少し気になって調べたので、今の心境とともにまとめました。
●年金などについて
国民年金(国民年金法における老齢基礎年金)と厚生年金(厚生年金保険法における老齢厚生年金)について、支給開始年齢の推移を以下に記しました。
国民年金
65歳(制度発足当初より)
厚生年金
1942年 労働者年金保険法
男子55歳
女子適用除外
1944年 厚生年金保険法
男子55歳
女子55歳
1954年 厚生年金保険法改正
男子55歳→60歳(4年に1歳ずつ。1957年度から16年かけて引上げ。)
女子55歳
1985年 厚生年金保険法改正
男子60歳→65歳(ただし、60歳~65歳まで老齢厚生年金を特別支給。)、
女子55歳→60歳(3年に1歳ずつ。1987年度から12年かけて引上げ。)
1994年 厚生年金保険法改正 老齢厚生年金の定額部分について、
男子60歳→65歳(3年に1歳ずつ。2001年度から12年かけて引上げ。)
女子60歳→65歳(3年に1歳ずつ。2006年度から12年かけて引上げ。)
2000年 厚生年金保険法改正 老齢厚生年金の報酬比例部分について、
男子60歳→65歳(3年に1歳ずつ。2013年度から12年かけて引上げ。)
女子60歳→65歳(3年に1歳ずつ。2018年度から12年かけて引上げ。)
※ 老齢厚生年金 = 老齢厚生年金の定額部分 + 老齢厚生年金の報酬比例部分
参考 (厚生労働省・第4回社会保障審議会年金部会資料の資料1(PDF))
現在では両年金について60歳からの繰上げ受給と70歳からの繰下げ受給が可能。
なお、今後の方針として現時点では、70歳以降でも繰下げ受給できるようにしようという話が出てきています。これは、個人の意志で70歳以降になっても年金を受け取らず、その代わり受け取るようになった際にはそれまで年金を受け取らなかった分、一カ月分の受給額が増える話で、受け取る側にとっては長生きしたら人生における年金受給の総額が年金を早く受け取った場合よりも大きくなることを見込んだ話です。これによって65歳とか60歳とかから受給する人に対する影響は無いわけで、現段階の議論で将来いつから年金を受け取れるかというと、今まで通り60歳から70歳、先の話次第ではそれ以上の年齢から年金がもらえる、と考えていいわけです。
繰下げ受給については、あくまでも私の場合ですが、ある年の払った年金総額をその年金を払ったことによって増えた年間の受給額で割った結果、約8年間受給したら取り戻せることがわかりました。仮に70歳受給でも80歳前には取り戻せるわけですが、年老いて生き続けることによって生じる不都合や、逆に病気や老化とかで人生が終わりやすくなることを考えると、これは結構きわどい賭けだと思います。
昔、「年金100年安心プランで大丈夫」なんて話を聞いたことがある方もいると思います。これは2004年の年金制度改革の際に出てきた言葉で、この改革では本当に大丈夫か5年ごとに検証することが義務付けられています。前回の検証は2014年ですが、当時の記事を読んだ感想としては危うい感じです。奇しくも今年、2019年にその検証が行われるので、どんな結果になるのか見逃せないところです。
もっとも、安心プランから14、5年たって出てきた話が70歳以降からでも年金を受け取り始めることができるようにする程度なのでまだそんなに慌てなくてもいいのかもしれない、というのがここまで調べた感想です。
ただ、年金についてはおそらくもらえるだろうし、もらえる以上は払い続けるわけですが、しかし、それまでの間に状況が変化してもらえる額が少なくなったり、もらえなかったりする可能性はまだ捨てきれないでいます。生活保護のように受給資格に所得(財産)が組み入れられ、貯蓄が数百万を下回らないとお金がもらえなくなるような、そんなイメージも浮かんできます。
ただ、この手の金を納める額が増えてきているのは気がかりです。例えば、二十歳になったら学生でも国民年金に加入しなければならなくなったのが1991年から(1989年の国民年金法改正)とか、消費税が1989年に0%から3%になり、1997年にそれが5%になり、2014年に8%、今年2019年10月に10%になる予定(軽減税率8%のままのものもあり)とか、そんな流れです。
世の中には、世の中を表すためのいろいろな言葉があります。「無い袖は振れぬ」という言葉は真理か、あるいは真理にかなり近いものを感じます。泣いても笑っても愚痴っても嘆いても、無いものは無いのです。年金については今回少し調べて不安が少し払拭された部分もあるのですが、それでも、もしかしたら無い袖は振れぬことを実感する局面があるかもしれないことは今まで同様肝に銘じておきます。
なお、時折ニュースで話題になる医療費の自己負担については「第91回社会保障審議会医療保険部会」の「資料2-2 患者負担について(高齢者の自己負担、高額療養費、かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担等)」(PDF)4ページ目(表紙含めて5枚目)をどうぞ。少しずつ負担が増えているものの、最後の変更が10年以上前なのが意外でした。
●国家財政について
日本の財政については、以下が冷静な感じでした。
日本の財政はどの程度厳しいのか:現状、将来、金融市場への影響に関する6つの疑問 大槻 奈那
日本の財政状況についてどのように考えるか?中里透 / マクロ経済学・財政運営
ただ、財政が赤字でいる間は福祉も含めて支出面で厳しい話になるはずでどうしても身構えてしまいます。基礎財政収支が黒字化するのが早くて2027年以降。当初の予定である2020年目標からの延期なので、何かあったら再度……ヘタすればいつまでも伸び続ける予感がしなくもないです。
財政といえば、高所得者に対する累進課税の強化とかもう少しできると思うのですが、それを声高に推進している政党はなかったような。こういうと必ずと言っていいほど出てくるのが高所得者が海外に逃げるという論ですが、あまりきちんとした話を聞いたことがないのですよね。税金を何%上げれば日本国民のうち何%いる高所得者が何%海外に資産を移したりするから税収がこれだけ減る、という数字を伴った話が。最近、ここ20年ぐらいでも実例があれば参考になりそうなのですが、どうも税率を上げて高所得者が大勢国外に移住して日本の税収に影響を及ぼすイメージが湧かないのですよね。なお、それで日本から資産がなくなるのであれば、そうならない程度に少しずつ税率を上げていくのが手なのだろうなあ、と思っています。
というか、日本が高所得者に対する課税を減らしたとき、税収は上がったのでしょうか。その理屈だと海外から高所得者が言葉の壁など越えて入ってきて税収が増えているはずなのですが、どうなんでしょう。財務省の「所得税の税率の推移(イメージ図)」によると、所得税の最高税率は昭和61年(1986年)で70%、平成6年(1994年)で50%、平成18年(2006年)で37%、平成27年(2015年)で45%なので、1986年から2006年の間に何らかの変化があって然るべきでしょう。
どれぐらい累進課税が強化できるか。仮に自分が高所得を得て最高税率による金額を納める立場だとしたら、70%……は無いなあ。どんなに稼いでも報われない思いが募る予感。65%……苦しいなあ。約2/3。ちょっと心が苦しい。もう一声。60%。自分の取り分40%か。うーん、納得しないけど国家財政の状況が状況だし、わからなくもない。というわけで、60%から65%の間ぐらいが妥当でしょうか。以上、個人の感想でした。
なお、所得が1憶を越えると負担率が減るという話もあります(黒木玄氏のツイート1、2 上から一通りご一読願います)。なんでも所得控除と、金融所得に対する税率が軽いからそのような現象が起こるようなので、税収のためにはここも一工夫したほうが良さそうです。
再分配についてもう少し語るなら、ネット上で国に補助金を求める声を見かけることがあるのですが、理念だけで「○○にもっと予算を!」というよりも、「●●よりも○○のほうがみんなのためになるから、もっと予算を!」という形で語ったほうがいいのかな、と思いました。
また、クラウドファンディングなど民間同士で金を融通する方法ももっと広がる余地があると思います。行政に陳情するのは昔から行われてきましたが、それに比べて個人や小規模の団体が全国レベルで不特定多数から支援を募ることはあまりなかったのではないでしょうか。行政に対して声を発したことはあっても大勢に向けて説得をしたことがないのであれば、それが不得手であっても不思議ではありません。しかし、これからはお金を出せる人に直接助けを求める、そのために助けられた分だけきちんと見返りがあることを説明できるようにすることが重要になるでしょう。国を介さないほうが金銭の遣り取りの効率がいいということもさることながら、重要な情報が説得力を伴うことでたくさんの人に広まりやすくなり、情報伝播の効率が良くなる効果も大きいと思います。これは、支援する側からみれば必要な情報を見つけやすくなり、自分の好きなものは自分で守れる、あるいはそのための手助けがしやすくなる世の中になることに繋がります。
●少子高齢化・人口減について
少子高齢化。最大の問題点です。少子化故に高齢者を支えることが難しくなり一人あたりの負担が増えて年金保険料が増えたくらいです。この間の外国人労働者受け入れに絡む入管法改正で、日本人労働者の賃金が上がって適齢期のカップルの婚姻が増え育児に対する金銭的負担が軽減されて出生率が上がるシナリオがあやしくなってきました。これは将来予測が外れっぱなしの項目です。
Japan’s birth rate problem is way worse than anyone imagined
(注・グラフだけ見ていただければいいと思います。私も文章は読んでません。 参考)
最近は若干回復傾向にあるのが微かな救いでしょうか。
この国は、将来予測を悪いほうに外してばかりな気がします。東京オリンピック2020はなんで当初の予算があんなに膨らんだのでしょう。もっとコンパクトに開催するはずでしたよね。どうもそういう計算が苦手な気がします。高速道路無料化とか。もしかしたら、そもそもこの手の将来予測自体人智を超えることなのかもしれませんが、それにしても……ねえ。無い袖は振れない、無い知恵は出ない。ただやるせないばかりです。
そして自分は、これらの将来予測を外した前歴をより広範囲に適用される一般法則というかある種の前提条件と思い込んで、直接検討したものよりもより真実に近いと錯覚してしまう……おそらく万が一に備えてより悪い状況を想定してしまう、ということも加味しているのでしょうが、そういうところがあるのでちょっといかんよなあ、と思っています。
ついでに述べておきたいこと。
少子化による人口減少で国内市場が狭くなればどうなるか。例えば月3万個販売して採算がとれていた国内で製造していた製品が人口減で月2万5千個しか売れなくなり赤字になるとすると、企業はその製品の製造を中止するでしょう。その結果、工場が閉鎖されて雇用先を失うだけでなく海外からその種の製品を入れざるを得なくなる。それでいいという人もいるかもしれないが、ならなんでそれまで国産品を買っていたのか。それが日本の消費者に最も好まれていたからではないか。海外からの製品しか購入できないとなると、先に買っていた国産品ほど好きなわけではないのだから、その差の分だけ消費者が不幸になるわけです。これは、自分が他の国に輸出する製品を企画することを考えてみれば見当がつくのではないでしょうか。気候、食生活、衣装、暦(祝祭日)、習俗などの文化、言語など、私はその機会を得たことはないのですが、考えなければならないことは沢山あって、他の国の人にその国の製品と同様に受け入れられるものをつくるのは難しそうです。そして国内メーカーの撤退は、海外メーカーからすれば競争相手が減って値段を上げるいい機会である、ともいえます。人が減ると買い物でのいい思いと金が減る、そんな暮らしがいいとは思えません。
●まとめっぽいもの
さて、ここまで年金やそれにまつわる日本の将来について述べてきましたが、昔より良くなったことはなかったか考えてみます。インターネットの発達がおそらくその最たるものなのでしょう。私としては、酒とタバコに対する反応の違いが思いつきます。
昔は、酒は勧められたら当然のごとく飲むものでした。今でも飲んでおいたほうがいいような雰囲気のときはあります。しかし、それももう昔ほどではなくなり、人付き合いがかなり楽になってきました。酒を昔のように勧めてくる人は、なんか、年齢とか地位が高い人ぐらいのような気がします。
タバコはかつて職場で吸うのが当然でしたが、やがて喫煙室ができてその中で吸うようになって、次第に身近なところから煙が消えてきました。屋外も駅のホームなどにあった灰皿が撤去され、街中もタバコの吸えるところがなくなってきました。これと関連するのは健康に関する知識と実践の増加でしょうか。適度な運動の奨励とか。他にもいろいろあるのでしょうけど、確かに昔より良くなってきた面は沢山あると思います。
もっとも、寿命が延びた結果より多くの年金が必要になって先の受給の問題が生じたりするわけで、結局昔よりも長い期間働かなければなりつつある、というのも釈然としない話ではあります。もちろん歳をとっても働きたい方にとってはいいことですが、私としては仕事する以上それに伴う緊張感から開放されたい気持ちのほうが強いです。豊かさとは何かと問われたら、今のところはのんびりできることが真っ先に浮かぶタイプなので。
これからも日本の国債が買われますように。おそらくこれが日本の生命線なのでしょう。
●メモ
いつか読む↓
「自治体戦略2040構想研究会」において取りまとめられた第一次報告
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