• 問いかける法哲学(瀧川裕英 編)私のツイートまとめ

    先日「第I部 自由 05 チンパンジーは監禁されない権利を持つか? 」についての記事を書いた、「問いかける法哲学」(瀧川裕英 編、法律文化社、2016年初版)についてツイートした分のまとめです。

    ▼▼▼
    2022年5月8日
    今、「問いかける法哲学」(瀧川裕英編、法律文化社 初版2016年)という本を読み始めたところです。これがなかなか面白いので、私の感想、雑感を続けてツイートしてみます。
    https://kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784589037886 #法哲学 #読書

    第I部 自由 01 ドーピングは禁止すべきか?
    (注:禁止する主体は「国家」)

    P9からのマイケル・サンデルの議論。美徳を支える所与を定義できるか。筋肉を増量するホルモンと、例えば成長期にカルシウムやタンパク質が豊富な食材を沢山摂るのと区別できるか疑問に思いました。

    また、ゴルファーの話を元にした目的の話も出て来ましたが、目的も美徳も所詮個人の価値観であり、ドーピングを禁止すべきという価値観の人が多ければそういう法律をつくり、そうでない価値観の人が多ければそういう法律はできない、そういうものだと思って読み進めたら……

    中立性原理の話が出てきて、サンデルのいう目的や美徳は必ずしも自明ではない、という指摘があって、ある意味考慮されてました。

    P14あたりを読んで、多様性(文脈の豊かさ)を保つための国家の文化の保護や加担は、今、それらの需要が無くても将来の国民の可能性のために有りにしないか、と思っていたらその後でドゥオーキンの議論が。同じことを考えたかな、私。

    ただ、その後の議論は中立性議論によって「ドーピング規制による美徳=ドーピング肯定による美徳」となるはずなので、続けるなら「現在のスポーツ実践『以外』の美徳を損なうから、(略)ドーピングを禁止『しない』実践に対して『も』国家が協力し…」と続けないといけないのでは、とも思うのですが。

    その辺の話もP16で触れているものの、どうも消極的に思えます。筆者がドーピング規制に寄っているようなのは、ドーピングを全面的に肯定すると、ドーピングの規制に基づく価値観が隅に追いやられやすいという認識の上での論理なのでしょうか。あるいは筆者の価値観の現れなのか……

    私も副作用で身体を害する行為を大きく押し出すのは躊躇します。しかし、身体を害する覚悟を決めた人間を心情的に止め難い思いもあります。それが、その人にとっての幸福なのでしょうから。

    スポーツを業とする者は特定の薬物を法で禁止する、というアイデアも浮かびましたが、国民平等の原則からそれは考えるべきではないと思いました。例えば、ある種の職に就くことで機密保持などの理由で他の国民よりも表現の自由が制限される、ということがあるにせよ。

    なお、身体に危害を及ぼす副作用を理由としたドーピングの否定をパターナリズム(本人のための制約)の観点から解説して、他にもリスクのある行為(喫煙・飲酒など)を許容しているから整合性を欠く、という言い方をしていて、私も醤油の1リットル一気飲みは危険だけど違法ではないなと思いましたが、

    将来、価値観の話ではなく、財政難から医療保険を元とした医療費の支出を抑えるために(その分、他に予算を回せるので公共の福祉の一環と受け止められる可能性がある)健康によくない方法での摂取が規制されるかもしれないな、とうっすら思いました。

    また書きたいことが出てきたらツイートします。

    2022年5月11日
    第I部 自由 02 自分の臓器を売ることは許されるべきか?

    まだ読んでる途中だけど、筆者の想定とは全然違う(であろう)ことを考えている。もしも臓器売買が許されるのであれば、

    通貨を大量に供給したようなものだから、インフレになるんじゃなかろうか。わからないけど寝ます。#問いかける法哲学

    02 読了。臓器の所有権はあるけど売買は禁止、というのが私の意見です。理由は、希少ではあるが売り手の身体に重大な損失をもたらす上に犯罪を全て未然に防げるわけではないので強要等により個人を破壊する事態が多々ありうるため、売買禁止の社会のほうが総体として被害が少ないと思われるからです。

    2022年5月15日
    第I部 自由 03 犯罪者を薬物で改善してよいか?

    一部を当て字にします。ご理解願います。連ツイです。

    まず、自由刑について受刑者に自刹されたら一定期間自由を剥奪される義務を回避できる、ということを問題提起しているのですが、これはそう重要視することではないのではないかと考えています。

    刑罰の目的として、罪人から何かを剥奪し苦痛を与え、そういう世の中であることを周知することで、苦痛を避ける心理に呼びかけ犯罪を防ごうとする働きがあります。ここで国(裁く側)の責務、そしてできることは罪人から一定の何かを剥奪すること、制限を設けることだけだと考えています。

    本書の例でいうなら、罪人が自刹することで一定の期間以上の自由を剥奪されることになるのだから、一定の期間自由を剥奪する刑の目的は達成されていることになります。

    更に言うなら、刑というのは一般的な感覚に依る基準でしか科せられないことを考慮すべきではないでしょうか。

    自由に行動できないと辛いから自由を奪う。仮に監獄の環境を至福に感じる人がいて裁判で塀の外のほうが辛いと主張しても、一般人の刑を避けるための虚言と判別できないため裁く側は塀の中で服役させることになる。そして、一般的に自由より生命を奪われるほうがもっと辛い。

    自由刑の受刑者の自刹は自身でより過酷な剥奪を己に科した、とも言えます。一般的な感覚では、これは受刑者から剥奪した、制限した何かが受刑者に還った、とは考えないはずです。よって「受刑者自身による己からの何かの剥奪・制限の防止」は裁く側の責任の範囲外である、というのが私の考えです。

    さて本題の犯罪者の薬物改善の話ですが、薬で人格を変える話かと思ったら化学的去勢についてでした。それが治療に接近する、という筆者の見方には同意します。

    本章で触れていない薬物(や手術)で人格を変えることについて考えてみました。

    これも同様に、治療に接近する面もあると思います。

    しかし、技術が確立した場合でも、刑として(あるいは「刑の場で」。これは本書の事実上強制の話と繋げる意味合い)体内の組成を不可逆的に変えることで人格を変えるのは、(続

    むしろ裁く側による人格、精神の破壊ととらえるべきであり、人権の重大な侵害に連なる行為なので賛同できない、というのが今の私の考えです。

    とりあえずここまでです。 #問いかける法哲学

    第I部 自由 04 ダフ屋を規制すべきか #問いかける法哲学

    ええと、まず表1の分類がほとんど活用されていないのはどうしたものかと。というのも、「最も典型的であるB」(P61)に関してしか詳しく語ってないので、他(A~B,E)を否定しきれていないのに物足りなさを感じました。

    筆者曰く、「(略)概念的道具を、本節で網羅的に示してしまった(以下略)」(P68)とのことですが。

    「差別の諸基準の間に優劣はつけられない。」(P65)の箇所は、全てを納得させることは無理でも、あきらめきれる基準が多い方(これは事前にアンケートをとったり、とれなかったっ人の反応を調べることで判別する)を暫定的に採用することで公共の福祉に近づくことはできると思いました。

    それにしてもこの章は、筆者(注・本書は章によって筆者が異なる)の思いが強すぎると感じました。筆者が言うところの「(略)人々は自発的に醵金するようになるに違いない。」(P70)の話を肯定する人がどれだけいるか。そんな理想的な出来事はいくらなんでも起きないでしょう。(醵金:きょきん)

    そしてP71の最後から6行前の「なぜなら、」以降に筆者による「(政府が)法律や命令でダフ屋を規制すべきではない。」理由が書かれているのですが、それこそ筆者が否定している「理論活動を生活実践から切り離し」(P73)ている行為ではないかと思うのです。その理由に実例はあるのか、と。そして(続

    それは興行主や客の不満を解消する「公共の福祉」に対抗する理由としては相当弱いのではないか、と思いながら読んでました。なお、本書は2016年初版の本ですが、2019年にチケット不正転売禁止法 https://bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/ticket_resale_ban/index.html
    が施行されていて、上記の不満解消に一役買っているようです。

    ただ、執筆時の時点でも凶器準備集合罪は行為のみならす目的も構成要素に組み込まれていたり、薬物も営利目的のほうが罪が重かったりする https://keiji.home-one.jp/way/crime/yakubutsu.html
    ので、転売目的とそうでない場合(急に行けなくなったとき等)の詳しい議論ができたはずであり、(続
    keiji.home-one.jp
    刑事事件の弁護士なら逮捕・示談に強い法律事務所ホームワン

    (チケット不正転売禁止法制定前の)時期的に、他にも語るべき論点、反復性や収入によるダフ屋の定義や商売の自由の本質(の制限の可否)があったのに、その議論が無かったのは少し残念に思いました。総じてこの章は、焦点を一つに絞った結果、独りよがりな進め方の論になってしまったと感じてます。

    この章の始めのツイートが間違ってました。申し訳ありません。「他(A~B,E)」は正しくは「他(A,C~E)」です……
    引用ツイート

    第I部 自由 04 ダフ屋を規制すべきか #問いかける法哲学

    ええと、まず表1の分類がほとんど活用されていないのはどうしたものかと。というのも、「最も典型的であるB」(P61)に関してしか詳しく語ってないので、他(A~B,E)を否定しきれていないのに物足りなさを感じました。
    このスレッドを表示

    2022年6月5日
    第II部 平等 06 女性専用車両は男性差別か
    (05は後回しにします。)

    うーん、「合理性を問う」ということは、言い換えればこのような件では一貫性のある原理は無くケースバイケースで対処するしかないのかなあ、と思ったのでした。恣意的な判断になれば被害の程度と強制力が比例せず混乱する予感が。

    2022年6月14日
    第I部 自由 05 チンパンジーは監禁されない権利を持つか? #問いかける法哲学

    ようやくブログ書き終わりました。一つだけ書くなら、

    「我々人間はどんな理由や理屈であれ、権利を与えたいものに権利を与える」

    ということだと思います。
    http://momomoto.mond.jp/philosophyofla

    第II部 平等 07 同性間の婚姻を法的に認めるべきか? #問いかける法哲学

    国家が婚姻制度に絡む理由は書かれていたのですが、なぜ国家が一夫一妻制を選んだのか、には触れていなかったのであんまり参考にはなりませんでした。肝心なのはそこなのに。

    第II部 平等 08 相続制度は廃止すべきか? #問いかける法哲学

    正直関心が湧かないテーマ。P144の格差ではなく貧困をなくすべき、という点には同意。以上です。

    第II部 平等 09 児童手当は独身者差別か? #問いかける法哲学

    今、「善に対する正義の優位」を読んでいるけど少々わかりにくい。「個人のよき生に対する人権保障制度の優位」ならわかる。善=個人のよき生、正義=人権保障制度、と言い切れるものなのだろうか。重なる部分もはみ出す部分もありそうだ。

    消すかもしれないメモ
    善=個人のよき生:肉体を主体とした快楽原則?
    正義=人権保障制度:[主義の]思索……思考を主体とした快楽原則?

    どうも本章での「法哲学の業界用語」としての「善(good)」(人生に関わる価値、ある人にとっては合理的な人生計画をうまく遂行すること)がまだしっくりこない。自分のイメージでは、善とは他人に施しを与えることだから。これから3.2(P157)を読むけど、その意味にとらないよう気を付けないとなあ。

    2022年6月15日
    基本善か……(P166 注18) )この範囲も主観で色々変わりそうだ。これからも○○は基本善だ、とかいう主張も出て来るかも。

    2022年6月16日
    3.2は「正義の独立性」というより「人権保障制度の許容性」のほうがしっくりくるなあ。

    3.4の制約性はよくわからない。行動を制約するような社会制度には同意しないから社会制度が成り立たない。同意による社会制度があるのなら、それは優位(3.2、3.5)というより対等だと捉えるべきではないだろうか。

    P166の19)の最後の段落の「社会制度の正しさについて考慮することなく……」の箇所も、その「社会制度」は同意によって成り立っているのだから、「自分の人生」と価値観は同じはず。それが異なるものであり対立するかのように記述されているのは不自然に感じる。

    P159の3.5も変。結果の平等か前提の平等か、みたいな話だが、人々の生き方に異なる影響を与えることが許容されるのなら、社会制度の正当化が特定の夫婦間・家族間に肩入れする事態も考えられるので矛盾が生じる。

    3.5は
    ・影響の中立性の説明
    ・理由の中立性の説明
    ・「以上の説明から明らかなように,」
    と続くが、その「以上の説明」では影響の中立性が許容される可能性を否定しておらず、「理由の~」が「影響の~」より優れている記述も無いのであまりにも唐突に感じた。

    更に言うなら、「(略)社会制度の理由が中立でありささえすれば,その制度を許容される。」(P159)、つまり同意(の可能性)がある、とはこれだけでは判別できないはずで、あたかも結論を「許容される。」と断定されるとどうしても違和感が残る。

    2022年6月19日
    P162 4.2については、まず私は国家の安定が大元にあって、そのために次世代の育成も財政の安定も必要だと考えてます。よって、児童手当の効果が少ない高所得者への支援は不要だと思います。

    P163「(略)子どもを持つ生き方はよい生き方(以下略)」も「(略)児童手当に所得制限を課すべきではない。」も唐突に感じました。前者はそれこそ「次世代の育成は重要」で充分であり、後者は「財政の安定も必要(なので所得制限を課すべき)」のほうがしっくりきます。

    P166 21)いや、結果的には含意しているんですが。その分の課税をしていたら含意していない、と言える。制度の哲学によって制度の結果がが異なれば各世帯の行動もまた別になるので、当然ここは制度の結果も問われるべきでしょう。

    P163 5.1 高齢者の人口も提示せずに歪とか言われても。厳密に政策を考える内容ではないにしても、勢いで語られると用心せざるを得ない。

    P167 22)マル2。子供を産まない、育てない生き方を選んだ夫婦に税が課されない理由は?不妊カップルについても、それがなぜ「独身税のほうが適切」なのか、あまりにも結論が大雑把だ。

    P164 5.3 人生観の押しつけと負担の強要は私も反対ですが、「人間のあるべき姿」まで行かなくても好きな人と結ばれて子供も欲しい、ぐらいの理由でも子どもを産み育てていくものだと思います。この箇所は道徳的な考え方に固執している気がしました。

    P167 23)でも大抵親は他の者よりも子供から愛情なり手助けなりで享受しているはずなので、それは忘れないようにしないと。(軍事や治安維持などを思い浮かべながら)応分の負担が過度でなければ反対しません。

    やっと本章終わった……

    第II部 平等 10 年金は世代間の助け合いであるべきか? #問いかける法哲学
    感想を幾つか。まず、人間の内面を公平に数値化するのは無理で、力のある(=同調者が多い)見解を有する者が優勢になるだけなんじゃないかと思いました。

    「人生全体の満足」と「同時点区間説」も価値観の話で、支持者が多い価値観によってその共同体(国)の再分配の仕組みがつくられるということだと思います。

    私は最低限の生活ができる程度の分配をした上で、同時点区間説のほうに惹かれます。何より今困っている人を助けるのが福祉だと思いますので。

    第III部 法と国家 11 裁判員制度は廃止すべきか? #問いかける法哲学

    法哲学というより、実践にまつわる論点を取り上げているように感じました。これ以上は興味が持てないので書けません。以上です。

    2022年6月26日
    第III部 法と国家 13 悪法に従う義務はあるか? #問いかける法哲学

    12は後回しにします。13は、正義も道徳も法に従うのも従わないのも価値観のなせる業なので、そもそもこれは答えが一つになってまとめられる問題なのか、そこから疑問です。

    それと、「法に従う(遵法義務)」の枠組みに、法改正や法の廃止は定義上どう考えているのか、それをはじめに示したほうがわかりやすく議論が進められる、と思いました。

    P230からの5.1以降は、ちょっとそれは執筆者独自の定義っぽく感じました。「悪法を尊重しつつ是正する義務」は当初の問いからずれてきているのではないか。

    その後については、どんな理由があろうとも違法行為なら遵法義務に反しており、それがこの問題の前提だろう、というのが私の見方です。

    法に納得できないのなら、違法行為を行わなくても広く訴えて法を廃するなり改正するなりの方向にもっていけばいいと思うのですけどね。市民的不服従による違法行為は遵法義務に反していないなんて、贔屓の引き倒しに近いものを感じました。

    あと、P229の法の「整合性 fit」条件は、おそらく既存の法の正当化までは意味していないんだろうけど、実際にはそう捉えられる気がしました。

    第III部 法と国家 14 国家は廃止すべきか?

    あまり気乗りしないテーマ。民間に弱者の世話を任せることができるんだろうか。また、軍事作戦(戦闘)のみならず軍備(普段の備え)、外交といった国家級のビッグプロジェクトが民間だけでなせるのか、そこは疑問というか不安です。

    2022年7月3日
    第III部 法と国家 15 国際社会に法は存在するのか。#問いかける法哲学

    最後の章だけあって難しい。3.1のP258の下段、それなら近代国内社会における法ではない、と言い切っていいと思うのですが。あとP259の「国際法を実定道徳と見なす」の主体はオースティン?わかりづらい。

    P259の「しかし,法の内容は多様であり,」以下の例も命令として解釈できそうだし、慣習は(オースティンいうところの)法ではないだろうから、むしろ執筆者の見方に納得できない。

    P264の議論、多数の国家が遵守しているから正当化されている側面も幾分はあると思うので、内的視点を考慮されてないからといって切り捨てることはできないなあ。

    内的視点を採用すれば納得できる。→わかる。
    (納得の如何に関わらず)内的視点を採用していないから不完全。→わからぬ。

    P264の5以降の議論が苦手だ。国際法の擁護に思えてならない。国際法に対する概観史も、ハートやウォルドロンの心中も興味ない脇道だ。

    P268 やっぱり議論は事実に基づかないとね。同意。

    P269 分類を増やすしかないんじゃないかな。

    P269続き でも、国内法そのものに対する理解を進めるために国際法を法に含めるわけじゃないですよね(確認)。

    6.2以降は、国際社会における法の「考え方(方法)」を示したもので「考え」を示しているわけではない、と解釈しました。

    最後に一つ指摘するなら、P271の「道徳に関わる価値評価」は「道徳を含めた価値評価」のほうが私としてはしっくりきます。以上でこの章終わりです。

    12章書かないとなあ。
    ▼▼▼
    ツイートからの転載は以上です。12章こと「第III部 法と国家 12 女性議席を設けるべきか?」についてはこれから書きます。
     
     
    【宣伝です】趣味で作曲した作品の動画などをYoutubeで公開してます。チャンネル登録していただけたらありがたいです。ニコニコ動画もどうぞ。ピアプロでは先の2サイトでは公開していない曲が聴けます。

    今回はこの曲をどうぞ。


    「魂の和」 歌は、雷歌ヒビキさんと雷鳴カゲロウさんです。
     

     

    最初のほうにあるのが現時点での超おすすめブックスです。「明治・父・アメリカ」は星新一の小説です。

    ゾウの時間…は「ゾウの時間 ネズミの時間 ―サイズの生物学」です。

    天才数学者たち(略)は「天才数学者たちが挑んだ最大の難問―フェルマーの最終定理が解けるまで」です。「代替医療解剖」までの18冊が超おすすめです。

    先に紹介した他に、子供(小学校中~高学年程度)のうちにに読ませたい小説を三冊はさんでおきます。もちろん、大人にとっても十分読み応えのあるおすすめの本です。

    現時点で、その次に読んでおきたい本がこちらです。

    意外なことを決めつけるような記述に対して「本当かな?」と立ち止まる心を忘れないのなら(本当は、どんな本を読むにしてもわきまえておきたいことなのですが)、お勧めの本です。

    意外に軽い気分で読める本も紹介します。なかなか面白かったです。

    こちらも軽い気分で読める本です。面白かったです。

    その後の本も気が向いたら是非ご一読を!

    ・神話
    「図説 地図とあらすじでわかる!…」は風土記の本です。誤植には目をつむって欲しい……

    ・歴史
    この一冊で「戦国武将」(略)は「この一冊で『戦国武将』101人がわかる!―――戦国時代を読むものしり辞典」です。

    物語…は「物語 北欧の歴史」です。

    ・文化史・民俗史・宗教史

    ・政治

    ・外交

    ・憲法・法律

    ・人文・思想

    ・社会・経済

    ・自然科学

    ・芸術

    ・文学作品・小説など

    ・よりよい生活のために

    ここから音楽本特集です。ミュージック・マガジン…は「ミュージック・マガジン 11月増刊号 NU SENSATIONS 日本のオルタナティヴ・ロック 1978-1998」です。

    BAND…は吉田豪がバンドブームの時代のミュージシャンにインタビューした本「バンドライフ」です。その向かって右隣りの本も同じようなインタビュー本です。

    ここからは音楽を考えるための本を集めてみました。「創られた『日本の心』神話」は演歌について徹底的に調べ上げ、その実態を検討した本です。

    最後に、読んで面白かった漫画です。ちょっとマイナー志向?


  • 問いかける法哲学(瀧川裕英 編)第I部 自由 05 チンパンジーは監禁されない権利を持つか? 考察と感想

    ブックオフで中身チラ見して面白そうだったので買ったこの本、初めの01~04については少しずつツイッターでつぶやいていたのですが、表題の05については色々書き連ねていたら長くなったのでこちらに書くことにしました。

    本書「問いかける法哲学」(瀧川裕英 編、法律文化社、2016年初版)の、各章の執筆者は以下の通りです。

    第I部 自由
    01 ドーピングは禁止すべきか? 米村幸太郎
    02 自分の臓器を売ることは許されるべきか? 鈴木慎太郎
    03 犯罪者を薬物で改善してよいか? 若松良樹
    04 ダフ屋を規制すべきか? 登尾章
    05 チンパンジーは監禁されない権利を持つか? 野崎亜紀子

    第II部 平等
    06 女性専用車両は男性差別か? 松尾陽
    07 同性間の婚姻を法的に認めるべきか? 土井崇弘
    08 相続制度は廃止すべきか? 森村進
    09 児童手当は独身者差別か? 瀧川裕英
    10 年金は世代間の助け合いであるべきか? 吉良貴之

    第III部 法と国家
    11 裁判員制度は廃止すべきか? 関良徳
    12 女性議席を設けるべきか? 石山文彦
    13 悪法に従う義務はあるか? 横濱竜也
    14 国家は廃止すべきか? 住吉雅美
    15 国際社会に法は存在するか? 郭舜

    まず「権利」に関する私なりの考察を、次いで本章の感想を書くことにします。

    「権利とは何ぞや」と問われると、とどのつまりそれは「設定」なのではないかと考えています。みんなが幸せになるための、この世界の設定。要はそういうことだと思うのです。

    絶対王政なら王や側近の意見が重んじられたり、また法的な話ではなく商売、経済の話なら人数×経済力なんて式が浮かびます。しかし、民主主義の社会では多数の構成員の価値観が法に反映されます。よって、法によって定められ、また法の礎となる権利の概念についても、ある価値観について支持する人が多ければ多いほど、その価値観の影響を受けやすくなるといえるでしょう。

    (寄り道1)もっとも、経済的に弱い立場にある共同体はその価値観を他から批判された場合、不買運動など商取引への影響を恐れてその共同体に追従するように価値観の変更を迫られるかもしれません。その意味では経済力も価値観に基づく権利に間接的に影響を及ぼす要素になりえます。その意味では、軍事力も同様に価値観に影響を及ぼす事態が生じるかもしれません。結局は共同体の強弱も価値観や権利に関わる要素になりそうです。(寄り道1終わり)

    そして、このことは大多数が何か他のものに重大な価値を見出だし権利を与えるべきだということになったら、理屈はどうであれそれがたとえ椅子のような無機物であっても、そのようなものが権利を得ることを意味します。

    今は、動物などの人間以外のものには人間のような権利はありません。何故か。聞いてみた訳ではないのですが、大多数の人がどう考えているか、おおよその見当はつきます。

    まず、ある属性(本章の言葉の「意識を失い回復の見込みがない遷延性の意識障害者」がわかりやすいのですが、別に劣った属性でなくても同じように考えられます)の人間から権利を剥奪するのであれば、自分が人間である以上は事故とかでその属性を持つかもしれないので、自分の権利が奪われる可能性がある。となると、どんな人間にも権利を与えておく、言い換えれば権利を剥奪しないほうが保身に役立つというわけです。つまり、ある意味保険を掛けている、とも言えます。

    それとは別に、積極的な理由も考えられます。それは、人間を最も幸せにできるのが人間であるということです。確かな質と量の食料を生産して手の届くところまで運んだり、あるいは住まいやガス電気水道を使えるようにしているのは誰(何)か。ケガや病気になったときに、誰(何)が助けてくれるのか。どれも人の手が必要です。よって、自分自身を守るばかりではなく、より良い人生を送るためには他のものより人間に特権を与えたほうがいい。これは、実利を重視した当然の結論です。

    しかし、これらの働きは人間よりも優れた何か(AIロボットとか)に将来とって変わられるかもしれません。それなら、我々人間はその優れた何かに同等の権利を与えるのか……というと、おそらくそうはならないでしょう。そこにもう一つの考えられる理由が浮かびます。我々は誰(何)を愛するか、愛されたいか。大多数の人間が、そこに人間の存在を念頭に置いているはずです。

    つまり、我々人間は愛情、即ち本質的には好き嫌いに近い感情で権利の主体を決めている部分が大きい。ただ、これは逆に考えると、人間が「人間よりも優れた何か」や「椅子」を人間よりも、特に自分自身よりも強く愛するようになったら、それらに権利が与えられてもおかしくはないと私は考えています。

    更に付け加えるなら、何の役にも立たなかったり、むしろ人間に危害を加えるものであっても、上記のような理由で権利を与えるのを皆が良しとするならそれらにも権利が与えらえる。すぐには起きそうにないことですが、この先はもしかしたらそういうこともあるのかもしれない。

    まとめるなら、我々人間はどんな理由や理屈であれ、権利を与えたいものに権利を与える、ということだと思います。現状も、「『我々は、~への権利を認めるべき』という言い方で示されるような、あたかも人類全体を射程に入れた守るべき正義や道徳などの価値観がある」と仮定するよりも、「『は、~への権利を認める』という個々の意見の大多数が反映されている」のが実態なのではないでしょうか。

    そして、権利を与える「みんな」の範囲をどうするか、どこまで広げてどの程度まで権利を認めるか、ということを考えるための材料を提供しているのが本章だと言えます。「種族(人間、人間の社会)」と「能力」のどちらを優先させるか、が最大の対立軸となっています。

    (寄り道2)ここで他の本を一冊紹介します。「脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき」(毛内拡 著、2020年初版、講談社ブルーバックス)はタイトルの通り脳についての本なのですが、実験にネズミを使う際にネズミにどのようなことをしているかが詳細に書かれているだけでなく、今、実験のためにどのように動物に接しているか、それについての読者に対する語り口まで含めて、この問題に関心のある方にはヒントになるところもあるのではないかと思いました。(寄り道2終わり)

    動物については、無益な殺生には嫌悪感を抱くが有益な用途に使う分には躊躇しない、ただ、絶滅が危惧されるような種については手を出さない、と考える人が大多数だと思います。ただし無益や有益の幅の感覚、本章でいうところの「動物の福祉」の考え方や「虐待を含む動物への不当な扱い」については個人や集団の間に差異が生じるので、その幅を可能な限り尊重して折り合いをつけるのが各個人・集団の価値観の保護や精神的満足度、つまり最大多数の最大幸福に繋がると思うのです。

    ここで考えておきたいのが正義や道徳などの根幹となる「善」という概念についてです。他の事柄にも当てはまる場合があると思いますが、本章の問題については、善とは自分の価値観を周りに近づけること(これは、周りを説得してその価値観を自分に近づけることを否定しない)であり、それ以上の意味合いは無いのではないかと考えてます。

    ここで、その過程で自分と周囲との関係に焦点をあててみると、周囲の意識や思考力によって価値観が左右されることは当然あると思います。自分と反対の価値観を持つ者に苦手意識を抱く。あるいは、その者が自分より優れた存在だと思い込んだ時点で思考を止めてしまう。自分の考えを言葉にまとめることに慣れてなかったり、仕事や家事その他でじっくり考える時間がとれなかったりして、声高に強固に主張する個人や集団に引きずられる。自分と逆の意見がマスコミで大きく取り上げられると、自分の考えを広く伝える機会や能力のなさと対比してしまい、特に利害が絡まなかったり、思い入れの少ない対象に関しては深く考えることなくその反対の価値観を新しいルールとして受け入れてしまう。対人関係や、場合によっては収入への悪影響を危惧して意見を発信することに躊躇し、結果として意にそぐわない考えばかりが溢れる……これらはいずれも各要素の強弱の反映にすぎません。自分の意に反した意見を見かけたり、特にそのような意見が蔓延(はびこ)っているように感じたときは、その意見を採用することで本当に社会が良くなるのか、その考えは綿密な調査や思考に裏打ちされていないのではないか、という疑念は心底納得したのでなければ残しておいてほしいものです。

    ここで言いたいことは大体書き終えたのですが、一つ気になる言い回しがあったので紹介します。「種族主義 speciesism」という言葉で、本章では以下の斜体のように紹介されています(あくまでも「紹介」であり、執筆者の主張ではないので注意)。下記の「基準」は創造物として下等か高等かの、ひいては権利を優先させるべきかどうかの基準という意味です。

    (『問いかける法哲学』 P81-82)
      本来、能力の有無を基準にする考え方に基づくならば,答えはそのとおり,彼/彼女らはチンパンジーよりも「下等な創造物」なのであり,したがって彼/彼女らよりもチンパンジーのほうが道徳的配慮は優先されるべきである。もしそれはおかしい,彼/彼女らは仮に能力がないとしてもなお,チンパンジーよりも道徳的に手厚い配慮対象となるべきだ,と主張するのであればそれは能力の有無ではなく,彼/彼女らが,人間だから●●●●●という理由で,道徳的配慮がより手厚くなされるべきだというのであり,チンパンジーは,人間ではない動物だから●●●●●●●●●●●という理由で道徳的配慮の対象とはならない,と考えているからである。それは,かつて人間と奴隷とを分けていたのと同様に,白人と黒人とを分けていたのと同様に,あるいはまた男性と女性とを分けていたのと同様に,人種差別や性差別といった考え方と同根の「種族主義 speciesism」に基づいているのだ。
      以上の見解をふまえて、(以下略)

    普通「差別」という言葉は人間に対してしか使わないので、上記は「人間もチンパンジーも同等である」という見方を示しているのにすぎません。 私は、人間とチンパンジーや他の動物、生物とは同等ではない、という見方です。もちろんこれも正義や道徳といった、こう考える「べき」といった言い方で語られるものではなく、こういう考え方が好みに過ぎないという話ですが、社会について考える上で一つ理屈を付け加えておきます。

    なぜ同等でないのか。種族主義という言葉を使う以上は、まず人間という種、チンパンジーという種、ゴリラ、ネコ、イワシ……という風に、種族ごとに区切りをつけて考えるべきでしょう。そして、人間と人間ではないある種の生物Aは同等の仲間だ、と考える人たちがいたとします。その場合、人間とAとは本当に同等だ、とその人たちが考えることができるのに対して、人間ではない生物Aは、自分たちAという種と人間が同等の仲間だ、と認識できるだけの知性はありません。よって、人間という種は総体として人間(と人間以外の種)を助けることができますが、人間ではないある種の生物の総体がその種以外の種を同等の仲間として助けるようなことは考えられません。我々はより幸福になるべく社会を構築してきて、そしてその社会が存在する上で権利を持っているのです。よって、人間を同等の存在として助けることができず、義務の概念を理解することもない、つまり共に社会を構築することのない種の総体に権利を付与するのは過剰な保護だと感じています。なお、能力的に人間を助けられない人間の総体に対しては、先に述べたように自分もそうなったときの保身・保険の意味合いや人類が人類に対して愛情を抱いている面からも、より良い世の中を作り上げ、各人の幸福を満たすためには同等の権利があるべきだと考えています。

    (かなりの寄り道3)もっとも、将来科学が発達して、人間もチンパンジーやゴリラやネコやイワシになれるかもしれない(それらの動物のような思考しかできなくなった状態。元には戻れるものとする)。ここで、「動物になった元人間」を仲間とみなすか否か、という問題が出てきます。この状況下では、自発的に動物になるのではなく、無理やり動物にさせられることもありえます。これをある種の長期の意識障害と考えるのが妥当か、あるいは元人間の動物に対して人間と同じように心情を寄せるようになるか……動物(生来の動物を含む)と人間との心理的な距離が近くなり、人間に対する扱いと同じようになってくるのではないか、そんな感覚があります。この場合、動物を愛する人にとっては「元人間の動物を生来の動物と同様に扱うか」という問題も生じることでしょう。または、動物の中の元人間の動物の割合によって反応や態度、権利の程度が変わってくる、そんな気もします。そんな状況を利用した、動物を愛するが故に自ら動物になって紛れ込む人も出てきそうです。そして、元に戻る気がない場合(動物になる際にそのように宣言していた場合)は自殺、戻れなくなった場合は事故による死とみなせるか……そんな世の中が来そうなときに考えればいいにせよ、この本章の話題について考えるヒントは色々あると思いました。(かなりの寄り道3終わり)

    最後に、この「チンパンジーに権利を与える」ことについて、少し別の角度から捉えてみたいと思います。人間以外の何かに権利を与えることによって我々の自由度は狭まる、言い換えれば制約、規律が増えることになります。もしかしたら制約や規律を守ることで自分の信じる価値観への帰属意識が高まり満足度が高くなる、制約や規律が増えたり厳しかったりするほど、己を律しそれらを遵守することで自尊心が高まり、ある種の快感(満足度)を得る脳の働きがあるのではないか……そんなことも考えてます。

    そして、そんな自尊心の高い人たちは、その自尊心の反作用的に、それらの制約や規律から無縁で遵守しない人々を見下すような言動をしているのかもしれない。そして、見下された側は悪くもないのにそれだけで心が凹んでしまうものなのかもしれない。ただ、誰かから制約や規律を押し付けられそうになったとき、それに従うか抗うかを決するのは、やはり強いか弱いかだと思うのです。結局は。こう書いていても辛くなるのですが。どこまでやればいいのだろう、と。普段、物事をどれだけ考えているか、考えを上手く表現できるか、信頼を勝ち得ているか、人気があるか……などなど。それが集団ごと、国ごとの話であれば、個人で対処するのは難しいにせよ、経済的にも、もしかしたら軍事的にも弱いよりは強いほうが不利な状況になりにくいのだろう、ぐらいのことはいえると思います。要は自分の好きな価値観を、ある意味そんな世界を守れるか守れないかは日々の努力と成果の帰結であり、守るためにはできるだけ多くのことを考えられるだけ考えて生きていくしかないのだろうな、と身に染みて感じているところです。

    今後も本書を読んで思いついたことを書いていく予定です。ツイッターかブログかはその時次第で決めます。世の中について考えてみることも結構やりがいがあるものなので、当記事が皆様にとっても考えるためのいい切っ掛けになれば有難く思います。
     
     
    【宣伝です】趣味で作曲した作品の動画などをYoutubeで公開してます。チャンネル登録していただけたらありがたいです。ニコニコ動画もどうぞ。ピアプロでは先の2サイトでは公開していない曲が聴けます。

    今回はこの曲をどうぞ。


    「星の夜のたからもの」 歌は、初音ミクさんです。
     

     

    最初のほうにあるのが現時点での超おすすめブックスです。「明治・父・アメリカ」は星新一の小説です。

    ゾウの時間…は「ゾウの時間 ネズミの時間 ―サイズの生物学」です。

    天才数学者たち(略)は「天才数学者たちが挑んだ最大の難問―フェルマーの最終定理が解けるまで」です。「代替医療解剖」までの18冊が超おすすめです。

    先に紹介した他に、子供(小学校中~高学年程度)のうちにに読ませたい小説を三冊はさんでおきます。もちろん、大人にとっても十分読み応えのあるおすすめの本です。

    現時点で、その次に読んでおきたい本がこちらです。

    意外なことを決めつけるような記述に対して「本当かな?」と立ち止まる心を忘れないのなら(本当は、どんな本を読むにしてもわきまえておきたいことなのですが)、お勧めの本です。

    意外に軽い気分で読める本も紹介します。なかなか面白かったです。

    こちらも軽い気分で読める本です。面白かったです。

    その後の本も気が向いたら是非ご一読を!

    ・神話
    「図説 地図とあらすじでわかる!…」は風土記の本です。誤植には目をつむって欲しい……

    ・歴史
    この一冊で「戦国武将」(略)は「この一冊で『戦国武将』101人がわかる!―――戦国時代を読むものしり辞典」です。

    物語…は「物語 北欧の歴史」です。

    ・文化史・民俗史・宗教史

    ・政治

    ・外交

    ・憲法・法律

    ・人文・思想

    ・社会・経済

    ・自然科学

    ・芸術

    ・文学作品・小説など

    ・よりよい生活のために

    ここから音楽本特集です。ミュージック・マガジン…は「ミュージック・マガジン 11月増刊号 NU SENSATIONS 日本のオルタナティヴ・ロック 1978-1998」です。

    BAND…は吉田豪がバンドブームの時代のミュージシャンにインタビューした本「バンドライフ」です。その向かって右隣りの本も同じようなインタビュー本です。

    ここからは音楽を考えるための本を集めてみました。「創られた『日本の心』神話」は演歌について徹底的に調べ上げ、その実態を検討した本です。

    最後に、読んで面白かった漫画です。ちょっとマイナー志向?


  • ドイツ名詩選(生野幸吉・檜山哲彦編・岩波文庫)感想とメモ

    この本、当初はハズレかと思ってました。最初にキリスト教ではなくギリシア神話を主題としたものが幾つか出てきたときは「おっ」と思ったのですが、大仰(おおぎょう)な語り口がどうも自分の感性とは合わず、この調子まで最後まで続くのだろうかと考えてました。

     
    読み進めていくうちにわかってきたのですが、最初のほうが昔の詩で、次第に後の時代の作品になっていく構成になってます。日本人が知っていそうな名前を挙げると、まずゲーテ、シラーが出てきて、やがてハイネが現れて、ニーチェが一作だけ出てきて、リルケの詩が並び……という感じです。ニーチェについては当初違和感がありました。ニーチェは思想家であって詩人としてはどうなんだろう、と。日本でいうところの折口信夫(釈迢空)のようなものなのだろうか。それが、後の解説を読んでみると「(略)表現であれ思想であれ、近い時代の者たちはいずれニーチェの影響を受けないではいなかった。」(P348)なんて書いてあって、またここでおお、と思ったわけです。ニーチェの詩が本書に載っているのは必然である、と。

    そう、この解説がすごく良かったのです。ドイツにおける詩の歴史なのですが、クロプシュトックやゲーテに始まる本書に掲載されている詩人の作品の評価や意義がきちんと書かれていて、次に読むときはこの解説と照らし合わせて読もうと思っています。本は後ろから読め、あとがきから読めなんて意見をときたま見かけるのですが、本書は正にその言に合った書だといえます(あとがきではなく解説ですが)。

    そして、長かったドイツの詩の古典を抜けた233ページ以降からは「現代詩」の感触が色濃くなり、やっと作品に心になじむようになってきます。詩集として確かにこの本はハズレではなかったと感じられるひととき。もちろん買って良かったといえます。特に良かったのがツェランの「死のフーガ」で、言葉の凄さを感じました。
     
     
    以下は自分用のメモです。私がいいな、と感じた作品を書いておきます。

    P139 シレジアの織工 ハイネ
    P161 もはや相見ることはなく ヘッベル
    P189 わがひそかなる歌 ラスカー=シューラー
    P233 ばらよ、きよらかな矛盾 リルケ
    P235 定義 クラウス
    P273 偉大なるバールの賛歌(抄) ブレヒト
    P285 都会人のための夜の処方箋 ケストナー
    P299 つねに名付けること ボブロフスキー
    P301 死のフーガ ツェラン
    P325 洪水 グラス
    P333 金魚 メッケル

    この詩集も、数年後に再読したら自分の受け取り方も変わっているものなのだろうか……そう考えてます。
     
     
    【宣伝です】趣味で作曲した作品の動画などをYoutubeで公開してます。
    チャンネル登録していただけたらありがたいです。ニコニコ動画もどうぞ。

    今回はこの曲をどうぞ。


    「リボン」 歌は、朱音イナリさんです。
     

     

    ドイツ関係の本を少し集めてみました。思い立ったらすぐ買うが吉(^_^)。

    「アドルフに告ぐ」(手塚治虫)は全巻セットです。


  • 論文等を調べるためのリンク集(特に日本神話の)

    日本神話の論文を調べるのに便利なサイトをまとめました。一般の論文を調べるのにもある程度使えると思います。

    ●論文

    ・日本語

    CiNii ArticlesCiNii Articles “日本神話” (出版年:新しい順)

    CiNii DissertationsCiNii Dissertations “日本神話” (学位授与年:新しい順)

    J-STAGEJ-STAGE “日本神話” (発行日 新着順)

    IRDBIRDB “日本神話” (日付 新しい順)

    Google ScholarGoogle Scholar “日本神話”

    国文学研究資料館 国文学目録データベース国文学目録データベース 検索画面

    国文学研究資料館 図書・雑誌総合目録(OPAC)図書・雑誌総合目録(OPAC) “日本神話” (出版年 降順)

    国立国会図書館オンライン国立国会図書館オンライン “日本神話” (出版年:新しい順)

    国立国会図書館サーチ国立国会図書館サーチ “日本神話” (新しい順)

    国立国会図書館 リサーチ・ナビリサーチ・ナビ “日本神話”

    京都大学蔵書検索京都大学蔵書検索 論文検索 “日本神話” (日付 新しい順)

    ・英語

    DOAJDOAJ Articles “Japanese mythology” (Most recent first)
     
     
    ●本・書籍

    Webcat PlusWebcat Plus “日本神話” (出版年 新しい順)

    カーリルカーリル “日本神話”
     
     
    ●いつか役に立ちそうなリンク集

    国文学研究資料館

    京都大学 学際融合教育研究推進センター 研究活動に役立つサイトまとめ

    福岡女子大学附属図書館 (2) 情報の種類別に探す《オンライン情報検索》

    奈良女子大学学術情報センター
     
     
    【宣伝です】趣味で作曲した作品の動画などをYoutubeで公開してます。チャンネル登録していただけたらありがたいです。ニコニコ動画もどうぞ。ピアプロでは先の2サイトでは公開していない曲が聴けます。

    現時点での最新曲です。


    「世界迷路とおもちゃ箱」 歌は、闇音レンリさんです。
     

     

    最初のほうにあるのが現時点での超おすすめブックスです。「明治・父・アメリカ」は星新一の小説です。

    ゾウの時間…は「ゾウの時間 ネズミの時間 ―サイズの生物学」、天才数学者たち(略)は「天才数学者たちが挑んだ最大の難問―フェルマーの最終定理が解けるまで」です。

    「人間はどこまで耐えられるのか」までの17冊が超おすすめです。

    先に紹介した他に、子供(小学校中~高学年程度)のうちにに読ませたい小説を三冊はさんでおきます。もちろん、大人にとっても十分読み応えのあるおすすめの本です。

    現時点で、その次に読んでおきたい本がこちらです。

    意外なことを決めつけるような記述に対して「本当かな?」と立ち止まる心を忘れないのなら(本当は、どんな本を読むにしてもわきまえておきたいことなのですが)、お勧め……かな。

    意外に軽い気分で読める本も紹介します。なかなか面白かったです。

    こちらも軽い気分で読める本です。面白かったです。

    その後の本も気が向いたらご一読を。

    「国語入試問題必勝法」は受験参考書の類ではなく清水義範の面白い小説です。

    この一冊で「戦国武将」(略)は「この一冊で『戦国武将』101人がわかる!―――戦国時代を読むものしり辞典」です。

    物語…は「物語 北欧の歴史」です。

    「図説 地図とあらすじでわかる!…」は風土記の本。誤植には目をつむって欲しい……

    ここから音楽本特集です。ミュージック・マガジン…は「ミュージック・マガジン 11月増刊号 NU SENSATIONS 日本のオルタナティヴ・ロック 1978-1998」です。

    BAND…は吉田豪がバンドブームの時代のミュージシャンにインタビューした本「バンドライフ」です。その向かって右隣りの本も同じようなインタビュー本です。

    「創られた『日本の心』神話」は演歌について徹底的に調べ上げ、その実態を検討した本です。


  • 新型コロナ非常事態それから日記068

    この日記の第一回はこちらから。

    前回の日記の終わりから4か月ほど過ぎた。新型コロナウイルス感染症の重症者数は秋頃は5500人程度だったが、数週間前から膨れ上がり今や2万2000人を超えた。昨日の死者は30人を超え、累積では2300人を超えた。仮に一日20人死者が出たなら一か月でおよそ600人になる。そんなことを考えている。

    今年の冬はラニーニャ現象で少し寒くなるようだ。夏もあまり暑くなかった。7月は曇りの日や雨の日がかなり多かった。気温が上がれば、また幾分ましになる問題なのだろうか。

    今の生活自体は、みんな外ではマスクをしていること以外はコロナ以前にかなり近づいてきたような気がする。列車内の人が多くなり、朝はタブレットの操作とかが少しし辛いぐらいだ。駅を降りて会社に向かう途中の広い道路は車が普通によく走っている。昼、例の行きつけのカフェに行くと時間によっては隣の人との距離が保てないほど人の入りが多くなった。帰りの電車は、場所を選べば人が少ない車両に乗れる。マスクが十分に行きわたるようになり、不足している物資は食べ物を含めてないはずだ。強いて言うなら、コミックス「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の最終巻のフィギュア付きのやつがネットオークションで高値で売られているぐらいか。

    何かしら収束するきっかけがほしい。ワクチンの話題が以前よりちょくちょく上がるようになった。東京オリンピックは中止の報せはまだない。今は笑っていたり気丈にふるまっている人も、この問題についてはただただ沈鬱なのだろう。

    この世の中、一足飛びに物事が良くなることはない。ただただ、地味な行為の積み重ねがあるだけで、要はそれが結果だ。人を惑わす声はこれからもあちこちから聞こえてくるだろうが、いちいち振り回されるのは御免だ。自分は、時間も気力もあまりにも少ないが、結局自分のやれることをやるだけなのだろう。
     
     
    【宣伝です】趣味で作曲した作品の動画などをYoutubeで公開してます。チャンネル登録していただけたらありがたいです。ニコニコ動画もどうぞ。ピアプロでは先の2サイトでは公開していない曲が聴けます。

    新しい動画をつくりました。


    「星の夜のたからもの」 歌は、初音ミクさんです。
     

     

    最初のほうにあるのが現時点での超おすすめブックスです。「明治・父・アメリカ」は星新一の小説です。

    ゾウの時間…は「ゾウの時間 ネズミの時間 ―サイズの生物学」、天才数学者たち(略)は「天才数学者たちが挑んだ最大の難問―フェルマーの最終定理が解けるまで」です。

    「人間はどこまで耐えられるのか」までの16冊が超おすすめです。

    先に紹介した他に、子供(小学校中~高学年程度)のうちにに読ませたい小説を三冊はさんでおきます。もちろん、大人にとっても十分読み応えのあるおすすめの本です。

    現時点で、その次に読んでおきたい本がこちらです。

    意外なことを決めつけるような記述に対して「本当かな?」と立ち止まる心を忘れないのなら(本当は、どんな本を読むにしてもわきまえておきたいことなのですが)、お勧め……かな。

    意外に軽い気分で読める本も紹介します。なかなか面白かったです。

    こちらも軽い気分で読める本です。面白かったです。

    その後の本も気が向いたらご一読を。

    「国語入試問題必勝法」は受験参考書の類ではなく清水義範の面白い小説です。

    この一冊で「戦国武将」(略)は「この一冊で『戦国武将』101人がわかる!―――戦国時代を読むものしり辞典」です。

    物語…は「物語 北欧の歴史」です。

    「図説 地図とあらすじでわかる!…」は風土記の本。誤植には目をつむって欲しい……

    ここから音楽本特集です。ミュージック・マガジン…は「ミュージック・マガジン 11月増刊号 NU SENSATIONS 日本のオルタナティヴ・ロック 1978-1998」です。

    BAND…は吉田豪がバンドブームの時代のミュージシャンにインタビューした本「バンドライフ」です。その向かって右隣りの本も同じようなインタビュー本です。

    「創られた『日本の心』神話」は演歌について徹底的に調べ上げ、その実態を検討した本です。