドし、在留資格を切りかえることを早期に認めていただきたい要望がある。
    ・技能実習生に高い賃金を餌に失踪を促して失踪先まで手配する悪質ブローカー、手配師は、一般論として、例えば、業として、外国人に不法就労活動をさせる行為などに関しあっせんした者は出入国管理及び難民認定法第七十三条の二第一項の不法就労助長罪(三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金、又はこの併科)などが成立するものと考えている。

    (階猛質疑時)

    ・葉梨康弘委員長の職権で、この質疑が終わり次第、質疑を終局して採決するのは甚だ問題。
    ・なぜ施行を4月1日に急がなくてはいけないのか、施行を6カ月延期して地方の人材確保、適切な外国人労働の待遇確保のための配慮、日本語教育を含めた教育制度のあり方も考えていったらいいのではないか。
    ・労働条件の実態の監督体制、日本語能力試験(JLPT)のN4、N3と比較した日本語能力について。
    ・きのうの夜にいきなり決められて通告どころではない。きのうの議事録をチェックしたのはけさ、これを見ないと質疑できない。
    ・地方への配慮は政府の運用方針による。

    (黒岩宇洋質疑時)

    ・「各担当省庁が吟味して数字を出したと答えたので所管省庁の法務大臣として答えてほしい。農業分野は国内人材確保で8万人穴埋めできる、の数的根拠は?」「農林水産省の方にお問合せいただければと」
    ・「介護分野で2018年11月16日の午前中(の理事会、非公開)に国内人材確保で20万人という数字が出て、同日夕方に国内人材確保が22万から23万にふえた数字が出てきた」「国内人材の確保をしっかりやっていただくということ」

    (藤野保史質疑時)

    ・技能実習生の監理団体は届出制から許可制に変わっても、人権侵害や最賃法違反などの法令違反はなくなっていない。新たな受入れでの監理団体は許可制より緩い届出制になってしまった。実効性があるのか。ほかの法令での許可とか関係ないので非常に緩い。
    ・特定技能一号でも、その労働者が従事する分野が業法の適用対象であればその業法の適用対象としても見ていく。一方で、出入国在留管理庁が指導助言、報告徴求や立入検査、必要があれば改善命令等をやっていく。
    ・「技能実習生を受け入れている事業所は48033事業所、労働基準監督署が入れたのはそのうち5966、その7割の4226で労基法違反が摘発された。労働基準監督署との連携をどう充実させていくのか」「労基の問題は厚労省所管の上で、在留管理等で把握できた情報は共有している」

    (逢坂誠二質疑時)

    ・香川県警察本部が作成したポスターについて。
    ・「技能実習制度の失踪が多さ、課題が指摘について。もう少し政府のかかわりを強くする制度設計にするのが大事なのではないか」「技能実習法に基づいて既にさまざまな対応はとっているが、今後、門山政務官をヘッドに法務省でもプロジェクトチームを設けていて検討しながら対応していきたい」
    ・技能実習は、定められた技能実習計画をオンゴーイングでやっていただくということ、新たな特定技能は就労資格として、働く労働者として認められた外国人について、その保護をどうやって図っていくか、今般の制度設計で対応する。
    ・今回の制度で在留資格の認定証明書を交付する、この認定申請の段階で受入れ機関との契約が適正か、受入れ機関がその要件を満たしているか審査するので、入り口において国もきっちりと関与している。

    (ここで山下法務大臣に対する不信任案が、立憲、国民、無所属の会、共産、社民、自由各会派共同提案、辻元清美君外六名の不信任決議案が提出される。)

    (参議院の農水委員会が長引いたため、本委員会の出席者が待たされた。)

    ・「法務省は、共生政策あるいは多文化共生といったような観点からの政策を行っていないのに、なぜ出入国管理在留庁を設置したのか。もっと総合的な、統合的な横串を刺す組織をつくるではないのか」「外国人の受入れ、共生の基盤は出入国、在留の管理で、法務省は、その出入国管理、在留カード等の発行もした。また、人権擁護局で外国人に対する差別とかにも取り組んでいた」「法律事項でなく閣議決定なので弱い」
    ・平沢勝栄与党筆頭の言葉「この問題は議論したら切りがない、幾らでも問題点は出てくる」(入管法改正)について

    (串田誠一質疑時)

    ・技能実習制度は出稼ぎであってはいけないので、特定技能一号に技能実習から入ったら労働者としての労働法令に対する遵守が甘いと思う。
    ・「景気がずっと続く保証はないので、外国人が入って日本人の雇用が競争になるのではないか不安、在留期間をなるべく短くして、合理的な理由もないのに都市部に移行する状況が判別したら在留資格をを与えない運用の仕方はどうか」「分野別運用方針で盛り込んでいけないか検討していきたい」
    ・外国人に対する給与の支払いは銀行口座に振り込みという形にしたらどうか。

    採決。本案及び修正案について質疑を終局するに賛成の諸君の起立を求め、賛成者起立多数でそのように決した。

    (串田誠一)
    ・日本維新は、運用方針に地域偏在に関する条項を明記し、在留管理は個人識別番号の検討をし、制度のあり方の検討を3年から2年にして、きめ細かな対応ができること等の修正が行われるということで、賛成した。

    修正案について採決。修正案について、賛成の起立を求める。起立多数。よって、そのように決した。
    修正部分を除く原案について採決。賛成の起立を求める。起立多数。よって、そのように決した。

    附帯決議の提出について。

    (浜地雅一)
    ・案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

        出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
      政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
     一 特定技能外国人の受入れに当たっては、生産性向上や国内人材の確保のための取組を十分に行ってもなお人手不足の状況にある分野であることを客観的データ等を用いて適切に判断し、かつ、所要の技能を有することを試験等により正確に判定し、制度の趣旨を踏まえた人材の受入れを行うこと。
     二 分野別運用方針に記載する受入れ見込み数は、本法律案の審議に当たり政府が答弁で明らかにしたとおり、当該分野の雇用情勢全般に関わる事項についての大きな変化が生じない限り、受入数の上限として運用すること。
     三 特定技能二号の在留資格については、既存の専門的・技術的な就労資格と同様の高い水準の技能を求めるものとし、我が国の産業、雇用及び国民生活に与える影響に十分に配慮しつつ、熟練した技能を有する人材を外国人により確保することが真に必要な分野に限って受入れを行うなど、厳格な運用に努めること。
     四 特定技能外国人の送出国における悪質なブローカーの介在等を防止しつつ有為の外国人材を受け入れるため、国内外における所要の広報・説明を含め、実効性のある方策を講ずること。
     五 特定技能外国人が適正な賃金の支払を受け、公正な処遇を受けるよう、特定技能雇用契約の適格性を厳正に審査し、特定技能所属機関及び登録支援機関に対し、賃金の支払状況や支援の実施状況等についての監督を十分に行うこと。
     六 特定技能外国人を含む中長期在留者について、今後取りまとめが予定されている外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策に基づき、日本語教育の充実や関係地方自治体への支援を含め、共生のための取組を積極的に推進すること。
     七 在留外国人に対する社会保障制度の適正な適用を確保するために、関係機関の連携を強化し、効果的な方策を検討すること。
     八 技能実習制度について、平成二十九年十一月に施行された新法に基づき、技能実習生の保護を適切に行い、失踪者の減少に努め、実習実施機関や監理団体に不適正な行為があるときは厳正に対処するほか、法務省において、新法の運用状況を速やかに検証し、その結果に応じて必要な措置をとること。
     九 不法滞在者や失踪技能実習生を含む在留資格に応じた活動を行わない外国人を不法に雇い入れる雇用主の責任が重大であることに鑑み、関係機関の連携を強化し、不法就労助長行為の防止及び厳格な取締りに努めること。
     十 我が国に適法に在留する外国人労働者の権利利益が十分に保護されることの重要性に鑑み、関係機関の連携の下、法令違反、不正行為に対する厳格な対応を行うとともに、ワンストップ型の相談窓口を設けるなどして、外国人労働者が相談をしやすい仕組みの構築を検討すること。

    本附帯決議案について採決。賛成の起立を求める。起立多数。よって、そのように決した。

    ・葉梨康弘委員長が委員会報告書を作成、附録に掲載

    2018年11月27日
    参議院国土交通委員会,第3号

    主要発言者
    野田国義(立憲民主党,第23回参議院選挙,2013,福岡県選挙区:福岡県)
    野村正史(政府参考人,国土交通省土地・建設産業局長)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    山添拓(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    石井啓一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県:国土交通大臣)

    内容まとめ

    (野田国義質疑時)

    ・入管法に地方自治が大きく関わるが論議が足らない。
    ・外国人建設就労者受入事業に係る制度推進事業、外国人造船就労者受入制度推進事業に係る巡回等業務の資料を、失踪者の調査のために国会、国民に公開をして論議していくことが求められている。
    ・「この資料、報告書で、外国人緊急雇用で4割が不適切で、基準以下の賃金や過重労働があったことが指摘をされているが、今論議している入管難民法案と非常に共通点が多い」「個人又は法人情報が含まれるので、内容を十分精査した上で開示できる部分については開示する」「2017年度しかもらってないので、2015、2016年度分の建設と造船に係る資料を委員会に出してほしい」
    ※一応……
    ・技能実習生でのいわゆる監理団体のような存在として新制度においてはどのようなあっせん団体が必要になるのか、どう変わるのかということをお聞きしたい。またここが結局天下り先になったとか、そんなことがあってはならないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
    ・法外な保証金を取られているというような問題は、本国の送り出し機関について、2017年11月施行の技能実習新法で様々な監理体制を組んでいる、特に実施の取組として、送出国との間で送り出し機関の適正化を目的とした二国間取決めを作成することとして、現在既に10か国との間で締結した。悪質な行為が確認された送出機関、送り出し機関は、送り出し国に通報して、排除を取り組む。
    ・新しい制度のあっせん機関は、技能実習と異なり本国の送り出し機関等の団体、機関が前提ではない。受入れ機関(雇用会社)ににも、様々な適格性を有するための基準を設ける。
    ・受入れ機関が外国人材の職業、日常生活上又は社会生活上の適切な支援を行えないと、それを外注をする、適切な基準を満たす支援機関を法務省に登録をすることによってこの支援機関が大丈夫なことを分かるようにするという仕組み等々を盛り込む予定。

    (山添拓質疑時)

    ・「建設業と造船業について、オリンピックに向けた人材不足に対応するための特例として、外国人就労者受入事業が2015年度から行われているが、2019年4月で現在の特例を廃止するのか」「元々2020年度末に新規受入れを終了、今回の法案の施行後は、恒久措置として建設分野での外国人技能労働者を受け入れる仕組みが整うことから、これまでの時限的措置を継続する必要はなくなると理解、いずれにいたしましても、特定技能一号での受入れの枠組みは現在詳細を検討中、既に特定活動の在留資格によって一定期間在留、就労が認められた外国人建設就労者についてどのように受入れを行っていくか、その方法も検討する必要がある」
    ・この特例としての外国人就労者受入事業制度は、国交省が特定監理団体と適正監理計画を認定をして、制度推進事業実施機関に委託して巡回指導を行う仕組みが取られている。2017年度、受入れ企業518社に行われた巡回指導では、賃金支払状況に関して204社、4割で改善指導が行われた。先週開示された報告書の32ページでの、賃金支払の状況では改善指導137件、注意喚起82件、助言91件、合計310件、全体の6割近くになる。受入れ企業の不正は、本来は特定監理団体が訪問指導や監査を行うが、監査の主体となるべき特定監理団体がむしろ指導の対象ともなっている。受入れ企業における様々な不正を特定監理団体が監査、是正できていない。
    ・推進機関が行ってきた報告書、2015年度、2016年度の分を開示できる部分はできるだけ早くに開示したい。
    ・推進機関の巡回指導では、4割の企業で改善指導を要する不正(多くは違法)が発覚する状況にもかかわらず、特定監理団体は自らの監査では三年間通じて一件も不正を見抜けていない。
    ・2018年度までの間で特定監理団体は一割近く認定を取り消されている。特定監理団体は受入れ企業から費用を受け取って監理を行うので適正な監理ができない構造的な問題がある」「特定技能一号では、監理団体等を介さず特定技能外国人を受け入れる等、外国人建設就労者受入事業とは制度の仕組みが異なっている部分もある。現行制度では、国土交通省で巡回指導等を実施をしていて、全体として適正な事業遂行が図られていると認識している、特定技能制度でも巡回指導等の制度の仕組み等も参考としつつ、外国人の適切な就労環境を確保する方策について検討」「一件も自ら見抜いていない、同じスキームでは同じ問題を繰り返すだけ」
    ・特例についての受入れ状況実態把握調査の開示の是非等については判断し、持ち帰って検討する
    ・国交省の中央建設審議会・社会資本整備審議会基本問題小委員会が2018の6月、中間取りまとめを発表しているが、担い手確保策として外国人労働者の受入れ拡大は書かれていない。長時間労働の是正、処遇改善、生産性向上、地域建設業の持続性確保を進めるのが先決ではないか。
    ・「賃金単価、公共事業の設計労務単価を引き上げてきた、と語るが、下請各層に適切に行き渡っているか」「2018年10月から労務費等の見直し効果が現場の技能労働者まで適切に行き渡っているか確認するモニタリング調査に着手、2018年度内を目途に結果を取りまとめる予定」

    2018年11月27日
    参議院内閣委員会,第5号

    主要発言者
    矢田わか子(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)

    内容まとめ

    (矢田わか子質疑時)

    ・「介護や外食業で、本当に国内人材の確保とか生産性向上の努力がなされたのか。完全失業者が162万人、積極的に働く意思のないミッシングワーカー、ニート、無業者が約180万人、34歳までは57万人で、中高年層が120万人、既に240万人働いていない方々がいる」「生産性の向上や国内人材確保のための具体的な取組の状況は、業所管省庁で検討、精査を行う。法務省は、その取組について厚生労働省等の関係省庁と、適切か、合理的かなどの観点から確認をするプロセスを考えている。
    ・実習生でも、7000人の方々が逃げ出している、なぜ日本人が働かないのか、人材不足になるのかという根本のところも考えていかなければならないのでは。取りあえず人が足らないからといって外国人を連れてきたら、また同じことが起こるのではないかと。根本的に労働環境を変えるとか働きやすい職場にするとかも併せてやらないと、技能実習生の失踪と同じようなことが繰り返されるだけではないか。

    2018年11月27日
    参議院環境委員会,第2号

    主要発言者
    宮沢由佳(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,山梨県選挙区:山梨県)
    原田義昭(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福岡県第5区:福岡市,筑紫野市,春日市,大野城市,太宰府市,朝倉市,那珂川市,朝倉郡:環境大臣)

    内容まとめ

    (宮沢由佳質疑時)

    ・「技能実習生を除染作業に従事させていた事例が明らかとなり、2018年3月14日に、法務省、厚生労働省等により、除染等業務を実習内容に含む技能実習計画を認定しない旨の通知が出されている。環境省は、関係省庁と連携して、従事させていた企業等に対してどのような監督指導をしているのか。従事させていた技能実習生への政府の対応、通知を徹底させる対策は?」「法務省等による調査の結果、技能実習計画とのそご等の出入国管理法違反により、2社について、技能実習生の受入れ停止の措置がとられた。環境省は、業界団体及び関係自治体に対し、2018年10月19日付けで本調査結果の情報提供を行った」
    ・産業廃棄物処理業の技能実習制度の移行対象職種への追加について声が上がっている。2018年度は実習の対象となる技能の特定や実習した技能の修得状況を評価する枠組みの検討を進め、環境省は業界からの声に応えるべく必要な検討を進める。

    2018年11月27日
    衆議院本会議,第9号

    主要発言者
    (不信任案)
    山井和則(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    藤原崇(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)
    松平浩一(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟県,富山県,石川県,福井県,長野県)
    杉本和巳(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    源馬謙太郎(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)
    (法務委員会報告後の討論)
    山尾志桜里(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,愛知県第7区:瀬戸市,大府市,尾張旭市,豊明市,日進市,長久手市,愛知郡)
    平沢勝栄(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,東京都第17区:東京都)
    階猛(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,岩手県第1区:盛岡市,紫波郡)
    浜地雅一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例九州ブロック:福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県)
    黒岩宇洋(立憲民主党・無所属フォーラム,第48回衆議院選挙,2017,新潟県第3区:新潟市北区,新発田市,村上市,五泉市,阿賀野市,胎内市,北蒲原郡,東蒲原郡,岩船郡)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)
    藤野保史(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北陸信越ブロック:新潟,富山県,石川県,福井県,長野県)

    内容まとめ

    (山井和則)
    ・法案の内容が白紙委任で上限もない。
    ・外国人技能実習制度を温存、拡大して外国人の劣悪な処遇を放置、拡大しようとしている。
    ・技術実習生との面会を拒否し、実態把握に乗り出そうとしない。
    ・失踪した外国人技能実習生の聴取票のデータを隠蔽、改ざんした。
    ・その聴取票でさまざまな実習生への人権侵害を把握しながら放置した(なぜ手書きがオーケーで、コピーをさせてくれないのか)。
    ・日本人の賃金が上がりにくくなることや雇用喪失という問題を放置しようとしている。
    ・外国人労働者が帰国せざるを得ない場合の対応も吟味がされていない。
    ・海外の移民の状況から学ぼうとしない(外国人の子供たちをどう幸せにするか、介護の問題、外国人を大切に支えるか)。
    ・現在7千人の技能実習生が行方不明、7万人以上の外国人が行方不明。

    (藤原崇)
    ・山下大臣の答弁は数値目標としての受入れ上限を法律で設けないことであり、安倍総理の分野別運用方針に明記する数字は五年間は受入れ数の上限として運用するという答弁と何ら矛盾するものではない。
    ・本法案は、細部の事項は法律制定後に定められる分野別運用方針や省令によって確定されるが、山下大臣は現時点においても受入れ業種、受入れ見込み数、技能水準等の見通しを答弁しており、法案成立後の見通しも十分に見渡せている。
    ・個票の開示は法務委員会の理事会で与野党各会派の理事が全員一致で定めた、法務省はそれに従ったのみで、瑕疵もない。
    ・技能実習制度は、事実上、技能実習生が特定技能一号に移行することを期待しているが、法的には今国会で審議されている本法と何らの牽連性もない。

    (松平浩一)
    ・移民政策でないのかという質問について、単純労働の具体的な例示もないので、何もわからない。
    ・データの誤りについては、ガバナンスを見直すのが筋。
    ・受入れ見込み数の推計がずさん、かなり粗い、そして根拠が希薄。
    ・国会審議への非協力的(聴取票の内容について)。
    ※ただ、「プライバシーの問題、今後の調査などに大きな支障を来すおそれがある、刑事訴追のおそれがある」山下法務大臣が述べてこれらの理由自体は正当性があると思うのですが。
    ・法案の中身が全く決まっていない。

    (杉本和巳)
    ・国会を停滞し、時間を費やし、政策の対話の時間を奪うような決議案に、維新は反対。
    ・法務委員長の解任決議案が提出された11月20日の時点で、既に野党六会派は議論の土俵からおりてしまっているようでもあり、それ以降のあらゆる取組は舞台の上のお芝居のようにしか国民の皆様からは見えなくもないのではないか。
    ・立憲民主、国民民主、無所属の会は、共産党と連名で入管法審議に関する見解なる文書を公表し、入管法改正案について省令への委任事項が多過ぎる、憲法違反ではないかという主張だが、そのような主張をするのなら、前政権時代に外国人の健康保険への加入要件を厚生労働省令で緩和したのも憲法違反ということになる。
    ・国会質問の事前通告で問合せを不可とするような、役所のミスを誘発してしまうのは、議員側の配慮が足らざる点にも起因するのではないか。
    ・野党側第一党は技能実習制度の廃止を打ち出しているが、技能実習の在留資格を創設した2009年、政権交代直前の入管法改正案には当時の民主党も賛成して、政権交代後3年3カ月の間、一度も入管法に手を加えることなく、法案修正には至らなかった。
    ・一方、政府・与党の入管法改正案にも問題はある。外国人材は受入れ人数の歯どめを決定して積極的に活用すべきで、マイナンバーカードを通じた在留管理の強化が条件だが、政府・与党は、労働者が不足するから外国人の受入れを拡大する受け身の姿勢で、在留管理のツールは旧態依然としたまま、受入れ見込み数も関係府省に丸投げ。日本の人口規模をその望ましい外国人の割合の国家ビジョンを示し、広範な国民の理解を求めるべき。
    ※ここで野党を責めるのは不信任反対の意見ではないし、これではこの答弁はまるでほとんど維新の宣伝ではないか。

    (源馬謙太郎)
    ・山下大臣を始め、政府・与党が審議入りを強行し、強引な短時間の審議のみで、しかも議論の前提となるべきデータがでたらめであったにもかかわらず、本日強硬に採決を行おうとした。
    ・今回の新たな在留資格による外国人労働者の受入れは、その受入れの規模、それによる影響、日本語能力や技能の程度、社会での受入れ方、自治体への負担、現行制度の問題点、永住への道筋など、明らかになっていないこと、まだ決まっていないことばかり、それらを定めるはずの外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を年内に政府がまとめるというが、これが法案より先にあるべきなのは基本。
    ・人手不足だという判断や受入れ停止を判断する際の具体的で統一的、客観的な基準が必要ではないか。
    ・日本人と同等以上の報酬を保障し、実際に守られていることを確認する具体的な方法はあるか。
    ・日本語能力についても、他国が行っているように、言語能力に加え、日本社会や歴史などに対する一定レベルの理解も求めるべきではないか。
    ・シンガポールの介護分野のように、日本人が全くいなくなる懸念があるが、防ぐ手だてはあるか。
    ・特定技能二号で帯同した家族への日本語教育は誰が行うのか。
    ・実際に外国人を受け入れるのは各地方自治体の負担はどのぐらいと見込み、どう予算措置していくのか。
    ・監理団体が今回は設けられないが、監理団体以外の団体による仲介やあっせん、そこに係る中抜きの問題はどう対処するのか。
    ・技能実習制度の問題点や失踪問題への対策もこれからプロジェクトチームで精査するのは、順序が逆ではないか。
    ・地方への人材確保の配慮、客観的かつ合理的な受入れ上限の設定、適切な外国人労働者の待遇の確保、在留資格の変更に際しての一時帰国、現行制度の実態把握に基づいた抜本的見直し、社会保障制度と教育制度のあり方、家族帯同などの人権的配慮、多文化共生施策の充実の、特に重要な八点について、半年間、六カ月間延長して、更に議論しようではないか。

    (黒岩宇洋)
    ・分野別運用方針を定める関係閣僚会議では菅官房長官と山下法務大臣が二人で共同議長を務めるが、官邸の要求をはね返すことに期待する同僚議員は一人もいないでしょう。
    ・山下法務大臣に求められるのは、今回の外国人受入れという、我が国の今後の姿を決めるような大きな制度を築き上げるという矜持と覚悟だが、その覚悟を発揮できない。

    (藤野保史)
    ・聴取票には必要なマスキングもされていて、プライバシーなどの問題も生じない。直ちに聴取票個票を国会に提出し、技能実習生の実態を踏まえた徹底審議を行うべき。
    ・委員長室での閲覧では、個票を分析したり、法務省の集計結果を検証することもできない。閲覧方式は、議員の審議権を妨害し、国民に実態を隠すもの、容認できない。
    ・山下大臣は、聴取票のデータの誤りを認めて、おわびを口にしたが、より高い賃金を求めてという表現を変えることは頑として拒んでいる。

    討論終局、採決。

    採決結果 投票総数 440
    可とする者(白票) 131
    否とする者(青票) 309
    ・山下貴司法務大臣への不信任決議案は否決

    以下、葉梨委員長による法務委員会における審査の経過及び結果報告後の討論。

    (山尾志桜里)
    ・受入れ見込み数が、法務大臣の答弁をかりれば素材にすぎない。
    ・受入れ見込み数の上限は決まっておらず、所管省庁が求めなければ受け入れを停止しないのなら上限として機能していない。
    ・労働者として受入れ業種と人数を大幅に拡大する制度の提案で、そうした人々を潜在的永住者と位置づけるか否かは、国家の主権にかかわる重要な問題であり、国家のリーダーがなすべき厳しい政治判断そのものではないか。
    ・単純労働には拡大しないといいながら、単純労働なるものの具体例は一つも出てきていない。省令さえつくれば、あらゆる労働について外国人受入れを可能にする。
    ・立法府の一員として、日本政府以外の国際社会がおよそ移民政策と呼ぶものの根幹を法務大臣に丸投げすることはできない。
    ・技能実習制度は既に就労している技能実習生や適正な受入れ機関に不利益がないよう配慮しつつ段階的に廃止して、就労を正面から受けとめ受け入れる新しい制度に移管、統合していく道筋をつくるべき。
    ・丁寧に受入れ数をコントロールして初めて、来る側、受け入れる側双方の準備が整い、多文化共生社会に前進できる。受入れ総数には上限枠、総量規制を制度としてしっかり設けるべき。
    ・新しい役所をつくるなら、入国在留管理庁ではなくて、省庁横断機能を持つ多文化共生庁をつくるべき。
    ・目先の経済や支持母体の顔色ばかり見て、きちんと制度設計せずにドアをあけたら、簡単に閉じることはできず、取り返しのつかない分断を生む。きちんと制度設計するための議論を続け、成熟させるのは、国会の責務。

    (平沢勝栄)
    ・特定技能二号については、熟練した技能を要し、難易度の高い試験による選定を経ることから、受入れのハードルはかなり高く、相当限られた人数になるものと考えている。しかし、一部の野党は、移民法であるなどと主張し、殊さらに国民に誤解を与えるレッテル張りをしていることは大変に残念。
    ・技能実習生の労働環境などに一部問題があることは事実だが、ほとんどの技能実習生は真摯に実習に取り組み、制度が適切に運用されている。ベトナムやインドネシアなど、多くの国から技能実習制度が高く評価されている。
    ・新たな制度に対する懸念についても質疑がなされ、今回の受入れによって日本人の雇用や治安に影響を与えない点についても丁寧な説明が行われた。
    ※以下のリンクを読んでから上を再読すると、粗相のけじめをつけさせられたとしか思えない。キーワードは「この問題は議論したらきりがないんです。いくらでも問題点が出てくるんです」。
    テレ朝news 出入国管理法改正案 きょう衆議院を通過させる方針
    立憲民主党 国会情報 ついっぷるトレンド
    立憲民主党 国会情報 元ツイート
    五十嵐仁の転成仁語 問題点だらけの欠陥法案である入管法改定案は廃案にするべきだ
    ハーバー・ビジネス・オンライン 改正入管法が成立したらどうなるか? 問題点を放置したままの拙速な議論を許すな

    (階猛)
    ・本法案では、特定技能なる在留資格を得るために必要な技能、知識の水準、新たな在留資格が認められる業種と受入れ人数、新たな在留資格による外国人労働者の処遇の水準などが法文上明らかではない。制度の本質的部分を法律で定めず行政府に包括的に白地で委任することは、国会を唯一の立法機関とする憲法四十一条の規定に反する。外国人の受入れ上限数を決定する客観的かつ合理的な基準は法律で定めるべき。
    ・新制度を導入する前に、この技能実習制度を始め、留学生のアルバイトや日系人など現行の外国人労働者の各種受入れ制度の実態把握をきちんとした上で、制度の抜本的見直しをするべき。
    ・法務委員長と与党理事は、資料の誤りで審議が長時間中断した2018年11月16日十六日には、別の内閣提出法案の政府質疑、採決を終えた後、一般質疑、本法案の趣旨説明、政府質疑のいわゆる五階建ての委員会運営を深夜までかけて強行しようとした。11月21日の7時間の政府質疑の後の午後6時過ぎに、法務委員会の定例日ではない翌11月22日に本法案の参考人質疑に加え、政府質疑を行うことを委員長職権で決定、審議終了後の午後7時ごろには、やはり定例日ではない11月26日にも政府質疑を行うことを委員長職権で決定、本日11月27日、重要広範議案であるにもかかわらず、17時間の審議で採決した。
    ・異常に過密な委員会運営を行う理由について、11月22日の理事会で自民党理事の一人は、会期末が12月10日と決まっているからだと信じがたい発言をした。
    ・2018年7月31日、衆議院議長から国会議員と行政府に向けた異例の所感が発表された。憲法前文と四十一条の文言を引用しつつ、前国会では、法律の制定や行政監視における立法府の判断を誤らせるおそれのあるものや、行政執行の公正さを問われた諸々の事案など、民主的な行政監視、国民の負託を受けた行政執行といった点から、民主主義の根幹を揺るがす問題が生じたとして、その上で、行政府と立法府に対し、深刻な自省と改善を求めている。

    (浜地雅一)
    ・入管業務には行政裁量が広く認められ、他の在留資格には受入れ上限数がないが、雇用や国民生活への影響を考慮し、分野別運用方針に特定技能外国人の受入れ上限数を明記するとしたことは、今後の労働人口を予測する上で意義がある。
    ・創設される出入国在留管理庁においては、公正な在留を確保するため、受入れ機関に対し、雇用契約や支援計画の内容変更を始め、随時、定期的に届出がなされ、かつ、受入れ機関への改善命令権、立入調査権が付与されるなど、特定技能外国人の在留状況を的確に把握することが可能。
    ・参考人質疑においては、ベトナムでは、日本に技能実習生を送り出す場合、保証金を徴収してはならない規定があることが周知されており、特定技能においても、送り出し国側に対し、保証金の徴収禁止など、制度の詳細を広報することが重要。

    (黒岩宇洋)
    ・4日の審議日程のうち、3日が委員長の職権立て、2日が定例日外。法務委員会の歴史上、定例日外開催は初めて、それも月曜、木曜と、定例日外がフル稼働。
    ・5年後の人材不足数の積算根拠でいえば、厚労大臣が予算委員会で答弁した、有効求人倍率を用いている業種は14のうち3つ。生産性向上については、14業種のうち11業種が年率1%向上という、何の根拠もないまま、4省を横断して同じ数字を用いている。国内人材確保は、14業種のうち、その人数を数式など数的根拠で示した業種は一つもありません。農業に至っては、国内人材確保八万人の根拠が、もともとある2023年までの目標数。
    ・新設予定の出入国在留管理庁について、外国人労働者の在留管理を三百人規模の組織で賄うことなどできるはずがない。外国人労働者の雇用・生活環境にまつわる問題、人権問題の責任を一手に引き受けるリスクを法務省は理解しているのか。

    (串田誠一)
    ・我が国の97%が中小企業であり、その人手不足は深刻で、倒産寸前となっているという現状もある。
    ※その97%が全て倒産寸前というわけでもあるまい。

    (藤野保史)
    ・世論調査では日を追うごとに今国会の成立にこだわるべきではないという意見が8割を超えている。今、国会がやるべきことは、この国民の声に応えて徹底的な審議を行うこと。
    ・本法案は、人手不足を理由に、外国人労働者を雇用の調整弁にしようとしている。
    ・本案には、実習生の処遇を改善する規定は一つもない。参考人質疑で母国や日本国内でのブローカー規制が全くない、あるいは、人材派遣ビジネスが横滑りしてくるなどの指摘が相次いたが、こうした課題は野放しのまま。
    ・本法案は、実習生からの移行を前提にしていて、実際、受入先14業種のうち13業種が実習生からの移行を前提とし、その多くが8割から10割の移行を見込んでいる。

    採決結果 投票総数 453
    可とする者(白票) 317
    否とする者(青票) 136
    ・本案は委員長報告のとおり修正議決した。

    出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

    あかま二郎 あきもと司 あべ俊子  安倍晋三 
    逢沢一郎  赤澤亮正  秋葉賢也  秋本真利
    麻生太郎  穴見陽一  甘利明   安藤高夫
    安藤裕   井野俊郎  井上信治  井上貴博
    井林辰憲  伊東良孝  伊藤信太郎 伊藤忠彦
    伊藤達也  伊吹文明  池田道孝  池田佳隆
    石崎徹   石田真敏  石破茂   石原伸晃
    石原宏高  泉田裕彦  稲田朋美  今枝宗一郎
    今村雅弘  岩田和親  岩屋毅   うえの賢一郎
    上杉謙太郎 上野宏史  江崎鐵磨  江渡聡徳 
    衛藤征士郎 遠藤利明  小倉將信  小此木八郎
    小里泰弘  小田原潔  小野寺五典 小渕優子
    尾身朝子  越智隆雄  大岡敏孝  大串正樹
    大隈和英  大塚高司  大塚拓   大西英男
    大西宏幸  大野敬太郎 大見正   岡下昌平
    奥野信亮  鬼木誠   加藤鮎子  加藤勝信
    加藤寛治  梶山弘志  勝俣孝明  門博文
    門山宏哲  金子俊平  金子万寿夫 金子恭之
    金田勝年  上川陽子  神谷昇   神山佐市
    亀岡偉民  鴨下一郎  川崎二郎  河井克行
    河村建夫  神田憲次  神田裕   菅家一郎
    木原誠二  木原稔   木村次郎  木村哲也
    木村弥生  城内実   黄川田仁志 岸信夫
    岸田文雄  北川知克  北村誠吾  工藤彰三
    国光あやの 熊田裕通  小泉進次郎 小泉龍司
    小島敏文  小寺裕雄  小林茂樹  小林鷹之
    古賀篤   後藤茂之  後藤田正純 河野太郎君
    高村正大  國場幸之助 左藤章   佐藤明男
    佐藤勉   佐藤ゆかり 齋藤健   斎藤洋明
    坂井学   坂本哲志  櫻田義孝  笹川博義
    塩崎恭久  塩谷立   繁本護   柴山昌彦
    下村博文  白須賀貴樹 新谷正義  新藤義孝
    菅義偉   菅原一秀  杉田水脈  鈴木馨祐
    鈴木俊一  鈴木淳司  鈴木貴子  鈴木憲和
    鈴木隼人  関芳弘   薗浦健太郎 田所嘉徳
    田中和徳  田中英之  田中良生  田野瀬太道
    田畑毅   田畑裕明  田村憲久  平将明
    高市早苗  高木啓   高木毅   高鳥修一
    高橋ひなこ 竹下亘   竹本直一  武井俊輔
    武田良太  武部新   武村展英  橘慶一郎
    棚橋泰文  谷公一   谷川とむ  谷川弥一
    津島淳   土屋品子  寺田稔   とかしきなおみ
    冨樫博之  渡海紀三朗 土井亨   冨岡勉
    中曽根康隆 中谷元   中谷真一  中根一幸
    中村裕之  中山展宏  中山泰秀  永岡桂子
    長尾敬   長坂康正  二階俊博  丹羽秀樹
    西田昭二  西村明宏  西村康稔  西銘恒三郎
    額賀福志郎 根本匠   根本幸典  野田聖子
    野田毅   野中厚   葉梨康弘  萩生田光一
    橋本岳   馳浩    鳩山二郎  浜田靖一
    林幹雄   原田憲治  原田義昭  百武公親
    平井卓也  平口洋   平沢勝栄  福井照
    福田達夫  福山守   藤井比早之 藤丸敏
    藤原崇   船田元   船橋利実  古川康
    古川禎久  古田圭一  古屋圭司  穂坂泰
    星野剛士  細田健一  細田博之  堀井学
    堀内詔子  本田太郎  牧島かれん 牧原秀樹
    松島みどり 松野博一  松本純   松本剛明
    松本文明  松本洋平  三浦靖   三谷英弘
    三ッ林裕巳 三ッ矢憲生 三原朝彦  御法川信英
    宮内秀樹  宮川典子  宮腰光寛  宮崎政久
    宮澤博行  宮路拓馬  宮下一郎  武藤容治
    務台俊介  宗清皇一  村井英樹  村上誠一郎
    望月義夫  茂木敏充  盛山正仁  森英介
    森山裕   八木哲也  簗和生   山際大志郎
    山口俊一  山口泰明  山口壯   山下貴司
    山田賢司  山田美樹  山本幸三  山本ともひろ
    山本有二  吉川貴盛  吉野正芳  義家弘介
    和田義明  若宮健嗣  渡辺孝一  渡辺博道
    赤羽一嘉  井上義久  伊佐進一  伊藤渉
    石井啓一  石田祝稔  稲津久   浮島智子
    江田康幸  大口善徳  太田昭宏  太田昌孝
    北側一雄  國重徹   佐藤茂樹  佐藤英道
    斉藤鉄夫  高木美智代 高木陽介  竹内譲
    遠山清彦  富田茂之  中野洋昌  浜地雅一
    濱村進   古屋範子  桝屋敬悟  鰐淵洋子
    足立康史  井上英孝  浦野靖人  遠藤敬
    串田誠一  下地幹郎  杉本和巳  谷畑孝
    馬場伸幸  丸山穂高  森夏枝   細野豪志
    鷲尾英一郎

    否とする議員の氏名

    阿久津幸彦 阿部知子  青柳陽一郎 荒井聰
    池田真紀  石川香織  今井雅人  生方幸夫
    枝野幸男  小川淳也  尾辻かな子 大河原雅子
    逢坂誠二  岡島一正  岡本あき子 落合貴之
    海江田万里 神谷裕   亀井亜紀子 川内博史
    菅直人   菊田真紀子 近藤昭一  佐々木隆博
    櫻井周   篠原豪   末松義規  高井崇志
    高木錬太郎 武内則男  辻元清美  手塚仁雄
    寺田学   中谷一馬  長尾秀樹  長妻昭
    西村智奈美 長谷川嘉一 初鹿明博  福田昭夫
    堀越啓仁  本多平直  松田功   松平浩一
    道下大樹  宮川伸   村上史好  森山浩行
    矢上雅義  山内康一  山尾志桜里 山川百合子
    山崎誠   山花郁夫  山本和嘉子 横光克彦
    吉田統彦  早稲田夕季 青山大人  浅野哲
    伊藤俊輔  泉健太   稲富修二  小熊慎司
    大島敦   大西健介  岡本充功  奥野総一郎
    吉良州司  城井崇   岸本周平  源馬謙太郎
    小宮山泰子 後藤祐一  近藤和也  斉木武志
    階猛    篠原孝   下条みつ  白石洋一
    関健一郎  玉木雄一郎 津村啓介  西岡秀子
    原口一博  平野博文  古川元久  古本伸一郎
    前原誠司  牧義夫   緑川貴士  森田俊和
    山岡達丸  山井和則  渡辺周   安住淳
    江田憲司  大串博志  岡田克也  金子恵美
    黒岩宇洋  玄葉光一郎 田嶋要   中川正春
    中村喜四郎 野田佳彦  広田一   もとむら賢太郎
    赤嶺政賢  笠井亮   穀田恵二  志位和夫
    塩川鉄也  田村貴昭  高橋千鶴子 畑野君枝
    藤野保史  宮本岳志  宮本徹   本村伸子
    照屋寛徳  吉川元   井上一徳  中山成彬
    長島昭久  笠浩史   日吉雄太  青山雅幸
    赤松広隆  井出庸生  柿沢未途  佐藤公治
    重徳和彦  樽床伸二  松原仁   柚木道義

    2018年11月27日
    参議院農林水産委員会,第3号

    主要発言者
    里見隆治(公明党,第24回参議院選挙,2016,愛知県選挙区:愛知県)
    新井ゆたか(政府参考人,農林水産省食料産業局長)
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)
    藤田幸久(国民民主党,第23回参議院選挙,2013,比例東京ブロック:東京都)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    森ゆうこ(自由党,第24回参議院選挙,2016,新潟県選挙区:新潟県)

    内容まとめ

    (里見隆治質疑時)

    ・外食業の生産性向上は、店舗内調理の機械化、動線の見直しによる省力化、接客サービスの省力化、各種業務のIT化等。、国内人材確保は、営業時間の短縮、定休日の導入、高齢者や女性が働きやすい職場環境の整備等。
    ・外食業の人材不足の見込み数。現在の外食業の従業員は約470万人、宿泊・飲食サービス業の欠員率は5.4%、現在の人手不足数は約25万人。5年後は、従業員数を直近と同水準の約470万人、欠員率は6.3%と推計、人手不足数は約29万人。生産性向上の取組で約11万8千人、国内人材の確保で約11万八8千人、両取組で23万6千人の人手不足を解消しても、5年後には約5万4千人の人材不足が生じる見込み。5年後の新たな在留資格による受入れ見込み数は、業界団体、企業等からの聞き取りに基づき推計して4万1千人から5万3千人。
    ・外食業の特定技能一号は、調理、接客、店舗管理を通じて、トータルの衛生管理ができ、外食の現場で自ら判断して作業を取り仕切ることができる、部門長とかサブリーダーになるような人材。
    ・試験内容は、現在検討中だが、HACCPに沿った衛生管理の管理手法について一定以上の知識を有し、一定水準以上の日本語能力を有する、専門性、技能を測定できるものを想定。
    ・日本語能力の試験は、日常生活に必要な日本語は業種横断的な国際交流機関の新試験等の活用を想定、業務に必要な日本語は技能試験で問う。特定技能一号人材は、外食業で母国語を活用したバイリンガルの接客対応が可能な人材になるので、インバウンド対応の貴重な戦力になると考えている。
    ・外食産業の外国人の受入れ時期は、法律案想定の施行時期と同時である必要はなく、準備が整った段階で外食業としてスタートでいいのではないか。
    ・外食業は有効求人倍率、欠員率共に他業種に比べて高水準、特に調理、接客、給仕の現場を取り仕切る知識、能力を有する即戦力の人材不足が深刻。受け入れる企業の体制準備等十分な準備を行った上で、長期的雇用が可能な外国人材の確保を図りたい。

    (藤田幸久質疑時)

    ・農業で特定技能の対象となる予定のものは、各業所管省庁において検討を踏まえ、具体的な分野が特定されるものと承知。
    ・登録支援機関は登録支援機関登録簿に登録され、一般の閲覧に供される。登録支援機関は幅広い主体を想定していて、出入国在留管理長官に申請を行い、支援業務を的確に遂行するための必要な体制が整備されていないなど登録拒否事由がある場合を除き、登録される。
    ・「技能実習二号をJA等が受入れ機関として特定技能一号として雇用し、農家等に派遣することは可能か」「派遣形態が必要不可欠か農林水産省等と検討、認められた場合分野別運用方針に記載、派遣元事業主となる受入れ機関が労働者派遣事業の許可を得て、受入れ機関が派遣先と派遣契約を締結した後、受入れ機関と外国人材との間で雇用契約を締結する」
    ・技能実習を三年修了した者は試験等を免除し、特定技能一号へ移行することを認めるが、本国への一時帰国は要件ではない。
    ・「一つの受入れ機関で特定技能一号の外国人と技能実習生を共に雇用する場合の留意点、条件等々」「両制度は趣旨が異なる、特定技能外国人が行う活動は、一定の専門性、技能を生かし、特段の育成、訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務に従事するもの、技能実習生が行う活動は、技能実習計画に基づき、労働者として働きながら、技能、技術又は知識を習得するもの、技能のレベルに違いがあることから、待遇に差が出てくることも考えられる。技能実習生は相談体制の構築等の支援は監理団体の責務とされていますが、特定技能外国人は登録支援機関に支援を委託する場合を除き、特定技能外国人が所属する機関が直接支援を行う」

    (森ゆうこ質疑時)

    ・聞き取りの原票について。供述者による言いっ放しの内容で、反面調査を実施してないので個別の記載内容について信用性が確認されておらず、必ずしも真偽が明らかになっていない。
    ・2018年度の聴取票はまだ集計途上、9月末現在でおおむね2千件を超えているという報告を受けている。
    ・特に農業分野、漁業分野は、技能実習生が新制度導入初年度で受け入れられる外国人のかなりの数を占める。
    ・「技能実習生が劣悪な労働環境、特に賃金の面で下回らないようにするのか、それを誰がやるのか、特に農業分野重要」
    ・「厚生労働省の労働基準監督官、約1万7千人の労働者に一人しかいない、実際チェックできていない」「農林水産省の指導が必要(吉川貴盛農林水産大臣)」

    2018年11月28日
    衆議院外務委員会,第4号

    主要発言者
    櫻井周(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    河野太郎(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,神奈川県第15区:平塚市,茅ヶ崎市,中郡:外務大臣)

    内容まとめ

    (櫻井周質疑時)

    ・「技能実習生、法務省いわく失踪、我々の立場からすると緊急避難が4千人、課題は残っている。調査票によれば最低賃金割れで働いているという事例も少なくないようだ。十分に取締りできているのか」「2018年9月末現在で、約3700回の実地検査、1900件以上の母国語相談に対応している。実習先変更の支援も40件以上、プロジェクトチーム立ち上げで調査票の問題を総ざらいする」
    ・「技能実習機構、人員が300人ちょっとで、技能実習生は30万人ぐらい、非力ではないのか」「外国人技能実習機構は、私ども(法務省?)、厚生労働省が主務官庁になって、また必要な人員の増などを予算でお願いする。実地調査、特に監理団体、実習実施機関、問題の端緒をつかみましたところには職員が赴いて詳細な聞き取りを行うなどの体制も強化していきたい」
    ・「外務省も重く受けとめている。外国人技能実習生の問題で日本に対して悪いイメージを持って帰国している方が少なからずいる現状を改善していかなければという大臣の思いはわかるが、取組としては軽いのでは、不十分ではと思う」「外務省からも関係省庁に、重く受けとめるように、対策をしっかりとるように督促をしている」

    2018年11月28日
    衆議院内閣委員会,第7号

    主要発言者
    塩川鉄也(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県)
    高橋克彦(政府参考人,外務省大臣官房審議官)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)

    内容まとめ

    (塩川鉄也質疑時)

    ・2018年11月27日の入管法改正案の強行採決は余りにもひどい、議運の理事会で重要広範議案として確認していたのに連合審査もやらなければ、総理出席の委員会での質疑も行わない。重要事項がほとんど省令以下という政府白紙委任法は認められない。撤回を求める。
    ・「『技能実習生の失踪者数は一位で全体の半数以上をベトナムが占めている。不法残留者も年々増加している。何よりも、犯罪の増加が問題。2017年の刑法犯の検挙件数はベトナムが一位』『日本において、悪徳ブローカー、悪徳業者、悪徳企業がベトナムの若者を食い物にしている』この実態について、外務省はどんな把握をしているか」「2017年11月に外国人の技能実習の適正な実施と技能実習生の保護に関する法律が施行され、それに基づき制度の適正化を図っている」
    ・「手数料や保証金以外の名目で多額の費用が取られることは防げるのか」「ベトナムとの間で二国間取決めを2017の6月6日に締結した。ベトナム側で送り出し機関の認定を行い、日本側は、ベトナム側が認定した送り出し機関からのみ技能実習生を受け入れる。日本側が不適正な送り出し機関があることを認知した場合にはその旨をベトナム側に通知し、ベトナム側において当該送り出し機関に対する調査、指導、送り出し機関の取消しを行うこと等が規定をされている。ベトナム側が日本側に何らかの不正な行為があるということを認知した場合は、その連絡いただいて、日本側で調査、指導、許可の取消しを行うことも規定されていて、ある程度ベトナム側で送り出し機関にマル適マークをつけてもらう仕組みがこの二国間取決めを通じてできている」
    ・「入国前の説明と実際の実態と食い違いがある場合の対応は?」「法令違反等がうかがわれる場合には、地方入国管理局で監理団体等に対する実態調査を実施する」
    ・聴取票に監理団体の項目が入っていないのはおかしい。
    ・送り出し機関と結託した監理団体による実習生に対する高額な手数料徴収を排除する。技能実習法の二十八条で書いてあるが、それをどう担保するのか」「外国人技能実習機構による実地検査を行う」
    ・監理団体に聞く、聴取票に実態把握を入れるのは約束できるか」「山下法務大臣の指示で、大臣政務官をキャップとしたプロジェクトチームで検討する」
    ※金の流れ、というと銀行や暗号資産(仮想通貨)の口座を調べる話になるんだろうか。

    2018年11月28日
    参議院議員運営委員会,第7号

    主要発言者
    足立敏之(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    白眞勲(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    田村智子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)

    内容まとめ

    (足立敏之)
    ・出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について、本日の本会議(参議院)において趣旨説明を聴取すること並びにこれに対して公明党一人10分、立憲民主党・民友会一人15分、国民民主党・新緑風会一人10分、日本共産党一人10分、日本維新の会一人十10の質疑を順次行うことの動議を提出する。

    (白眞勲)
    ・動議に反対、この法案は昨日(11月27日)の夜9時47分に衆議院から参議院に送付されたもので原稿も用意もできず意見表明をせざるを得ない状況は極めて遺憾。議論するためには定時定刻でやるべきで、衆議院での議論を踏まえた形で、議事録を精査した上で、良識の府参議院としての矜持を示すべき。

    (櫻井充)
    ・動議に反対、不明な点が余りに多過ぎる。質問通告の時間が僅かしかなく、その後官僚の方が答弁を書く時間も本当に僅かしかない。答弁書を書くために決まった時間までに通告することをきちんと守るのがこれまでの参議院だった。
    ・国会議員が本当に官邸の下請になっていっていいのか、考えてほしい。
    ・野党が震災の影響もあって補正予算を早く組まなければ、と一日も早く開会を望んでいながら、開会しなかった。G20に総理が出席するが、そういう日程は元々決まっていて、総理の日程に合わせてこういうことをやり続けなければいけないのは本当におかしい。

    (田村智子)
    ・動議に反対、11月27日、委員長職権で開会された衆議院法務委員会で与野党の合意のないまま採決し、本会議への緊急上程が行われ、参議院に送付されたのが21時47分。与党の強引な議会運営で送付された法案を、参議院でも強引に本日の本会議で趣旨説明、質疑を行うなど、常軌を逸している。
    ・与党は総理出席の本会議日程を理由としているが、29日からG20への出席のために海外出張を行っても、12月4日の帰国を待って本会議を行えばよい。
    ・従前から、重要とされる政策立案は、各種審議会、有識者会議などで議論され、パブリックコメントなども募集するなどして法案化されてきたのではないか。
    ・議院運営委員会がやるべきは、まず何より審議に必要な資料を政府に出させること。

    動議について採決。賛成の挙手を求める。挙手多数。よって、動議は可決された。

    次に、本日の本会議(参議院)の議事に関する件を議題とする。足立敏之議員による資料配布。
    動議について採決。賛成の挙手を求める。挙手多数。よって、動議は可決された。

    暫時休憩。休憩後開会に至らなかった。
    ※「休憩後開会に至らなかった」これどういうことなんだろう。

    2018年11月28日
    参議院本会議,第5号

    主要発言者
    伊達忠一(自由民主党,第23回参議院選挙,2013,北海道選挙区:北海道:参議院議長)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    石川博崇(公明党,第24回参議院選挙,2016,大阪府選挙区:大阪府)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)
    石橋通宏(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    大野元裕(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,埼玉県選挙区:埼玉県)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    世耕弘成(自由民主党,第23回参議院選挙,2013,和歌山県選挙区:和歌山県:経済産業大臣、内閣府特命担当大臣[原子力損害賠償・廃炉等支援機構])
    石井啓一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県:国土交通大臣)
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)
    石井苗子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)

    内容まとめ
    (伊達忠一)
    ・「この際、日程に追加して、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか」
    ※この際?

    (山下貴司)
    ・人手不足は深刻化、我が国の経済社会基盤の持続可能性を阻害する可能性。
    ・厳格な入国管理と円滑な入国審査の両立、増加する外国人に対する的確な在留管理。
    ・第一の要点は、特定技能一号及び特定技能二号を設けるとともに、外国人を受け入れるプロセス、支援、機関に関する規定等の整備。
    ・第二に、法務省の外局に出入国在留管理庁の新設。
    ・政府は以上の法律案、衆議院で一部修正、人材不足の地域の事項を分野別運用方針に明記、一号特定技能外国人と日本人との交流の促進に係る支援を含む旨を明記、人材不足の地域への配慮に係る規定を追加、本邦在留の外国人に係る在留カードの番号その他の特定の個人の識別することができる番号等の利用の検討を追加、特定技能の在留資格に係る制度の検討時期を施行後3年を経過した場合から施行後2年を経過した場合に改め、検討事項に地方公共団体の関与の在り方等を含む旨を明記。

    (石川博崇)
    ・今回の新たな制度の創設に当たって、日本人労働者の賃金上昇、休暇、働き方等の処遇の改善、生産性向上の追求が大前提。
    ・国内人材の確保策を政府として具体的にどのように取り組むのか。
    ・景気、経済の動向、国内における雇用の需給バランスなどを含む中長期的なビジョンを策定するとともに、これを不断に見直す取組が不可欠。政府が定める分野横断的な基本方針等にこの点どのように盛り込まれるか。
    ・技能実習制度で生じた諸問題について見解を。悪質な仲介業者、ブローカーについて政府はどのような対策を行うのか。
    ・ 特定技能の外国人材に具体的にどのような支援を行うのか、特に日本語の習得支援は極めて重要。
    ・出入国在留管理庁が在留外国人の保護のために果たす役割に関し、法務大臣の答弁を。
    ・本法律案の附則に関係地方公共団体、関係事業者、地域住民その他の関係者の意見を踏まえて検討を行うという修正が行われた。外国人材を受け入れた地方公共団体に対しては財政支援も含む必要な支援措置を講ずるべきと考える。
    ・最後に、本法律案は、人口減少、少子高齢化といった課題を抱える我が国にとって、将来を見据えた極めて重要な取組であります。同時に、我が国における外国人材受入れ政策の大きな転換点となります。今後、これら外国人材の円滑な受入れと多文化共生社会の実現に向けた環境整備をより一層推進していく決意を述べて、質問を終わる。
    ※最後は暗に移民政策であることを吐露してないかな。

    (安倍晋三)
    ・AI、IoT、ロボットといったイノベーションの活用、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現といった働き方改革、企業の生産性向上に向けた支援、幾つになっても学び直せるリカレント教育の充実、生涯現役時代の雇用制度改革に向けた検討等を推進する。
    ・政府基本方針で特定技能の在留資格に係る制度運用の分野横断的な基本方針を示し、分野別運用方針で5年ごとに向こう5年間の受入れ見込み数を示し、基本的に受入れ数の上限として運用する。
    ・業所管省庁においては、外国人材受入れ後も、生産性向上や国内人材確保の取組等の状況、人手不足の状況を継続的に把握し、外国人材受入れの必要性を随時判断する。
    ・2017年11月に施行した技能実習法により設立した外国人技能実習機構の下、実地検査や母国語相談対応、実習先変更支援のほか、二国間取決めによる送り出し機関の適正化を図っている。新設する出入国在留管理庁の下で在留管理を強化する。

    (山下貴司)
    ・外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないこと等を法務省令で定めることを検討、在留資格認定証明書交付申請時において保証金等を徴収されていないことの確認、受入れ機関及び登録支援機関に対し、保証金等が徴収されている場合は受入れは認められないことを周知、指導等を徹底する。
    ・技能実習制度では10か国との二国間取決め、EPA協定に基づく受入れ枠組みなどもある。
    ・支援は受入れ機関か委託を受けた登録支援機関で、職場のトラブルについての各種の相談、苦情対応等、生活情報、医療情報、防犯情報等説明のためのオリエンテーション実施等、各種行政手続についての情報提供等を予定。
    ・日本語習得に関する支援も確実に行われるようにしたい。
    ・外国人の受入れ・共生のための総合的対応策も、在留外国人に対して日本語学習機会が行き渡るような施策を実行に移すべく、年内の取りまとめを行う。
    ・出入国在留管理庁で特定技能雇用契約の適切性について審査する。受入れ機関に対する指導、助言、立入検査、改善命令や、登録支援機関に対する指導、助言を行う。
    ・外国人との共生社会の実現に向けた環境整備を進めるため、文部科学省や厚生労働省を含め、関係府省と連携して対応する。
    ・特定技能の在留資格に係る制度を検討するに当たり、特定技能外国人を受け入れる地方公共団体や地域住民の意見を踏まえることは大変重要。
    ・政府は、本制度による外国人の受入れを特に必要とする地方に対しては、インセンティブを何らか設けられないかも含め、検討する。

    (石橋通宏)
    ・参議院本会議、何でこんな時間(午後4時1分開議)に開会するのか。議運委員長が職権で委員会採決を行って開会を強行するという、参議院の先例も何も全く無視した暴挙。なぜ総理の外遊日程に合わせて重要法案の審議日程が決められるのか。
    ・深刻な人手不足の定義を、いかなる判断基準と指標をもって証明されているのか具体的に示してほしい。外国人でなければ人手不足が埋められない根拠を説明してほしい。
    ・今回の特定技能や高度専門職ビザは、一定の在留期間の後、一定の条件を満たした外国人に永住権を認める移民政策ではないか。
    ・法律上の上限規制を設けるべき。特定技能や実習生、留学生や日系人などを含め、今後の5年、10年で一体どれだけの外国人労働者の受入れを拡大する方針なのか。
    ・失踪した技能実習生の個票を国会に出すべき。技能実習生の失踪は2018年上半期で過去最多だが、なぜ実習生が失踪するのか。
    ・技能実習生の試験等が免除されるのは当該実習生が実際に実習を受けた職種や作業に限定されるのか、試験等免除の対象には過去に技能実習二号を修了して帰国している外国人も含まれるのか、技能実習生が特定技能一号での就労を希望した場合、就労先となる事業主や勤務地は自由に選べるのか。
    ・特定技能一号、二号、どんな試験を課すのか、技能水準の確認は従事する職種ごとか分野ごとか、試験の方法と確認主体は誰か。特定技能一号は短期契約も、例えば年間に三か月だけという季節労働契約も可能なのか、上限の60か月に達するまで、20年もの間、外国人を使い続けることが可能だが、そんな契約も認めるのか。
    ・特定技能一号は家族帯同を認めない、5年間だけでも国際基準から見て問題なのに技能実習制度から移行すれば最長10年もの間、家族帯同が認められない。深刻な権利侵害ではないか。
    ・特定技能では入国が認められた分野での転職が可能と理解するが、分野内であれば職種の変更は自由で、地域の移動も自由なのか。
    ・本法案には、差別的取扱禁止は規定されていますが、技能実習法には存在する日本人労働者との同等報酬は規定がない。なぜ法律に明記がないのか、差別的取扱いとは何を基準に誰が判断するのか。
    ・特定技能所属機関は届出さえすれば誰でもなれる、登録支援機関も登録だけでよいのは事実か。こんな緩い規制でどうやって労働者の人権を守り、悪い事業者を排除できるのか。法案には、特定技能所属機関に対する指導や助言、改善命令は規定されているが、受入れ停止処分は見当たらない。所属機関は、人権侵害や法令違反をしても外国人の受入れを続けられるのか。
    ・特定技能所属機関は一体どうやって外国人労働者に求人し、採用するのか。逆に、外国人労働者の側はどうやって求職活動を行うのか。応募してきた外国人が特定技能の要件に合致しているのかどうかを誰がどう判定し認定するのか。一体、登録支援機関とは何か、誰がなるのか。もし技能実習制度の監理団体や労働者派遣事業者がなるのであれば、彼らが中間マージンを得ながら外国人労働者を制度に縛り付け、囲い込むことが容易に想定される。民間ブローカーの介在を許す制度はやめるべき。
    ・本法案は、新たに法務省の外局として出入国在留管理庁を設置することを提案しているが、法務省が労働法令遵守の徹底や現場の監督指導、生活支援や教育支援まで所管することは不可能。多文化共生社会に向けた環境整備を地方自治体と連携して最優先で進めるために、省庁横断的な体制の下に新たな所管官庁を創設すべき。

    (安倍晋三)
    ・有効求人倍率が約44年ぶりの高さ、労働力となり得る生産年齢人口は毎年減少し、2018年1月には初めて全人口の六割を切る。
    ・現在、深刻な人手不足であるとして、建設業、介護等の十四業種から法務省に対して受入れ希望の意向が示されている。
    ※つまり業界団体(の経営層)の働きかけありき、というわけか。
    ・人手不足については、できる限り客観的な指標を用いて判断されることが重要であり、有効求人倍率、各業種における公的統計、業界団体を通じた所属機関への調査等が考えらる。
    ※その数値の目安を知りたい。労働者の待遇とともに。
    ・国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとするといった、国民が懸念するような政策を取る考えはありません。
    ※期限を設けても更新し続けることができるのならそれは期限がないのと同じ……歯止めの条件を提示しないと。
    ・分野別運用方針で、5年ごとに向こう5年間の受入れ見込み数を示す。大きな経済情勢の変化が生じない限り、5年間は受入れ数の上限として運用する。
    ※「大きな経済情勢の変化が生じた」と認定されたら……
    ・特定技能一号については、現在受入れを希望する業所管省庁が推計した5年間の受入れ見込み数は最大で34万5千人程度。
    ・失踪や不法残留者の増加が生じないよう、今後とも在留管理を適切に進める。
    ・技能実習制度と特定技能の制度は、趣旨、目的が異なり、技能実習制度と特定技能の制度とが接続されているわけではない。
    ・人手不足の状況は深刻な問題となっています。この問題への対応は待ったなし、まさに喫緊の課題。
    ※その実感が全然無い。まず企業経営者の側からの声が聞きたい。その過程で待遇に対する疑念が出てくるはず。それにどう答えるのか。
    ・特定技能の制度は、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れようとするもの。本制度は、安い労働力を確保しながら就労期間を都合よく延長するためだけに創設するものではない。
    ※でも結局労働力は安くなることについて議論が全くみえてこない。
    ・特定技能一号の外国人は、在留できる期間が通算して五年を超えることができないものとする。家族の帯同を基本的には認めない。
    ・外国人であることを理由として報酬等に関して差別的な取扱いをしてはならないことを法律で規定している。出入国在留管理庁が、入国、在留の審査において、受入れ機関に対し、特定技能外国人の報酬の額が同等の業務に従事する日本人と同等額以上であることを示すための書面の提出等を求めるなど、厳格な審査を実施する。また、定期的な届出により、報酬の同等性が維持されていることを確認し、受入れ機関に対して行う調査、指導、改善命令等を通じて的確な管理を徹底することにより、日本人と同等額以上の報酬の実効性を確保する。
    ・登録支援機関となり得る主体は、支援体制を整えた業界団体、民間法人等幅広い主体を想定し、登録の基準として、出入国又は労働に関する法令の前科がある場合等を欠格事由と定め、不適格な機関を登録時点で排除する。
    ・制度の運用は、出入国在留管理庁が支援の実施状況を把握、必要に応じて登録支援機関に対して調査、指導等を行い的確な管理を徹底し、悪質な仲介業者の排除に努める。
    ・外国人との共生社会を実現するためには省庁横断的な取組が必要であり、2018年7月に、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を設置し、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の2018年内取りまとめに向けて作業を加速させている。
    ・出入国在留管理庁は、外国人の出入国及び在留の管理と受入れ環境整備に関する総合調整等を行う。政府としては、その司令塔的機能の下、関係府省が連携し、地方公共団体とも協力しつつ、多文化共生社会に向けた環境整備を進める。

    (山下貴司)
    ・法務省におけるデータの誤りは、故意に改変を行ったものではない。
    ・本年上半期に失踪したとの報告を受けた技能実習生は4千人を超えていますが、技能実習生の数自体、2016年末の在留者数と2017年末の在留者数とを比べた場合、少なくとも四万人増加していることも原因と考えられる。
    ・2018年上半期の失踪者4279名を精査したところ、新たな技能実習法の適用を受ける技能実習生は少数。
    ・旧制度下の技能実習生を含む技能実習制度の在り方については、門山大臣政務官を議長とするプロジェクトチームにおける議論も踏まえて、適正化に努める。
    ・特定技能一号への在留資格の変更に当たり、技能実習二号修了者については試験等を免除することとする。過去に技能実習二号を修了して帰国している外国人も含まれる。
    ・特定技能一号へ移行する際の就労先や勤務地は、これを技能実習の実習実施機関に制限せず、在留資格の変更許可を受けることを前提として、本人の自由な選択に委ねられている。
    ・特定技能一号、二号の技能は試験等によって確認される必要があり、この試験は分野ごとの特性に応じ業所管省庁において適切に定めるが、分野別運用方針において試験等の評価方法を定め、これを法務省令でも定める予定。
    ・今回の受入れ制度では、特定技能外国人が、自らの意思により、入国、在留が認められた分野の範囲内で転職を行うことを可能とする。特定技能外国人が受け入れられた分野と異なる分野へ転職することは認めない。
    ・稼働先となる受入れ機関は、在留資格認定証明書交付申請時等に雇用契約の適切性を確認する際に受入れ機関が確認できることから、改めて届出を必要とはしなかった。
    ・登録支援機関は、支援の担い手は様々であるので一律に許可制とはしなかったものの、本法の特定技能一号外国人の支援を十分かつ適切に行うことを確保するという観点から登録制としました。
    ※「支援の担い手は様々」であることがなぜ「一律に許可制とはしなかった」のかは自明ではない。一律でなくても許可制にすればいいではないか。
    ・出入国在留管理庁が受入れ機関や登録支援機関の監督を行い、悪質な民間業者を排除する。
    ※排除できなかった場合は出入国在留管理庁の職員を増やすか、対象となる外国人の受け入れを減らすしかない。前者は税金を使う分人手不足が解消され、経済成長が見込めた際の税収増の利得が減る。場合によっては後者のほうが賢明だろう。
    ・新たな受入れ制度では、受入れ機関に対し、外国人との間で、その報酬が同一の業務に従事する日本人等と同等以上であることなどを含め、適切な雇用契約を締結するとともに、その適正な履行が確保されていることの基準に適合することを求める。受入れ機関が適合しない場合は、特定技能外国人は当該受入れ機関で活動できなくなる。
    ・事業者が海外で育成した人材に技能試験等を受験させ、特定技能外国人材として受け入れることが考えられる。出入国在留管理庁で、特定技能外国人の技能水準や日本語能力水準が基準を満たしているほか、受入れ機関と特定技能外国人の雇用契約の適切性を確認する。

    (石橋通宏)
    ・人手不足を外国人により確保を図るべきと規定していることについての具体的な根拠は?
    ・単純労働、一般労働で人手不足が生じているのを技能実習や留学生で穴埋めをしていることについての総理の見解は?

    (安倍晋三)
    ・生産年齢人口は毎年減少し、2018年1月に初めて全人口の六割を切る。
    ・単純一般労働で外国人技能実習生や留学生に穴埋めをしてもらっている認識ではない。

    (大野元裕)
    ・本法律案は余りに多くが政省令に委ねられている。拙速に参議院に法案を送らなければならなかった理由は何か。どのような業種、職種で、何人程度の人手不足が生じており、どのように我が国経済の持続可能性を阻害するのか。生産性向上や女性、高齢者等の国内人材の確保のための安倍政権の政策的取組が功を奏さなかった理由は何か。
    ・フランスでは、経済が好況であった際に外国人労働者を数多く受け入れたが、経済が悪化してもこれらの労働者は出国せず、フランス人の雇用を奪い賃金を押し下げた。その結果、サルコジ大統領時代に激しい外国人排斥デモが発生した。
    ・2017年に外国人技能実習制度の受入れ期間を2年間延長する第三号実習生制度が新設され、この卒業に合わせ法施行が必要との報道があるが、本来、技能実習生と新たな制度に直接関係はないはずだが、法務大臣は何度も、何万人もの外国人が帰国すると述べてじた。他方、第三号実習生の期間満了は最も早い人で2019年11月。施行を6か月延期しても、何万人もが帰国するということない。施行を延期して、これまでに指摘された多くのリスクを検討するべき。
    ・人手不足の現状を把握しているのなら、賃金押し下げを防止するために、受入れの上限についての規定を明示するべき。
    ・衆議院での修正で、地域格差、特に大都市集中を招かないようにするため必要な措置を講ずるとされたが、その方途については法律に示されていない。業種、職種のみならず、地域別の受入れ数を定めることを法律に明記するべきではないか。
    ・アラブの湾岸諸国では、外国人労働者が職場を変わる場合には、通常、一旦出国をさせて新たな受入れ組織の適正さの判断や当該申請者の適否等を審査してから、再び新たな在留資格を付与し入国を認めるという制度を有していた。業種内で移動する際には、一旦出国をさせ、それから業種、地域的ニーズに合わせて再審査する制度を法律に盛り込むべきではないか。
    ・特定技能の外国人及び家族について、健康保険に加入するのは何人ぐらいで、国庫負担はどれくらいか。健康保険は海外在住の扶養家族に対しても適用されるのか。海外では、闇レートで入手した現地通貨で診察を受け、公式レートで請求して、差額を不正に得る例も知られているが、海外における健康保険の不正利用の実態の把握、対策は考えているのか。
    ・高い技能を有する外国人以外の家族帯同が適切でないのなら、政府が海外に派遣する公務員等の扶養家族に税金から手当の支払を行うことが適切と国民に説明ができるか。国籍によって家族の海外への帯同の適否への見解が異なり、そこに国税を支出することが適切と考える理由は?
    ・本法案には施行後2年の見直し規定があるが、外国人受入れ政策を始めてから抜本改革を行えば、社会や企業に大きな影響と混乱を与えるので、まずは国民大の議論を喚起し、政省令ではなく法律で制度を定める努力を追求することを強く求める。

    (安倍晋三)
    ・法案審議の在り方について、政府としては質問の一つ一つにできる限り丁寧に答え、本制度の趣旨や内容について広く理解していただけるよう全力を尽くしたい。
    ※丁寧に答えてはいるが、具体的かと言われると……
    ・有効求人倍率が約44年ぶりの高さで、介護においては3倍以上、建設業の中には10倍を超えるものがある。
    ・2012年以降、女性、高齢者の就業率が上昇し、就業者数は251万人増加しているが、人手不足の状況は深刻。
    ※高齢者の就業率上昇って高齢者にとっていいことなんだろうか。
    ・人手不足の状況は経済社会の状況によって変化し得るので受入れ分野そのものを法律事項としていない。受入れ見込み数も法律事項とすることは考えてない。
    ・全体の受入れ見込み数を法律で定めることを予定してないので地域別の受入れ数を法律で定めることも予定していない。地方における人手不足解消策は政府全体として取り組むべき課題と認識、必要な施策を検討する。
    ・特定技能外国人が受入れ機関を変更しようとする場合、在留資格の変更の許可を受けなければならず、転職先の受入れ機関が本法案等に規定する基準に適合するか審査できる。外国人材にとっても負担となる制度を法律に盛り込む必要はない。
    ・外国人の家族を併せて受け入れることとした場合、その家族に対する支援も検討する必要があり、幅広い観点から国民的なコンセンサスを得る必要があるので、特定技能第一号については、その家族に対して家族帯同の在留資格を付与しない。公務員等を海外に派遣する場合とは趣旨、目的が異なり、必ずしも同一に論ぜられるものではない。

    (山下貴司)
    ・本法案の施行が半年遅れれば、様々な在留資格により日本に滞在する万単位の外国人が働く機会のないまま受け入れられなくなる。
    ・これまでに指摘をいただいた課題等については、今後、法務省令等を作成する中で対応する。

    (根本匠)
    ・健康保険は、雇用関係と扶養関係を基礎として、国籍や居住地を問わず適用する、海外在住の扶養家族に対しても要件を満たせば適用する。新たに受け入れる外国人材やその家族の健康保険への加入人数や国庫負担への影響については、具体的な数字を示すことは困難。
    ・外国人による医療保険の不適正な利用が報道等で指摘されていることから、厚生労働省では2018年3月に海外に居住する被扶養者の認定方法の厳格化を実施した。
    ・外国人の医療保険の適正な利用に向けた対応については、現在、与党で議論されているのを踏まえ対応を検討する。

    (仁比聡平)
    ・総理は、2018年11月7日の参議院予算委員会で、技能実習について、今でも九9割の方々は目的に沿った形で日本で技能を身に付け、母国に帰ってその技能を生かして活躍していると答弁している。その根拠は何か。労働基準監督署が技能実習先事業所に行っている監督指導で労働基準関係法令違反が明らかになった事業所は、2017年、監督指導を実施した事業所の70.8%に上り、監督指導を実施できたのは、48033事業所のうち、僅か12.4%にすぎない。
    ・特定技能一号と技能実習について別の制度と言い逃れようとしているが、山下法務大臣が11月15日の参議院法務委員会で、法改正が半年遅れれば万単位の方々が帰ってしまうと答弁したとおり、技能実習生を特定技能に移行して働かせ続けたいのが本音ではないか。技能実習三年の修了者は特定技能の試験は免除され、技能実習生の監理団体が、新たな特定技能への在留資格変更に関与し、登録支援機関を兼ねることも認められるのではないか。
    ・初年度のほぼ100%を技能実習からの移行を見込んでいる、産業機械製造業、建設業、農業について、どのような実態把握と検討の上で移行の見込み数を積算したのか。新たな受入れ分野は、政府の判断次第で更に拡大されるのではないか。
    ・全ての個票を国会に提出すべき。
    ・現在、ブローカー介入の懸念が強い団体監理型における技能実習生の母国は何か国か。そのうち、二国間協定ないし取決めは何か国で締結され、交渉中は何か国か。国名も併せて答えてほしい。
    ・新たな特定技能一、二について、二国間協定ないし取決めについて法案にはどう規定されているか。政府はどのように定める方針か。
    ・法案担当者の説明によれば、二国間取決めは全く想定されていない。それは技能実習制度における適正化の取組を覆す。これでは母国での特定技能の評価や試験、送り出しなどの実施体制は民間の問題となり、ブローカーや中間搾取を排除できない、理論上転職の自由があってもブローカーの支配下に置かれた労働者にその行使は期待できないのではないか。
    ・留学生の資格外活動が急速に増加し、厚生労働省の把握で2017年10月末時点128万人に上る外国人労働者の4割を超える。留学生は2008年からの留学生30万人計画で増加し、今日では技能実習生26万人を上回る32万人に上るが、多くの日本語学校が授業料収入を目当てにし、中には人材派遣業や不動産業を兼ねて紹介手数料や高額の家賃を取ってもうけるなど人材ビジネス化して、そこにブローカーも介入する実態がある。2017年、自由民主党一億総活躍推進本部は、誰もが活躍する社会をつくるPT宣言で、留学生の28時間規制を緩和して労働力不足を補い活用する提言を推し進めるのか。
    ・深刻な人手不足の要因は劣悪な労働条件なので、外国人労働者の受入れで補おうとすれば構造的な低賃金、低単価を固定化し、人手不足現場の困難を逆にひどくするのではないか。行うべきは、最低賃金引上げなど各分野の賃金、単価の抜本的引上げを政府の責任で行うことではないか。
    ※政府による最低賃金引上げより、市場原理による賃金引上げを求めたい。

    (安倍晋三)
    ・法案審議の在り方は国会で議論するべきもので、何を優先したのかなど、政府としては答えられない。
    ・先日の答弁は失踪者は技能実習生全体から見れば僅かで、ほとんどの技能実習生が我が国で技能を修得し、本国で活躍されている現状をもって答えた。
    ・労働基準監督署では技能実習生を雇用する約4万8千の実習実施者に対し重点的に監督指導を行い、2017年の一年間で法違反が疑われる5966の実習実施者への監督指導を実施し、今後とも、効果的、効率的な監督指導に努めてる。
    ・2017年11月に施行された技能実習法の下、受入れ企業等に対する実地検査や技能実習生に対する母国語相談対応等の取組により、制度の適正化及び技能実習生の保護に努めている。
    ・聴取票は刑事訴追を受けるおそれがある者からの聴取結果そのもので、今後の調査等への甚大な影響や個人のプライバシー保護の観点から、聴取票そのものを広く一般に公開することは困難。
    ※マスキングして個人の特定を避ける議論はどうなった?
    ・悪質なブローカーの介在防止のため、外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないこと等を法務省令で定めることを検討している。在留資格認定証明書交付申請時に保証金等を徴収されていない確認を行うほか、受入れ機関及び登録支援機関に対する周知、指導等を通じて悪質なブローカーの介在防止に努め、転職が阻害されるといった問題が発生しないよう適切に対応する。
    ・二国間取決めについては、相手国政府の状況等を踏まえ、その作成の必要性を検討する。
    ・技能実習制度及び留学生の資格外活動は、入管法で就労活動が許容されている。留学生が経費支弁能力を有していない場合、留学仲介業者が高額な手数料を徴収していることが疑われる事案を改善していくことが重要。
    ・PT宣言については承知している、資格外活動許可は学業を阻害しない範囲で許可されることから、一定の時間を定めて制限することは合理的で、資格外活動の許可の緩和は慎重な検討が必要。
    ・留学生については、入学者選考及び在籍管理の徹底とともに、法令違反が認められる留学生については、今後とも労働管理を適切に進める。
    ・今回の新しい制度は単に労働需要を満たすために外国人材を受け入れることができる制度ではないので、外国人労働者の受入れ拡大は労働者の賃金低下につながるという指摘は当たらない。
    ・所得拡大促進税制を含めた税制面での環境整備、全国加重平均1000円を目指した年率3%を目途とした最低賃金引上げ、賃上げに努力する中小企業への支援の促進などに取り組んできて、賃上げは5年連続で今世紀に入って最も高い水準となっている。

    (山下貴司)
    ・新たに外国人材を受け入れる分野については、法律において時間の経過とともに変化する経済情勢等を踏まえて個別に検討していく必要があるから、省令で定める。法律事項ではないものの、制度に関する重要な事項は国会での御審議に資するよう、今後の審議の過程において示すので、白紙委任との指摘は当たらない。
    ・技能実習生が、技能実習二号修了後直ちに帰国するか、技能実習三号の資格で在留するか、特定技能一号の資格で在留するかは、本人の自由な選択に委ねられているので技能実習生をそのまま特定技能に移行して働かせたいというものではない。
    ・技能実習二号を修了した者は、その職種、作業の属する特定産業分野に係る特定技能一号の試験は免除となる。また、改正法案においては、登録支援機関となるには一定の要件を満たす必要がある。支援体制として、情報提供体制を確保していること等を省令で定めることを予定している。
    ・サポート体制が整備された機関のみが登録支援機関となれる。技能実習制度の監理団体であることをもって登録支援機関となれないとは考えておりません。
    ・14業種は、現時点で新たな制度により外国人材の受入れを要望している業種であり、これら以外の業種での外国人材の受入れを排除するものではない。有効求人倍率や各業種における公的統計等の客観的な指標を用いて、生産性向上や国内人材確保のための取組及び人手不足の状況等を示した上、法務省や厚生労働省等の制度所管省庁で厳格に審査する。
    ・団体監理型技能実習生として在留している者の国籍は、2017年末現在17か国になる。二国間取決めは現在、10か国との間で取決めを結んでいる(ベトナム、カンボジア、インド、フィリピン、ラオス、モンゴル、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマー、ブータン)。交渉中の国は相手国との関係もあるので答えを差し控える。
    ・本改正案で新たな在留資格、特定技能について、二国間協定、二国間取決めは必須ではない。技能実習制度では、10か国との間の二国間取決めのほか、EPA協定に基づく受入れ枠組みなどもある、在留資格、特定技能に関しても既存のチャンネルも活用し、相手国政府との緊密な連携を図る。

    (世耕弘成)
    ・産業機械製造業の技能実習からの移行見込み数の積算方法について、厚生労働省帰国技能実習生フォローアップ調査において、技能実習生が実習後に実習と同じ仕事又は実習と同種の仕事に従事している割合が、過去3年間、約7割から約8割の間で推移していることや、特定技能一号において求められる技能水準を技能検定三級相当の水準を考えていることを踏まえ、3年間の技能実習を終えた実習生の約7割から8割が特定技能一号へ移行するものと見込んでいる。

    (石井啓一)
    ・建設業の技能実習からの移行見込み数の積算方法について、特定技能一号外国人に求める技能として技能実習二号修了程度の技能を想定しており、現在、建設分野における技能実習二号修了者が技能実習三号や外国人建設就労者受入事業に移行する実績を踏まえ積算した。2019年には技能実習二号を修了する者のうち8割が技能実習を修了し、そのうち4割が特定技能一号に移行すると見込んでいる。

    (吉川貴盛)
    ・農業の技能実習からの移行の見込み数については、特定技能一号外国人に求める技能として、技能実習二号修了程度のものを想定している。このため、一定数の技能実習二号修了者が本制度に移行すると見込んでいる。近年の農業分野の外国人労働者の年間平均増加数である3600人程度、現在日本にいて2019年に技能実習二号を修了する者の約三分の一が移行するほか、既に帰国した修了者の一部や新たに実施する試験で入国する者を見込んだ。これらは農業団体で構成される農業労働力支援協議会と話をして行った。

    (石井苗子)
    ・政府は2018年6月15日、骨太の方針で、中小・小規模事業者の人手不足が我が国の経済社会基盤の持続可能性を阻害するほど深刻であるとし、外国人に対する新たな在留資格を創設することにした。平成二十年に四十八万六千人だった外国人労働者は、平成二十九年には百二十七万九千人と、九年間で二・六倍になっているのが日本の現状です。

    ・移民の定義を明確にせずに移民ではないと国民に説明することは、ある種のごまかしではないか。
    ・大量の失踪者が技能実習制度で発生したのか説明してほしい。新しい在留資格の特定技能制度は失踪者が発生しない仕組みになっているのか、想定外の事態が発生した場合はどのような解決策を考えているのか。
    ・二年前(2016?)の臨時国会で外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する修正法案が議論され、政府は外国人技能実習生は労働力ではない、国内の労働力不足は国内の潜在的労働力を掘り起こして対処するした。現在、日本人が働きたがらない分野で深刻な人手不足が生じているから、その穴埋めを外国人にお願いする話になっている。この二年の間、日本人が敬遠する労働現場に向けて国内労働力を充てていく努力は、具体的にどのような政策でやって効果はあったのか。
    ・失踪理由の67.2%が低賃金。技能実習生には日本の労働法制が適用されているはずで、最低賃金以下で働かせるなどの違法行為が横行していたということか。技能実習生受入れ制度は国策なのに違法行為を起こしていた事業者を取り締まることができずに大量の失踪者を出したことは、政策の失敗ではないか。新しい在留資格を創設するのであれば違法行為が起こらないよう厳格な取締りが必要で、労働法制に違反する行為をどのように防止し、取締り強化を図るのか。
    ・衆議院の法務委員会の質疑の中で出た話だが、インドネシアやベトナムからの技能実習生は帰国してから起業し、多くの雇用を生み出している実例がある。問題点を整理し国際貢献という視点から技能実習制度の充実を図るべきと考えるが、政府から積極的な姿勢がうかがえない。既存の制度そのものを改善することについてどのように考えているのか。
    ・特定技能二号は永住者になれる制度設計だが、導入は国民のコンセンサスを得て慎重に行うべき。特定技能二号が基本的に一号から移行するものなら、外国人永住者が増えていく可能性がある。日本の将来がどういう社会に変わっていくのかという議論が不十分なまま特定技能二号を導入することは、国民の理解を得られないと思う。
    ・永住の可能性を含んだ特定技能二号の導入を急がず、まず一号だけを運用した後に改めて二号の導入を議論しても遅くない。
    ・外国の方々が多く暮らしている地域では、日常生活における問題を地域の方がボランティアでルールを教えているのが現状で、共生社会の実現には自治体の細やかな対応が必要。今後、地方自治体の責任が大きくなることは目に見えている。地方自治体への具体的な支援措置があるか。
    ・今後、日本への外国人観光客や在留外国人が増えていくことを想定すると、出入国管理行政は多忙を極める。出入国在留管理庁の人員は足りているのか。管理に民間を活用していくことについての考えを聞きたい。
    ・在留者の管理には、現在、在留カードが使われているが、銀行口座などの手続もカバーできるマイナンバーカードを活用するのはどうか。

    (安倍晋三)
    ・今回の受入れ制度では、外国人材から保証金等を徴収する悪徳なブローカーの介在を防止するため、外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないことなどを法務省令で定めることを検討している。
    ・特定技能外国人が低賃金労働者とならないよう、日本人と同等額以上の報酬を支払うことを求める趣旨を法律に盛り込み、特定技能外国人が自らの意思により就業先を変更することも認められる。
    ・特定技能一号外国人については、受入れ又は登録支援機関が支援を行う。支援の実施状況に関する届出、受入れ機関に対する指導、助言、立入検査や改善命令により、外国人材の在留を確保し、失踪者の防止に努めたい。
    ・潜在的労働力の確保については、女性、高齢者が就業しやすい環境整備に取り組んでおり、育児・介護休業制度の整備や保育の受皿整備等の女性の活躍支援、65歳までの雇用確保措置といった高齢者の雇用促進等を講じてきた。こうした取組により、2012年以降、人口減少、高齢化に直面する中にあっても、就業者数は251万人増加している。
    ・受入れを希望する業種では深刻な人手不足に対応した様々な対策を講じており、例えば介護では職員の更なる処遇改善等に取り組んでいる。
    ・技能実習制度の適正化を図るため2017年11月施行の技能実習法で、外国人技能実習機構の下、受入れ企業等への実地検査等を進めているほか、二国間取決めによる送り出し機関の適正化にも努める。
    ・出入国在留管理庁で、受入れ機関や支援機関に対する調査、指導、改善命令、登録の抹消等を行い、的確な管理を徹底する。
    ・技能実習制度は問題が生じており、事態を重く受け止めている。2017年11月に施行した技能実習法により設立した外国人技能実習機構の下、監理団体や受入れ企業等への実地検査や技能実習生に対する母国語相談対応、実習先変更支援の取組などのほか、二国間取決めによる送り出し機関の適正化を図っている。出入国在留管理庁で在留管理を強化する。
    ・特定技能二号は経済社会の活性化に貢献することが期待される。
    ・外国人との共生社会の実現に向けた受入れ環境の整備に当たっては、地方公共団体の関係者の御意見も伺い、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の年内取りまとめに向けて作業を加速化させている。政府横断的な生活・就労ガイドブックの作成等により、日本の生活習慣に対する理解を促進すること、日本語教室の空白地域の解消に向けて地方公共団体による日本語教室の開設を支援することなど、所要の施策を進めていく。
    ・出入国在留管理庁を新たに設置することとしており、2019年度概算要求で、法務省から新たな外国人材の受入れに適切に対応するための319人と、出入国審査業務の充実強化のための266人の計585人の増員要求が行われている。
    ・今後増加が見込まれる在留外国人の在留管理は、受入れ機関や登録支援機関を始めとする外国人に関係する機関からの各種報告を活用するなど、在留管理に努める。民間の活用についても、新たな制度を運用していく中で検討する。
    ・在留カードには常時携帯義務があり、在留資格、在留期間、期限、住居地等について最新の情報が記載される上、就労制限の有無、資格外活動許可の記載がされるため、事業主等が当該外国人が就労可能かを容易に判断できるため有効。マイナンバーカードは住民基本台帳に記載、記録されている者に対し、本人の申請により交付されるものであり、外国人である場合も同様に交付される。今後、在留カード等の各種識別番号の活用について検討していく必要がある。
    ※マイナンバーカードの常時携帯なんてセキュリティ上考えられないなあ。

    2018年11月29日
    衆議院総務委員会,第3号

    主要発言者
    足立康史(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    金子修(政府参考人,法務省大臣官房政策立案総括審議官)
    向井治紀(政府参考人,内閣官房内閣審議官)

    内容まとめ

    (足立康史質疑時)

    ※この委員会に限り、足立康史委員の独特な口調が印象的でしたので原文をそのまま引用します。
    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
     きょうは、NHKの決算ということで、よろしくお願いをしたいと思います。
     きょうは、こちらに来させていただくに当たって、何か国対委員長からメッセージが来まして、遠藤国対委員長から、のりを越えないようにお願いします、各方面より心配の連絡が入っていますので心がけておいてくださいという、各方面が何か心配されているそうでありまして、済みません、もうこの国会からは余りのりは越えないようにしながら、でも、しかし、言うべきことは申し上げるということで、しっかり国会議員としての責任を果たしてまいりたいと思います。
     きょうは、NHKの決算でございますが、ちょっとこの場をおかりして、少しちょっと、会長、休憩しておいていただいて、ちょっと一つ二つ、せっかくの機会をいただきましたので、確認をさせていただきたいことがあります。
     まず、今、この臨時国会の最大のテーマは入管法でございます。この総務委員会でも議論をさせていただいたマイナンバーカードの問題、これは、衆議院で可決するに当たって、自民党、公明党と維新の会の修正合意で、しっかりと在留管理を強化していく、そのために、マイナンバーカード、その活用を含め、速やかに検討すると。これは、もちろん条文上は、入管法改正案の公布後、速やかにとなっていますが、もう衆議院は可決をしました。
     法務省金子政策立案総括審議官、きょうおいでをいただいていますが、検討をぜひ始めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
    ○金子政府参考人 お答えいたします。
     衆議院で可決されました入管法等の改正法案に対する修正案の内容も踏まえまして、的確な在留管理の実現のため、今後、在留カード番号等の各種識別番号やマイナンバーカードの活用について検討してまいります。
    ○足立委員 金子審議官、ちょっと余りやる気が感じられないんですけれども、もう少しちょっと思いをお願いします。
    ○金子政府参考人 ただいま申し上げたとおりでございますが、もちろん、修正案は、今、衆議院ではそのとおり可決されておりますので、それに沿ってマイナンバーカードの活用も含めて検討を進めてまいります。
    ○足立委員 余り、こう、参議院で反対しますよ、真面目に。これは、しっかりやってもらうという前提で賛成しているんですよ、法務省。法務省がやらないと、幾ら石田大臣が旗を振っても、法務省がちゃんとやらないとこれは前に進みませんよ。余り審議官に言っても仕方ないのかな。また山下大臣には直接話をしておきますが。
     石田大臣、いいですよね、特に何か。もういいですね。
     きょう、マイナンバーカードについては、内閣審議官、向井審議官においでいただいています。せっかくおいでいただいているので、ちょっと一言お願いします。
    ○向井政府参考人 お答えいたします。
     今回の修正におきましては、個人を特定する番号等について検討しろというふうに書いてございます。
     その中で、マイナンバーそのものは、違憲訴訟等があり、なかなか難しいところもございますが、一方で、マイナンバーカードというのは、番号というのは、もともとやはりITと結びついて効率性を発揮し、また正確性を発揮するものでございますので、その番号が結びつくITの手段といたしまして、マイナンバーカードというのは極めて、マイナンバーカードに搭載しております公的個人認証というのは極めて有効な手段だと考えております。
     この公的個人認証をうまく使って、そういうふうな、先生のおっしゃるような趣旨が実現できないか検討してまいりたいと考えております。
    ○足立委員 ぜひ、向井審議官、浅岡企画官、皆さん頑張っておられるお取組、ふだんからよく承知をしておりますので。
     ただ、法務省はやはり勉強不足ですよ。前も申し上げたけれども、知らないんだから。大体、マイナンバーとマイナンバーカードの違いさえわかっていないわけですから。しっかり法務省入管局には、これだけの大政策をこれからやろう、日本の社会を変えようとしているんだから、その在留管理を強化するために、もうそこにツールが落ちているんだから、そこにあるんだから、すぐにできるんだから。
     特に、今、向井審議官がおっしゃったように、マイナンバーの拡張性というものを、今すぐにそれが実現できるかどうかということについてはいろんな課題がある。しかし、マイナンバーカードを外国人の本人確認に使うというのはあしたからできるんですよ、あしたから。
     法務省、もう一言お願いします。
    ○金子政府参考人 衆議院で可決されました修正案の内容にございますとおり、在留カード番号、今多く活用されているこの制度がございますが、これにつきましても、在留管理のほか、雇用管理や社会保険制度のために活用していくことを検討を加えなさいとなっています。もちろん、マイナンバーカードの活用についてもこの修正案の内容に含まれているというふうに理解しておりますので、そこも含めて検討させていただきます。
    ○足立委員 国民の皆様にしっかり見ていただければ、霞が関の縦割りが、どれだけ安倍総理が御苦労されて、石田大臣が御苦労されて、内閣府が御苦労されても、なかなか役所が動かないということがよく国民の皆さんに見ていただけると思います。山下大臣、私も、今は偉くなっちゃいましたけれども一応飲み友達でしたから、また法務大臣にもしっかりお願いをして、検討を急いでいただくということをやっていきたいと思います。
     それから、ちょっとNHK会長にはもう少しお待ちをいただいて、もう一つだけ。
     国民民主党の大西健介代議士に係る報道が相次いでいます。大丈夫ですよ、悪口を言うんじゃないから。僕は、大西先生はいろいろお世話になっていまして、友人でもあります。今回の報道を見ていると、朝日新聞、秘書の交通反則金、政治資金で支出、国民の大西衆議院議員とか、毎日新聞、政治資金で交通反則金、大西議員の事務所職員が違反とか、いろいろ書いています。ひどい報道でね。
     私は、政治活動をしていて、事故って反則金を払う、それは収支報告書に載せてもいいと思いますよ。むしろ政治資金規正法という、政治資金規正法の目的あるいは基本理念、一条、二条を読めば、政治資金の入りと出をしっかりと国民の皆様に知っていただくのが法の趣旨なんですよ。
     いや、別に、税金で払わなくていいですよ。自分のポケットから出してもいい。でも、ポケットから出したら、そのポケットから出したお金を入りとして書いて、それで、出を書いたらいいんですよ。だって、収支報告書に書いているからわかったんでしょう。わからない方がいいんですか、皆さん。おかしいでしょう。おい、朝日新聞、いいかげんにしろよ、こう思って新聞を読んでいたわけですよ。
     かつて私が赤旗にたたかれたことがあります。去年の政治資金、開示をされた、ちょうど去年の今ごろですよ。赤旗が、ひどい新聞ですけれども、あっ、ごめんなさい、新聞はどうかわかりません、この記事はひどい記事です。大阪府選管に届出、政治資金で飲食二千六百六十二万円といって、維新が一番多い、維新の飲食費の半分は足立だって書いてあるんですよ。いや、そうです。私は、政治活動で飲食をしたものは全部書いています。それをポケットから出したら、寄附をして、政治団体に、すなわち、全部出しているんですよ。だから、一年間で五十二件、百二十二万円を大阪九区内などで飲食に支出と。共産党、ああ、本村先生はいい人ですけれどもね。ああ、済みません。とにかくこういう報道が、それで僕はえらい目に遭うわけですよ、これは。
     きょうは選挙部長に来ていただいています。これは、反則金であれ飲食であれ、収支報告書に載せるのは法の趣旨にのっとっていますよね。
    ※後半はこの記事の趣旨とは関係ありませんが一応載せておきました。それにしても、日本維新の会の議員全般にいえることかもしれませんが、足立議員はなぜ在留管理をマイナンバーカードで行うことに執着しているのか、その動機が一体どこから出てくるのか、今一つわかりかねます。

    2018年11月29日
    参議院外交防衛委員会,第5号

    主要発言者
    高瀬弘美(公明党,第24回参議院選挙,2016,福岡県選挙区:福岡県)
    高橋克彦(政府参考人,外務大臣官房審議官)
    福山哲郎(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,京都府選挙区:京都府)
    鈴木馨祐(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,神奈川県第7区:横浜市:財務副大臣)
    大野元裕(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,埼玉県選挙区:埼玉県)

    内容まとめ

    (高瀬弘美質疑時)

    ・「厚生労働省が年金保険二重払いを防ぐための協定締結を各国と進めている現状は?」「どのような国がどのように増えるか、現段階では予断できない。今後、未締結の国と社会保険制度への二重加入が生じる場合には、各省と調整」

    (福山哲郎質疑時)

    ・中国からの技能実習生の失踪者の状況について。
    ・個票と同様のものを国交省はマスキングをして出しているが、法務省が出してきていない。
    ・鈴木馨祐財務副大臣の2018年7月24日の日経新聞の発言について。

    (大野元裕質疑時)

    ・扶養家族の支援の措置の国民的コンセンサスがなければ向こうからは受け入れないが、こちらから役所で送るときには扶養家族の支援をこちらから行う。同じロジックで議論をするのはおかしいのではないか。

    2018年11月29日
    参議院厚生労働委員会,第6号

    主要発言者
    東徹(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,大阪府選挙区:大阪府)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    塩見みづ枝(政府参考人,教育政策局社会教育振興総括官)

    内容まとめ

    (東徹質疑時)

    ・「多くの外国人留学生が週28時間制限を超えて安い労働力として働いている、それが少なからず日本人の賃金水準にも影響を及ぼしていると思われるが、厚労大臣としてどのように認識しているのか」「原則週28時間以内を超過して稼働しているケースは法務省において適切に対処しているものと承知している、違反には適正に対処している」「入国管理局は自動的に把握できるようになっておらず、厚生労働省からの外国人雇用状況届出によって適切に把握できる方法を検討する」
    ※なぜ28時間?もっと短くするべきでは?あと日本人の賃金水準に対する影響の話ももっとききたい。
    ・「留学生が例えばどこどこのコンビニエンスストアでどれだけ時間働いていたか、全員把握できるか、いつまでに公表するのか」「この時点でいつまでということは難しいが可能な限り適切に対処します」
    ※検討します、対応しますと言えば乗り切れる風潮……

    2018年11月29日
    参議院農林水産委員会,第4号

    主要発言者
    森ゆうこ(自由党,第24回参議院選挙,2016,新潟県選挙区:新潟県)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)

    内容まとめ

    (森ゆうこ質疑時)

    ・「プロジェクトチームの検討会について、先週の月曜日(2018年11月19日)に第一回目の検討会、今週の月曜日(2018年11月26日)に第二回の検討会を開催した。聴取票なども含め、技能実習制度の運用について議論。今後は、関係者のヒアリングや視察なども、具体的実施方法を検討しているところ」「次回も来ていただく、どのような状況か答えてほしい」

    2018年11月29日
    参議院法務委員会,第5号

    主要発言者
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    北村知久(政府参考人,国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)
    糸数慶子(沖縄の風,第23回参議院選挙,2013,沖縄県選挙区:沖縄県)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    山口和之(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    小川敏夫(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    有田芳生(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    田畑一雄(政府参考人,厚生労働省大臣官房審議官)
    石井苗子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    八神敦雄(政府参考人,厚生労働大臣官房審議官)
    長谷川岳(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,北海道選挙区:北海道)
    伊藤孝江(公明党,第24回参議院選挙,2016,兵庫県選挙区:兵庫県)
    小田部耕治(政府参考人,警察庁長官官房審議官)

    内容まとめ

    (仁比聡平質疑時)

    ・「失踪技能実習生の分野別の内訳で、建設関係が四割を占める」「技能実習生から特定活動に移行する数字が三割から四割。今後の特定技能一号についての試算も今までの実績を想定」「深刻な技能実習制度の下で、失踪したり、うつや自殺未遂に追い込まれたりという状況が起こっているが、そこで残った人たちの中から特定技能一を考えるということか」
    ・受入れ見込み数の前提の移行実績は、三年を経て現に実習して修了した人の中から特定活動や技能実習三に移行した人の実績を見て考えている。それは結局、技能実習制度を特定技能一に向かうセレクションプロセスになってしまうのではないか。昨日報道では、技能実習制度が特定技能ゼロという制度になる、ゼロ、一、二ということになるではないかという指摘もあった。
    ・「(母国語相談の事例より)技能実習制度で保証金などの金銭の授受は禁止されているのに対処されてない」「特定監理団体が適切に業務を遂行できるように取り組むとともに、受入れ企業に対しても改善指導等を行いながら、外国人建設就労者の適切な受入れを図っている」「特定監理団体が自らの監査で不正を見抜いたという事例は一件もない。業所管省庁として国土交通省が認定をしている制度の下でこういう事態になっている」「制度全体としては適正な事業遂行が図られていると認識している」「そういう政府答弁の下で年間に2017年で7千人を超える失踪者を生み出してきたのがこれまで政府が推し進めてきた外国人受入れ制度」

    (山口和之質疑時)

    ・「大島理森衆議院議長は、自民、公明の国対委員長に対し、施行前に法制度の全体像を明らかにすべき、政省令ができた段階で政府から国会に報告するよう求めている」「本改正法施行前に報告し、制度の全容を示したい」
    ・「なぜ最低目標数を設定していないのか、重要業績評価指数、KPIがなければ政策効果の判断はできない。外国人労働者が増えずに人手不足の解消につながっていない場合の措置は盛り込まれていないようだ」「受け入れる外国人は技能水準及び日本語能力水準を満たす必要あり、試験等でこれを確認する。そのような前提で外国人材を受け入れるので、仮に受け入れる外国人材が受入れ見込み数に満たないものであっても、一概に今回の改正が失敗であるとは言えない」
    ※なんだこの論法。
    ・「例えば技能実習レベルの外国人を雇い入れて働いてもらいながら一年ほどで育て上げて、残りの四年間を存分に戦力として活躍してもらうのはどうか」「このことは技能実習で実現すべきことで、今回の制度の趣旨とは相入れない」
    ・中小・小規模事業者を始めとした人手不足は極めて深刻で、経済、社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきいる。
    ※そういえば、その経済、社会基盤の持続可能性は数値(GDP)に現れてきているのだろうか。

    (小川敏夫質疑時)

    ・「この法律は、受入れ企業が支援するという支援義務を課しているが、要する費用の負担については、法律上規定がない。この省令を出すときには支援の費用を外国人労働者に負担させてはならないとはっきり明記してほしい」「省令において、転嫁することがないよう、例えば登録支援機関については登録支援機関の基準として法務省令において定める。受入れ機関の基準としては、当該費用を特定技能一号外国人に直接、間接に不当に負担させてはならない旨を規定する予定」
    ※不当であるか否か、解釈がもめそうな予感。
    ・「受入れ企業が倒産等で支援できない場合は、登録支援機関等との契約をやることを期待している、登録支援機関がやることも考えている」「登録機関は支援機関が倒産してなくなれば委任もなくなる。公的にそうした人をフォローして我が国の企業に貢献していただくことが必要」

    (有田芳生質疑時)

    ・なぜ法律制定を急ぐのか。10月末に自民党の法務部会であるベテランの議員が文句を言ったら、法務省の幹部が総理の指示と発言した。毎日新聞の11月3日付けの自民党の法務部会を取材された方の記事。

    (櫻井充質疑時)

    ・「労働基準法違反になった場合には処分しているのか」「違反があった4226事業場のうち、労働時間が26.2%、安全基準違反が19.7%、割増し賃金の支払が15.8%の順に多く認められ、重大、悪質な労働基準関係法令違反により送検した34件の主な違反事項は、最低賃金法違反とか、労働基準法の第三十二条労働時間の違反、それから労働基準法第三十七条割増し賃金の支払に対する違反がある」「なるべく早くに、次回の委員会で質問通告ができるまでに提出してほしい」
    ・2018年2月20日の経済財政諮問会議において、総理から、中小・小規模事業者始め、深刻な人手不足が生じており、専門的、技術的な外国人受入れの在り方について早急に検討を進める必要がある旨の指示があった。全国の有効求人倍率が、2013年11月に1倍を超えまして1.01倍となり、それ以降、59か月連続の1倍台をキープをしている。都道府県ごとでは、全ての都道府県で1倍を超えたのが2016年10月以降。
    ・生産年齢人口の低下は1997年から。それに対してきちんとした手当てを、少子化対策を行ってきたが、必ずしもそれも十分ではなかった。国全体として考え直していかなければいけない。
    ・「大きな話で言ってくれば、生産年齢人口の低下があった、その対策として女性や高齢者というか退職した方々に働いていただいた、それでも生産年齢人口の減少の方の幅の方が大きいから、外国人労働者でそこを受けざるを得ないような状況になってきている」「生産年齢人口の減少も一つの大きな要因と思うが、様々な仕事が近年出てきて労働人口自体が一定程度増えているのも一つの原因ではなかろうか」
    ・外国人労働者の受入れ数見直しの最終的な責任は関係閣僚会議での合意事項。
    ・「技能実習の報酬の説明書どおりに支払われたかどうか、調査は現行制度では外国人技能実習機構において実施している。旧制度下では地方入国管理局が不正通知を行った賃金不払事案の件数は2015年138件、2016年121件、2017年139件」「閲覧できた失踪者のものを見ると、もっといっぱいあるように感じられる」
    ・外国人労働者の問題点もあるが、かなり低賃金で働くことになると、日本の労働者の給料も下がる可能性がある。デフレまた加速する。外国人の方々の給与の適正は一体どのぐらいなのか、定めて守らせないと日本の労働者に大きな影響が出る。
    ※やっとこの手の考え方が議論に出てきたような。

    (仁比聡平質疑時)

    ・2017年の11月に施行された技能実習適正化法の2017年の11月に施行された技能実習適正化法下で実習を受け入れている実施機関は数万、そこの実地検査は3千7百程度。
    ・建設業の国土交通省は、2019年入ってくるのは技能実習生からの移行と言っている。
    ・失踪者の聴き取り票の個票を提出をするべき。
    ・ベトナム本国の規定では、送り出し機関と監理団体の双方に変更がないというときに追加料金を徴収してはならないとされている。保証金はもちろん禁止されているけれども、追加料金も取ってはならないのがベトナムの規定のはずなのに、ベトナム、日本との関係の行き来では、それが現実に求められている。
    ・入管とは別に国の機関あるいは業所管省庁が個別の労働契約にどのように関与するのか。国土交通省は今認定という形で関与している。その中で賃金の水準がこれで妥当なのかなどもきちんと監査していると省としては言っている。今日、午前中もそう答弁していた。法案では明記はされていないということで、分野別運用方針を定める業所管省庁それぞれが判断するということになるのか。
    ・特定技能一の労働者の個別の雇用関係に、業所管省庁が関与する分野と関与しない分野があることになって、その特定技能一で働く人の地位は極めて分かりにくいし不安定になってしまうのではないか。

    (石井苗子質疑時)

    ・維新のマイナンバー話。
    ・在留カード番号その他の特定の個人を識別することができる番号等を使っていくことは、全ての外国人が常時携帯義務を持っていて各外国人に必ずひも付けができる、そうしたものを軸に、在留管理、雇用管理、社会保険制度をやるのは極めて有効だろう。
    ・新たな在留資格、特定技能の一号については、試験などで一定の専門性を担保する。試験の具体的な内容は各関係省庁と検討している。
    ・違法行為を防止できなかった理由と対策(立入検査の追加)。
    ・ブローカー対策について。認定計画書の事業認定の確認、立入検査による給与等の問題がないか確認、実際に技能実習生の方と定期的に面談をするのも技能実習機構で立入検査の際に行っている。
    ・一号から大変厳しいハードルをクリアした人だけが二号になる、そして家族も呼べる、決して二号の外国人が増えていく社会に日本はなっていくのではない、一号と二号はセットではない。

    (糸数慶子質疑時)

    ・在留外国人を含む日本社会の構成を反映した多様なメンバーから成る組織を設置し、包括的かつ恒常的に中長期的な政策について検討する場を設けることは考えていない、政策懇談会など様々な場で様々な御意見を聴取しながら入管行政について検討している。
    ・2018年6月末における在留外国人が速報値で263万7千人、総人口の約2%を超えている。年40万人に上る流入がある。
    ・外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策と出入国在留管理庁について。
    ・骨太の2018の業種別受入れ方針は、改正法案の中の言葉だと分野別運用方針となる。
    ・改正法案の特定産業分野はできる限り客観的な指標で判断されるべきもので、有効求人倍率、各業種における公的統計、業界団体を通じた所属機関への調査などが考えられ、各業種の特性などを踏まえて関係省庁との協議を行い、適切に評価を行いたい。
    ・日本語能力についての試験については、業所管省庁において、既存の日本語能力試験、J.TEST、各省庁あるいは民間団体が新たに作成する試験など適切な試験について検討しているところで、いずれの試験でも必要な日本語能力水準が確認できると考えている。
    ・技能実習二号修了後に特定技能に移行し、就労目的で在留された方も、その後には技能などを本国に持ち帰り移転を行うことになるので、技能実習法の目的や理念とは整合が取れているものと考えている。
    ※ずっと日本にいる場合もあるだろうから、まだ本人の自由意志を尊重云々のほうがうまい言い分だと思う。
    ・在留資格認定証明書の交付申請時においてあっせん機関などの介在がある場合は、特定技能外国人や受入れ機関が各あっせん機関等に支払う費用の額及び内訳を十分に理解して合意していること、こういったことを明らかにする書類などの提出を求めることを検討している。悪質ブローカーに関する情報の共有を図り、技能実習制度の二国間取決めや、EPA協定に基づく受入れ枠組み、在京大使館を通じて緊密な連携を図る。
    ・家族の帯同について。一定期間の後確実に出国が予定されている外国人について、その家族に係るコストも含めて、社会全体としてそのコストを負担するコンセンサスが得られていない。
    ・特定技能一号の在留資格で就労する五年間を永住申請に必要な就労資格五年の要件とはみなさない。特定技能一号は、在留資格はもう五年で限られていて、何らかの在留資格に変更しない限り安定した就労資格又は居住資格を持って引き続き五年以上在留している、継続的な在留が認められないからこれらのガイドラインただし書に言う就労資格に趣旨から合致しないとに考える。
    ・今回の受入れ制度では、所属機関に特定技能外国人に対する報酬の支払状況の定期的な届出を義務付け、報酬の同等性が維持されていない場合は所属機関に対する指導、助言、必要に応じて立入検査や改善命令を行う。

    (山口和之質疑時)

    ・試験は業所管省庁において適切な水準を設ける。
    ・能力が低くても受け入れて、その一年間育成した後、四年間たっぷり働いていただくのもありだろう。
    ※これやったら日本人労働者の賃金はその分上がり辛くなるので、政府案よりもよくないのだが。
    ・国内外の受験支援団体等の介在は排除しないが、外国人又はその親族から保証金を徴収するなど悪質な場合には、特定技能外国人としての受入れができないことなどを法務省令で定めることを検討している。在留資格認定証明書の交付申請時に保証金等を徴収されていないことを確認するほか、受入れ機関及び登録支援機関に対する周知、指導などを通じて悪質な団体の介在防止を徹底する。
    ・試験合格者数はあらかじめ定める予定はない。特定技能の試験の合格者数が分野別運用方針の受入れ見込み数を相当下回る場合には、各分野を所管する業所管省庁で例えば技能実習二号修了者や既に試験に合格している外国人をリクルートしたり、国内外の技能試験の受験者が増えるよう周知活動などを行うことが考えられる。上から順番に採るのではなく、一定の技能水準が確保されているということで特定技能外国人の候補者になり、その方が実際に入国するか判断して申請していただく。
    ・技能試験の受験者に対するPRや募集は、国内外で受入れを希望する企業や業界団体が個別又は共同して実施するほか、関係する業所管省庁又は在外公館がこれを実施することが考えられる。
    ・二国間協定、技能実習と特定技能一号の制度の趣旨の整合性について。
    ・「介護の特定技能について、特定一号の初年度は5千人は全て試験組。即戦力の者が5千人も集まるのか」「日本の介護現場への送り出しに向けて人材育成を進めている送り出し機関がある」
    ・介護分野の受入れの見込み数は2017年度の介護労働実態調査で約16%の施設等が介護人材の活用を予定している調査結果が出ている。介護人材の受入れ対象となる施設等の数が約11.3万か所、受入れ施設の準備を考慮して、制度開始五年目までの間に段階的に増えていくことを想定し、制度開始1年目は5千人。
    ・「登録支援機関の適正な運営を確保するため、新設する出入国在留管理庁が受入れ機関や登録支援機関の監督、必要な指導及び助言を行い、登録支援機関が指導や助言に従わず適正に支援を行わない場合は登録を取り消す」「支援計画に基づいた支援が適正に行われているか日常的にチェックする仕組みは必要」
    ・「労働関係法令上不適正な事案を把握した場合には、登録支援機関は労働基準監督署に情報提供することとなることを想定している」「受入れ企業の委託を受けて外国人材の相談に乗るということだから、受入れ企業を売り飛ばすようなことができるわけがないような気がする。法令違反ももみ消される可能性がある。チェック機構を別に設ける必要がある」
    ・技能実習では、2017年に4万8千事業所のうち5966事業所に労基署が立入検査をし、うち労基法違反が71%だったが、事業所数がこれよりもはるかに多くなるのに法令違反の有無がチェックできるのか。多少の労基署の人材を増やしても焼け石に水ではないか」
    ・「特定技能に限らず、本邦に在留する外国人は、資格外活動の許可、これを在留資格に応じた活動の遂行を阻害しない範囲内で相当と認めるときには得ることが可能」「特定技能の外国人に副業、兼職を認めるべきか、認める場合に日本人と異なる条件を付すべきか等についても検討してほしい」
    ・特定技能の在留資格で入国した外国人の活動は、基本的にはほかの在留資格で入国した外国人の活動と同様で、労働組合や政治活動も、ほかの外国人の方が認められるのと同様の範囲で行うことができる。
    ・介護業では、現時点で特定技能二号の受入れは想定していない。より専門性の高い人材を受け入れる仕組みとして、在留資格「介護」の活用を想定。
    ・法律の在り方について。今回の法案審議は国会が立法府としての役割を余り果たしておらず、法律が成立しても正当性が疑われるおそれがあるのではないか。法律案に記載された内容はしっかりと答弁して、行政の恣意的な法律の解釈、運用に歯止めを掛けなければならない。

    (長谷川岳質疑時)

    ・国内は有効求人倍率が約44年ぶりの高さで、介護は3倍以上、建設業の中には10倍を超えるものがあり、他方で少子高齢化の影響で、労働力となり得る生産年齢人口は2018年1月には初めて全人口の6割を切った。国外は韓国、シンガポール、台湾などで外国人労働者の受入れを行っている。シンガポールでは、企業幹部のほか、エンプロイメントパスを与えて国人労働者の雇用を進めている、韓国では雇用許可制と言われる非専門就業というもので、例えば製造業、建設業、サービス業、農畜産業及び漁業を対象といたしまして、2017年現在で外国人労働者23万2509人を受け入れている。
    ・各業種の雇用情勢全般に関わる事項についての大きな変化が生じない限り、分野別運用方針で示す向こう五年間の受入れ見込み数を上限として運用する。
    ・失踪した技能実習生の所在、特定技能所属機関(受入れ機関)、共生について。
    ・登録支援機関は支援体制を整えた業界団体、士業者、民間法人など幅広い主体を想定している。地域の実情に合った登録支援機関を幅広くつくれる。
    ・在留管理の規定を整備していて、受入れ機関などによる届出規定の拡充、受入れ機関等に対する指導、助言、報告徴収や立入検査、罰則で担保した改善命令、こういった規定を設けている。新たに出入国在留管理庁を設置する。
    ・「特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労しないようにするためには?」「分野別運用方針で地域の人手不足の状況を適切に把握し記載し、地域で人手不足が深刻な業種、例えば農業とか漁業とかに配慮して対象業種を選定する。外国人材の受入れ環境整備のための総合的対応策で具体的な対応策を盛り込む。自治体の一元的な相談窓口、外国人が利用可能な医療機関、外国人児童生徒への日本語教育の充実、ハローワークによる地域の就職支援など」

    (伊藤孝江質疑時)

    ・仮に外国人の労働者が失踪した場合に、最初把握できる可能性が高いのが技能実習機構かと思うが、入管は捜査権もなく、その失踪した外国人を捜す又は捕まえてくる役割を実際には担っていないところがある。失踪者は警察で職務質問などをしたり、違法に外国人が働いている情報を得て会社に乗り込んで調査を、捜査をしたときに発見されることが多い。警察がまず発見した後に入管の方に移る。
    ・「2018年1月から9月末までの間に、外国人に不法就労活動をさせる行為等に関してあっせんをしたとして検挙した不法就労助長事犯8件のうち、在留資格が技能実習であった者をあっせんした事件は2件」「入管の警備課から2017年1月に報告されている聴取結果から、2016年1月から12月の失踪者で見付かった方の聴取事実を分析した結果、調査人数3316人のうち、不法就労先のあっせん者があるとしたものは2179人で、2015年1月から12月分について、不法就労先へのあっせん者があるとしたものは2342人中1572人。これは、失踪者のうち見付かった人の数なので、実際に失踪した人は2016年に約5千人、2017年であれば約7千人。あっせんを理由に検挙された数は余りにも少ない」
    ・「警察においても外国人対応の人員の増員を図る必要が生じると思われる」「例えば、不法滞在者対策の強化や来日外国人に係る組織犯罪の捜査の強化等について、2001年度以降、合計3143人の地方警察官を増員し、必要な措置を講じてきた」
    ※でもまだ間に合ってないって話ですよね。
    ・「入管が外国人の在留管理をするといっても、外国人技能実習生が失踪したときに警察が発見して連れてくるまでは何もしていないというのに等しい」「今回の受入れ制度では、特定技能外国人に係る在留資格申請、在留の諸申請の審査の場で、雇用の経緯、あっせん機関について説明をさせるとともに、必要に応じて実地調査を行うというようなことを行ったり、特定技能外国人に対する違法な職業紹介、中間搾取など、労働関係法規や刑罰法規への違反が疑われることが判明した場合には、労働監督官署や警察等に通報する」
    ※さて、この答弁の「必要に応じて実地調査を行う」は失踪者が出たときにも法務省が動くということなのだろうか。

    2018年11月30日
    衆議院厚生労働委員会,第4号

    主要発言者
    谷内繁(政府参考人,厚生労働省社会・援護局長)
    尾辻かな子(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    岡本充功(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例東海ブロック:岐阜県,静岡県,愛知県,三重県)
    串田誠一(日本維新の会,第48回衆議院選挙,2017,比例南関東ブロック:千葉県,神奈川県,山梨県)

    内容まとめ

    (尾辻かな子質疑時)

    ・特定技能一号若しくは技能実習による在留期間中に介護福祉士資格を取得した方は、在留資格「介護」への移行が可能となるよう、今、法務省で必要な省令の改正について検討している。
    ・介護の人手不足は仕事の負担に対して低賃金であるのが根本原因だから改めないといけない。介護は専門職であり、待遇改善をやることを、政府からも発信してほしい。

    (岡本充功質疑時)

    ・「調査票の最低賃金以下の可能性がものについて、法務省は労働基準監督署や警察等の関係機関への情報提供を行う」「労働条件について司法警察権があるのは厚生労働省だから、指示しておかしなものについてはきちっと調べさせる」

    (串田誠一質疑時)

    ・なぜ所得を本拠地に持ち帰る労働形態であってはいけないのか。
    ※所得は国内で使ったほうが日本人が豊かになるじゃないか。

    2018年11月30日
    衆議院国土交通委員会,第4号

    主要発言者
    宮本岳志(日本共産党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    野村正史(政府参考人,国土交通省土地・建設産業局長)

    内容まとめ

    (宮本岳志質疑時)

    ・建設業は国交省の所管事業であり、野党は一貫して出入国管理法案審議は当委員会として法務委員会に連合審査を求めてきたが、与党は委員会審議で採決した。国土交通省では技能実習制度だけではなく外国人就労者受入事業も、東京五輪に向けた外国人の緊急雇用で先取り的に行われてきた。
    ・「技能実習生の厳しい現実については法務省の聴取票からも明瞭。技能実習を終えた者を対象とした、国交省所管の外国人建設就労者受入事業は2014年4月4日の建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置を検討する閣僚会議取りまとめでは、『技能実習制度を上回る水準の監理』『国土交通省等許可部局が建設業法に基づき受入企業を直接、検査・監督』と書かれている。この事業は国交省が検査監督して、技能実習制度を上回る水準の監理がされる制度か」「過去五年間に不正行為を行ったことがないなどの監理団体や受入れ企業に限定して受入れを認めるなど、技能実習制度を上回る基準を設けている」「建設就労者は、暴言、暴力を受け、休暇もとれていない現状がある。国交省が直接検査監督と言っても、実態はほとんど技能実習生と変わっていない。建設業、造船業、宿泊業などにおける具体的受入れ策の検討もこれからで、国交省に、外国人就労者受入事業にかかわって、事業執行の適正性に関する資料を要求したがいまだに精査中との理由で提出がない」

    2018年12月4日
    衆議院総務委員会,第4号

    主要発言者
    井上一徳(希望の党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    金子修(政府参考人,法務省大臣官房政策立案総括審議官)
    石田真敏(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,和歌山県第2区:海南市,橋本市,有田市,紀の川市,岩出市,海草郡,伊都郡:総務大臣)

    内容まとめ

    (井上一徳質疑時)

    ・「出入国管理法改正案の2019年4月の施行が半年おくれれば、万単位の外国人は帰ってしまうのが推測としか思えない」「他方、準備期間も見込んで、また多くの事業者にとって事業年度の初めである4月ということのわかりやすさも考えて、4月から制度をスタートさせることを目指す。分野別運用方針は今の12月中に完成させる」
    ・外国人の受入れ環境の整備は、法務省を中心に、2018年7月24日閣議決定された外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針に基づき、教育、医療、保健、福祉、一元的な窓口の設置など、関係府省で必要な財政措置も含めた総合的対策を検討している。現在、有識者から成る研究会を設置をし、先進的に取り組む団体の協力を得ながら、優良な取組を普及、展開する方策について検討している、多文化共生施策の推進に向けて、財政措置も含め必要となる対応について検討する。

    2018年12月4日
    参議院経済産業委員会,第2号

    主要発言者
    青山繁晴(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    平木大作(公明党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    井上宏司(政府参考人,経済産業省製造産業局長)
    松本貴久(政府参考人,厚生労働大臣官房審議官)
    滝波宏文(大臣政務官,経済産業大臣政務官)
    世耕弘成(自由民主党,第23回参議院選挙,2013,和歌山県選挙区:和歌山県:経済産業大臣、内閣府特命担当大臣[原子力損害賠償・廃炉等支援機構])
    真山勇一(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,神奈川県選挙区:神奈川県)
    辰巳孝太郎(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,大阪府選挙区:大阪府)
    高階恵美子(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国:厚生労働副大臣)

    内容まとめ

    (青山繁晴質疑時)

    ・「技能一号を適用して技能実習制度の存続も図るとしても、制度矛盾を克服する意味があるのではないか」「技能実習制度では労働関係法令違反や人権侵害と認められる事案があると認識、新しい受入れ制度では、制度及び運用の面で十分な取組を行うことが重要」
    ・「二号は動かさずに特定技能一号を経産省で動かすのは、2年後の見直しに向けてモデルケースにもなるのでは」「今後、特定技能一号を運用する中で、熟練技能者の人手不足の状況や特定技能一号の受入れ状況などを踏まえて、関連業界とも検討を行った上で考えたい」

    (平木大作質疑時)

    ・「出入国管理法の改正案の分野で、経済産業省所管の素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業が今回対象となっていて、人手不足の深刻化ということに異論のある方はいないと思う。IMFで日本経済の年次審査報告書が出たが、高齢化による人口減少で日本は実質GDPが今後40年で25%以上落ち込むおそれがあることが述べられていて、同時に、この技能を持つ外国人の受入れ拡大を促すような内容も盛り込まれていた。日本の製造業は経産省の調べで事業者の94%が人手不足で、三社に一社がもうビジネスに影響が出てきているという回答もある」「2017年の12月の経産省の調査結果によると、9割以上の企業で人手不足が顕在化し、特に技能人材の確保が課題となっている。2018年6月の骨太方針で新たな在留制度の方向性が示されたのを受けて、7月に経産省では産業界向けの説明会を行い、業界の要望を幅広くヒアリングを行った結果、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の業界から、新たな制度における外国人材の受入れを希望する意向が示された。これらの三業種は製造業のサプライチェーンを支える基幹的産業で、生産性向上や国内の人材確保のための取組を行ってもなお人手不足が深刻と考えらることから、新たな在留資格制度の対象とする方向で検討している」
    ※ここまで従業員の待遇が適切かどうかの実例を挙げた話無し。また、IMFはなぜ外国人の受け入れ拡大を促すのか疑問。業界のヒアリングの具体的な中身は?これだと業界の注文通りに経産省が動いているようにみえる。
    ・失踪と不法残留者について、今回対象となる三業種について経産省としてどう把握しているのか。
    ・外国人技能実習制度の成果は、厚生労働省の調査で2017年度帰国技能実習生フォローアップ調査によると、技能実習期間を通じて学んだことが役に立ったと回答した実習生は96.9%、特に役立った内容として修得した技能が最も多く、三業種も含めて技能実習制度は高い成果が得られている。
    ・失踪と不法残留者については、三業種の失踪に関する個別具体的なデータは経産省は持ち合わせていない。業界団体、個別企業への説明の場などを通じて外国人技能実習の適切な執行、コンプライアンスの徹底を図ってきている。
    ・入国管理局では厚生労働省及び外国人技能実習機構の相互通報制度により情報を共有している。外国人の不法就労問題に対処するため、厚生労働省及び警察と連携し、緊密な情報交換等を行っている。的確な在留管理を行うため、厚生労働省から提供される情報も活用している。厚生労働省では、労働基準監督機関と出入国管理機関及び外国人技能実習機構との間において相互通報制度を実施し、技能実習生の適正な労働条件の確保に取り組んできている。新しい制度においても、労働基準監督機関と出入国在留管理庁との間の緊密な連携を図りながら、労働基準関係法令の遵守、事業場への監督指導や外国人材の雇用管理の改善に向けた助言、指導等を行いたい。出入国在留管理庁を含めた関係行政機関との情報交換等の具体的な協力の在り方については、法務省と連携して検討する。
    ・中小企業の支援について、生産現場におけるITやロボットの導入を伴走型で進めるスマートものづくり応援隊事業、ITツールの導入を促進するIT導入補助金、ものづくり補助金、固定資産税ゼロの仕組みといった施策を通じて生産性向上の取組を促進している。

    (真山勇一質疑時)

    ・経産省は、実態把握に必要な情報は法務省と厚生労働省から経産省に提供をされている。
    ・繊維業界に対して特定技能の制度を使って外国人材を受け入れることは想定をしてない。
    ・「2017の11月に技能実習法が施行され外国人技能実習機構ができたが、2017年の失踪者が7089人、2018年上半期、1月から6月まででもう4千人超えている」「ここ数年、技能実習生の在留者数自体が増加傾向にあり、2016年末の在留者数と2017年末の在留者数とを比べた場合、約4万6千人増加していることも失踪者数増加の一因と考えられる。2018年の上半期までの失踪者は、新たな技能実習法の適用を受けた技能実習生は少数にとどまっている。10か国との間で2か国間取決めを作成し、手数料などの費用について算出基準を明確に定めて公表することや、技能実習生に対して当該費用について明示し、十分に理解させることなどを送り出し国政府と協力しながら遵守させ、不適切な送り出し機関の排除に努めているほか、技能実習計画の認定の際に、技能実習生が定期に負担する費用の内訳やその費用が適正であることの確認などをしている。新法では、外国人技能実習機構が権限を持って実地検査を行い、指導監督を行うことができるようになった」「分母が増えているからそういうふうになるのではなくて、実態としては増えていて、それに対処ができてない」
    ※失踪者のうち新たな技能実習法の適用を受けた技能実習生が少数に留まっているのなら、それ以前の技能実習生の失踪者が増えている、ともいえる。
    ・日本語能力や専門性技能を測るための試験は原則として国外で実施するが、外国でそういう体制が取れているのか。
    ・連合審査は必要だと思うので、やっていただきたい。

    (辰巳孝太郎質疑時)

    ・シャープの亀山工場の件は個社の事情によるところが非常に大きい、電気・電子情報関連産業全体としては、厚生労働省の雇用動向調査によれば、現時点で約七千人の人手不足が生じている推計がされている。五年後の労働需要の拡大等を分析すれば、人材確保が困難な状況だと見込まれている。
    ・大手の電機企業では、違法な退職強要を含めて三十八万人にも上るリストラが行われてきた。
    ・仮に自らの支配下に置いた労働者を短期間(指摘・二か月)の雇用関係で複数の雇用主の下で転々と働かせる場合、請負業者ではなく発注者が労働者に指揮命令を行い実質的に労働者派遣事業が行われていると認められる場合は労働者派遣法に違反する、いわゆる偽装請負の問題あり、自己の支配下にある労働者を他の指揮命令下で労働に従事させている場は職業安定法上許容されない労働者供給事業に該当し得る問題が出る。法令に違反するおそれのある事案を把握した場合には、都道府県労働局で必要な調査を行い、違反が認められれば指導をし是正に取り組む。
    ・繊維産業については是正をすべきで業界に取組を求める、シャープの事案(下請け会社が短期契約を結び、グループ内のペーパーカンパニーの別会社に転籍する)は労働法規上の問題なので厚生労働省で判断、対処されるべきだが、業を所管する立場として、厚生労働省やシャープなどから事実確認を行った上で、例えば法令上の違反とかが認められれば関連法令の遵守を指導する。
    ※「二ヶ月 短期契約 シャープ」で検索してみよう。

    2018年12月4日
    参議院農林水産委員会,第5号

    主要発言者
    里見隆治(公明党,第24回参議院選挙,2016,愛知県選挙区:愛知県)
    長谷成人(政府参考人,水産庁長官)
    吉川貴盛(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,北海道第2区:札幌市:農林水産大臣)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    徳永エリ(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,北海道選挙区:北海道)

    内容まとめ

    (里見隆治質疑時)

    ・新たな在留資格による外国人材の受入れ見込み数、漁業関係は五年間の累計で7千から9千の根拠は、高齢労働者が順次引退していくのに対し毎年1千人の新規就業者が新たに雇用されると想定して、現在5千人、5年後に2万人の人材が不足すると推計した。技能実習二号修了者の5割から7割が新たな在留資格に移行、新たに実施する試験で入国する者を合わせた。
    ※毎年1千人の新規就業者は熟練者なのだろうか。
    ・「漁業分野は職住の一体性が強く、外国人を受け入れる場合はまさに生活者としての受入れになる。漁業、漁村においてはどのような環境整備を考えているのか」「日本語能力の確保、漁業協同組合等が必要な支援を行うこと」
    ・技能実習では例えば失踪というような課題も指摘されている、漁村の場合はそこで一緒に仕事をし、生活していくしかない。共生概念には非常にモデルケースとしてつくりやすい分野。

    (徳永エリ質疑時)

    ・農業については、農繁期の労働力の確保や複数の産地間での労働力の融通といった農業現場のニーズの特性を間接雇用もあり得る。
    ・今回の制度での外国人の雇用形態は原則直接雇用だが、分野ごとの特性に応じて派遣形態が真に必要不可欠な業種があれば間接雇用もあり得る。農業分野において現場のニーズは承知しているので、そういった農業の特性についても配慮する方向で関係省庁と検討する。
    ・「長くいたいと思ったら、恐らく新しい制度を選ぶと思う」「技能実習二号で身に付けた技能等を更に洗練させたい場合には、技能実習三号への移行を選択すると考えられる」
    ・技能実習の初級と専門級の試験の試験料について。

    2018年12月4日
    参議院法務委員会,第6号

    主要発言者
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    元榮太一郎(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,千葉県選挙区:千葉県)
    宮武宜史(政府参考人,水産庁長官)
    伊藤孝江(公明党,第24回参議院選挙,2016,兵庫県選挙区:兵庫県)
    有田芳生(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    小川敏夫(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    石井苗子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    糸数慶子(沖縄の風,第23回参議院選挙,2013,沖縄県選挙区:沖縄県)
    山口和之(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)

    内容まとめ

    (櫻井充)
    ・「外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案」(国民民主党の対案)について。

    (元榮太一郎質疑時)

    ・他国のの外国人受入れ制度について。
    ・外国人材受入れによる外国人の増加が治安に与える影響について。
    ・技能実習生の失踪と対策。

    (伊藤孝江質疑時)

    ・地方に立地する造船業は、少子高齢化や生産年齢人口の減少に加え、若者の地方から都市部への流出により人材の確保に苦労している。
    ※労働者の待遇は?
    ・日本造船工業会の方によると、外国人材と共生することで事業を継続でき、その結果、日本人の雇用も守られているというのが実情。
    ※業界事情をわからないまま書くが、人件費がカギになって海外との競争に負けるというのであれば、その産業を日本で行う意義はかなり薄れるとつくづく感じる。真に国策というなら、まだ補助金の話だろうが……甘いかな。
    ・造船分野の特定活動制度は、就労場所に近接した場所において自社寮など居住地を確保する、日本語教育の支援のため集合形式の日本語教室を実施する、地域住民とのコミュニケーションの充実のため清掃活動などの地域活動への参画を促進するなどが実施されていると承知しいる。
    ・造船分野の特定活動制度は、第三者機関であります制度推進事業実施機関に巡回指導などを委託している。
    ・「出入国及び在留の適切な管理は閣法にどのような点が不足していて、それをどう反映させた法案なのか」「日本人の労働者に特定技能一号とか二号とか熟練度による規定を設けてない、原則は家族の帯同を認めないといけない、外国人労働者をその在留資格の性質に応じて在留資格の変更に際して一時的に本国に帰国させる措置を検討する。職業や移動の自由を認めると、都市部に人が集まったりある職種に偏ってしまうんではないだろうか」
    ・制度上いかに簡素にしていくのかというのはすごく大事。

    (有田芳生質疑時)

    ・法務省は最低賃金以下の実習生は22人としてきたが、1927人ではないか。

    (小川敏夫質疑時)

    ・入管法の細目的な事項は法務大臣の裁量に委ねる部分はあるが省令で定める、法務大臣に広範な裁量が与えられている(マクリーン事件最高裁判決)。
    ・悪質な企業による不正をどう防ぐか。

    (小林正夫質疑時)

    ・労働市場を見れば人手不足は深刻な問題で、被災地沿岸部は更に人口が流出して外国人労働者を受け入れられるようにしてほしいという声がある。
    ※被災地を引き合いに出すなら特区という手もあるよなあ。
    ・国民民主党の対案と移住、転居の自由、職業選択の自由について。
    ・給料に対する指針について。

    (櫻井充質疑時)

    ・特定技能一号と二号の区別の必要性。
    ・被扶養者の社会保険。

    (仁比聡平質疑時)

    ・法務省の失踪した技能実習生に対する認識について。2016年の新法提出時「技能実習意欲が低く、より高い賃金を求めて失踪する者が多いという認識」?
    ・不正な登録支援機関をどう排除するか。
    ・「外国人労働者の受入れ拡大は労働問題で、なぜ厚生労働省は労働政策審議会で労働政策固有の問題として公労使の三者で議論をしないのか」「法務省が所管する出入国管理及び難民認定法の改正案に基づくものなので、労働政策審議会への諮問は必要ないと考えた」
    ・韓国の事例。

    (石井苗子質疑時)

    ・在留カード番号など番号の利用の在り方について。
    ・日本語によるコミュニケーションを支援するの意義。
    ・外国人材技能実習機構のブローカー規制。
    ・人材不足の要因等について様々な客観的データや業界団体を通じた調査等の提出を求めて、厚生労働省等関係所管庁と慎重に協議し、判断する。
    ※業界団体には労働者の組合は含まれているのだろうか。
    ・当該在留資格に関する活動以外の活動であっても、付随する業務を行うことは当然含まれる。
    ※技能があれば単純作業もできる、ということか。この前の部分から目を通して読んだほうがいいかも。
    ・公私の機関が作成する職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画について。
    ・附則の第十八条二項の検討の修正について。検討を加えるのところに、そのほかの関係者の意見を踏まえるとしているが、外国人労働者の代表などは必要に応じて意見を聞くことも考えられる。
    ・「二年後に検討を加える」その後の修正はいつ?

    (糸数慶子質疑時)

    ・法務大臣の権限とされている事項のうち、出入国在留管理庁長官及び地方出入国在留管理局長に委任する事項については政省令で規定する。法務大臣の権限のうち、例えば特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針に係る権限、分野別運用方針に係る権限、在留資格認定証明書の交付の停止に係る権限は、出入国在留管理庁長官及び地方出入国在留管理局長に委任することが許されない。
    ・「難民認定及び難民不認定処分等に関する審査請求は法務大臣の権限、一次審査の難民認定は、現行入管法令で法務大臣から地方入国管理局長への権限委任が可能とされていることを踏まえつつ、出入国在留管理庁長官及び地方出入国在留管理局長への権限委任の可否について検討している」
    ・「難民審査請求の判断の公正性や客観性は、難民審査参与員の関与の仕組みにより、十分に担保されている」「難民認定に際して、法務省と出入国在留管理庁の人事交流が行われるのは、公平に判断ができるか考えて不適切では?」
    ・在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請の許否判断に当たって入国審査官が考慮する事項を記載した在留資格の変更、在留期間の変更許可のガイドライン、永住許可に関する一般的要件などを記載した永住許可に関するガイドライン、在留特別許可に係る基本的な考え方及び許否判断に係る考慮事項を記載した在留特別許可に係るガイドライン、技能実習制度における各種手続を記載した技能実習制度運用要領をホームページで公開している。
    ・入管法改正法案の附則十七条は、特定技能の在留資格に係る制度の在り方について、関係地方公共団体、関係事業者、地域住民その他の関係者の意見を踏まえて検討を行うということであり、外国人も必要に応じて意見を聞くことも考えられる。
    ・難民の審査、外国人の収容、仮放免と仮放免運用方針の大半がマスキングされている件について。
    ・特定技能所属機関、受入れ機関、日常生活上又は社会生活上の支援計画の適格性。
    ・新たな外国人受入れ制度支援については、受入れ機関が行う場合と登録支援機関が行う場合とで特段の違いがあるものではないと想定している。
    ・マイナンバー、在留管理インテリジェンスセンター、出入国管理インテリジェンス・センターについて(維新のマイナンバーカードの話ではなく)。
    ・法務省と厚労省の情報共有について。
    ・2018年2月から5月までの間に行われましたタスクフォースでは、介護、農業、そして水産、建設、造船、物流、製造、小売、観光等、各種業界から丁寧なヒアリングを行い、幅広く国民の声を聞いている。
    ※経営側の意見で、労働者からは意見をきいていない予感。あと、無職(特に求職中)の国民の声は?

    (山口和之質疑時)

    ・特定技能一号で働く外国人の年金について。
    ・出入国在留管理庁の日常的なチェックについて。
    ・「報酬を記録の残る銀行振り込みなどで支払うのはどうか」「通貨で直接労働者に支払うのが原則。受入れ機関に報酬の支払状況について定期的な届出を義務付けることを予定」「事業者が虚偽の届出ができないように客観的な証拠とともに届出しなければならない制度が重要」
    ・例えば受入れ機関にICTによる労務管理を義務付け、リアルタイムに透明化する仕組みはるのはどうか」「個人情報保護の観点あるいはプライバシー等の個人の権利利益等に留意する必要があるが、ICT技術等の先端技術が非常に効果的なのは指摘のとおりなので検討したい」
    ・日本国憲法は外国人に対しても人権を保障していると考えていいのか。請願権、国及び公共団体への損害賠償請求権、デモの権利を行使したことで、一般的には直ちに在留資格の審査において不利益に判断されるものではない。
    ・「公私の機関」の「公」とは?公的な介護保険施設の場合は?
    ・支援業務について、受入れ機関と登録支援機関の間の契約など。登録支援機関が支援業務を行う際に、特定技能の外国人に損害を与えた場合は、一般論として損害を賠償する責任を負う。登録支援機関が退職代行の業務を行うことは想定していない。
    ・外国人労働者の妊娠、出産、育児等、産休、育休など。
    ・「外国人労働者と他の外国人労働者との間に子供が生まれた場合、当該子供の身分はどうなり、在留資格はどうなるのか、一般論及び特定技能一号の外国人同士の間に生まれた子供については?」「在留資格をもって在留する外国人の扶養を受ける子については家族滞在の在留資格による在留を認める。特定技能一号は現行制度でも在留期間に上限がある在留資格について基本的に家族帯同を認めていない。
     特定技能一号の家族も併せて受け入れる場合、その家族に対する支援の検討も必要になるので、特定技能一号の家族には在留資格「家族滞在」を付与する規定が本法案には設けてない。
     もっとも、特定技能一号の家族について、人道的見地から在留資格「特定活動」によって例外的に家族の在留を認める場合もあり得ると考えていて、例えば特定技能一号の活動を行う外国人同士の間に生まれた子には、在留資格「特定活動」によって在留資格を認めることを現在想定している」

    2018年12月5日
    衆議院厚生労働委員会,第5号

    主要発言者
    山井和則(国民民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例近畿ブロック:滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)

    内容まとめ

    (山井和則質疑時)

    ・「22人最低賃金割れと法務省のデータに書いてあったが、私たち(野党)のチェックでは67%、千9百人余りが最低賃金割れ、最終判断するのは厚生労働省、法務省ではなく管轄は根本大臣。いつまでに調査をするのか」「政務官には伝える」「公表はしないのか」
    ・最低賃金割れの未払いについては、時効でない限り不払い賃金の支払いをするよう是正勧告する。本国に帰っていたら、一般論としては、海外に送金することになる。
    ・「根本大臣は、この2千8百枚のうち、一枚でもごらんになったことはあるのか」「聴取票はあくまで法務省の管轄、私のところに届けられていない」
    ※法務省と厚労省の連携はどうした。
    ・「厚労省で法務省に任せずに実態調査をする、労基署が。そうしてほしい」「聴取票は法務省が作成していて、プロジェクトチームで実態調査を行っているので、まず法務省で徹底した実態調査を行ってほしい。その結果、労働基準関係法令の違反の疑いが認められた場合には、出入国管理機関が都道府県労働局に通報するから、監督指導を実施して、法令違反が認められた場合は、是正勧告を行って、是正を徹底する」
    ・「2019年の最初の厚生労働委員会(の理事会)までに、何人に、最低賃金割れの人に、未払いの賃金、外国人労働者、技能実習生に払ったか報告をしてほしい」「法務省がプロジェクトチームで調査をしているので、可能な限り対応していきたい」「2017年度に出入国管理機関から労基署に通報があったのは44件。現状を知りながら、法務省は厚生労働省に言っていない。厚生労働省もプロジェクトチームをつくって調査に乗り出すべきではないか」「法務省のでプロジェクトチームの聴取票についての調査結果を踏まえた労働基準監督署への通報に基づいて、可能な限り迅速に対応したい」

    2018年12月5日
    参議院法務委員会,第7号

    主要発言者
    多賀谷一照(参考人,千葉大学名誉教授)
    高谷幸(参考人,移住者と連帯する全国ネットワーク理事大阪大学大学院人間科学研究科准教授)
    斉藤善久(参考人,神戸大学大学院国際協力研究科准教授)
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    石井苗子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    山口和之(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)

    内容まとめ

    (多賀谷一照)
    ・有効求人倍率等からも人手不足は深刻で、外国人材受入れの社会的ニーズは高いところから、狭義の就労資格以外の在留資格を用いての労働に我が国は大量に依存している。
    ・狭い意味での就労資格以外の在留資格での外国人が労働力不足の社会的ニーズを受け止めるために変節的に使われていることから、教育機関としての実態が希薄な日本語学校の問題、日本人配偶者との関係で偽装結婚、あるいは偽装中国残留孤児などのゆがみが顕在化しつつある。技能実習制度も主として就労人材の導入目的で逸脱的に利用されてきた面があることは、最近の技能実習生の失踪問題が示す。
    ・新制度は上限を設け管理をする制度を設ける趣旨。人材が不足する一定の産業分野においてその産業が必要とする人材として一定の専門能力を有する外国人の登用を図る、人材不足が客観的指標で評価される分野においてのみ受け入れる。受け入れる人材は、ある程度以上の日本語能力を有し、日本人労働者と互いに連携を取り、チームの一員としてその産業分野で必要とされる多様な諸業務をこなしていく能力が必要。
    ・5年間で上限値を最大34万5千人として受け入れるので急速な拡大は回避される。特定技能一号の場合、特定技能二号にランクアップする場合を除いては滞在期間が通算5年間働いて本国に戻る趣旨の資格で、いわゆる移民を認めるものではない。
    ・本国に戻るのを原則とする資格である以上、家族の帯同は認めない。途中帰国の可能性を認めることで、外国人が家族生活を過度に犠牲にしないように配慮をするという趣旨。
    ・技能実習制度の問題点は実質的に労働力確保的に用いられている面があることのほかに、監理団体に、支援のみならず本来は公的機関が行うべき受入れ機関の監理を委ねたこと、転職や一時帰国を許さず、事実上実習生を受入れ機関での実習に拘束したこと(それは逃亡の原因になった)、外国の派遣団体と監理団体が民民で連携し、一部でブローカー的な活動を行い得る可能性があったことが指摘されている。
    ・技能実習制度については、2016年の法改正で特別法を定め、監理団体を許可制にし、技能実習計画の認定を行い、外国人技能実習機構という認可法人を置くなど、その適正化を図っている。
    ・新しい制度は、転職を例外にしか認めない技能実習制度とは異なり、受入れ企業等のニーズと外国人労働者の希望に沿って同一産業分野内で転職することができる。出入国在留管理庁は転職そのものを制約することはしないだろう。
    ・技能実習の場合、プログラムどおりに技能実習するため一時帰国は事実上困難。一年若しくは三年継続して在留することを原則とする場合は家族との離反を招く人権問題となりかねない。特定技能の場合、期間途中、一時帰国することが可能。季節労働的な業務の場合は、一年に数か月のみ滞在して本国に毎年帰り、滞在月数が通算五年に達するまでは五年だろうと十年だろうとわたって何度も入国するパターンもあり得るだろう。
    ・登録支援機関は、生活ガイダンス、日本語の習得支援、相談、苦情対応、各種行政手続の情報提供など支援をする役割に徹し、監理機能は有しない。技能実習制度における監理団体のような監理機能は有しない。受入れ状況の適正さ、監理的な機能は出入国在留管理庁を中心に公的機関が責任を持って担保する。
    ・本来の意味での技能実習をしている者はそのまま技能実習資格に残留するが、労働をすることが目的で入ってきた技能実習生は特定技能に移行する。この移行を円滑にするのが今回の制度の一つの注目点、重要な点。
    ・出入国在留管理庁を設け、在留管理を公的機関が主体的に行う。入国時だけではなく、在留期間中も継続的に管理する。毎年更新する。具体的には、受入れ機関からの届出についても、契約変更、締結、活動状況等届出を要する事項を拡充し、届出義務を努力義務から法的義務へとする。
    ・技能実習制度のように監理団体経由ではなく、受入れ機関を出入国在留管理庁が直接規制する。具体的には、受入れ機関に対する報告の徴収、立入調査に係る規定、改善命令を罰則で担保している。
    ・受入れ人数のコントロールは、法七条の二で認定証明書新規交付の停止という仕組みがあり、外国人の上陸許可は在留資格認定証明書の交付を受けてなされるのが通例だが、七条の二によると産業分野単位で労働人材不足という状態が解消した場合には、その分野については資格認定証明書の交付を行わないという定めになっていて、人数制限が事実上可能となる。
    ・転職可能として劣悪な就労環境からの離脱可能性を外国人に認める必要はあるが、そのためには就労先についての情報提供、ある種のハローワーク的な仕組みが必要。
    ・事業者組合等が登録支援機関として中心的な役割を果たし、営利目的でのブローカーの参入を抑止すべき。例えば農業分野においては、北海道で若干先例があるそうだが、農協などの協同組合が全国的に責任を持って支援する必要がある。
    ・地方公共団体などの地方組織も支援の一翼を担うべきで、地方単位で地方公共団体とも連携して外国人を支援する仕組みをつくり、地域に外国人をつなぎ止める方策を講じる必要がある。
    ・制度的な担保。新しい制度で付与された権限等を活用するためには、受入れ事業所に調査に赴く等、書類審査でない方策が重要。調査人員の増強等、体制整備が不可欠で、関係省庁の情報連携、情報活用による不法就労の把握が必要。
    ・制度の運用について、地方単位で省庁の地方支分部局、地方公共団体が連携する必要性がある。技能実習生から特定技能への移行においては、二年前に定められた特別法で整備された外国人技能実習機構との間で重複規制にならないように相互連携を密に行う必要がある。
    ※新しい組織、出入国在留管理庁が出来て税金が使われ、地方公共団体が支援することで税金が使われる。新しい制度で税金が増えるのなら、この点では問題ないのだろうけど、どうやって確認するのだろうか。

    (高谷幸)
    ・過去四半世紀にわたり、技能実習制度という本来は趣旨も目的も異なる制度を日本の人手不足を解消するために使いつつ、単純労働者は受け入れないとの建前を維持してきたことから考えると、今回、外国人労働者の受入れを政府が提案したことには、政府もやっとこの問題に向き合う姿勢を示したという思いを抱いている。
    ・労働条件、ブローカー、登録支援機関の問題など多数の課題があり、統合あるいは包摂政策という、本来は外国人の生活をサポートする制度が国会ではほとんど議論されていない。
    ・入管局が出入国在留管理庁として在日外国人に関わる課題の司令塔的役割を果たすのは、労働問題あるいは子供の教育について出入国在留管理庁がその役割を担うことができず、政策が不十分になるおそれがある。
    ・定住、永住をできる限り阻止するという姿勢は、外国人労働者の生活面の様々な形での介入と権利の制限をもたらした。
    ・外国人労働者は、当初は日系人が増えたが、二〇〇〇年代半ば以降は定住させずに済む外国人技能実習制度の方が使われるようになった。
    ・定住を認めない、労働力が人間として生きることを制約しようとする発想は、教育や出産、子育てをコストとして見る発想に根差している。この発想は、外国人の問題に限らず、出産や子育て、教育に十分な公的支援がなされていない日本社会全体の問題と地続きであるように感じている。
    ・家族帯同が認められず、永住許可要件の就労資格にも該当しない、失業しても在留資格が切れてしまえば帰国させてしまえるような制度、言い換えれば、労働力としてのみ存在が許されるというような制度は認められず、技能実習制度は廃止すべきで、特定技能一号の家族帯同要件は見直すべき。
    ・定住を認めないのは、仕事を通じて熟練していくという、従来は日本の製造業が得意にしてきたはずの人の育て方と矛盾する。技能実習からの移行を想定している特定技能の創設は、こうした不合理を一定程度解消することを目指したものだが、現時点の推定では、技能実習と特定技能一号だけで帰国してしまう。また新たな外国人労働者を受け入れ、一から育て上げなければいけないのは、より一層不合理な制度になる。
    ・定住を阻止された外国人労働者は、地域にとって見えない存在になりがち。人口減少の中、実習生がいなくては地場産業が成り立たなくなっている地域はたくさんあり、そうした地場産業の貴重な支え手が地域生活の中では顔が見えない他者なのは、地域にとって難しい。
    ・岡山県総社市は、定住した外国人への積極的なサポートを行ってきた自治体の一つ。自動車産業が盛んで元々日系人が集住していましたが、リーマン・ショックで大量解雇に直面した。自治体が相談窓口をつくり、そこで雇った外国人がつなぎ役になることで、コミュニティーと自治体の連携がうまくいくようになった。今や、自治体、外国人コミュニティー、NPOが連携して地域づくりを共に行っています。
    ・社会に貢献したいと考えている外国人は少なくない。今、地域で中心的な役割を担っているのは、既に二十年、三十年、その地で暮らしているという方々が多い。皆多大な努力をして、生きる場、力を発揮できる空間を築いてきた。様々なサポートがあればもっと多くの人が安心して自分らしく生き、地域の担い手としても活躍できるのではないか。
    ・外国人労働者を労働力として見れば、経済的利害のみを考慮してより賃金の高い場所へ移動する発想になる。それは労働者としての権利で、健全に市場を機能させる意味でも否定されるべきことではない。しかし、人は経済的利害だけで生きているわけではない。暮らしてきた地域で人間として生活できることが地域に定住する契機になる。地域に定住してほしいならば定住の権利を認め、その地域で人間として暮らすことができる制度設計をする必要がある。
    ・統合政策がない中、彼、彼女らの権利は制限され、差別による尊厳の毀損、格差、貧困による潜在能力の発揮の困難に置かれがちで、彼、彼女らが人間として暮らせるための権利と尊厳を保障しなくてはならない。外国人住民基本法、差別禁止法など、多文化共生社会のインフラが必要で、外国人の人権の保障は在留制度の枠内で与えられるにすぎない、難民条約や国際人権規約を締結する前の最高裁判決の見直しも必要。

    (斉藤善久)
    ・法務大臣は、特定技能と既存の外国人技能実習制度は無関係な別個の制度である旨を述べていたが、特定技能は技能実習制度の存在を前提としてその屋上に屋を重ねる、全体として連続した制度であると言うほかない。
    ・技能実習生のほとんどは母国で活用できる技能など学べていないし、帰国後にそのような技能を生かした仕事などしていない。非常に多くの実習生が、技能はもちろん、日本語すら身に付かないまま帰国を余儀なくされている。
    ・特定技能については、技能実習二号ないし三号の修了者は無試験でこれに移行できる。これは何を意味するのか。一つはスクリーニング。おとなしくて我慢強くて多分親日な人は無試験で受け入れるということ。もう一つはインセンティブ。更に五年間働かせてやるから技能実習生になれ、そして辞めるな、逃げるな。特定技能をインセンティブとし、あるいは特定技能のためのスクリーニング装置として、外国人技能実習制度がその根本的な問題点を改善されないまま維持されようとしているところに問題がある。民間人材ビジネスの介在が一つ、それから転居の自由、転職やアルバイトの自由がないこと。
    ・技能実習法の下で技能実習機構が十全に機能していたら、失踪の多くはその必要性を失っていた可能性もある。機構は、会社が倒産した場合などにほかの実習実施機関に関するデータベースの閲覧を許可するだけでマッチングは行わず、シェルターにしても、必要が生じた段階で初めて空室状況を問い合わせる。ホテルが満室だったらアウト。そんなものがシェルターと呼べるか。
    ・審査やサポートのためのマンパワーがないのなら、この国には彼らを受け入れる資格がないということ。例えば、ただでさえ災害復興で人材が足りないときに、オリンピックとか万博とかやっている場合じゃない。
    ・特定技能の制度案は、技能実習制度の根本的な三つの問題点が更に危ない形で引き継がれている。民間人材ビジネスの介在については、技能実習制度の下では、監理団体は、実態はともかく制度上は非営利とされていますが、特定技能における登録支援機関については特にそういった縛りがなく、監理団体が技能実習法で許可制とされたのに対し、登録支援機関は届出制になっている。
    ・住居については、会社ではなく登録支援機関が用意する場合も出てくる。これは、労働基準法上の規制対象である寄宿舎ではなくなるという意味でもある。
    ・転職は認められやすくなることも併せて、民間人材ビジネスが外国人労働者をあちこちの会社や現場に送り込んで、経費とか家賃の形でピンはねする、古典的な搾取構造のお膳立てをしているような気がする。
    ・例えば社長のセクハラに耐えかねた労働者がほかの会社に移ろうとしても、行政も登録支援機関も助けてはくれない制度になっている。
    ・政府は、外国人技能実習制度の問題点、功罪を検証し、その反省に立った外国人労働者政策を練り直すべき。技能実習制度については廃止する方向で進めるのがベスト。例えば、特定技能の対象となる宿泊業について、移行してくれる人材確保のために技能実習二号の対象として入れ込んでほしいとか、法務大臣の半年遅れたら数万人の実習生が帰ってしまうという発言、技能移転の建前のために技能実習生を一旦母国に戻すことすらせず、そのまま特定技能に移行させようということ。政府は、外国人技能実習制度の制度目的、国際貢献、技能移転を自ら葬り去っている。
    ・外国人技能実習制度にしても特定技能のアイデアにしても要は若い労働者の使い捨て。日本人労働者に対しても、非正規、低賃金労働の拡大や社会保障の切下げなどが進められてきた。しかし、これは斜陽産業とか不人気産業の延命措置にすぎない。
    ・保護すべき産業は国が保護し、大企業による下請工賃の切下げとか無理な納期の押し付けを規制して、日本人自体に対する適正な労働条件を確保していかない限り、外国人労働者も来てくれない。

    (福岡資麿質疑時)

    (多賀谷一照)
    ・技能実習制度を全廃すべきだとは思いない。
    ・日本のサービスは非常にレベルが高いといいますか、ただ、技能実習とは違うが、例えば介護のようなもののサービスとかについて、やはり外国からそれを学びに来る人はいる。その意味で、技能実習制度から特定技能の制度へ延長するで、その人たちが日本で働きながら暮らす仕組みを設けるの意味のあることだろう。
    ・次第に東南アジアの諸国も生活レベルが上がってきて、そうすると、東南アジアの若者が来るのは、例えばほかの制度でワーキングホリデーみたいな感じで日本でちょっと働きつつ日本の文化に接する目的で来るもいると思う。この新しい新法が、そういういろんな可能性を開く、運用によっては開くことができるだろう。
    ・農業とか牧畜とかは、忙しいときは一年のうちで限られていて、例えば一年のうち農繁期等三、四か月働いても、あとは、その農業としての需要は低くなってくる。そのときにあえて拘束するからやはり問題が起こる、その期間だけ日本にいて、あとは別のところに行くとか、ワーキングホリデー的に使うとか、いろんな可能性が開かれる。そういう意味で、技能実習ではない形での入国に意味を、新しい制度ではそれができる。
    ・技能実習制度は強制的に地方に縛り付けていたわけでを、新しい制度でまた地方に縛り付けるのは、ある意味では人権侵害だろう。
    ・地方公共団体と地方の機関が、例えば外国の、東南アジアのある国のある地域と連携を結んで、そこから恒常的に一定の人材を引き受けるような仕組みをつくれば、地方に外国人人材がつなぎ止められるのではないか。

    (高谷幸)
    ・特定技能は技能実習制度からの延長という形で捉えているので、むしろ問題が、現時点の、特に特定技能一号について、一号だと技能実習制度がより拡大する方向になるのではないかと危惧している。特定技能一号に関しては、家族帯同要件を認めるという形で考えていただきたい。

    (多賀谷一照)
    ・特定技能は人材不足の分野について認めるわけだが、技能実習三号は、技能を高めたい人材に向けてのカテゴリー。

    (伊藤孝江質疑時)

    (多賀谷一照)
    ・技能実習制度と特定技能について、特定技能の就労環境の維持は基本的には民民間の話で、そこに監理団体的なもの、公権力的な機能がそこに入らなくて、ただし、日本人と違って外国人の場合には弱者的な面があるので、その弱者的な面を支援する仕組みという形で出てくる。
    ・技能実習制度を改善するために、2016年に改正法を定め、外国人技能実習機構とつくった。その機構が2017年から監理団体に対する許可制度を見直して、許可権限は法務大臣、厚生労働大臣だが、実習機関が作る技能実習計画を全部認定をしている。その仕組みが、2017年一年掛けて許可をし終わって、2018年度から立入検査等具体的な運用をしている。その運用を多分全国で350人ぐらい、18くらいの地方支部、地方部局でやっている、その運用をより高めるて技能実習制度を本来のやり方の方へ持っていく。問題は、ブローカー的な監理団体、営利的な監理団体をどのように排除するか、押さえ込むか、その機構に委ねるしかない。

    (斉藤善久)
    ・技能実習制度自体が使用者に外国人の方を受け入れる意識を持たせないような仕組みになっているので、あの制度はもう廃止する方がいい。

    (高谷幸)
    ・斉藤参考人と同様の意見、制度の構造的な問題。

    (多賀谷一照)
    ・技能実習で本当に教える技能がある企業はそれを教える仕組みとなっている。実際には労働力確保のために受け入れているところが、本来は特定技能の方に移るのが本来の筋だろう。

    (斉藤善久)
    ・技能実習制度を廃止した上で特定技能であるとかであれば話は変わる。後継者をつくりたいとか、という意識で関わる使用者が増えるだろう。

    (高谷幸)
    ・特定技能は一号と二号があり、二号は労働市場から離れた部分での生活はできるというような形で、仕事に依存しなくても生きられる権利が保障されて初めて労働者としての権利も保障されるのではないか。

    (多賀谷一照)
    ・特に技能実習だけじゃなくて特定技能全体も含めて、労働力不足の中で外国人を受け入れる意味を地域単位で考えなければいけない。製造業みたいに外国に容易に転出していく、より人件費の安いところで、それに対して、我が国で存続するためには、外国人の人材にも頼らなければということを地域全体として考えて、その人たちを支えるような仕組みをつくるべき。

    (斉藤善久)
    ・送り出し機関が適正に機能するためには二国間協定とかやっていけばいい、問題は日本の方のニーズでこの制度をどういうふうに使っているか、が向こうに反映されている。

    (有田芳生質疑時)

    (多賀谷一照)
    ・日本語能力ということですが、実際には日本社会の中で、母国語がないところで勉強しなければいけない。実習だけでなく日本人と常時話し合えるような環境をつくることは日本語能力を高めるためには必要だろう。

    (高谷幸)
    ・日本語の準備は日本だけでできる問題ではない。今既に日本にいる方も含めて日本に来てから国の責任で日本語教育を準備していくのが必要。

    (斉藤善久)
    ・日本語の特徴は日本でしか通用しないので、日本に来るためだけに日本語を勉強するのでは本気で勉強しようとする気は起きない。日本でもっと長く働けるのであれば、勉強する方ももっと勉強する。労働者として日本語勉強しようとする方は、もっとビジョンが構築できる制度でないと勉強しない。

    (斉藤善久)
    ・国が責任を持って、来日する前の方、あるいは来た後にも日本語教育を施して、ある一定の日本語レベルが本当に必要なら、その試験をクリアした人だけを入れることにすればいい。

    (高谷幸)
    ・国の責任でやるということと、学んだからにはそれが生かせるような環境を整えることも必要。

    (多賀谷一照)
    ・テレビは日本語しか出てこない、そういう環境では、日本語能力は上がると思う。そういう環境とか、日本人と、複数の日本人と話す機会を、十分な時間を与えることが必要。

    (多賀谷一照)
    ・新しい特定技能の場合に一時帰国を認めると、一年の半分ぐらいは母国にいて、残りの半分は日本で働くこともあり得る、その場合には、人権侵害的な意味は限界だろうと。この仕組みは定住への移行ではない仕組みなので、人権の問題はあるが、家族については一時帰国を認める。東南アジアの人々は、これからは自分の国がどんどん発展していくので日本に定住するつもりはそんなにないという方々も結構いると思う。

    (高谷幸)
    ・例えば家事労働者だとかは家族帯同が認められないという、それで数十年間単身で働いている形になっている、それは国際的にも人権侵害という批判の大きい制度で、日本でそのようなまねする必要があるのか、と考えている。日本では、専門技術的な労働者の場合は最初から家族帯同が認められている。特定技能一号も技能実習とは違う形で受け入れるのであれば、なぜ専門技術労働者の在留資格の受入れ方と一緒にしないのか。学歴とか、恐らく業種で分けられることになるが、ある業種で働いている人には家族帯同が認められなくて、別の業種で、専門技術労働者に該当する業種で働いている方は家族帯同が最初から認められるのはある種の職種差別じゃないかと考えている。

    (斉藤善久)
    ・既に技能実習の二号から三号に移る段階で、一か月だけアリバイ的に本国に帰って再び日本に来ようとしたら、家族に止められて三号として来れなくなった人が結構私の周りにいる。技能実習生、特定技能で来るような国の人たちは、すごく家族の結び付きの強い国が多い。家族の元にいられないのに何のために働くんだということを考える人たちが多い。二号から三号でもそのことで諦める人がたくさん出ているように見ているので、非常にその人たちの文化と相入れない制度だと思う。

    (櫻井充質疑時)

    (櫻井充)
    ・我が国の人たちが海外に行く場合には家族の帯同を認められているのに、海外の方が日本に来たときに家族の帯同を認めないのはおかしい。
    ・家族が来ればそれだけ人口が増えるから個人消費も伸びて、医療費についても、国内に来ている方と今海外にいる方の議論を考えると家族の帯同を認めていった方がいいんと思う。

    (多賀谷一照)
    ・狭義の従来からの就労資格の場合には家族の帯同は認めている。特定技能の場合は一号は認めない、二号になれば家族の滞在を認める。ヨーロッパでの外国人の流入を受け入れるときに、どの範囲で家族を帯同を認めるかは政策的に大きな問題になっている。ヨーロッパの場合には、特に入ってくる人がイスラム教徒の場合もあり、その場合に何人認めるかという話になって、当然に家族滞在を認めるという話ではない。どの程度、範囲で家族滞在を認めるかは常に政策的な問題で、この場合にも、その政策的判断を一応この法案ではしている。

    (櫻井充)
    ・国同士で外国人労働者の取り合いになっていく、日本の制度が複雑で、問題点を抱えてくると、日本に外国人労働者が、入ってこなくなるんじゃないか。

    (多賀谷一照)
    ・フランスは労働者的に入ってくる人についても家族滞在を一定程度認めて、それによって人口の一割以上が外国人となって悩んでいるところがある。日本が積極的に外国人を受け入れるのが政策として妥当か即答できない。人口減少に対応するために単に外国人を入れることで解決するべきとも思わない。

    (櫻井充)
    ・地元の商工会議所の会頭、首長からとにかくなるべく長く定住してもらえる制度を実現してほしいと言われている。最初の受入先はすごく大事で、最初に田舎に来てくださった方は田舎に残る確率は非常に高いと思う。何らかの施策で地方に外国人労働者を受け入れる制度をつくるべき。

    (高谷幸)
    ・衆議院の修正が具体的に運用としてどのような形になるか見えないが、地域の創生、日本人でも定住支援政策だとか、様々な地域の政策をされていると思う。

    (櫻井充)
    ・被災地では人が足りなくなって町として成り立たなくなる危険性をはらんでいる。町を成り立たせていくためには仕方のない選択肢なのではないか。あと、この法案でどういう点を改正したらいいか。

    (高谷幸)
    ・特定技能一号で家族帯同要件を外して、家族を連れてこれるような、単身で来たいと思えば単身で来れるような、本人に選べる制度がいい。

    (櫻井充)
    ・斉藤参考人から見ると、うまくいっているのが九割で、そうでない人たちは一割ぐらいだと言っているが、どのぐらいはある程度はうまくいっているとお認めいただけるのか。

    (斉藤善久)
    ・ごく一部は恐らく技能実習制度はうまくいっている面はある。今問題になっている団体監理じゃなくて企業単独型。一つの企業グループとかの中で幹部候補として養成して元に戻すとか、そういう面ではうまくいっている部分もあろう。そういう人たちは、全体の恐らく三・数%、その三・数%全部がうまくいっているか分からないからちょっと減らして、さらに、団体監理型の中でも少しはうまくいっている人もいるのかも分からない、それを合わせると多分五%ぐらい。

    (櫻井充)
    ・中小企業の社長から技能実習生を残してほしいと言われている。技能実習生には派遣労働者のシステムがないので、その点では企業にとっては非常に有り難い。これをきちんとやれるかは企業側に責任があるので、企業側をちゃんと選択すれば制度としてはうまくいくのではないかと、中小企業の社長たちから言われている。

    (斉藤善久)
    ・うまく使っても問題は残るのでこの制度はやめて、今の内容が実現できるもっとまともな制度をつくるべき。

    (仁比聡平質疑時)

    (仁比聡平)
    ・実習生が、自己責任で不当な受入れ機関、ブローカーに対抗できるのか。
    ・職を失った際に、再就職、転職が本当に可能なのか。外国人の就職差別がある中で、自己責任を果たせるものか、自己責任を求めていいものか。

    (斉藤善久)
    ・実際に何らかの形でブローカーを通じて生活、就労せざるを得ない状況に陥る人が大多数だろう。

    (高谷幸)
    ・自由意思を発揮できるような環境はないと考えている。

    (仁比聡平)
    ・公的機関が責任持って対処する話があったと理解しているが、その公的機関による責任ある対処の中身が法案や今の政府の提案でどう説明されているという御理解か教えてほしい。

    (多賀谷一照)
    ・技能実習制度において監理団体が事実上公権力的な権限を仕切ってきた。元々は、監理団体は職業別の事業者組合が内部的な規律をして、企業でお互いに余りひどいことはやらない仕組みだったが、現実に問題を起こしている監理団体は異業種協同組合で、本来の協同組合ではなくてビジネスとして異業種に、様々な業種に技能実習労働生を割り当てる仕組みだった。
    ・特定技能という仕組みでその監理団体が持っていた権限を取り払う意識が多分法案にあった。取り払った場合に、特定技能外国人と受け入れる民間企業の間は雇用者と被雇用者の関係になる。確かに外国人は弱者で十分な情報がないが、支援機関としての役割をして必要な情報を与え、日本人と同じように転職の可能性を認める考え方だと思う。
    ・十分なその意味での省令を作らなければならない。今は、監理団体がある種の公権力的規制をしていて外国人の自由に労働する権利を奪っている、それよりはましだろう。それが機能するかは今後の運用に懸かってくる。

    (仁比聡平)
    ・労働問題、子供の教育というような問題は出入国在留管理庁がその役割を担うことができないではないか、という指摘の意味についてもう少し伺えれば。

    (高谷幸)
    ・特定技能の労働問題は労働基準監督署の問題で、出入国在留管理庁が企業に行ってもできない。労働問題は、厚生労働省あるいは労働基準監督署が実質的に責任を果たせるような体制になるのかというと、出入国在留管理庁が司令塔的役割ということで、結局、ほかのところの分野の権限が曖昧になってその機能を果たせないんじゃないか。

    (仁比聡平)
    ・日本の公共機関に審査やサポートのためのマンパワーがないのであれば受け入れる資格はないということではないか。

    (斉藤善久)
    ・労基署もハローワークも入管もOTITも、インターネットをつないでくれない。機構の方から、今調査に入っているという話があり、数万か所に対して一年間で数千か所、多分十分の一ぐらい回ったと言っているが、次来るのは十年後かという話。同様に、保証金払っているかどうやって確認するかというときに、本人に払っていませんとうそをつかせる。それを言わなかったら今までの苦労が全部無駄になる、借金が返せなくなる。言ったために、本人は、自分にもう救済はないと絶望する。それがクリアできるほどの言葉とか調査能力のあるマンパワーを備えた機関が必要。

    (石井苗子質疑時)

    (多賀谷一照)
    ・技能実習制度を利用して、国際貢献とは言えない形で外国人の日本への招聘があったのは事実。言葉を換えれば、今回の新たな特定技能によってそういう人たちの流れを特定技能の方へ導いていこうと。そうすると、技能実習制度は本来の国際貢献の方へ純化していく、というふうに考えている。
    ※特定技能は人手不足に対処するための政策なのでこれはない。

    (石井苗子)
    ・2015年度の時点で国際貢献ではなく16万人もの実習生が働いているという事実がある、技能実習制度、一旦仕切りを置いて廃止すべき、元々の目的から逸脱、乖離し過ぎている。韓国のような雇用許可制は、どこが一番日本の制度、社会になじまないのか。

    (多賀谷一照)
    ・韓国でも、結局、雇用許可制にしても、不法滞在、途中で逃げて辞めていってしまう、脱走してしまう例がそれなりにある。

    (石井苗子)
    ・渡航費の約百万円は親戚の祖母、あるいは親戚から多く借りてきて妊娠をしたのは帰る一か月前、来日前にベトナムの男性との子供であるが、母国に帰ってもその男性は自分の子ではないと言っているケースは、その後どうなるのか。

    (高谷幸)
    ・中絶をするか強制帰国をするか選べと言われるのは、セクハラではないか。

    (石井苗子)
    ・新制度が、悪質なブローカーが介入していることがあるが、政府はこれを排除できると思うがと言っている。

    (高谷幸)
    ・技能実習制度とほぼ同じ形で機能すると予測、推測しているので、ブローカーは基本的には排除できない。

    (石井苗子)
    ・悪質なブローカーがなくならない、送り出し側の、その構造的な要因とはどういうものが考えられるか。

    (斉藤善久)
    ・送り出しに限らず日本の国内でもそう、先ほどの韓国の雇用許可制場合ですら入ってきて、本来お金はほとんど掛かるはずがないのに、平均4千ドルくらい掛かると韓国の当局者が言っていた。どんな形を取ってもブローカーは多かれ少なかれ入ってくるであろう。
    ・どんなに民間の人材ビジネスを排除しようとしても、何かの形では入ってくるんだろう。今回のこの法案の問題点は、ブローカーをどんどん入れてあげようという形になっているように見える。

    (石井苗子)
    ・地域にどれだけの人が、どの仕事で足りないのかということを政府は把握していない。職種ごとに計画的に、地域に外国の方がいて仕事を手伝うようになるためには何が必要か。

    (多賀谷一照)
    ・ある意味でブローカー的な、仲介的な存在は不可避だろう。国が全部計画的に地域に配分する、計画経済的な仕組みもうまくいかない。地域単位で、地域の地方公共団体と、あるいは地域の経済界が自らブローカー的な役割をして、外国に直接行って、自分たちのところにこれだけの人を要るが来てくれないかと、それを毎年、継続的な感じでブローカー的な役割を地方の機関がやるべきだろう。国が全部やるのは無理だろう。

    (高谷幸)
    ・地域それぞれのニーズがあるが、入口、出口の出入国以外のところで国が関与してこなかったこともまた一つの事実。生活を支えるようなサポート、総合的な対応、政策を確立して、地域のニーズにどうやって応えていくか考える必要がある。

    (斉藤善久)
    ・労働力の話をする前に、労働条件のことを考えて、効率を上げるばかりではなくて、不当な下請工賃の安さとか無理な納期の押し付けとかを規制して、日本人でも働きたくなるようなところには外国人も来てくれる。家族も一緒に来るとコミュニティーに根差して生活するようになるので、労働者が生活をするためにも来る環境を整える必要がある。

    (糸数慶子質疑時)

    (高谷幸)
    ・技能実習制度と特定技能の一号がかなり連続した制度になっていると、技能実習生も特定技能一号もいる職場が増えていく、監理団体あるいは企業が対応を変えるのか。一つの企業を取っても連続性ということで、ほぼ十年間の技能実習制度のような形に実質的には機能してしまう。

    (糸数慶子)
    ・韓国の制度で日本の制度に反映させる一番のポイントは何か。

    (斉藤善久)
    ・民間人材ビジネスの介在を排除している点。

    (糸数慶子)
    ・今後どのような問題が出てくるのか。

    (多賀谷一照)
    ・技能実習制度が低賃金とかそういう状況であったのは否定し難い。間に複数のブローカー的存在、送り出しのところと監理団体のところと、技能実習生に払われるべきお金を何割かあらかじめ抜き取り、最低賃金以下のお金しか払われなかった実態がある。新しい法律は営利目的のブローカー的な存在をできるだけなくして普通の労働関係のような形で改善するもくろみがある。
    ・日本のように労働関係としてうまくいくかというのは懸念がある。具体的に省令レベルになると、労働関係についての厚生労働省とも協力を得ざるを得ない。運用がうまくいかなくて更なる修正を必要とするかもしれない。

    (高谷幸)
    ・技能実習生に依存している産業がより依存し、さらにその範囲も広がる。

    (斉藤善久)
    ・建前上は、技能実習制度の中で監理団体は非営利団体、機関になっているが、今度はこれを民間人材ビジネスにも解禁するふうに読める。

    (多賀谷一照)
    ・今段階で修正が必要だとは言っていない。二年後には恐らくその間の運用を見て修正しなければいけないでしょうし、その前に省令レベルで危惧がないように、他省庁、地方自治体の連携を受けていかに運用するかでこの制度がうまく運用できるかというのに懸かってくる。
    ・人材ビジネスが入るのは仕方がない。人材ビジネスがうまく機能して、それなりに仲介的なビジネスをすれば、一つの在り方だろう。外国人労働者を、その人権を侵害する形ではなくて、間に入る存在がなければこんな仕組みはできないですから、地方自治体がやってもいいし、大手の人材ビジネスが入るということはあり得る。

    (斉藤善久)
    ・この制度は何らかのブローカーなり中間団体が入ってこないとうまく回らない。営利団体が入ってくるから、必ず搾取が起こってくる。今よりも状況が悪くなる面もある。

    (高谷幸)
    ・今までの入管局が認めてきた就労資格とは異なる形で就労資格をつくろうとしている、それより更に何か下に位置付けられるような就労資格をつくろうとしているところに問題があるのではないか。元々の専門技術労働者に認めてきた形で特定技能の就労資格もつくる、それが外国人労働者を受け入れる筋ではないか。

    (斉藤善久)
    ・この制度に関わるとどんどん人間が悪くなる。それは使用者の方もそう。この制度は一回やめて根本から外国人の労働者なり外国人の受入れを考えるのかということをもう一遍考え直した方がいい。

    (山口和之質疑時)

    (山口和之)
    ・技能実習制度においてブラックな監理団体、ブラックな実習施設を減らすためにはどうしたらいいのか

    (斉藤善久)
    ・そういう方向に誘導されざるを得ないような制度。今度の新しい制度で固定化され、もっと悪くなる。

    (高谷幸)
    ・元々この制度は研修・技能実習制度だったが、それが変わるときにいわゆる本当の研修は、研修という在留資格に行った。技能実習は日本の人手不足を解消するための制度として使う方に純化されたのだろう、その後人数も非常に増えてますますその方向性に強まっている。制度として一旦やめて、新しく違う形の受入れ制度をつくるべき。

    (多賀谷一照)
    ・現実に、そういう悪い意味でのブローカー的な存在は日本人であって外国人じゃない。日本社会において、日本人同士の雇用関係においてもそういう仕組みは実は存在していて、ほっておいてもそういう仕組みは入ってくる。基本的に、そういう間に入るのが、どこのどういう雇用関係においても必要、その場合には、要するに白いブローカー、白い介在者を増やせと。地方機関や地方自治体や何かも白いブローカーってあれで、介在について、悪質なブローカーに任せることなく自分たちでほかの国の地域と間を取ってやるべき、外国人、技能実習なりあるいはこの特定技能における外国人の雇用環境を全体として良くしていくというしかない。ただ廃止しても、現実には非公式に同じような仕組みが維持されるだけだろう。

    (山口和之)
    ・特定技能一号の方々も、支援機関や受入れ機関、ブラックは発生すると思う。それを止める方法、減らす方法をお伺いしたい。

    (斉藤善久)
    ・今、制度をつくろうとしているときには、少しでもこの民間人材ビジネスの介在を許さない制度を明確につくっていくべき。

    (高谷幸)
    ・なぜブローカー的な存在に頼らざるを得ないのかというと、働かないと生きていけないような立て付けになっているので。失業してもしばらく安心して職探しをできるとか、家族との生活がきちんとできるとか、労働以外の生活の面のサポートを十分にして、より安定した働き方ができると考えている。技能実習生の場合は家もその協同組合、監理団体や企業が準備する、専門技術労働者の場合だと家探しは自分で行う、少なくとも家の部分は雇用主に頼らなくて済む。
    職場から離れた生活で、権利が一定程度保障されることが必要。

    (多賀谷一照)
    ・技能実習制度の場合の監理団体は、本来は事業協同組合が非営利で行うということを想定していたが、異業種協同組合が実質上のブローカー的に入ってきた。今回も協同組合、事業者協同組合みたいなものが非営利で外国人人材を保護しなければいけない。例えば、農業の場合だと、農協がやらなければいけない話を農協がやっていないのは問題。

    (山口和之)
    ・一定の技能レベルから始めるのは本当に必要なのか。

    (斉藤善久)
    ・日本語がある程度できる人でないと苦労する、国が送り出しの方で教育、テストもして受け入れる制度がいい。

    (高谷幸)
    ・非常に形骸化する。

    (多賀谷一照)
    ・日本社会で労働力として活動する技能は必要、求めている。何らかの能力を持っていることは必要。

    2018年12月6日
    参議院厚生労働委員会,第8号

    主要発言者
    石橋通宏(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    根本匠(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,福島県第2区:郡山市,二本松市,本宮市,安達郡:厚生労働大臣)
    礒崎哲史(国民民主党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    土屋喜久(政府参考人,厚生労働省職業安定局長)
    坂口卓(政府参考人,厚生労働省労働基準局長)
    倉林明子(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,京都府選挙区:京都府)
    吉本明子(政府参考人,厚生労働省人材開発統括官)
    福島みずほ(社会民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    谷内繁(政府参考人,厚生労働省社会・援護局長)

    内容まとめ

    (石橋通宏質疑時)

    ・連合審査、合同審査は協議の案件。
    ・「立憲民主党は一か月以上前に73項目にわたる法案の問題点、懸念点、質問事項を法務省担当に投げたが半分以上返ってきてない」「法務委員会その他の点で可能な限り丁寧に説明している」
    ・「技能実習生の個票について、67%が最低賃金割れだった。2017年度の個票でも明らかになっていたのに法務省は何もやっていなかった」「技能実習制度の根幹に関わる問題と認識している」
    ・「前回の技能実習法の国会質疑でこの通報制度の問題は議論されている」「聴取票の調査の在り方について、聴取、記載の方法について統一した指針もない上に、反面調査を行うなどして実態をした結果を記載する性質のものでなかった点については極めて不十分であったという指摘は、本当に真摯に受け止めたい」
    ・「技能実習生の聴き取り票、法務省の方で門山政務官がプロジェクトチームのリーダーで今徹底した調査をしている。内容が明らかになった上で、厚生労働省の方に報告がある。それを見てきちんと、労働法令違反か確認して必要な是正勧告をする」
    ・「過去に一定数の行方不明を出している場合とか労働法違反により刑罰を科せられたことのある者は受入れ機関とはなることができない」「通報が44件で、失踪者の個票だけで2870ある。確認をお願いしたい」
    ・「政務官、5年間で34万人に全部証拠書類を出させて、入管庁の担当が日本人と同等の賃金以上が保障されているのか、全部チェックするのか、入管庁はできるのか」「賃金規定に基づいて判断、あるいは、賃金規定がなくて特定技能外国人と同等の業務をしている労働者がいるならその日本人労働者と比較して報酬の同等性を判断する。同等の業務に従事する日本人はいないけれど、特定技能外国人が従事する業務と近い業務等を担う日本人労働者がいる場合には、当該日本人労働者の役職や責任の程度について特定技能外国人との差が合理的に説明され、年齢及び経験年数を比較してもなお報酬額が妥当かどうかを検討して判断する、賃金規定もなく、また比較の対象の日本人がいないような場合においては、雇用契約書記載の報酬額と当局が保有している近隣同業他社における同等業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較する」「何人体制でやるのか」「適正な運用を行えるように努力する」
    ・法務省の外局として出入国在留管理庁を設ける、この業務を適切に対応するために319人、新しい出入国管理の充実強化のための266人、合わせて計585人の増員要求を行っている、要求が認められれば、出入国在留管理庁の体制は5400人を超える組織になる。

    (礒崎哲史質疑時)

    ・技能実習二号を修了した人は特定技能一号に求められる技能水準を満たすとみなす、すなわち両者の技能水準は同等程度。技能実習三号は技能実習二号を修了後により高い水準の技能等の修得をするので、技能実習三号により修得される技能水準は特定技能一号の技能水準と同等以上。技能実習二号から特定技能一号に移行した後に再度技能実習三号に移行することはできるのかという問いについては、必要性あるいは経緯などを個別に検討することになり、その上で、技能実習計画の内容を始めとした要件を満たしていれば、移行は可能。
    ・技能実習制度の二号、三号、特定技能の一号、二号について、どのポジションにいる人がどのポジションに行くことができるのか、理論上はどこからどこへでも実は可能。
    ・「技能実習が修了した後に本国に帰国して、その後改めて日本で働く場合、本国において技能伝承したことが認められる事例がないといけないが、その技能伝承をしたと認められる期間、実績はどういうものがあるのか」「検討中」
    ・「前回は特定技能での在留期間が終わられた後、培った技能等を本国に持ち帰って必要な技能移転を行うので、技能実習制度の趣旨は没却されないと思っている、と言ったが、違うことを今検討しているというふうに話をした」「一時帰国して技能移転が図られたことを示すのが基本望ましいが、そのほかに何らかの形の技能移転があり得るのか検討している」「技能実習制度をやられた方が特定技能一号、二号に進む過程で、何らかの形で技能移転をする実績が認められれば別に帰国する必要はないスキームも今後でき上がるという理解でいいか」「どういう形で技能移転したことが認められるか検討している」「技能実習制度の趣旨がゆがめられる可能性の検討をしている、法務省からの政務官にも確認したい」「今、様々な方向をも含めて検討中」
    ・「在留者の就労環境をチェックすべき責任は誰にあるのか」「(法務)日本人と同等の報酬要件が設けられているものがあるところの確認は、入国前の在留資格認定証明書交付申請や在留期間更新申請の審査の中で審査を行っている。留学生が行う週28時間以内の資格外活動許可による就労や、活動に制限がない身分関係の在留資格に基づく外国人が行う就労については、日本人との同等報酬要件を課していないため審査は特段行っていない」「(厚労)我が国で労働者として就労する外国人については、日本人と同様に労働法令が適用され、厚生労働省としての役割がある。法務省との関係では、相互通報制度の運用など、緊密な連携を通じて外国人が安心して働ける環境の確保に向けて対応している」
    ・複雑化してきているので逆に簡素化をして効果的に効率的にチェックができる体制の再構築が必要ではないか。
    ・「法務省は個票の分析結果を厚生労働省あるいは労働基準監督署に情報提供はしたのか」「これから検討を行って、その結果も含めてしかるべき場で公表したい」「個票、聴取票について労働基準監督官署に通知をしたかについては、記録として把握をしていない」「2017年には入管の方から監督機関へは44件通報されたものがあるが、聴取票に基づく通報が含まれるかどうか、区別できる形で通報はされてないので分からない」
    ・厚生労働省は、技能実習生を雇用する約4万8千の実習実施企業、各種情報から法違反が疑われる事業場を重点的に監督指導した。そのうち6千件に監督指導を実施した。入国管理局からの通報だけが端緒ではない。
    ・2017年度及び2018年度の聴取票については、明らかに違法、不適正な処遇が認められないものを除く全ての実習実施機関に対する調査を、これを実施する。何とかこの2018度中にできれば、早く終われば早く出せるように考えている。

    (倉林明子質疑時)

    ・「労働基準監督機関から出入国管理機関への通報の件数は、2012年は413件、2016年は431件、2017年は546件。出入国管理機関から労働基準監督機関への通報の件数は、2012は556件、2016年は114件、2017年は44件」「労働側からの片側通報、片側一方通報になっている。出入国管理機関からの通報はこの5年でもう5百件以上も激減している。現状の入国管理機関との通報制度は機能していると評価できるのか」「聴き取り票については精査した上で通報がなされるものと、相互通報制度については、法務省とよく相談してしっかり対応したい」
    ・「入国在留管理庁をつくった上で、新しい通報制度は有効に機能するのか」「法務省と相談して対応したい」
    ・「技能実習法には、技能実習生自らが労基法、労働基準法関係法令の違反の是正を求めるということで申告権が規定された。実績はどうなっているか」「技能実習法が施行された2017年の11月から2018年の10月11日まで技能実習機構に寄せられた申告件数は20件」「違反の状況、厚労省が調べたところでも、調査入ったところで7割の違反実態があるところから見ると、申告という制度も機能が不十分だと言えるのではないか」
    ・「技能実習生の現状を解決できないことで、上乗せして労働者の保護規定、申告権まで書き込んだ経過がある。技能実習生の延長線上に特定一号があり、技能実習生でなくなった翌日から働いている場所が変わらない方が多いと思う。特定一号になった途端、技能実習生で課されていた保護規定が掛からなくなると思う。『技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。』、これも技能実習法での規定。技能実習から特定一号に行った途端、需給調整の手段になりかねない」「外国人材を受け入れた分野では必要に応じて受入れを停止する措置を講ずる。外国人の受入れを一時停止する措置を講じた場合でも、その在留を直ちに打ち切り、帰国させることは考えていない。在留資格で認められる範囲においてできる限り希望に沿った就職が実現するように、必要な支援を行っていきたい」
    ・技能実習生の問題は一向に改善していない。新たにこういう外国人を本当に労働者として受け入れるということであれば、技能実習制度を廃止し、国民的な、外国人労働者の受入れの拡大どうあるべきなのか、国民的な議論をし直さないといけないのではないか。

    (福島みずほ質疑時)

    ・「保証金が百万以上、ほとんど全ての人が何らかの形で借金背負って日本に来ている。多額の借金を返すために大変な労働でも我慢して働く実態があると思う」「保証金の話は、相手の国の送り出し機関がやってもらうことが必要」
    ・「介護の仕事をしている外国人労働者について、2017年度の介護労働安定センターの調査結果によれば、外国人労働者がいると答えた事業者は5.4%、今後活用する予定があると回答した事業者は15.9%、そのうち技能実習生の受入れを考えている割合は51.9%、つまり7%から8%ぐらいです。事業者の2割以下が外国人を雇用する可能性はあるが、1割のみが技能実習生を希望している。介護の現場での技能実習生のニーズはあるのか」「一番最新時点では、10月31日時点では、技能実習計画の申請数は986件、アジア各国でも高齢化が進展している中で、認知症等の多様な介護需要に対応している日本の技術を技能実習で取り入れたい意向もある、そういった介護技能実習のニーズは一定程度ある」
    ・技能実習生、特定技能での外国人労働者の受入れが進む場合、業種によっては日本人の離職率が高くなる可能性があるのではないか。介護分野については出産等で女性が離職するなど、いろんな部分がある。日本人が介護分野から撤退する、あるいは、介護分野の部分によっては取って代わられるなど、労働条件が悪化する可能性があるのではないか」「介護分野では、2016年度では約190万人の介護職員が従事して、2017年度の調査によると施設では約4分の3が女性、訪問介護員では9割弱が女性で介護分野では女性が主力。法務省の新たな外国人材の受入れでは生産性向上や国内人材の確保を尽くしたとしてもなお外国人材の受入れが必要となる分野でて受入れを行う。介護業の外国人材の受入れの見込み数は、現段階で五年間で五、六万人で、外国人材受入れ後も介護分野では引き続き日本人の女性職員が主力」
    ・「技能実習制度を認めるかどうか、来た方が日本で学んで、技能を身に付けて本国に帰って、それを生かすこと」「だとすれば、法務省が言う、帰らなくてもよい、マストではないということは、明確に閣内不一致」

    2018年12月6日
    参議院国土交通委員会,第5号

    主要発言者
    舟山康江(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,山形県選挙区:山形県)
    石井啓一(公明党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県:国土交通大臣)
    佐々木聖子(政府参考人,法務省大臣官房審議官)
    阿達雅志(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国:国土交通大臣政務官)
    水嶋智(政府参考人,国土交通省海事局長)
    野村正史(政府参考人,国土交通省土地・建設産業局長)
    山添拓(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)

    内容まとめ

    (舟山康江質疑時)

    ・「新たに創設する在留資格の対象として国土交通関係には五業種含まれているがどのように選んだのか」「法務省等の制度所管省庁との協議によって決定をし、業種ごとに異なる雇用情勢、業界の声を含めた業種の特性、事情等を踏まえ法務省令で定める」「政府内にタスクフォースを立ち上げ、様々な検討をした。そこの検証は他の制度所管庁と共にやってきた」
    ・「うちの業種、業界も足りないから、何とか外国人材を入れる対象に入れてくれという要望があったときには、広がる可能性があるという理解でいいか」「必要性等について十分な説明がされる前提であり得る」
    ・今いる国内人材の有効活用がしっかりとできているのか。建築士もそうだが、現場の建築業の問題の中で全体的に国内の労働力が不足している。こういったことに対応を考えていかないといけない。
    ・「想定されている五年間の国内人材確保数は、これだけ人が足りないということを言うための仮定条件か、政府の目標目標数値なのか」「新たな制度による外国人材の受入れについては対象となる業種における国内人材確保の取組が欠かせず、5年間の国内人材確保数は、外国人材の受入れ見込み数の算出に当たり、当該取組による効果を示したもの」
    ・受入れ開始後は、客観的な指標等を活用して人手不足の状況の変化を的確に把握、検証する。
    ・造船・舶用工業では、新たな在留資格による受入れ見込み数を制度導入初年度に1300人から1700人、五年後に累計で1万人から1万3千人と見込んでいる。技能実習の修了者及び特定活動の終了者が2019年から2022年にかけてそれぞれ35%ないし45%ずつ、特定活動が終了する2023年においては技能実習の修了者が70%から90%特定技能一号へ移行するとして、これらの合計により、初年度1200人から1600人、五年後の累計で8500人から11500人が行くことを見込んでいる。それに試験による合格者を加えて受入れ見込み数を出している。
    ・国土交通省では2025年に新造船建造量の世界シェアを現在の約20%から30%に拡大する産業界と共通の目標を立てていて、その実現のために必要となる人材数を現在の造船・舶用工業の従事者一人当たりの建造量をベースに算定した。2025年に必要となる人材の確保に向けて、毎年均等に人材数を増加させていく仮定の下で推計したところ、5年後の2023年に必要な人材は15万4千人程度になった。
    ・「元々なぜこの特定技能二号というものを設けたのか」「特定技能一号で5年間滞在した中で技能が高まって、更に高いレベルで活躍する方がいることが見込まれたので、現在ある他の専門的、技術的なレベルの在留資格と同様のカテゴリーに特定技能二号が入る道筋を付けた」
    ・外国人建設就労者受入事業、外国人造船就労者受入事業は2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に伴い一時的に増大する建設需要等への対応のため技能実習二号あるいは三号修了者を時限的に受け入れる制度で、2020年度末に新規受入れを終了する。今回の法案が仮に成立し、その施行後、当面の間は外国人建設就労者受入事業ないしは外国人造船就労者受入事業と新たな在留資格が併存する。
    ・建設業でいえば就労者の高齢化が非常に進んでいて、近い将来、その高齢者層が大量に離職し、近い将来に相当な人手不足が生ずる。まずは日本人入職者を増やすための努力を最大限講じるのが新しい就労制度自体の趣旨でもある。
    ・建設業は、地域におけるインフラの整備や維持管理、災害時における復旧復興工事の対応など、全国各地において必要な産業。建設投資の状況は、東京オリンピック・パラリンピック関連工事等が増加している影響もあり、関東地方の建築工事で特に建設需要が高まっており、人手不足感が強くなっている。現時点では、関東地方で従事している外国人建設就労者が多いが、今後、大規模災害からの復旧復興工事が本格化することを始めとして、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策が集中的に実施されること等を踏まえれば、全国的に人材需要が高まり、外国人材に対しても需要が高まってくる。国土交通省においては、関係省庁とも連携しながら必要な措置を講じたい。
    ・偏在の対策として、地方における外国人の滞在、活動の受入れ環境を整備する、地方の魅力を高める観点もある。今、全ての外国人の方の受入れ環境の整備をどうするか総合的な対応策を取りまとめていて、地方の滞在を魅力的にするための対策などについて検討しようと考えている。
    ・企業の賃金調査のアンケートについて。出回っている紙には755社のうち440なんて書いてない。最近出た報告書を見なければわからない。

    (山添拓質疑時)

    ・今回示された個票は2017年の分だけなので、それ以前のも2018年に入ってからの分も提出するよう求めたい。
    ・技能実習生の場合送り込む監理団体が、最低賃金で統一してほしいと建設会社に指示するケースがある。受入れ企業としては同じ職場で働いている日本人とのバランス上賃上げしたいと思っているが、監理団体から言われるので最賃しか払えない状況がある。
    ・最賃水準の外国人が多数いれば、日本人の水準も下がっていく。
    ・「11月27日の質疑で伺った建設業における緊急雇用、外国人建設就労者受入事業について、国交省が委託して行わせている巡回指導の報告書の2015年度分、2016年度分も12月3日の深夜に開示されたが、指導や注意喚起、助言についての内容が真っ黒で、好事例、推奨事例については載せている。2017年度の相談内容もそのほとんどが真っ黒で検証のしようがない」「ホットライン関係については逐一全部相談の内容が載っていて、個人情報保護等の観点からそこを開示しない」
    ・「2017年度分では賃金支払の状況として518社への巡回指導で204社に改善指導、4割で違法が確認された」「2015年度、2016年度は巡回指導先等が比較的少なく、一覧表の形で報告書に記載がない形で報告された。2015年度は改善指導、注意喚起、助言をトータルして51件の指導、その中で精査が必要だが、一応賃金関係25件」「指導、注意喚起、助言の合計数で比較、2015年度から2017年度にかけて、特定監理団体で20件、55件、82件と増加、受入れ企業についても、51件、346件、1614件と激増、巡回件数を上回るペースで指導などの増加が見られ、受入れが増えるほど指導改善が必要なケースが増えている」
    ・「外国人を雇用する建設事業者の多くが中小零細企業で労働関係法令等の理解が十分でない。新たな特定技能制度でも外国人建設就労者受入事業での国土交通大臣による報酬予定額等を明記した計画の審査、認定及び制度推進事業実施機関による巡回指導の措置と同様の効果が得られる仕組みが必要」「巡回指導するほど指導件数が増えているので違法や不正を抑止することにはなっていない。巡回が必要だと今から言うのは、受入れ企業と特定監理団体では適正さは保てないのが建設業の特例制度における教訓だと言っているに等しい。本来不正をつかむべき特定監理団体は不正を一件も見抜いていない」
    ・「本制度における外国人労働者の受入れが適正なものとなるよう、関係省庁連携して制度の運用に努めたい」「これでは議論の土台がない。こんな状況で法案審議を進めるべきではない」
    ・調査対象の特定監理団体の4割近くで退職、帰国した者がいたと報告がありその理由のうち28.2%が行方不明」「失踪者の発生理由については調査をしてない。失踪者が発生した報告をした企業には巡回指導時における企業や就労者の状況を再確認をし、複数の特定監理団体に行方不明者発生の背景等についても聞き取りを行っている。特定監理団体に対しては、監理の更なる適正化を求める通知を発出した。また、外国人建設就労者受入事業の適正な実施について関係者間で協議を行う適正監理推進協議会でも現状を共有して必要な対策を検討する」
    ・健康管理、健康上の問題を理由にする人が12.8%、賃金、手当に関することも2.6%、不本意な帰国であることが十分想定される。

    2018年12月6日
    参議院財政金融委員会,第3号

    主要発言者
    渡辺喜美(無所属,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    黒田東彦(参考人,日本銀行総裁)

    内容まとめ

    (黒田東彦質疑時)

    ・別の委員会での外国人労働者の規制緩和の話、キックオフの会合で出てきた内閣府のペーパーに人口減少、少子高齢化で生産年齢人口が減ったのが人手不足の原因だ書いてあった。それが原因だったら、何で民主党政権のときに人手不足が起きていないのか。黒田総裁が異次元の金融緩和をやったから、人手不足が起きた。実質金利が下がり、円安、株高もたらし、人、物への投資が起きた。
    ・生産年齢人口の減少といった供給面の要因もあったと思うが、景気が改善を続ける下で、企業活動が活発化して労働需要が増加していることが大きく影響している。
    ・人手不足は悪いことではない。問題は、労働分配率が上がっていない。
    ・消費者物価が緩やかに上昇している一方で、正規雇用者を中心とする企業の慎重な賃金設定スタンスがまだあって、名目賃金の上昇ペースが緩やかなものにとどまっていることが影響しているのではないか。パート、契約労働者の時間給は2%台に伸びている、正規労働者の賃金は1%弱で平均値を計算すると、アベノミクスの初期には外国人労働者も含めて、新しく女性その他が労働市場に入ってきたときに、パートで入ってきた人が多かった、パートの人たちの賃金自体は二%から三%に上がっても、レベルが低いわけで、全体を平均したときには、実質賃金あるいは名目賃金が余り上がらないという状況が続き、一時的には下がったこともあった。ここに来て非正規から正規へと変わる、企業も人を引き続き確保していくために正規化することとか起こっていて、今言ったその比率の影響はなくなってきていると思う、計算された実質賃金もだんだん上がっていく。雇用は三百万人増えているから、雇用者所得自体は実質でもずっと増えてきている。実質賃金がなかなか上がらないことについては、一つはそういった統計的な要因も考えていかなければならない。
    ※後半はこの記事の趣旨とは異なりますが、関連があるかもしれないので掲載しました。

    2018年12月6日
    参議院内閣委員会,第8号

    主要発言者
    田村智子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    村上敬亮(政府参考人,内閣府地方創生推進事務局審議官)
    山北幸泰(政府参考人,農林水産大臣官房審議官)
    金子修(政府参考人,法務省大臣官房政策立案総括審議官)

    内容まとめ

    (田村智子質疑時)

    ・国家戦略特区で家事支援外国人、農業支援外国人を受け入れる法案を審議してきた。事業の的確な実施及び外国人保護の観点から、労働時間や賃金等の労働条件を適切に管理するために、内閣府、法務省、厚労省、農林水産省と地域の農業の振興をする立場の特定指定自治体が合同で適正受入管理協議会を設置した。
    ・国家戦略特区は規制緩和を行う特別区域で、この成果を見て、これを全国展開することもあり得る。2017年8月25日の特区ワーキンググループで、農水省は実際に事業を開始された中で活用状況を見ていかないと全国展開の可否についてはなかなか一概には言えないこと、業を所管する立場としては、強いニーズが相当程度あることから、全国展開できるような方向で必要な取組をしていきたいと考えている等について発言した。
    ・法務省は特定機関などがちゃんと管理することが必要だ、特に問題がない状況になれば、ちゃんと運営ができて、全国展開に向けた検討もできるかなと考えている。厚生労働省も、派遣労働の問題で何か問題が起きるか危惧する発言もしいて、実績として問題がなかったことを説明する必要があると、全国展開についてそういう見解を述べている。
    ・「農業支援として外国人の受入れが始まったのは2018年の10月、まだ12人しか来ていない。愛知で受け入れただけ。報告も巡回指導も監査もまだ行われていないのに、どうして農業で全国的に外国人労働者を受け入れる法案が提出されているのか」「特区事業については、四地域で適正受入協議会が設置されて、2018年10月には一地域で外国人の受入れが実際スタートして、円滑に実施されていると承知している。一方で、深刻な人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお労働力が不足する産業分野に限り、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れる業種横断的な制度が創設される方向となった。農業現場において外国人材の受入れの強いニーズがあり、また新制度への期待も高いことから、新制度においても農業分野の受入れが対象となることを希望している。新たな制度を特区制度の全国展開と見るか否かにつきましては、特区制度を所管する立場にないので差し控える」「国家戦略特区でつくった枠組みも即戦力と言われた。特別な技能を持っている人を受け入れると決めた」
    ・『国家戦略特区では既に枠組みをつくっている。今出されている法案、14業種について全部、1年1回の巡回指導とか1か月に1回の報告、3か月に1回の報告、監査、立入監査をやるのか」「新たな受入れ制度では、受入れ機関等による届出規定の拡充を行い、受入れ機関等に対する指導、助言、報告徴収や立入検査、罰則で担保した改善命令などに関する規定を設けている。立入検査等の頻度について法律上はそこまで明記していない。ある程度の定期あるいは随時にそのような調査を行うことを今後検討している」
    ・新制度が想定している外国人材は一定程度の技能等を有する人材という意味で特区制度等と同等と言えるから、ある意味、新制度は特区の取組の全国展開と捉えることもできる。新制度が施行された後は、国家戦略特区における農業支援外国人の受入れから新制度へ段階的に移行することを検討している」
    ・農業支援の問題で熱心に質問されたのは上月議員。確かに農業は人手不足深刻だが、人権侵害のことがあってはいけない、派遣会社がその労働者を使い捨てるようなことがあってはいけないという危惧も示してつくられた。国家戦略特区は規制緩和だが、このままいくと特区の中が一番規制がきつい、全国はゆるゆるになる。
    ・本来、内閣委員会との連合審査も必要な案件が、この臨時国会で法務委員会で審議されている。

    2018年12月6日
    参議院農林水産委員会,第6号

    主要発言者
    森ゆうこ(自由党,第24回参議院選挙,2016,新潟県選挙区:新潟県)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)

    内容まとめ

    (森ゆうこ質疑時)

    ・「政務官の下につくられたPT(プロジェクトチーム)で、現時点で数字的な部分も含めて分かったことは?」「実態把握と運用上の対応策、この聴取票の在り方も含めてしっかりとやっていきたい」「何も分からないという答弁ですか。新法に基づいてやっているから大丈夫だと法務大臣が答弁していた。新しい機構でやっている部分についてはしっかりやっていると、今の時点で明言できるのか」「旧技能実習制度の下における問題点等も踏まえ、新たな技能実習制度の下、外国人技能実習機構を設け、機構による技能実習生からの相談受付体制や転籍支援体制の整備や監理団体を許可制にして、監理団体に対して、受入れ機関に対する適正な監査や技能実習生との面談も義務付けたほか、人権侵害規定や罰則も整備し、技能実習制度の適正化及び失踪防止に努めている。技能実習生の報酬については、新法において、技能実習は労働力の需給の調整の手段として行われてはならないものを明記したほか、日本人と同等報酬要件も定めたほか、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制、外国人技能実習機構による実地調査など種々の方策を取った」
    ※いくらなんでもこの答弁はない。苦しすぎ。字面の急に漢字が多くなって傍目にこの箇所だけ濃くなって不自然だ。

    2018年12月6日
    参議院法務委員会,第8号

    主要発言者
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)
    和田雅樹(政府参考人,法務省入国管理局長)
    小川敏夫(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    高橋俊之(政府参考人,厚生労働省大臣官房年金管理審議官)
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)
    石井苗子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    糸数慶子(沖縄の風,第23回参議院選挙,2013,沖縄県選挙区:沖縄県)
    門山宏哲(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,千葉県第1区:千葉市:法務大臣政務官)
    田中誠二(政府参考人,厚生労働大臣官房審議官)
    田畑一雄(政府参考人,厚生労働省大臣官房審議官)
    山口和之(日本維新の会,第23回参議院選挙,2013,比例東北ブロック:青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)
    小出邦夫(政府参考人,法務大臣官房司法法制部長)
    藤原朋子(政府参考人,厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)
    安倍晋三(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,山口第4区:下関市,長門市:内閣総理大臣)

    内容まとめ

    (元榮太一郎質疑時)

    ・2017年、2018年の聴取票について、調査結果等については2019年3月末までに公表すると報告を受けている。
    ・新たな聴き取り票の様式及び聴き取り方法に関するマニュアル等の作成、聴き取り票の分析方法及び活用方法を確立する。
    ・技能実習の実施が困難となったケースについて、直ちに外国人技能実習機構から法務省に報告される仕組みを構築し、法務省で実習実施機関等に対する調査を行う体制を確立する。外国人技能実習機構から調査結果の報告を受け、入国管理局で速やかに必要な措置を講じるとともに、厚生労働省、警察などの関係行政機関に対して情報提供、告発などを行う運用の方法を確立する。マニュアル等を整備して、外国人技能実習機構の実地調査能力の強化を図る。
    ・出入国管理及び難民認定法は具体的な細部事項は臨機に対応が可能な法務省令等の下位法令に委ねている。新たな在留資格「特定技能」についても、具体的な受入れ分野、技能水準等については法務省令で定める。就労資格で、在留資格の種別や本邦で行える活動は法律で定めるが、産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して定めるべき事項は、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号により法務省令(上陸基準省令)で定める。
    ※しかし、省令で定める部分が多くなるとその分国民の意志が反映されなくなる。
    ・永住許可の要件の一つの在留の期間を1998年に20年から10年にしたのは基準緩和の要望や要請等があったから。
    ・ブローカー対策として、外国人材又はその親族が保証金などを徴収されている場合には特定技能外国人としての受入れができないことなどを法務省令で定める。在留資格認定証明書交付申請時に保証金等を徴収されていない確認を行い、受入れ機関及び登録支援機関に対する周知、指導などを行う。悪質ブローカーの情報の共有を図り、技能実習制度の二国間取決めやEPA協定に基づく受入れ枠組みなどに加え、大使館を通じるなど、相手国政府との連携を図る。入国管理局では、警察庁、厚生労働省と連携し、取締りの強化、情報交換、広報啓発及び指導の実施などを進める。
    ※警察庁、厚生労働省は仕事が増えるわけで、当然これでまたお金がかかる。それを上回る経済効果があればいいのだが。不安。
    ・登録支援機関となるためには一定の要件を満たす必要があり、支援業務を適正に遂行するために必要な体制が整備されていない場合や、出入国又は労働に関する法令違反により刑事罰を科せられたことがある者などは登録支援機関となれない。出入国在留管理庁が、登録支援機関に支援の実施に関する届出を求めて状況を把握するとともに、登録支援機関に対する調査、指導、助言、登録の抹消などの管理を徹底して登録支援機関の質を担保したい。
    ・特定技能一号について、人道的な見地から、在留資格「特定活動」により例外的に配偶者又は子の在留を認める場合があり得ると考えている。例えば、中長期在留者として在留していた者が、特定技能一号の在留資格に変更する以前から身分関係が成立している中長期在留者として在留していた同人の配偶者、子、こういった者に対する場合、特定技能一号の活動を行う外国人同士の間で子供が生まれた場合には在留資格が認められる場合があり得る。
    ・特定技能一号は、技能実習二号を修了した場合には試験が免除される。日本語要件については、関係省庁からは、日本語能力試験のいわゆるN4レベルであれば水準を満たしていると伺っている。技能実習二号を修了した者は、3年程度日本で生活していること、技能を修得する中で業務上必要な日本語能力を備えていると考えられることから、特定技能一号の外国人として必要な日本語能力水準を満たしていると評価し、試験を免除する。
    ・特定技能一号の在留資格を得ていなくても特定技能二号の試験に合格すれば在留資格は認められる。特定技能二号の受入れを希望しているのは建設業と造船・舶用工業の二業種で、非常に難度の高い試験に合格する必要があるということから、極めて限られた人数になると考えている。
    ・国外で特定技能一号の試験を受験し合格した外国人について、具体的な運用は、現在、各業所管省庁で検討中。
    ・受入れ機関が支援に要するコストを外国人の報酬から控除することは認めていない。
    ・出入国在留管理庁の受入れ環境整備に関する司令塔的役割については、2018年7月24日付けの閣議決定、外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について、で法務省が外国人の受入れ環境整備に関する企画及び立案並びに総合調整を行うとされた。法務大臣の山下貴司が、国家行政組織法に基づいて、関係行政機関の長に権限行使をすることが可能とされ、司令塔機能を果たす。
    ・出入国在留管理庁の新設が認められれば、外国人の受入れ環境整備に関し、法務大臣としてしっかり指揮するので、外国人との共生社会の実現に努めていく。
    ・受入れ分野を所管する業所管省庁が人手不足状況を継続的に把握し、生産性の向上や国内人材確保の取組の状況及び人手不足の状況を適切に判断した上で、受け入れた分野において必要とされる人材が確保されつつあると、こう認め得るときは、法務大臣が臨機に受入れの一時的な停止に向けた対応を取ることとしている。
    ※この判断の具体的な指標がこの段階でも明らかになっていない。困る。
    ・今回の受入れ制度では出入国在留管理庁による監督機能を強化する。日本人と同等額以上の報酬を含む特定技能雇用契約の基準を定め、雇用契約の適正な履行に関する基準を定める。受入れ機関による特定技能雇用契約や特定技能外国人の活動状況、特定技能外国人に対する報酬の支払状況などに関する届出を義務化し、届出事項を拡大した。不適切な処遇等に対する指導、助言、報告徴収や立入検査、罰則で担保した改善命令などの規定を設けた。特定技能一号の外国人について、受入れ機関や登録支援機関の支援担当者が面接して、報酬の支払状況などを確認するなどした際に違法行為などが疑われる場合は、地方入国管理局や関係機関に情報提供するようガイドラインでの指導を予定している。

    (小川敏夫質疑時)

    ・「新しい制度になってからの失踪者がいた、その中で身柄拘束者がいて聴取票が作成されているはず。その聴取票を当委員会で閲覧、提出して我々が閲覧できるようにしてほしい」「後刻理事会で協議する」
    ・支援の中身を濃くするほど自分のもうけが減るのは無理な構造ではないか。公的に外国人労働者を支援する仕組みが必要。
    ※会社の都合で外国人労働者を雇うのだから、会社が持ち出すのが筋なのですが。
    ・「厚生労働省とは少なくとも連合審査をやっていただきたい」「後刻理事会において協議する」
    ・例えば日本人が住居で住居費を払う場合に、外国人だけ負担させないのは実質的な給与になるので、その実費相当額は、日本人同様負担する。
    ・派遣元と特定技能雇用契約を締結する際に、派遣予定期間をつまびらかにする、その派遣予定先も事前にチェックする。不相当なところには、例えば在留資格認定証明書等の発付、交付は差し控える。
    ・「外国人労働者が不利益を被らない雇用契約は派遣形態の場合にどのように担保されるのか」「派遣元として派遣先を担保する必要があることを前提としたこの雇用契約、特定技能雇用契約になる」
    ※質問も質問だが答弁も答弁。そう都合よく派遣先が見つかるものなのか。微妙。

    (櫻井充質疑時)

    ・特定技能一号は一定期間後の帰国を前提とする在留資格で、外国人の家族も受け入れる場合、その家族に対する支援も検討する必要があり、国民的なコンセンサスを得る必要があるので、家族滞在を認めない。
    ・家族帯同を認める認めないは外国人に対する恩恵ではなく家族に対する独立した在留資格で、扶養者に十分な扶養能力があるのか、在留期間に上限がある者には認めていないという並びがある。
    ・「外国人の犯罪率について、おおむねの傾向を知るという意味で、例えば日本人の刑法犯検挙人員を日本人の総人口で割ったものと、来日外国人の刑法犯検挙人員を在留外国人数で割ったものを形式的に比較することが考えられる。2017年中の日本人の刑法犯検挙人員は204,423人であり、これを2018年1月1日の日本人人口125,299,603人で割ると0.00163。外国人は、2017年中の来日外国人の刑法犯検挙人員は6,113人で、2017年末の在留外国人数2,561,848人で割ると0.00239となる」「日本人の場合には高齢者で寝たきりの方や赤ん坊も含まれてきているので、おおむね活動できている人たちでいうとほとんど差がないということでいいのか」
    ※在留外国人にも寝たきりの方や赤ん坊も含まれていると思うが……
    ・「外国人労働者が増えてくると犯罪が増えてくることについて余り心配する必要性はないのかと感じた」「数字的には指摘のとおり、外国人が増えれば犯罪が増えるというレッテルを貼ることは正しくないのだろう」
    ※でも、0.0239/0.0163≒1.466だから、もう少し詰めて考えたほうがいいと思うが……ただ、これはあくまでも大まかな数値にすぎないので、何を語るにせよ、これだけで結論付けるべきではないとしかいいようがない。
    ・登録支援機関という立場で特定技能外国人の派遣を行うということは想定していない。
    ・外国人に特化した派遣事業は入管局としては特段把握をしていない。
    ・技能実習の場合、悪質な監理団体が一部外国人材から不当な金銭を徴収していた事実は聞き及んでいる。2017年11月から施行された技能実習法で、監理団体等に対する検査等を強化した。
    ・登録支援機関がブローカーにならないように、受入れ機関の基準として、支援に要する費用を特定技能外国人に不当に直接又は間接に負担させてはならないという趣旨の規定を置く。登録支援機関は支援計画を適正に実施できるための要件に適合することを求めるほか、出入国又は労働に関する法令に関し不正を行っていた場合には、これを欠格事由とすることで不適切な登録支援機関が参入できないというふうにする。登録支援機関による支援の実施状況に関する届出を義務化して、不適切な対応などがあったら登録支援機関に対して必要な指導、助言を行う。登録支援機関が欠格事由に該当する場合、届出義務に違反する場合、支援を行わない場合、不正の手段により登録を受けたことが判明した場合、報告若しくは資料の提出を求めたにもかかわず、これを拒み、又は虚偽の報告等を行った場合の各登録拒否事由に該当する場合には、当該登録支援機関の登録を取り消す。
    ・「地方公共団体が絡んでくれば、積極的に自分たちの町に足りない分野の労働者を受け入れる努力をする。市町村が絡んだ方が地域の人材不足の解消につながると思う」「修正でも地域のことを考えることが加えられた。地方公共団体がどのような形で登録支援機関と関わることができるか、更に検討を加え、在り方について考えたい。
    ・技能実習制度では外国の送り出し機関を定義している。本法案では外国の送り出し機関に関する規定は置いていない。送り出し機関と監理団体で行う技能実習とは異なり、公私の機関との契約を前提とするということ。現時点では送り出し機関が満たすべき基準を定める予定はないが、何らか二国間で協議をすることを検討したい。
    ・外国人の保険料の未納について、外国人か日本人かで同一の取扱いなので、その数字は集計していない。

    (仁比聡平質疑時)

    ・「失踪した実習生2870人分のうち1061名がベトナムから来ている。技能実習生に対する手数料は、ベトナム労働・傷病兵・社会省の通知により、三年契約の場合には3600USドル以下、日本円でおよそ40万円に上限が定められている。これは手数料であって、保証金の方は取っては絶対にならないと決まっている。にもかかわらず、このベトナムからの失踪実習生が送り出し機関に払った金額という個票の項目が40万円を超える方々が903名、85.1%に上っている。ベトナム法の問題だけではなくて、日本法、入管の上陸基準あるいは新実習適正化法に基づいて、そんな実習の受入れ、そこに関わる監理団体でも許されない。入管はこれを見て何とも思わなかったのか」「これは本人の申告だけ、二国間取決めを結んでもし違法、不正なことがあるならば是正を図る」
    ※調査しなければ本人の申告だけだから動く必要はない、という論理?
    ・「不正、違法であればベトナムにも正してもらう、そういう調査と公表が必要だと思うが」「情報共有する、日本としては、違法、不当な保証金名下の高額な借金を負わせることは駄目だと伝えた。今後二国間取決め等や様々なチャンネルでその趣旨をしっかり伝える」
    ・労働基準監督機関と出入国管理機関との相互通報状況という政府の資料で、2012年は556件、2013年以降通報件数は100件台で推移して、2017年に入管から労基監督機関に通報したのは44件」「相互通報制度の運用の問題、相互に情報共有してなかったこともあるのではないか。改正法案に、関係行政機関との関係について、緊密に連絡し、及び協力して行うものとする、六十一条七の七という案文も提案している」
    ・改正法案十九条の二十三第一項では、契約により委託を受けて特定技能一号外国人に対する支援計画の全部の実施の業務を行う者は、出入国在留管理庁の登録を受けることができると規定している。改正法案第十九条の二十二第二項の規定からも明らかなように、登録支援機関以外の他の者が特定技能一号外国人を含む外国人に対して支援を実施することは特段禁止されているものではない」「支援の名の下に、例えば宿舎を提供する支援、ここの労働者、特定技能一の宿舎は我々が支援しますということで高い家賃や光水熱費を給料から天引きしてピンはねをする事態が起こり得るのではないか」「その支援に関する費用を特定技能外国人に負担させるということはできない、法外な家賃等を取るというようなことは是正することになる」
    ・「特定技能一では、政府が監理団体を許可制にして不当を排除する仕組みさえない。登録さえ受けずに支援名目で外国人労働者の監理に関わる者が横行し得る仕組みだということではないか」「登録された支援機関に対してその支援計画の全部の実施を委託する場合に初めて、特定技能雇用契約で定められた支援を満たす、適合するとみなす」
    ・入国前の生活ガイダンスの提供は支援計画に入っていて、これについては不当に直接、間接に負担させてはならないということになっている。また、ブローカーがこうしたものの名目の下にお金を取ることがあってはならないことで、例えば在留資格認定証明書の交付申請の際に、保証金その他の名下によって不当な借金を背負わされていないか、支払がなされていないか確認する」「許可制を取っている下でもそれを見抜けてこなかったのが現実。登録制の下で、あるいは登録しないところまで許すのなら逆にひどくなりかねない」

    (石井苗子質疑時)

    ・特定技能一号については一定の専門性は有すが、専門的、技術的分野の技能水準よりはやや低い技能水準の専門性。
    ・「日本を好きになってもらい、日本経済を共に担う仲間という意識で外国の方を受け入れる、これが必要だと思うが、一時的な労働者として受け入れる特定技能外国人というこの名称が、そのような仲間として受け入れることができるか」「外国人を迎え入れるにおいて単なる労働力という失礼な見方ではなくて、日本に共に働き、そして学んでいただき、生活する外国人として考え、受入れ環境の整備を行うことによって人権を守り、そして外国人がこの我が国を共に支えていく、我が国社会を共に支えていく一員として円滑に生活できるようにしていくということを目指している。例えば特定技能一号に関しては受け入れる機関に対して支援を義務付け行うことにしている。我が国が受け入れた我が国に住んでいただいている外国人に対しましては、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、これを関係閣僚会議で年内に決めたい。そうして、我が国社会を共に支える仲間としてしっかりと共生する多文化共生社会をつくりたい」
    ・法務省の所管は在留資格、つまり出入国と在留管理をやり、人権擁護ということで、例えばヘイトスピーチを含む外国人に対する不当な差別も是正する立場にある。外国人の方が我が国において、日本社会の一員として経済、地域文化の面からも支えていただける地域づくりを目指す」
    ※そこまで言って移民政策ではない、というのも無理があるような。
    ・「技能実習生は外国の方の労働者の20%以上を占めている。技能実習制度は目的とは違う方向に行ってしまったのではないか」「技能実習の制度目的はある程度達成しているのだろう」
    ・「強制退去になった留学生の数は、2017年中に13686名、このうち留学の在留資格を有していた者は1724名。そのうち資格外活動違反による者は127名」「私のデータだと、強制退去になった者は648人。出稼ぎ留学生とやゆされる目的をたがえた留学生がいる」
    ・留学生の来日目的が就労であると疑われた場合には在留資格を付与しない。厚生労働省と連携し、入国管理局としては、雇用主に対して稼働状況を照会して留学生の資格外活動の状況を把握に努める。文部科学省及び文化庁との間においても連携を図っている。
    ・特定技能二号の家族について、外国人児童生徒が公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には日本人児童生徒と同様に無償で受け入れている。

    (糸数慶子質疑時)

    ・行政手続法三十九条に、政省令を定める場合には原則としてパブリックコメントの手続を実施する規定がある。行政手続法四十二条にパブリックコメントに提出された意見を十分に考慮しなければならない、四十三条一項にパブリックコメントの手続の過程で提出された意見等は原則として政省令の公布と同時期に公示しなければならない規定がある。入管法の改正法案の立案作業の際には、提出意見を考慮し、結果の公示を行いたい。
    ・プロジェクトチームについて、議事内容は速やかに議事要旨を作成して、法務省のホームページで公開する予定で、このプロジェクトチームの検討結果も何らかの形で公表する予定。
    ・プロジェクトチームとは別の第三者的な機関による検証は行わない。プロジェクトチームで外部からのヒアリングを予定している。
    ・2018年12月5日に行われたプロジェクトチームの第四回検討会で、入国管理局から不適正な受入れ機関に関する調査について、現状の一部の報告を受けた。2017年度分、2018年度分の聴取票について、明らかに違法、不適正な処遇が認められないものを除く全ての実習実施機関に対する調査を2019年3月末をめどに終了させることをめどとして実施する。
    ・受入れ機関又は登録支援機関の支援の一つとして入国前のガイダンスを実施することを予定しいる。ガイダンスで入国しようとする外国人に対して保証金等の名目で金銭を支払うことは禁止されている旨を説明し、保証金等の徴収を未然に防止することを努めたい。
    ・「附則十八条二項では、二年後に制度の在り方について検討を加えるとされていて、その検討に外国人も必要に応じて意見を聞くことも考えられると12月4日の質疑に対して大臣が答えているが、なぜ関係地方公共団体や関係事業者、地域住民といった関係者はこの法律に明記されていて、当事者である外国人は法律に明記されていないのか」「附則十八条第二項の趣旨は特定技能外国人を受け入れる地域の意見も重要だということに着目した規定で、地域の関係者として、特に関係地方公共団体、関係事業者、地域住民を明記した。法律にもその他の関係者の意見を踏まえてということを明記していて、外国人から意見を聞くことを排除する趣旨ではない」
    ・新たな受入れについては、受入れ機関が、例えば人権侵害行為の防止として出入国又は労働に関する法令に関し不正を行っていた場合は欠格事由とする、技能実習生に対して暴力行為を行っていた実施機関はもう受入れ機関にはならない、参入できない。

    (山口和之質疑時)

    ・34か所の都道府県労働局及び労働基準監督署に外国人労働者相談コーナーを設置し、外国語による相談に対応することができる相談員を配置し、6言語で対応をしている。外国人労働者向け相談ダイヤルを設置して、同じく6言語で対応している。現在、外国人労働者からの相談を全国で年間約1万件受け付けている。今後、相談体制を充実させることを検討している。
    ※英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語。
    ・ハローワークでは外国人雇用サービスセンターを全国3か所に、相談窓口に通訳員を配置している外国人雇用サービスコーナーを全国128か所に設置している。全国全てのハローワークで利用できる電話通訳サービス(多言語コンタクトセンター)といった支援体制を整えつつ、日本語コミュニケーション能力や日本の労働法令などを学ぶための研修事業にも取り組んでいる。
    ・外国人が雇用、医療、福祉、出産、子育て、教育などに関する情報や相談場所に速やかに到達できる一元的な窓口として、地方における相談窓口の設置、拡充を支援していく。
    ※税金がまた出ていく……
    ・法務省所管の日本司法支援センター、通称法テラスでは通訳サービス業者を介して日本の法制度や相談窓口等の情報を提供する多言語情報提供サービスを行い、現在七か国語に対応している。
    ※英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・タガログ語。
    ・「受入れ機関は即戦力として特定技能外国人を採用する以上、新卒採用よりも高い報酬を設定しなくてはならないと思うが」「特定技能外国人は一定の専門性を有しているので、おおむね三年程度の経験を有する経験者として報酬額を決定するよう、今後ガイドライン等で周知することを予定している」
    ・「特定技能外国人が新卒採用者よりも能力が低かった場合解雇できるのか、報酬を引き下げることができるのか、政府などに対して損害賠償の請求ができるのか」「客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当と認められない限りは解雇は無効、使用者が一方的に賃金を引き下げることは違法、政府が企業を含め国民に対して損害賠償責任を負うのは公務員が違法に他人に損害を与えた場合でない限り政府が損害賠償を負うことはない」
    ・試験等を行っても、合格した外国人が即戦力になるという保証はない。即戦力であることを法的に担保した試験でないのであれば、新たな試験制度を設けるのはやめた方がいい。一定以上の日本語能力のみを要件とした制度にできない合理的な理由があるのか、再度検討してほしい。
    ※即戦力であることも試験で確認する予定なので、実際に合格者が仕事先でうまく行かなかった場合の話だろうか。
    ・外国人労働者が配偶者その他のパートナーからDV被害を受けている場合、DV防止法に基づいて、配偶者暴力相談支援センターの機能を有す婦人相談所で一時保護を行うほか、中長期の保護が必要な場合は婦人保護施設で保護する。被害者が男性の場合は民間のシェルターなど適切な施設に一時保護委託を行う。
    ・DV被害に限らず在留期間中に病気などを理由に休職した場合、就労資格を有する外国人から在留期間の更新、変更許可申請があった場合、事情を総合的に判断する。
    ・外国人労働者も、2012年の住民基本台帳法改正により、適法に3か月を超えて在留する外国人住民は住民基本台帳制度の適用対象なので、加害者への住民票の交付等を制限するDV等支援措置の申出ができる。
    ・虚偽DVに基づきDV等支援措置が行われた場合、市区町村長の処分に不服がある場合は行政不服審査法に基づき審査請求を行える。また、審査請求を経ず処分の取消しの訴えを提起できる。DV等支援措置で加害者とされた者は、被告の住所を住居所不明と記載するなどした上で訴状を提出せざるを得ない。裁判所が市区町村に対し民事訴訟法百五十一条等に基づき被告の住所に関する調査嘱託を行い、市区町村から被告の住所の回答を得ることが制度上可能。加害者から裁判所に提出する必要があるとの理由により被害者に係る住民票の写し等の交付の請求又は申出があった場合の取扱いについては、2018年12月3日付けで各地方公共団体に対し通知を発出し、周知を図っている。
    ・日本人と法律上の婚姻関係が成立している外国人は、日本人の配偶者等の在留資格に該当する。婚姻関係にない日本人との間に子が生まれた外国人は、一般的にはそのとき有している在留資格で在留する。在留資格がない場合でも当該外国人が日本人の実子を監護養育しているなど人道的配慮が必要と認められる場合には、個別の事情を考慮して定住者の在留資格が認められる場合もある。これらの在留資格は自動的に付与されないので在留資格の変更の手続が必要。
    ・外国人労働者が日本人との間に生まれた子を相手方の同意を得ることなく自国に連れ去ることについて。

    (長谷川岳質疑時)

    ・出入国管理及び難民認定法は、入国、在留する外国人の動向や経済社会情勢の変化に機敏に対応するため、在留資格に関する具体的な細部事項は法務省令等の下位法令に委ねられることが多いが、衆議院議長からの指摘を重く受け止めて、本改正法施行前に、政省令事項を含む法制度の全体像を国会に報告し、制度の全容を示したい。

    (伊藤孝江質疑時)

    ・様々な目的で来日、滞在する外国人と日本人が共に生き、学び、生活する共生社会の実現を図る。そのために、外国人全般の受入れ環境の整備に真剣に取り組んでいく必要がある。
    ・政府全体としてあらゆる手段を尽くして悪質なブローカーを排除をし、制度の適正な運用を確保する。

    (小川敏夫質疑時)

    ・人手不足の状況は経済社会の状況によって変化し得るから、受入れ分野そのものを法律事項としてはいない。受入れ見込み数について法律事項とすることは考えていないが、実質、上限として運用する。
    ・今回の改正法案では、受け入れた特定技能一号外国人の安定した在留のために、受入れ機関又は登録支援機関で支援を行わなければならない。受入れ機関及び登録支援機関に対しては、支援の実施状況に関する届出義務を課し、出入国在留管理庁が、両機関の監督や必要な指導、助言を直接行う。適正に支援を行わない場合、適正な支援を実施する基準に適合しない場合は、受入れ機関は立入検査や改善命令の対象となり、命令に従わない場合は罰則が科され、一定期間外国人を受け入れられなくする予定。登録支援機関についてはその登録を取り消すことができる。
    ※外国人を受け入れられなくするのは一定期間で無期限ではない、とのこと。どのぐらいの期間なのだろう。
    ・この法律においても基本方針は閣議決定、分野別運用方針は法務省、業所管庁のみならず、厚生労働省、外務省、国家公安委員長、関係閣僚によって定められる。閣議決定をして、総合調整能力を持つ、権限を持つことになった、閣僚会議を持って、総合調整機能を持つ官房長官がそこに入って、大臣とともに、これは関係閣僚全部入るから、そこで指示を、指揮をしながら私(安倍晋三)の下で行う。

    (櫻井充質疑時)

    ・国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持する移民政策を取る考えはない。国民的な議論がある中で、コンセンサスが得られていない中で行うべきではない。
    ・「ある程度学んでやっと熟練したところで祖国に帰らなければいけないのは我が国の損失につながるのではないか」「今度は就労目的で特定の二号へという道も開かれるので、そういう方の気持ちもある程度は酌んでいると考える」
    ・「新しい血が入ってきた方が実際はいろんな能力が伸びてくる。これは遺伝的にいうとそういうこと」「地方にはなかなかアベノミクスが届いていない、その原因の一つは内部留保だと思っている。これが大企業が抱え過ぎている」
    ※国民民主党・新緑風会の櫻井充の発言。
    ・「一点だけ誤解を正したいんですが、私がトリクルダウン説を取ったことは実はないんです」
    ※こちらは内閣総理大臣、安倍晋三の発言。

    (仁比聡平質疑時)

    ・失踪者の数は技能実習生全体から見れば数%にとどまることも事実。労働基準監督署では、技能実習生を雇用する約4万8千の実習実施者に対し重点的に監督指導を行い、2017年の一年間で違法、法違反が疑われる5966の事業場への監督指導を実施した。
    ・ベトナムについては二国間の取決めを2017年6月6日に締結した。目的は保証金や不当な高額な手数料を徴収する不適正な送り出し機関等を排除することにある。日本側はベトナム側が認定した送り出し機関からのみ技能実習生を受け入れること、不適正な送り出し機関があることを認知した場合通知し、ベトナム側で送り出し機関に対する調査、指導、認定送り出し機関の取消しを行うことが規定をされている。

    (石井苗子質疑時)

    ・「在留カードで就労可能が容易に判断できるんであれば、不法就労はなくなるはず」「事業主にはあえて不法滞在者を雇用する者がいる、ブローカー等も存在している。現状、雇用状況報告書には在留カード番号の記載欄がない」
    ・預金保険法等の改正によりまして、2018年1月から告知義務を課さない形で銀行口座へのマイナンバーの付番が開始された。義務は課していない。
    ・マイナンバーカードのICチップにマイナンバーとは別の公的個人認証という手段があり、これはマイナンバーとは違う利用ができる。

    (糸数慶子質疑時)

    ・「法務省の集計結果とは違う約7割が最低賃金を下回っていることが分かった」「法務省が示した通知は2017年に失踪した実習生の聴取票の失踪動機欄のチェック欄に記載されたものを集計した数値で、低賃金、最低賃金以下にチェックされたものについて示ししたもの。聴取票に記載された労働時間とされているもの、月額の給料とされているものを単純に割って最低賃金を割り出したものではない」
    ・「国民の6割が今国会でのこの法案に対して成立することを反対している」「報道については、今回の外国人労働者の受入れ拡大については賛成が過半数を超えているというものなど様々」

    (山口和之質疑時)

    ・日本人が寄り付かない劣悪な環境に外国人をあてがうという風潮は良くない。
    ・特定技能一号の初年度における介護分野の受入れ見込み数は5千人とされている。介護の技能実習は2018年に始まったばかりだから、その5千人は全部試験組となる。介護の技能実習で実習実施計画が認定された者は10月末で472人。東南アジアではまだ介護が職業として確立されてはなく、即戦力の人材は僅かしかいない。この5千人はどこから集めてくるのか。
    ・外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策については国会審議に間に合わせるべきで、中間整理には最終取りまとめに新規の項目も入ってくると書いてある。最終文書を法案審議に間に合わせて提出するのが筋。
    ・法務省では、2018年9月、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会等の関係者を含む有識者と法務省職員を構成員とする「国民の声」を聴く会議を設置をし、議論を行ってきている。多文化共生社会の実現に向けた様々な課題の把握や、その対応策の策定のための検討に資するよう国民の声を聞くことなどを目的とするもので、本邦に在留する外国人のほか、外国人が多く居住する地方公共団体の関係者や外国人支援団体からのヒアリングも実施してきた。
    ・「外国人労働者と日本人との間の婚姻関係が破綻した場合は、それらの者の離婚に関する紛争を極力公平に解決すべき。外国人労働者と日本人が離婚調停を行う場合、調停委員が日本人だけであり、公正な調停とは言えないのではないか。同様のことは民事調停についても言える」「家事調停委員及び民事調停委員は最高裁判所が任命する非常勤の公務員で、就任には日本国籍が必要」

    2018年12月7日
    参議院本会議,第9号

    主要発言者
    有田芳生(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    福岡資麿(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,佐賀県選挙区:佐賀県)
    真山勇一(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,神奈川県選挙区:神奈川県)
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    山添拓(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    小川敏夫(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    元榮太一郎(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,千葉県選挙区:千葉県)
    江崎孝(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    矢田わか子(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    辰巳孝太郎(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,大阪府選挙区:大阪府)
    蓮舫(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,東京都選挙区:東京都)
    岡田直樹(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,石川県選挙区:石川県)
    難波奨二(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    舟山康江(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,山形県選挙区:山形県)
    山下芳生(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)

    内容まとめ

    横山信一法務委員長解任決議案について

    (有田芳生)
    ・横山信一法務委員長は職権で理事懇、理事会、委員会を何度も立てる。定時定刻のない時間に委員会を開会する。会期末でもない時期に、対決法案でもない給与法の趣旨説明のための委員会を職権で立てて開会するなど、議会の先例を無視した。参議院事務総長が11月26日の予算委員会において答弁したように、こんな事例はここ10年ではなかった。
    ・外国人労働者は約128万人、これは青森県の人口に匹敵する。政府は、外国人労働者をこれからの5年間で34万人受け入れるのだから、この国の形は確実に姿を変えようとしている。衆議院法務委員会での審議は4回、全て委員長の職権で委員会が開かれ採決された。参議院でも、横山委員長は衆議院の法務委員長に倣った。
    ・10月末に開かれた自民党法務部会である自民党のベテラン議員が何でこんなに急ぐんだと発言したところ、法務官僚が総理の意向ですと発言した。森友や加計と同じかと議員の発言が続いたことを11月3日の毎日新聞が報じている。
    ・政府がコピーを認めないために、野党議員は個票2870枚を写した結果、法務省は最低賃金以下は22人、0.8%と公表していたが、月給と労働時間から時給を計算すると、最低賃金以下は1927人、67%もいることが分かった。さらに、月80時間以上の過労死ラインレベルの残業をしている実習生が289人、10%もいた。
    ・韓国では、2004年から外国人労働者を単純労働の担い手として受け入れる雇用許可制を始めた。現在は16か国と協定を結んでいる。日本の技能実習制度とは違い、国が直接の窓口となって受け入れ、働き手の負担は渡航費のみ。国の基準をクリアした企業だけがこの制度を利用して外国人労働者を雇い入れることが許され、業種ごとの受入れ数は毎年政府がコントロールしている。家族の帯同はできない。永住権も認めてない。韓国の雇用許可制が自己都合での転職を3回まで許している。外国人労働者たちは給与や福利厚生が悪いとすぐにほかの会社へ転職する。企業は、辞められたら困るから、彼らを厚遇する。日本の技能実習制度は、国同士が窓口ではなく、送り出しも受入れも民間で、悪質なブローカーによって、送り出しの時点で多額の借金を背負うケースもある。原則として転職はできないため会社を辞めることができない。

    (福岡資麿)
    ・野党の要望であった総理出席の本会議審議を実現させたことに加え、委員会でも三名の参考人から本法案に対する意見を聴取し、衆議院を大幅に上回る審議時間を確保した。審議が尽くされたとの判断の下、採決を行うことは、委員長の職責として当然。

    (真山勇一)
    ・聴取票からは、最低賃金以下という違法行為で酷使された実習生が67%もいた。法務省は最低賃金割れは0.8%以下としていたが、もし実態を把握した上でそう言っていたなら、法秩序を守るべき法務省が、人権侵害、違反行為、犯罪行為を隠蔽、偽装していたことになる。実態調査をしていなかったのであれば怠慢。
    ・この臨時国会では、与野党の合意もないのに委員会の開催が強行されてきた。11月13日の所信的挨拶の聴取、15日の所信的挨拶を受けての質疑、20日の給与法二法案の趣旨説明、22日の給与法の質疑、採決までの全てにわたって、与野党理事の合意より前に、委員長の職権によって開催が決定された。12月4日には議員立法による改正案の趣旨説明及び質疑、5日の参考人質疑、6日の委員会運営と、与党側は野党理事との合意を求めることなく、横山委員長は職権を発動し続けようとした。
    ・法務委員会では、ずっと、審議日程は与野党が合意して決めることが鉄則とされてきた。ごくまれに強行採決が行われたときには、いずれも大問題となった。1999年の第145回国会における通信傍受法案も職権で採決が強行され、大変な問題となった。2003年6月3日、第156国会の参議院法務委員会では、心神喪失等医療観察法案の採決が強行的に行われたが、当時の魚住裕一郎委員長は、その後、6月26日の法務委員会で強行採決に至った経緯を反省し、与野党合意を図り、公明正大な委員会運営を努めたいと特別に委員長発言をした。
    ・2017年の共謀罪法案(テロ等準備罪法案)の審議でも職権が連発され、採決は更なる熟議を求める国民の広範な反対を押し切って、中間報告方式で本会議において採決した。
    ・万が一、国家が間違った方向に進んだとしても、多様な議論を議事録に残しておけば、後から検証して軌道修正することが可能になる。これが議会制民主主義の最も重要な機能の一つではないか。多くの国が議会における議論を制度的に担保し、国民の間に同意の仕組みをつくり出すために膨大な犠牲を払ってきた。近代民主主義の確立を目指した明治以降の憲政の歴史に連綿として先人たちが築き上げてきたのが国会における先例、慣行、合意である。

    (櫻井充)
    ・今回のこの国会の運営を通じて見て、本当に異様な国会だったと思う。法務委員会では理事懇は職権で立てられたことが多かった。給与法などは多くの会派が賛同している。その給与法の趣旨説明、質疑に入るのでさえ、なぜ職権で立てなければいけなかったのか。
    ・入管法も、昨日質疑が終局したとは我々は思っていないが、その後の理事会に対しても職権で立てられた。また、今回の入管法の法案の質疑の時間は本当に短かった。なぜならば、我々野党はこの法案に関しては重要広範議案であると考えていて、重要広範議案は最低でも二十日間議論する、これは与野党の合意、暗黙の了解事項であったはず。
    ・我々立法府は、憲法四十一条に定められているように、国権の最高機関、言論の府。しかし、最近の政治状況を見ると、我々は政府の下請機関ではないのかと思わざるを得ないことが繰り返し行われている。

    (山添拓)
    ・与野党が審議に合意し得る給与法案の委員会まで職権開催し、入管法等改定案の付託に備え、本会議での代表質問が終わるや否や、翌日の一般質疑と委員会での審議入りを職権で強引に決めた。
    ・入国管理局が行った技能実習生の失踪者調査について、政府は、最低賃金以下を理由とする者は22人だったと説明した。野党議員が書き写した聴取票の分析では、最賃未満は1939人、実に67%に上った。調査対象者の10%が月80時間を超える長時間労働を強いられていたことも明らかになった。
    ・技能実習修了者を国土交通省が認定した特定監理団体、企業に限定して最大3年間延長して受け入れるこの特例制度で、2017年、受入れ企業の4割で賃金支払の違法が確認された。国交省によれば、受入れ企業をチェックするはずの特定監理団体が見抜いた不正は事業開始以来1件もない。技能実習から特例制度に移行する際、本国の業者に20万円の手数料を要求された事例まであり、国が関与する仕組みの下でさえブローカーが介在し、暗躍している。
    ・非営利で許可制の監理団体が受入れを行う技能実習に対し、特定技能で予定される登録支援機関は登録のみで足り、営利企業も排除されない。民間人材ビジネスが介在し、経費や家賃と称してピンはねをする搾取の構造をお膳立てするだけではないかという斉藤准教授の指摘も否定できない。
    ・法務委員長は連合審査を行わないまま質疑を終局し、採決に進もうとしている。徹底審議とは程遠い。

    討論終局、採決。

    採決結果 投票総数 233
    可とする者(白票)  72
    否とする者(青票) 161
    ・横山信一法務委員長への解任決議案は否決。

    山下貴司法務大臣問責決議案について

    (小川敏夫)
    ・外国人労働者の受入れ、議論するためには、まず第一に、どういう人を受け入れるのかが議論の根本だが、その基準は法律には規定してない。後から省令で決める。
    ・この法律について立法府の責任として議論をするときに、どういう議論をしたらいいか。具体的な議論を持ちかけても、それは後から省令で決める、という意気込みを聞くだけ。
    ・法律が通った後にすべからくを決める、白紙委任、全権委任か。立法権の放棄に相当する法律案を提案、成立させようとしている法務大臣はふさわしくない。

    (元榮太一郎)
    ・今般の失踪した技能実習生の集計データは、2017年11月に施行された新たな技能実習生制度ではなく、旧制度の技能実習生に関する事例なので、本法案審議の前提は崩れているという主張は理由がない。
    ・参議院法務委員会では、与野党協力して審議を重ねてきた。与野党そろっての委員会運営、日本語学校の現地視察、三名の参考人質疑、さらに衆議院を超える審議時間を確保した。法務委員会理事、委員会のメンバーは、立場の違いこそあれ、建設的な審議、運営に共に尽力してきた。

    (江崎孝)
    ・今回新設する特定技能一号へ現行の技能実習生から6割程度移行する。10割移行する業種もある。現行制度の実態や問題の把握と徹底検証が法案作成に当たって当然やるべきことのはず。
    ・山下大臣は聴取票の公表を拒んだ。所管大臣が法案の充実した審議を妨げようとした。聴取票は公表できたがコピーや撮影を禁止し、公表も当初一日限りだとした。2870人分を議員が書き写した。失踪した動機について、法務省は87%がより高い賃金を求めてとしたが、聴取票では、67%が最低賃金以下としている。過労死ライン以上の時間外労働を全体の1割程度がさせられていた事実も分かった。聴取票や野党によるヒアリングから、とても技能の修得とは言えないような労働内容を実習と称して従事させられていたことも判明した。技能実習制度が適法に実施されていないのでは、改正案の前提が崩れており、正確な審議ができるものではない。

    (矢田わか子)
    ・外国人人材の受入れについては、専門的、技術的分野に限り積極的に受け入れるという方針で、単純労働者の受入れについては慎重に対応してきたが、参議院法務委員会で審議されている出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案は、これまで原則的に受け入れてこなかった単純労働者も含めて受入れを可能にしようとするもので、我が国の入国管理政策を大きく転換させる。
    ・12月4日の法務委員会では、法務省は、聴取票に基づく問題のある待遇について事業者への実態確認をしていないことが明らかになった。
    ・安倍総理は移民政策は取らないと明言したが、家族の帯同ができ在留期間を更新できる特定技能二号や永住権の許可要件など、制度の仕組みや運用次第では、今回の措置は実質的に移民受入れ政策となる。

    (辰巳孝太郎)
    ・個票からは、ベトナム人実習生1061人のうち903名、実に85.1%が違法、不正な手数料を取られて来日していることが判明した。重大なのは、政府が今なお個票の提出を拒んでいること。プライバシーの箇所も黒塗りにされた個票をなぜ提出できないのか。なぜ人数が制限され、国会議員以外のスタッフ、秘書には書き写すことが許されないのか。
    ・新制度は技能実習生からの移行を前提とし、その80%からほぼ100%を見込んでいる業種が多数となっている。技能実習生の実態把握は審議の前提。
    ・技能実習生28万人を上回る32万人にも上る外国人留学生も新制度への移行を見込んでいる。
    ・大臣は、2019年4月施行の理由を、半年遅れると万単位の外国人が帰ってしまうと言った。
    ※さて、10月に万単位の外国人が帰ってなかったら、この特定技能の制度によってその分日本で働いていることになる。厳密な集計とか、できるのだろうか。
    ・介護現場での人手不足の原因は、重労働に見合わない、その低い賃金にある。大体、介護事業所自体への報酬を連続して引き下げて介護職の方々の処遇を悪化させてきたのは、政府自身ではないか。安価な労働力としての外国人を増やすのではなく、介護保険の改悪をやめて、その労働に見合った待遇を保障することが政府のやるべきことではないか。他の業種も同様に最低賃金の引上げなどを行って人手不足を解消させることこそ、政府の取るべき施策である。
    ※最低賃金の引上げでなく、労働市場の価格調整による引上げのほうが正当性があると思うが。

    討論終局、採決。

    採決結果 投票総数 235
    可とする者(白票)  72
    否とする者(青票) 163
    ・山下貴司法務大臣への問責決議案は否決。

    (安倍晋三内閣総理大臣問責決議案について)

    (蓮舫)
    ・自民党の森山国会対策委員長は、安倍総理が外遊する前に衆議院を通過させたいと公言した。安倍総理や菅官房長官が公言したように、来春から実施したいとする官邸の意向を酌んだ。
    ・安倍政権発足後、大きく変わったのは政府の政策決定プロセスで、経済財政諮問会議、産業力競争会議、規制改革会議、未来投資会議など、首相官邸に設置された政府の民間委員による会議体が発案したものが次々と法案化され、国会に提出され、採決されるようになった。漁業法改正、外資規制のないPFI法、卸売市場に民間参入できるようにする卸売市場法、民間企業が種子産業に参入しやすくするための主要農産物種子法の廃止、高度プロフェッショナル制度の導入を決めた働き方関連改革法案など、これらの法案のどこに国民の声、国会の丁寧な審議が反映されているというのか。反映しているのは、総理官邸に設置された会議体の声だけではないか。
    ・2018年1月も、働き方改革関連法案、裁量労働制で働く人は一般労働者よりも残業が短いというデータもある、総理が言ってきたが、厚生労働省は比べてはいけないデータを比べて答弁書を書いていたことが明らかになった。撤回後にも更に200件以上の不適切データが発見されている。衆議院の委員会採決の当日の朝にも新たに不適切データが発見されたにもかかわらず、データを取り直すことをせずに採決、法案を通すことを繰り返してきた。
    ・良識の府と言われる参議院では、与野党が、政府が間違ったことをしたときには正さなければいけないという大変重い伝統のある文化があった。

    (岡田直樹)
    ・各党からの要求を受け、入管法等の一部改正案について、安倍総理出席の参議院本会議、参議院法務委員会においても直接総理に質問する時間を設け、審議を深めてきた。
    ・施行の前に政省令事項を含む法制度の全体像を国会に報告し、制度の全容を示すということも明言している。細部事項を政省令事項に委ねることだけを取り上げて国会軽視だという批判は当たらない。

    (難波奨二)
    ・森友学園、加計学園の件で行政府における組織的な情報隠蔽、公文書の改ざんという犯罪的行為まで発生して、大島衆議院議長は7月31日に、異例とも思える衆議院議長談話を発表したが、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案の審議においても、失踪した技能実習生への調査について、法務大臣や法務省の説明と全く違うデータ改ざんや隠蔽が明らかになった。

    (舟山康江)
    ・第197回臨時国会での最大の使命は、2018年発生した数々の災害への対応のために編成された補正予算を速やかに成立させ、被災地の復旧を後押しすることだった。西日本豪雨、台風21号、台風24号、9月4日の北海道胆振東部地震など、規模も被害内容も過去最大級の災害が多発した。もっと早く対応を、速やかに補正予算を、そんな被災地からの声をたくさん受ける中、もっと早く臨時国会を開くべきであると再三要求を続けたが、召集日に所信表明演説が行われたものの、実際に審議入りしたのは週明けの29日だった。国会の召集は内閣が決定する。なぜもっと早く召集しなかったのか。
    ・災害対応のための臨時国会といいながら、政府は重要な法案を幾つも提出してきた。出入国管理及び難民認定法改正、漁業法の70年ぶりとなる改正、水道法改正、日EU・EPAの条約など、重要広範議案とも言える法案であり、もっと時間を掛けて審議を重ねなければならない。安全保障関連法は、特別委員会を設置の上、100時間を超える審議を行い、TPPは、条約と国内関連法の審議を合わせて、特別委員会設置の上、62時間55分を掛けて審議した。働き方改革関連法でさえ40時間53分の審議を行った。今国会での審議時間は、例えば日EU・EPAは4時間30分。
    ・6年前に自民党に政権が戻り、第二次安倍政権が誕生して以来、官邸と官邸直属の規制改革推進会議や未来投資会議、国家戦略特区諮問会議の民間委員たちが政策決定に介入するようになった。官邸直属の会議体のメンバーは官邸、総理の一本釣りであり、恣意的な偏った思想の結果になる当然。

    (山下芳生)
    ・法案の衆議院通過自体、首相の外遊日程に合わせた強行だと与党も言明してきた。政府が国会の最重要法案と位置付ける法案を首相の外遊日程に合わせて強行するなど、戦後の国会の歴史でもなかった。

    討論終局、採決。

    採決結果 投票総数 235
    可とする者(白票)  72
    否とする者(青票) 163
    ・安倍晋三内閣総理大臣への問責決議案は否決。

    2018年12月7日
    衆議院財務金融委員会,第3号

    主要発言者
    高木錬太郎(立憲民主党,第48回衆議院選挙,2017,比例北関東ブロック:茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県)
    黒田東彦(参考人,日本銀行総裁)

    内容まとめ

    (高木錬太郎質疑時)

    ・「入管法改正が成立して外国人労働者の受入れが拡大したら、物価、賃上げの下方圧力になるのではないか」「一般論として、労働需給が極めてタイトな中で、同一労働同一賃金の原則のもとで外国人材の受入れが拡大しても、そのこと自体が必ずしも賃金の抑制につながるわけではないと理解している。政府は外国人材の受入れが労働環境に悪影響を与えないよう運用を図る方針にあることも認識している。外国人材の受入れが拡大することになった場合、日本銀行としても、その経済、物価への影響について点検したい」

    2018年12月8日
    参議院法務委員会,第9号

    主要発言者
    櫻井充(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,宮城県選挙区:宮城県)
    山下貴司(自由民主党,第48回衆議院選挙,2017,岡山県第2区:岡山市,玉野市,瀬戸内市:法務大臣)

    内容まとめ

    横山信一法務委員会委員長より、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する質疑を終局することが提案され、採決の結果質疑は終局することに決定した。

    (櫻井充)
    ・反対討論ぐらいは言わせてほしい。
    ・与野党で、重要広範議案であれば最低二十日間は議論するのがこれまでの暗黙の了解だったと思う。
    ・今日強行採決されるのであれば、衆議院議長が言っていた資料が出てきたら集中審議を求めていきたいし、閉会中審査も行いたい。
    ・委員会で質疑しましたが、いっぱい不明な点がある。例えば社会保障の問題。海外にいる扶養家族がどうなるのか。

    横山信一法務委員会委員長より出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する採決が提案され、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定した。

    (櫻井充)
    ・ただいま可決された出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、公明党、国民民主党・新緑風会及び日本維新の会の各派並びに各派に属しない議員山口和之君の共同提案による附帯決議案を提出する。

        出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
      政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
     一 本法附則第二条の趣旨を踏まえ、人材確保が困難な状況にある地域において外国人労働者により不足する人材を確保するための具体的措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
     二 特定技能外国人が日本人と同等額以上の適正な賃金の支払いを受け、公正な処遇を受けるよう、関係省令等に適切な規定を設け、必要があると判断された場合には、報酬の適正性に関する判断基準等を検討するとともに、特定技能雇用契約の適格性を厳正に審査し、関係機関の緊密な連携の下、受入機関及び登録支援機関に対し、賃金の支払状況や支援の実施状況等についての監督を十分に行い、不正行為があったときは厳正に対処すること。
     三 技能実習に関する制度及び外国人留学生が出入国管理及び難民認定法第十九条第二項の許可を受けて行う報酬を受ける活動に関する制度の運用の実態を検証し、その結果に基づいて、制度又は運用の見直しその他の必要な措置を講ずること。
     四 外国人労働者及びその家族に関する社会保障制度及び日本語教育を含む教育制度の在り方について、これら制度の適切な運用を確保しつつ共生社会を実現する観点から検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
     五 特定技能制度の運用については、生産性向上や国内人材の確保のための取組を十分に行ってもなお人手不足の状況にある分野であることを客観的データ等を用いて適切に判断し、かつ、所要の技能を有することを試験等により正確に判定するなど、制度の趣旨を遵守するとともに、特定技能外国人の受入れにより日本人労働者の労働条件低下を招くことがないよう、関係機関の連携の下、状況に応じ、当該分野の受入れ停止を含む適切な対応をとるものとすること。
     六 分野別運用方針に記載する受入れ見込み数は、政府が国会答弁で述べたとおり、当該分野の雇用情勢全般に関わる事項についての大きな変化が生じない限り、受入数の上限として運用すること。
     七 特定技能外国人の送出国における悪質なブローカーの介在等を防止しつつ有為の外国人材を受け入れるため、送出国当局とも連携しつつ、実効性のある方策を講ずること。
     八 不法滞在者等を不法に雇い入れる雇用主や不法就労をあっせんする悪徳ブローカーの責任が重大であることに鑑み、関係機関の連携を強化し、不法就労助長行為の防止及び厳格な取締りに努めること。
     九 我が国に適法に在留する外国人労働者の権利利益が十分に保護されること及び外国人が不当な差別を受けることなく我が国社会で共生していくことの重要性に鑑み、関係機関の連携の下、法令違反、不正行為に対する厳格な対応を行うとともに、ワンストップ型の相談窓口を設けるなどして、外国人が相談をしやすい仕組みの構築を検討すること。
     十 近年の我が国の在留外国人数の増加を踏まえ、在留外国人からの永住許可申請に対しては、出入国管理及び難民認定法第二十二条第二項の要件の適合性について、厳格に審査を行うこと。
       右決議する。

    横山信一法務委員会委員長よりこの附帯決議案に対する採決が提案され、この附帯決議案も多数をもって参議院法務委員会の決議とすることに決定した。

    (山下貴司)
    ・ただいま可決された出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議に関しては、その趣旨を踏まえ、適切に対処する。

    2018年12月8日
    参議院議員運営委員会,第12号

    主要発言者
    白眞勲(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    田村智子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)

    内容まとめ

    足立敏之提出の動議に対する意見

    (白眞勲)
    ・自民党の足立敏之からの出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案を議題として緊急上程する動議に対して反対。
    ・与党は、参議院の審議を21時間余りで審議を打ち切り採決を強行した。断固抗議する。
    ・合意がない場合には委員長が職権で事を決することを否定するものではないが、与野党の合意の上で委員会運営ではなく、委員長は最初の委員会開催から職権での開催を続けた先ほどの採決は無効であり、法務委員会に差し戻すべき。

    (田村智子)
    ・法案審議の前提として野党が要求している資料を法務大臣はいまだ提出拒否をしている。このまま採決をすることは、国会に対する審議妨害を黙認することになる。
    ・連合審査の要求を棚上げするなど、法案の審議は尽くされていない。なぜ連合審査が必要なのか。例えば、国家戦略特区では既に農業支援人材として外国人の受入れを開始していますが、内閣府、法務省、農水省、厚労省四府省と関係自治体による管理協議会をつくり、受入れ企業への巡回指導や監査などを行っている。理由を内閣府にただすと、各府省の権限が異なるからだと説明をしている。政府が、人手不足だ、深刻だとする14業種に関わる府省の大臣はそれぞれの権限を持っている。労働法制を担当する厚労大臣に対する質疑を始め、この14業種に関わる省庁の大臣が法案の質疑に対して答弁を行うことは当然ではないか。

    ・足立敏之提出の動議は可決。

    ・暫時休憩〔休憩後開会に至らなかった〕
    ※この「休憩後開会に至らなかった」の議会運営上の意味って何なんだろう。

    2018年12月8日
    参議院本会議,第10号

    主要発言者
    有田芳生(立憲民主党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    長谷川岳(自由民主党,第24回参議院選挙,2016,北海道選挙区:北海道)
    大野元裕(国民民主党,第24回参議院選挙,2016,埼玉県選挙区:埼玉県)
    石井苗子(日本共産党,第24回参議院選挙,2016,比例区:全国)
    仁比聡平(日本共産党,第23回参議院選挙,2013,比例区:全国)

    内容まとめ

    (有田芳生)
    ・今回の法案において、現行の技能実習生からの移行が約5割と試算されている。業種によっては100%。技能実習生からの移行がそれだけあると想定しているのであれば、現行制度の実態調査や総括があってしかるべき。
    ・論点が多岐にわたる法案にもかかわらず、技能実習生の現場の声や自治体の声を聴く地方公聴会も開かれることもなく、衆議院でも参議院でも連合審査を行わず、採決されてしまった。
    ・日本テレビと読売新聞が11月25日に配信した世論調査の結果では、この法案を、今の臨時国会での成立にこだわらず議論する73%、廃案にする14%、今の臨時国会で成立させるは僅か9%しかなかった。

    (長谷川岳)
    ・全ての都道府県で有効求人倍率は1倍を超える中、少子高齢化が進展し、人手不足は深刻化している。
    ※与党が少子高齢化を引き合いに出すなら、その対策がなぜ上手く行かなかったことについて反省の弁がないと納得できません。労働者の収入が減ったから費用のかかる子育てに繋がらなかったのではないでしょうか。
    ・具体的には、政府から、本法案に基づいて策定される分野別運用方針において向こう五年間の受入れ見込み数が示され、これが上限として運用されていくなど、運用に関する重要な事項が明らかになっています。

    (大野元裕)
    ・責任ある政治とは、国の形を変えかねない外国人労働者受入れ政策の是非とその具体について国民大の理解を求め、政策の転換に伴う問題を最小限にとどめるよう取り組むのが筋。
    ・特定技能制度導入を待たずして、安倍政権下で外国人労働者は急増し、厚生労働省の発表では2012年から倍増している。技能実習生の8割が建設業か製造業で働き、留学生の半数以上がサービス業で働いている現状に鑑みれば、安価で都合の良い労働者が増加してきたことは明白。実質的な移民受入れをコントロールできなかった安倍政権に多くを委任することは不可能。外国人を受け入れる分野や必要とされる技能水準についての法規定は曖昧で、受入れ分野や人数など、余りに多くが政省令に委ねられている法案に賛成する余地はない。
    ・外国人労働者受入れ政策に国民の理解が得られなかった結果、フランス、ドイツ、アメリカなどでは外国人労働者排斥デモや暴動まで発生した。
    ・国民民主党案が求める検討事項は、第一に、特定技能外国人の人数について、客観的、合理的な基準に基づき、特定産業分野ごと及び地域ごとに上限を設定すること、第二に、地域別の上限数を設定する必要がある。第三に、特定技能外国人に対して報酬が確実に支払われていることを確認する措置を求める。第四に、一号特定外国人の扶養家族の在留を可能せしめる措置の検討を求める。さらに、特定技能外国人等に対する社会保障制度及び教育制度の在り方に関する検討を求める。ほかにも、出国を制度的に担保するとともに、在留資格の変更に際して一旦出国をさせるという他国の制度を検討することも述べている。
    ・衆議院での修正で、施行後3年の見直し期限が2年に短縮されたが、法案の基本的問題には答えていない。

    (石井苗子)
    ・日本維新の会は、自民党、公明党と修正協議を行い、特定技能制度の在り方に対する検討の時期を3年後から2年後にすること、大都市圏などに外国人材が過度に集中しないようにする措置を講ずること、在留管理に個人識別番号の利用を検討することなどで法案を修正することで合意し、衆議院で法案が修正されたことをもって、本法案に賛成する。
    ・現在の日本は、需要があるにもかかわらず、人手が足りないために供給ができない。民間企業はビジネスチャンスを逃し、マクロ的に見ましても日本は経済成長を望めない。人材が不足する分野に限って外国人労働者を受け入れることも一定の合理性があると考える。
    ※でも供給力の引き換えが労働者の賃金上昇の可能性、つまり購買力を削るってのもねえ。
    ・公益財団法人国際人材育成機構の報告によれば、インドネシアからの実習生は、3年間で3百万円の貯蓄を目標として実習し、その実習生の中には日本で身に付けた技能を基に本国で起業した人が7千人いる。起業した会社は多くの雇用を生み出し、それまで華僑に支配されがちであった経済界の中で、民族資本の形成を促進し、本国政府から喜ばれている。
    ・技術を持ち、かつ一億人を超えるマーケットがあればこそ、日本は国際的な発信力がある。

    (仁比聡平)
    ・地域経済や中小企業、農業、建設、介護など、深刻な人手不足をつくり出してきたのは自民党、公明党の政治ではないか。大企業の利益を優先し、構造的な低い賃金や単価の改善をないがしろにして外国人労働者の受入れで補うなら、困難を固定化し、更にひどくすることになる。
    ・現時点で受入れを検討している14業種のうち13業種で実習生からの移行を前提とし、その多くが80%からほぼ100%の移行を見込んでいる。
    ・ハローワークの母国語相談は、例えば九州でいえば福岡市と別府市にしかない。大方の実習生に母国語で求職活動できる場はない。
    ・受入れ企業から支援を委託される登録支援機関には技能実習制度の監理団体が横滑りできる。登録を受けない未登録団体が営利目的で委託料を受けて行うことも認められる。
    ・受入れ企業には、技能実習と違って国内労働者比率の基準もないため、日本人社長一人、特定技能一が百人の派遣会社もあり得る。
    ・総理と官邸の主導で労働政策そのものにあるにもかかわらず、労政審への諮問は必要ないとして、公労使三者の審議も行わなかった。

    討論終局、採決。

    採決結果 投票総数 237
    可とする者(白票)  76
    否とする者(青票) 161
    ・本案は可決された。

    ■ 第197回 国会での演説・質疑・答弁・討論のまとめ ここまで

    それにしても、ここまでまとめてきたのですが、思いのほかまとめる手間がかかってしまい発言そのままコピペでもよかったかな、とその点ではちょっと後悔してます。

    それではここまで一通りまとめた感想を。法案絶対可決の指示が下ったらよほどのことが無い限り衆参両議院ともに期日までに可決するのは目に見えていて、即ち衆参両法務委員会でも可決するのは既定路線で、それまで質疑や答弁をいかにやりくりするか、間違っていまったものは謝罪すれば済むし、わからないことは努力します検討しますって言っておけばいいし、あらかじめ答弁のひな形、テンプレートをつくっておいて使いまわせば何とかなるものなのかなあっていうのが第一の感想です。

    それにしても質疑にテンプレで応答するのって議論に深みが出なくて、つまりより良い国をつくり上げる気概が見えなくて限られた期間の限られた委員会の限られた時間を時間稼ぎして逃げ切るぐらいの意味しかなくってなんだか質疑に対してずれているようなところもあってそれは結局相手に対して真正面から向かい合ってなくて力で押し切るってこういうことなんだなあ、と見てて思うのです。

    一つ気になった論点を上げると単純労働ってどうなるのだろう、と。参議院法務委員会第6号の質疑から抜粋すると、

    ——–ここから——–

    ○石井苗子君 そうなりますと、特定技能外国人労働者が転職できるとなっていますね。確認ですが、これは産業上の十四分野で複数の分野の職業にわたって転職できますか。例えば、宿泊業から農業へといったふうに転職はできるんでしょうか。例えば、宿泊業の現場でシーツ交換を専門にそればかりやらされていたコンシアージュという技能を持った特定技能外国人の方が、介護の分野の職場でお給料が高いというところにそのシーツ交換ということの技能をもって転職ができるのか、できないのか、どちらでしょう。
    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
     今回の受入れ制度におきましては、特定技能外国人が自らの意思により入国、在留が認められた分野の範囲内で、一定の要件の下、転職を行うことを可能としているものでございますが、今回の受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するために外国人材の受入れが真に必要な分野に限って当該分野における一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるものでございます。
     そのため、特定技能外国人が受け入れられた分野と異なる分野に転職するということになりますと、当該外国人が有する専門性、技能を生かした就労活動が期待できませんので、新たな受入れ制度の趣旨にもとるということになります。したがいまして、このような転職は認めないこととしているところでございます。
    ○石井苗子君 そこが実に曖昧なんですね。
     転職ができるとなると、こちらのお給料の方が高い、この環境では私の技能が生きていないので、Aという宿泊業から、コンシアージュの技術を持っているのにシーツ交換ばかりやらされているから、だったら介護の方に行ってもっと高い給料に就きたいということの転職は、試験でも合格すればできるんでしょうか。
    ○政府参考人(和田雅樹君) おっしゃるとおり、その二つの分野それぞれにその技能を測るものに試験等がございまして、当然、その試験等に合格するということでその技能が水準が満たしているということになりましたならば、その技能の分野に転職するということも可能ではあろうかと思います。
    ○石井苗子君 これ、もう本当に自由になりますね、転職が。
     例えば、先ほど、介護の分野のどこの作業のどの仕事がどのくらい足りていないのかということが把握できていないということになりまして、今のように、試験に合格すれば自由に宿泊の専門職の人が介護の専門職に変わることもできるということになります。
     質問の傾向を変えますと、介護の仕事で、これは非常に人手が不足しているところです、介護の仕事で嚥下管理というのがあります。飲み込むということで非常に難しい技能ですけれども、この嚥下管理は介護の特定技能に属しておりますが、したがいまして、清掃だとか整理整頓というのは特定技能とはされておりません。こうなりますと、人手不足の職場で仕事拒否というのはできるんでしょうか。自分の仕事ではないと言えますか。
    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
     作業の中には様々な作業がございますので、それの一連の作業を見ていくわけでございますけれども、技能水準は、例えば介護なら介護における技能水準というものを見ます。その際に嚥下管理に特定したものにするかどうかということは、その業務内容の特殊性というものをどこまで見るかということは分野別運用方針の中で定めていくわけでございますけれども、いずれにいたしましても、就労の在留資格におきましては、一般に、当該在留資格に関する活動以外の活動であっても、その活動、付随する業務というものを行うことは当然含まれるわけでございまして、例えば嚥下管理の方が、少しの、それが主となるわけではない整理整頓作業について、これは自分の特定技能に当たらないということで仕事拒否する理由にはならないというふうに考えているところでございます。
    ○石井苗子君 そうすると、雇用の、雇用主と、自分は嚥下管理のプロであるといって来たんだけれども、何か仕事の内容は忙しい、足りない、ここが人手不足だというところに回されてしまって、自分は専門性でも技能者でも何でもないじゃないかということで不満が増えてくることを私は心配しております。(以下発言略)

    ——–ここまで——–

    というやりとりがあって、分野別運用方針でどの業務が特定技能なのか、どこまでが付随する作業なのか、「人手が足りないのでこの作業も特定技能にして下さいっ!」なんて陳情が業界から出てくるのか、業務の大半が特定技能でなくても「付随する作業」とういうことにして問題無しにしたりするのか、なんてことが次々と浮かぶわけです。

    仮に法律や省令の条文上、あるいは答弁から認められないような出来事があっても、それを指摘して然るべきところ(まず役所、だめなら野党?)に通報しないと端(はな)から無かったことになるだろうし、通報しても役所も野党も動かないかもしれない、野党が動いて、例えば国会で取り上げられたとしても私も含めて国会の議事録なんて大半の国民は読まないだろうからマスコミをあてにするしかないがマスコミも取り上げ(られ)ないかもしれない、仮に大々的に取り上げて選挙の争点レベルになったとしても、国民の心情に寄り添う野党が無ければ今は折角ワンチャンあれば与野党逆転のチャンスがある小選挙区制なのに与党に危機感が高まらず、よって改善する動機も起こらないので、政治のことを思うとじりじりと心がすり減るような状況はこれからも続くのだろうと思ってます。

    人間どうしても限度というのがあって、日に6時間7時間は寝なければ体が持たないし、平日9時間10時間程度は通勤時間込みで労働に時間を費やさなければならない、食事と風呂に1時間は欲しい。さて、1週間でどれだけ政治に時間を割(さ)けるか、なんて考えると他にやりたいことも多いので空いている時間を全て政治に突っ込むなんてできないのだろうけど、もう少し効率のいい情報の取り方は無いのだろうか、と思ったりします。一つ今浮かんだことを書いておくなら、国会会議録が出来たらすぐに「ページを拡大すると文章がより詳細に書き足される技術 興味深い部分だけくわしく読めるアイデアが注目集める」(ねとらぼ)の技術で作成したら今よりも国民が国会議事録に目を通すようになって政治、すなわち自分達の世の中をつくり上げていく活動に興味を持ったり活動したりするのだろうか、などと考えてたところです。

    今の与党に拮抗しうる野党が無いのはそもそも他人が自分の思うようにならない以上仕方がないことなのでしょうが、選挙制度には少し思うところがあって、国政選挙の供託金が300万だの600万だのってもう少し安くならないものなのでしょうか。人生を賭けるような額でしょう、これは。ここまで来ると泡沫候補が乱立する弊害を防ぐ効果より、政治に意欲も能力もあるけど金欠のため政治家への道が見えない人が増える弊害のほうが大きい気がします。もとよりノウハウのない人が勝てると思えない、新規参入が難しいところなのにハードルを高くしてもいいことはないでしょう。

    ふと思いついたのが、選挙を国から支給された限定した金額で闘う(ボランティアも禁止、政府から人員、物資等が派遣、支給される)というアイデアなのですが、深く考察するのはやめておいてとりあえずここに書き記すだけにしておきます。ただ、仮にこれが実現したら選挙に関しては議員の党に対する依存が減少し、その分党議拘束に縛られなくなり自分の意見が出せたり、あるいは採決に反映するのではないかと考えています。その良し悪しはまた別として。

    それと、政治家になった場合これさえ読んでおけばいいようなマニュアル本とかってないのでしょうか。おそらくそんな感じがする本を2、30冊読めばおおよそ把握できるのでしょうが、それでも系統立てて学んでおかないと「抜け」が生じる気がしてこわい、せっかく当選してもミスしたら自分を支持してくれた方に申し訳が立たない、そんな理由でも気後れは気後れなので、知識的な面でも埋められるところは埋めておきたいと思うのが人情なのではないかと思います。さらに言うなら、議会戦術的なノウハウ、例えば「不信任決議案はこう使え」「委員会欠席の良し悪し」などを網羅したものもあれば更に良いのですが。

    今回のこの法案が改正された過程、委員会や本会議での経緯は、おそらく法律が出来るまでを学ぶにあたっては良い例ではないのだろうと思います。法律案は大雑把で特定技能制度の対象となる業務内容などの資料も提出されず細部は省令で定めるだの、話も議事の進め方も納得がいかない部分が多く、この程度……こんな言い方はしたくはないのですが、本当にこの程度で改正案が可決されてしまって酷いものです。

    しかし、その一方で私はこの改正案が衆参両院で可決されたのが現実であることを重視したい、とも思っています。これからもこんな、じっくり議事録を読めば耐えきれないような経過を経て決定される法律は出てくるのでしょう。委員会などにあるのは緩い慣例、慣習で、罰則が伴わない規則ではない以上何だってあるのだろう、と(ただし、罰則があってもやる人はやる、そういうことはある)。それを嘆くばかりより、そういうものだと割り切って考えたほうが次に有効な対策が打てる気がします。

    この改正案ついてもう少し付け加えるなら、将来この改正案が原因で生きづらい世の中になった場合、例えば外国人労働者が沢山入ってきた後に景気が落ち込んで就職状況がより悪化したら、この改正案に可決した議員には責任があり、不信任案や解任決議案に反対しなかった議員には更に責任があるので、選挙のときは議事録を参照しながら、できればその旨をブログに記しつつ(議員の名前で検索した際に検索で引っ掛かる可能性が、無くもない)、相手側陣営に教えてあげるのがお金が無くてもできる抵抗なのだろうなあと考えてます。

    また、この人手不足の問題を考えるにあたって一番肝心なのは、労働と少子化対策の観点からどのような暮らしが理想で、現実的にはそこにどこまで近づけるか、をイメージすることでしょう。政治家視点だとどのように働かせるか、になってしまいますが、そんな俯瞰的な見方も客観的な判断のためには必要です。共稼ぎで二人か三人子供を産むとなると賃金は手取りいくら必要で、この人手不足でどこまで賃金が上がるか。ただ、賃金が上がった分は消費者としての自分がその分負担する話でもあるので、私はむしろ今まで安すぎたからこれから出費がかさむのは仕方がないと思っているのですが、それをどれぐらい許容できるか。そしてどれぐらい残業してどれぐらい家庭に時間を使って……なんて感覚は国民の大多数を占める勤め人のほうがわかるものであり、その思考の結果が確実に示されるのが選挙であり投票なのですね。あとは政策を立てて自ら議員に立候補して信を問い当選の暁にはその政策を遂行するか、ブログに自分の考え方を書いて世に広めるかパブリックコメントに応募するかで、最初のはかなり難しく残り二つも確実性はないのですが、それでも少子化、人口問題については出生率2.1以上を維持できなければあとは先細るだけであり、また、もしかしたら考えとかも案外受け入れられるのかもしれないので、やれるだけはやっておいたほうがいいのでしょう。今のうちに。

    この法案に関連してパブリックコメントを沢山募集していて、その一覧を、こちらにまとめました。これを書いている時点でまだ4件受け付けていますので(リンク先ページの下から4件)、この問題で一言物申したい方、釈然としない気持ちの方はとりあえずクリックして募集ページをのぞいてみてください。言っても反映されるとは限りませんが、的確な異論が無ければ、行政側も問題点は無いとみなして進めるしかないでしょうから。

    あと、この「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」については、その後も引き続き国会で討論されています。現時点でこの話題、ならびにこれに関連した話題について討論等をしている委員会等のリンク(やっぱり国会会議録を「外国人」で検索した結果)を以下に貼っておきますので、興味のある方はご覧ください。ここまで目を通していただきありがとうございました。日本が良い国になりますように。

    2019年01月23日
    衆議院法務委員会,第10号

    2019年01月24日
    参議院法務委員会,第1号

    2019年01月28日
    衆議院本会議,第1号
    2019年01月28日
    参議院本会議,第1号
    ※安倍晋三内閣総理大臣の施政方針演説。一応。

    2019年01月30日
    衆議院本会議,第2号

    2019年02月01日
    参議院本会議,第4号

    2019年02月04日
    衆議院予算委員会,第2号

    2019年02月05日
    衆議院総務委員会,第1号

    2019年02月07日
    参議院予算委員会,第2号

    2019年02月12日
    衆議院予算委員会,第5号

    2019年02月13日
    衆議院予算委員会,第6号

    2019年02月14日
    衆議院予算委員会,第7号

    2019年02月14日
    参議院政府開発援助等に関する特別委員会,第2号

    2019年02月15日
    衆議院予算委員会,第8号

    2019年02月20日
    衆議院予算委員会,第10号

    2019年02月21日
    衆議院予算委員会,第11号

    2019年02月27日
    衆議院予算委員会第二分科会,第1号

    2019年02月27日
    衆議院予算委員会第三分科会,第1号

    2019年02月27日
    衆議院予算委員会第五分科会,第1号

    2019年02月27日
    衆議院予算委員会第六分科会,第1号

    2019年02月27日
    衆議院予算委員会第八分科会,第1号

    2019年02月27日
    参議院国民生活・経済に関する調査会,第2号

    2019年03月06日
    衆議院法務委員会,第1号
    2019年03月07日
    参議院法務委員会,第2号
    ※山下貴司法務大臣の説明、所信。一応。

    2019年03月07日
    衆議院農林水産委員会,第2号

    2019年03月08日
    衆議院外務委員会,第2号

    2019年03月12日
    衆議院厚生労働委員会,第2号

    2019年03月12日
    参議院予算委員会公聴会,第1号

    2019年03月12日
    参議院法務委員会,第3号

    2019年03月12日
    参議院農林水産委員会,第2号

    2019年03月13日
    衆議院文部科学委員会,第2号

    2019年03月13日
    衆議院厚生労働委員会,第3号

    2019年03月15日
    衆議院文部科学委員会,第3号

    2019年03月20日
    参議院法務委員会,第4号

    2019年03月20日
    参議院国土安全委員会,第3号

    この記事は以上です。
     
     
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    お堅い話の後は、やる気になるこの曲をどうぞ。


    「スタンバイのテーマ」(1:42)です。
     

     

    とりあえず政治の本を色々と。「アジアから吹く風―いま外国人労働者のふるさとは」は政府参考人・法務省大臣官房審議官の佐々木聖子の著書です。